ぷらすです。
今回ご紹介するのは、2017年公開のサメ映画『海底47m』ですよー!
近年サメ映画と言えば、「シャークネイド」「メガシャーク」などアルバトロス系のB級映画を指す言葉になりつつありますが、本作はそういったトンデモサメ映画ではなく、久しぶりの「正当派サメ映画」でしたねー。
画像出展元URL:http://eiga.com
概要
海中のおりの中からサメの鑑賞を楽しむ姉妹が、予期せぬ事故に遭うパニックスリラー。無線は通じず、ボンベに残された酸素もわずかという絶望的な状況で、海底に落下したおりから脱出を図る姉妹の姿を描く。メガホンを取るのは、『ストレージ24』などのヨハネス・ロバーツ。テレビシリーズ「アクエリアス 刑事サム・ホディアック」などのクレア・ホルト、歌手としても活動しているマンディ・ムーアが妹と姉を演じる。(シネマトゥディより引用)
感想
正当派サメ映画?
「サメ映画」というジャンルを確立したエポックメイキングな作品といえば、何と言ってもスティーブン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」です。
そしてCG技術が手軽に使えるようになった2000年以降は、低予算のテレビ映画として作られた何でもありの出オチ映画が好事家の間で人気を得る一方、劇場公開される“動物パニックもの“としての正統派サメ映画も本数は少ないけどしっかり生き残っていますよね。
例えば
「ディープブルー」(1999)
「シャーク・アタック」(1990)
「オープンウォーター」(2003)
「赤い珊瑚礁・オープン」(2011)
「ロストバケーション」(2016)
などなど。
ちなみに「MEG ザ・モンスター」(2018)を正統派サメ映画に入れるかどうかは議論の分かれるところだと思います。あれはサメ映画じゃなくてステイサム映画ですからねーw
閑話休題。
とはいえサメvs人間という映画の性質上、例え正当派の作品でも登場するサメは基本擬人化されているというか、”サメ自身が何らかの意思を持って執拗に登場キャラクターを襲う“ように“見える”作品がほとんど。
そんな中、本作は(言い方が正しいか分からないですが)ちゃんと動物としてのサメが人間を襲う映画だったりします。
まぁ、それが面白さに繋がっているかどうかはまた別の問題なんですけどね。
ざっくりストーリー紹介
本作の主人公はリサ(マンディ・ムーア)とケイト(クレア・ホルト)という姉妹。
二人はメキシコのリゾート地に旅行に来ているのですが、その夜、リサが彼氏に「退屈な女」とフラれ落ち込んでいる事を知ったケイトは、彼女と連れ立ってクラブに飲みに行きます。
画像出展元URL:http://eiga.com
そこで出会った二人組の若者と仲良くなった2人は、ケージに入ってサメを鑑賞する「シャーク・ケージ・ダイビング」の約束をするんですね。
翌日、ケージに迫るサメに大興奮の2人でしたが、その時、老朽化したクレーンが折れてケージは47mの海底に沈んでしまう――というストーリー。
その後、2人はサメに襲われながらも何とか海底から脱出しようと必死に足掻くんですね。
サメが主人公ではない
そんな二人に襲いかかるのはサメだけではありません。
例えば、海底に取り残される恐怖やどんどん減っていくタンクの空気残量。
もしサメから逃れようと急浮上すれば、潜水病で死の危険性も。
画像出展元URL:http://eiga.com
これ、作劇上致し方なしな部分もあるんですが、「海底からの脱出」という部分に主眼を置いた数々の物語的仕掛けによって、サメの存在感が若干薄くなっているのは否めないというか、サメと他の困難の扱いがほぼ同列なんですよね。
つまり前述したようにサメの方には特別なキャラ付け(擬人化)がされていないため、他の困難同様、姉妹を追い込むための仕掛けの一部になってしまっているのです。
その分、物語的にリアリティーが増すと言えなくはないけど、「サメ映画」としては若干弱いし、物足りなさを感じてしまうんですよね。
あと、海底まで沈んでしまった二人が、乗ってきた船のモーター音を聞いて見捨てられたと勘違いする展開があるんです。
その前にメキシコ人船員が二人に対して「白人女め」的な悪態をつぶやく意味ありげなシーンがあるので、観てるこっちも「見捨てやがった」と思い込むわけですが、実は彼らは二人を見捨てたわけではなく、むしろ助けようとちゃんと行動してたっていうね。
これ、作劇上2人をケージから出ざるを得なくするために入れたシーンであり、観客にとってはある種のミスリードなんですが、物語は姉妹の視点で描かれていて、彼らが船を動かした理由が分かるシーンがないので観てて正直混乱してしまいました。
他にも、ちょいちょい引っ掛かるシーンが入っていて、その辺のストーリーテリングはあまり上手くない印象だったんですが、もしかしたら最初はそれぞれに納得のいくシーンを撮っていたものの、編集の段階で不要と判断してカットしちゃったのかも?
衝撃のラスト
で、これを書くと軽いネタバレになっちゃうかもですが、この映画まさかの「胸糞映画」でした。
それが分かるのはラストシーンなんですが、今まで「サメ映画」でこういうラストってほとんど観たことがないので、かなりビックリしてしまいました。
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ただ、このラストにしたことで、本作はかなり好き嫌いが分かれるんじゃないかと思いましたねー。
落として一旦上げてから、叩き落とすっていうねw
まぁ、もしかしたらこのラストも、それまで少なかったサメの活躍シーンをクライマックスにぶち込んだために、こういうオチになってしまったのかもですけどね。
興味のある方は是非!!
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