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MCU第2章の幕開け「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、アントマンシリーズ3作目にして、MCU31番目の作品にして、MCUフェーズ5第1作となる『アントマン&ワスプ:クアントマニア』ですよー!

公開初日の今日、さっそく劇場で観てきました!

というわけで、今回はMCU最新作であり、まだ公開したばかりでもあるので、出来る限りネタバレしないように気をつけますが、ほんの少しのネタバレも嫌!って人は先に映画を観てから、この感想を読んで下さい。

いいですね?注意しましたよ?

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

マーベルのキャラクター・アントマンを実写映画化した『アントマン』シリーズの第3弾。体長1.5センチになれる特殊なスーツを身に着けた主人公が、量子世界に引きずり込まれてしまう。ポール・ラッドエヴァンジェリン・リリーマイケル・ダグラスらキャスト陣、監督のペイトン・リード、製作のケヴィン・ファイギも続投。ミシェル・ファイファー、ジョナサン・メジャース、キャスリン・ニュートンビル・マーレイらもキャストに名を連ねる。(シネマトゥディより引用)

感想

アントマンとは

アントマンMCUヒーローの一人でアベンジャーズメンバーでもあります。

MCU初登場は2015年。フェーズ2最終作としていきなり単独作品で初登場するわけですが、最初「アントマン」という名前を聞いた時は「おいおいアリってなんだよw」と、正直まったくテンションが上がらなかったというか、ぶっちゃけそれまでのアイアンマンやハルク、キャップやソーなどのヒーローと比べてあまりにも異色なヒーローだったんですよね。

でも、いざ観てみたらこれがメッチャ面白い
そもそも主人公が負け犬のコソ泥っていうところからビックリですが、アントマン最大の特徴。スーツを使って体の大きさを変えられるという能力、特に体を小さくしたアントマンの目で見る世界を映像を通して見る新鮮な面白さや、丁度他のMCU作品の内容が重くなり始めていた頃に、コメディチックな作品の軽やかさも相まってメッチャ面白かったんですよね。

そんなアントマンことスコット・ラングは、その後のMCU作品の節目で重要な役割を果たすキャラクターになっていて、「アベンジャーズ・エンドゲーム」でアベンジャーズが一度は敗れたサノスとの戦いで逆転勝利を収めるキッカケを作ったのも、彼だったんですよね。

そして、MCUフェーズ5第1作となる本作「アントマン&ワスプ:クアントマニア」では、おそらく今後のマルチバースサーガを通して、サノス以上のラスボスとなるであろうヴィラン・征服者カーンと闘うことになるんですね。

量子世界を舞台に

そんな本作のストーリーをざっくり説明すると、サノスとの戦いに勝利した後、平和を謳歌していたスコット・ラングポール・ラッド)。
そんな彼の悩みのタネは正義感の強さゆえに暴走しがちな娘キャシー(キャスリン・ニュートン)。彼女はハンク・ピムマイケル・ダグラス)、ホープエヴァンジェリン・リリー)の協力を得ながら今後の脅威に備えて量子世界の全容を把握するべく、量子世界と実世界を信号で繋ぐ人工衛星を開発。
家族にお披露目するも、その信号を量子世界にいる恐るべき敵、征服者カーン(ジョナサン・メジャース)に発見され、家族もろとも量子世界に吸い込まれてしまい――というストーリー。

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量子世界は、アントマン3部作すべてに関わる世界で、乱暴に言うならミクロのその先にある世界なんですね。

初代ワスプのジャネット・ヴァン・ダインミシェル・ファイファー)がソ連の核ミサイルを止めるため、体を縮小させすぎたことで、30年量子世界に閉じ込められたり、そんなジャネットを救いにスコットが量子世界に行ったその時、サノスの指パッチンで妻ホープと義父ハンクが消えてしまい、5年間量子世界に閉じ込められたり、それがきっかけで「エンドゲーム」でタイムマシンを開発することが出来たりするんですが、本作ではついに、量子世界そのものが物語の舞台に。

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予告編でも登場しますが、量子世界には独自に進化した生態系と文明があって、普通の人間タイプだけでなく、頭がライトのライト人間やブロッコリー人間、グミっぽいのや、ビル・マーレイが住んでいるわけですが、その多種多様なキャラクターや量子世界、その世界を支配する征服者カーンと反乱軍の戦いなどは、ルックも込みでスター・ウォーズっぽさもあり、かなりワクワクしましたねー。

征服者カーンとモードック

そんな本作のヴィランとして登場するのが、征服者カーンとM.O.D.O.K.(モードック)

