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全てが過剰で楽しい「ブレット・トレイン」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、先日Amazonレンタルで観たブラピ主演映画『ブレット・トレイン』ですよー!

セットやアクション、キャラクターなどなど、とにかく全てが過剰で楽しい映画でしたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

映画化もされた「グラスホッパー」などで知られる伊坂幸太郎の小説を原作に、ブラッド・ピットが主演を務めたアクションスリラー。日本の高速列車を舞台に、謎の人物から指令を受けた殺し屋が、列車に乗り合わせた殺し屋たちから命を狙われる。メガホンを取ったのは『デッドプール』シリーズなどのデヴィッド・リーチ。共演には、『キスから始まるものがたり』シリーズなどのジョーイ・キング、『キック・アス』シリーズなどのアーロン・テイラー=ジョンソンのほか、真田広之マイケル・シャノンらが名を連ねる。(シネマトゥディより引用)

感想

伊坂幸太郎の原作小説をハリウッド映画化

本作は小説家伊坂幸太郎の原作小説「マリアビートル」を、「デッドプール2」や「ジョンウィック」などのアクション映画で有名なデヴィッド・リーチが監督を務め、ブラッド・ピット、「キックアス」のアーロン・テイラー=ジョンソン真田広之マイケル・シャノンら豪華キャストで制作されたハリウッド映画。

不運な殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)は、仕事復帰のため新感線に乗り込み、目印のついたブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事を受けるも、様々な目的から列車に乗り込んでいた6人の殺し屋の騒動に巻き込まれて――という群像劇です。

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多数のキャラクターが入り組んで絡み合う複雑なプロットの作品が特徴の伊坂作品が原作とあって、本作でも10人ものキャラクターが様々な形で絡み合いながら進む物語になっているんですね。

ただ、僕は原作未読なので、本作の内容が原作順守なのか映画だけの展開かは分かりませんが、このキャラクターたちの絡み方や伏線の張り方と回収が割と雑(というか後出しジャンケン的)なので、パズルのピースがハマるようなストーリー的快感は味わえませんでした。

その分、アクション畑のデヴィッド・リーチ監督らしく、それぞれキャラクターの特徴を生かした武器やアクションは見事で、作品自体のオフビートでありながらアッパーな雰囲気とも相まって、観ているコッチをぐいぐい引き込んでくれるんですね。

魅力的なキャラクター陣

そんな本作を彩るのは個性豊かなキャラクターと、それを演じるキャスト陣。

原作は日本が舞台なので登場人物は当然全員日本人なのですが、本作はハリウッド映画ということで、原作とは性別・人種・キャラ造形などをアレンジしているんですね。

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ブラッド・ピットが演じた「レディバ」は、原作では七尾という運のない殺し屋で、原作小説では彼は主人公ではないっぽいです。

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コンビの殺し屋「ミカンとレモン」はミカンを白人のアーロン・テイラー=ジョンソンが、レモンを黒人のブライアン・タイリー・ヘンリーがそれぞれ演じていて、レモンがきかんしゃトーマス好きな設定などは原作からそのまま流用されているようです。

本作では、別組織に誘拐されたホワイト・デスの息子と身代金を奪い返し、京都まで送り届ける任務中。

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 ジョーイ・キング演じる「プリンス」は、元は王子慧という男子中学生らしいんですが、本作では女学生に変わっていて、設定も原作とはかなり変わっているキャラクターです。木村雄一の息子・渉をビルから突き落とし、木村が新感線に乗る様仕向けています。

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アンドリュー・小路演じる「木村雄一」は、息子をビルの屋上から突き落としたプリンスに復讐するため新幹線へと乗り込むのは原作設定と同じかな?

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真田広之演じる「エルダー」は木村の父親。原作では木村茂。こちらも原作とは設定が異なっているようで、本作では過去に日本の裏社会を牛耳っていたヤクザの大親分・峰岸の元舎弟で、裏切り者のホワイト・デスに妻を殺されたという設定になっています。

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マイケル・シャノン演じる「ホワイト・デス」は、原作では峰岸に当たるキャラクター。峰岸の忠実な部下として出世するも、突然裏切り組織を乗っ取ったロシア人という設定です。

大体この辺が主要人物ですかね。

全員がそれぞれ魅力的で、例えば女子学生のプリンスは、20代のジョーイ・キングがコスプレしたような微妙な違和感が、そのままキャラクターの不気味さに繋がっていたり、そんなプリンスによって殺されかける木村を救うべく乗り込んでくるエルダー(真田広之)が登場した時の安心感とか。

そんな中でも個人的お気に入りはコンビの殺し屋ミカンとレモン。

皮肉屋のミカンと素直で純粋なレモン。

「俺は機関車トーマスからすべてを教わった」というくらいのトーマス好きで、人間を分析してはトーマスの登場キャラにハメ込むレモンと、そんなレモンの言動にうんざりしながらも、彼を信頼しているミカンは、そのブロマンス的関係性はも含めて、何だかんだで一番愛せるキャラクターなんですよね。

序盤からケースを盗まれたり、依頼人の息子を殺されたりと間抜けな二人組っぽく描かれますが、レモンは中盤でプリンスの演技を見抜く鋭さがあるし、ミカンはレディバグにハメられ駅に置いてきぼりにされそうになった時、走る新幹線に飛び乗って拳と頭突きで窓を割って新感線に戻るド根性をみせますからね。

二人が幼少期から一緒だった描写の後のある展開では、思わず泣きそうになってしまいましたよ。

全てが過剰で楽しい

そんな本作は、ストーリーや設定、アクション、キャラクター、セットなど、全てが過剰。そこを楽しいと思えるかどうかが評価の分かれ目だと思いますが、個人的には、ネオンビカビカなトンデモTOKIOや新幹線の中のセットも、鬼面をつけたキルビルっぽいヤクザのみなさんも、ぶっ飛んだ設定の殺し屋たちも、全部楽しく観ましたねー。

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変にリアルっぽくされるくらいなら、このくらい突き抜けたトンデモ描写の方がむしろ爽快ですし、新幹線を舞台にヤクザと殺し屋が大乱闘とか、新感線と新感線が激突して大惨事(ただし主要人物は無事)なんて描写、日本映画では絶対出来ませんからね。

気になった点

ただ個人的に、ストーリー的に無理と矛盾とツッコミどころが多いのは仕方ないとして、気になったのは真田広之と木村役を演じるアンドリュー・小路が日本語で話すシーン。

まぁ(多分)日系アメリカ人のアンドリューさんがややカタコトなのは仕方ないとして、真田広之のセリフも、英語をGoogle翻訳にかけたみたいな日本語になってて違和感があったんですよね。

もしかしたら真田さんがあまり流暢な日本語で話すと、アンドリューさんのカタコトが目立っちゃうからという判断なのかもですが、個人的には真田さんのセリフは、真田さん自身が訳してもいいんじゃないかなとは思いました。

興味のある方は是非!!