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チープさを楽しめる人向き「KKKをぶっ飛ばせ!」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、人食いKKKvs黒人姉弟のリベンジホラー『KKKをぶっ飛ばせ!』ですよ。

イギリスの制作会社が制作した低予算B級映画です。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

カニバル・レザーフェイス』などのチャーリー・スティーズがメガホンを取ったバイオレンスホラー。白人至上主義秘密結社KKKに兄を食べられた姉弟が、彼らにリベンジしようと立ち上がる。『ハングリー/湖畔の謝肉祭』などに携わってきたチャーリー・マクドゥーガル、ジェイミー・マクロード・ロスが製作を担当。ディオンドル・ティーグル、フェイス・モニーク、トラヴィス・カットナー、スコット・スカーロックらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

監督の自己資金で制作された超過激?な映画

本作の監督チャーリー・スティーズはまだ29歳ながら、自身の製作会社ダーク・テンプル・モーション・ピクチャーズで「ブラッドムーン」「カニバル・レザーフェイス」など6作品を手掛けた、イギリスインディペンデント界の新鋭です。

以前から70年代のグラインドハウスエクスプロイテーションスタイルの映画を撮ってみたいと思っていたところ、ベトナム帰りの黒人とKKKの戦いを描いた『Brotherhood of Death』という映画に出会い本作の発想を得たとのこと。

しかし、あまりに過激な内容に出資者が集まらず、監督が自己資金で制作。
撮影は危険を顧みず全編KKK発祥の地、アメリカのテネシー州で行われたそうですよ。

ざっくりあらすじ紹介

そんな本作がどんな内容かざっくりご紹介すると、

無実の罪で投獄されていたブランドンは刑務所を脱獄。
姉のアンジェラ、兄のクラレンスの協力を得て郊外の廃牧場に潜伏します。

ところが、この牧場一帯は白人至上主義団体KKKクー・クラックス・クラン)の中でも、黒人を捕まえて食べるのが趣味という異常な一派の拠点だったからさぁ大変。

兄のクラレンスを殺されながらも、暴行されていたアンジェラを何とか助けだしたブランドは姉弟で反撃に転じる――という物語。

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画像出展元URL:http://eiga.com

映画のルックは一応、1970年代のブラックスプロイテーション映画を意識した作りになってるんですが、とはいえかなりの低予算映画なのでグロ描写などはかなりチープだし、登場人物も少なくかなりお安い作り。
まぁ、そもそもKKKが黒人を食べるっていう設定からして突飛だし、その手のB級バカ映画を「そういうもの」と分かって楽しめる好き者の映画ファン以外は、結構観るのは辛いかもしれません。

確信犯

さらに脚本や演出もユルユルで、例えば冒頭3人はそれぞれ牧場に隠しておいた銃を持っていたのに、KKKに襲われたときは何故かドラム缶に隠しちゃってたから抵抗出来なかったとか、KKKの偵察隊らしき奴らが、ブランドたちに仲間が殺されている様子を双眼鏡で見てリーダーに報告。ブランドンたちが銃を持っているのを知ってるハズなのに、正面から普通に乗り込んできて案の定撃たれて死んじゃうとか。

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画像出展元URL:http://eiga.com

あと、ブランドンが捕まえた男の傷口に指を突っ込んで腸を引きずり出して食わせるという描写や、アンジェラが自分をレイプした男の股間から玉を引きずり出すなど、グロ描写は多いけど、役者のリアクションがですね。ぎゃーと悲鳴は上げるけど痛がり方に全然説得力がない。腸やら玉やら引きずり出されてるのに普通にペラペラ喋りますしね。

そういう演出や構成、脚本などがいちいちマンガっぽいというか予定調和というか。

リアリティーがなくてユルユルなシーンの連続で、すっかり映画が弛緩してるので、観ていて別に怖くもないし、特殊効果も如何にも作り物然としてて全然グロく見えない。

ただ、これは多分狙ってわざとやってると思うんですよ。確信犯的というか。

つまり真剣にリベンジホラーを作ろうとしたけど、予算や才能が足りなかったからB級バカ映画になっちゃったのではなく、最初からふざけたB級バカ映画を目指して作ってるんじゃないかと。「ほらほら、みんな大好きなB級バカ映画ですよ。面白いでしょ?」みたいな。

割と序盤で、捕まったブランドンの玉をライターで炙るという拷問をしながら、KKKのジジイが「元々黒人はワシら白人の食料じゃった。ワシらは世界を元の形に戻そうとしているのじゃ」みたいなことを言ってて、まぁこのセリフなんかは、黒人(マイノリティー)が白人(マジョリティー)に搾取される世界の構造をメタ的にセリフに込めていると見えなくもないんですけど、それも「人食いKKKを黒人姉弟がぶっ殺す」というバカみたいなアイデアを正当化するためのお題目っぽいんですよねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

もちろん、資金調達を出来ずに自己資金で作った超低予算映画を、商業映画として成立させるため、あえてチープな方向に振り切ったのかもだし、もしかしたらこの監督が、元々こういう自主制作ギリギリのチープな低予算映画ばかり作ってるファンダム上がりの監督という可能性も。

何にせよ一般の人におススメ出来できる映画ではないですけどねw

例えば友達の集まりなんかで、みんなでツッコミ入れながら観るには丁度いいと思うし、74分と時間も短いので気軽に観られるんじゃないかとは思います。

ただ、見放題で見る分にはいいけど、わざわざレンタルでお金を払って観るほどは面白くないんじゃないかなと、個人的には思いましたねー。

興味のある方は是非!

 

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