どちらもマーベルコミックでは大人気のヴィランあり、特に征服者カーンはマーベル世界においては最強ヴィランの一人です。

実はこの実写版カーンは本作が初登場ではなく、フェーズ4のMCUドラマ「ロキ」にも、“在り続ける者”というキャラクターとして登場。名前は違いますが同一人物で、どちらもジョナサン・メジャースが演じています。

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ただ、原作コミックでのカーンは非常に設定のややこしいキャラクター。

過去・現在・未来、あらゆるタイムライン、ユニバースに存在し、その全てを行き来でき、タイムラインを移動するたびに(並行宇宙とともに)増えていき、1人倒してもすぐ次のカーンが現れるので、実質倒すことが不可能なのだとか。

もっと平たく言えば、超未来から超化学で作った、超凄い武器を持ってタイムマシンでやってきた超ヤヴァイやつで、その超凄い武器と交渉力でその世界の住人を支配するのが特徴らしいです。

で、もう一人のヴィラン、M.O.D.O.K.(モードック)も、原作では人気のヴィランらしいんですが、実写作品では今回が初登場。マーベル世界のヴィランとしては、こちらもかなり強いらしいんですが、なんせ巨大な頭に小さな手足といういかにもマンガっぽい見た目なので、実写では中々登場させられなかったみたいです。

しかし、本作の多種多様な生物がいる量子世界ならイケる――、ということで、ついにMCU初登場となったんですね。

ファミリー映画

そんなアントマンシリーズに通底するテーマの一つが「家族」

本作では、初代アントマンであるハンク・ピムと初代ワスプの妻ジャネット、そして二代目ワスプで娘のホープと二代目アントマンで婿養子のスコット、そしてスコットの愛娘キャシーと、ついに親子三代勢ぞろいで強敵カーンに挑む事になります。

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過去・現在・未来、全てのユニバース(世界)を支配するカーンに、家族という最小単位のコミュニティーで挑むというある種の対比構造にもなっているのが面白いところだったりするし、アントマン=最小ヒーローというキャラ設定にもかかっているのかなと思ったりしました。

MCU第二章の幕開け

本作では、アベンジャーズとして世界を救ったスコットの自伝に書かれている「小さな者を見逃さない」という一文が度々引用されます。

これはもちろん、アントマンが最小のヒーローであることにかけているわけですが、同時に本作の大事なテーマにもなっています。

原作では初代アントマンとして活躍したハンク・ピム。
しかし彼もまた、カーン同様非常にややこしいキャラクターで、アントマンとして活躍した期間はごくわずか。すぐに「アリとか超ダサくね?」となって、今度は大きくなってジャイアントマンというヒーローにジョブチェンジ、さらにゴライアスと名前を変え、実験中の事故により統合失調症になって逆の人格を持つイエロージャケットになるなどなど、とにかくキャラ変が多いんですね。

で、アントマンって、アリの様に小さくなれるから―と誤解している人も多いかもですが、実はそうではなく、アリと会話・協力できるからアントマンなのだそう。

MCU版では、2代目のスコットがフューチャーされてて、ハンクはサポーター枠というか、面白おじさん枠として登場していたんですが、本作のクライマックスではしっかり初代”アントマン”としての活躍を見せてくれたんですね。

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僕もみんなのピンチにハンクが颯爽と登場したあのシーンでは、ぶち上ってしまいましたよ!

そして、量子世界というミクロよりも小さな世界で、アントマン&ワスプ&キャシー家族と、量子世界の住人達が協力し、あらゆるユニバースを支配する強大な敵・征服者カーンと対決するという展開は、いわゆる大国のエゴや傲慢さに苦しめられる小国という現在の世界情勢、特に最近で言えばロシアとウクライナの戦争を思い起こさずにはいられません。

もちろん、現実世界のあれやこれは一回脇に置いたとしても、本作のストーリーは普遍的で誰もが楽しめるようになっているし、なんなら今までMCU作品を見たことがない人でも本作から楽しめるのではないかと。それで面白かったら遡って過去作品を観るのもアリだと思いました。

サノスを倒すという物語の道筋がハッキリ見えていたから楽しかったフェーズ3までと比べ、どこに向かおうとしているのか道筋が見えなかったことからモヤモヤも多かったフェーズ4でしたが、フェイズ5第一弾として倒すべき敵の姿が見えたことで、今後の道筋がハッキリした本作は、まさにMCU第2章の幕開けとなる作品になったと言っても過言ではないと思いましたねー!

興味のある方は是非!!