ぷらすです。
先週公開されたばかりのイギリス映画『キングスマン』観てきましたーー!
今回は結論から先に言ってしまうんですが、もう、最高でした!
今回はネタバレしない予定ですが、これから本作を観に行く予定の人は、出来ればその後で。
どんな映画かだけ知っておきたいという人は、感想部分は「鑑賞後」に読んでくださいねー。
画像出典元URL: http://eiga.com/
概要
平凡なオタク青年がヒーロー目指して奮闘する映画「キックアス」や、「X-MEN」シリーズのリブート第一作目「X-MEN ファーストジェネレーション」で高い評価を得ているマシュー・ボーン監督による新感覚スパイアクション映画。
マーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミック『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』を原作に、ケレン味たっぷりな80年代のスパイアクション映画を、現代風にアップデートさせている。
あらすじ
ロンドンにある高級スーツ店は、実はいかなる国家・団体の干渉も受けない独立諜報機関の「表の顔」だった。
その機関に所属するスパイエージェントは店の名を取って「キングスマン」と呼ばれている。
ある日、失踪した大学教授の捜査に当たっていたエージェントが何者かに殺され、キングスマンのメンバーに「空き」が出来たことから、各メンバーそれぞれが新たなキングスマン候補を推薦し、訓練することに。
一方、幼い頃に父親をなくし、自堕落な生活を送る不良少年エグジー(タロン・エガートン)は、ひょんなことからキングスマンメンバーの一人、ハリー(コリン・ファース)にスカウトされる。
感想
ジェームス・ボンドと言えば誰を連想するでしょう?
初代ボンドのショーン・コネリー、現在6代目ボンドとしてもうすぐ最新作が公開されるダニエル・クレイグ、もしかしたら5代目ボンドのピアーズ・ブロスナンという人もいるかもしれませんね。
三代目ボンド、ロジャー・ムーアのシリーズは、ショーン・コネリーのようなニヒルさやダニエル・クレイグのような影はなく、歴代の中でも一番陽気なバカっぽいボンドだったかもですが、敵の用心棒だったジョーズ役のリチャード・キールなど、インパクトのある悪役も人気を博し、当時の子供たちには大人気でした。
本作は、そんなロジャー・ムーア版の007の、ケレン味やバカっぽさをいい意味でアップデートした作品と言えるんじゃないかと思います。
一見古臭いスーツ店の試着室がエレベーターになっていて、降りていくと専用の地下鉄があり、それに乗って郊外のアジトに直行するとか、防弾のスーツ・麻酔や薬品の小さな針を撃つことの出来る腕時計・録画機能とネット情報が観られる眼鏡・毒薬を塗った刃が仕込まれた革靴・手榴弾になるライター・傘型のライフル銃などなど。
そうそう、スパイって言えばコレでしょー!
ていう、秘密道具が山盛り登場します。
そんな秘密道具を駆使して悪と戦うのが、「英国王のスピーチ」で英国紳士を演じた名優コリン・ファース。
これがもう、超カッコイイんですよ!
粋なスーツをビッと着こなし、上品な立ち居振る舞いに言葉遣い。
騎士道精神と正義感を持ち、けれどユーモアや皮肉も忘れない僕らがイメージする通りの英国紳士でありながら、秘密武器と圧倒的な格闘術で、敵をバッタバッタとなぎ倒すんですから、もうたまりません。
そんな彼が、新たなキングスマン候補として目をつけるのがタロン・エガートン演じる、イマドキの若者で不良のエグジー。
実はエグジーの父親は元キングスマンのエースで、ハリーを救って亡くなった命の恩人なんですね。
エグジーのママは夫の死後に身を持ち崩し、今は街のギャングの奥さんになってて、エグジーはそんな環境で育ったことを言い訳に、自堕落に生きてるわけです。
でもエグジーは、父譲りの身体能力や判断力をもち、優しくて仲間思いなヤツ。
そんなエグジーをハリーは命の恩人の息子だからという理由「だけ」でスカウトするのではなく、彼の能力を見極めた上でスカウトするわけです。(もちろん彼の更生という目的もあるんですけども)
いや、大丈夫。ここはまだネタバレじゃないですよ。
で、今回の悪役はサミュエル・L・ジャクソン演じるリッチモンド・ヴァレンタイン。
彼はいわゆる「意識高い系IT長者」なんですが、私財を投資して、奉仕活動や環境活動を行っても一向に世界は良くならず、その理由を考えた結果……。
というキャラクター。
これが一昔前なら、世界征服を目論んだり、自分の利益のために~っていうキャラになると思うんですが、やってることも考え方は昔と一緒でも、細かい部分が現代風にアップデートされたキャラクターになってます。
やってることは突拍子もないし、リアリティーはほぼゼロなんですが、キングスマンというキャラクターの敵としては、バッチリ釣り合いが取れてるし、落ち着いた佇まいで絵に書いたような英国紳士のコリン・ファースと、テンションが高くてノリの軽い、いかにもアメリカ人的なサミュエル・L・ジャクソンが同じ画面に収まる絵面も最高です。
中盤ぐらいのふたりの会話で、リッチモンドが「スパイ映画は好きか」と聞き、ハリーが「昔のスパイ映画は好きだ」と返しリッチモンドが同意するシーンがあるんですが、本作はまさに、ダニエル・クレイグの007に代表されるリアルスパイ映画路線への皮肉にもなってるんですよね。
あと、キャラクターで言えば、なんと言ってもヴァレンタインの側近で用心棒の
ガゼルたん!
演じるのは、世界的なダンサーでもある女優 ソフィア・ブテラ。
フェンシングの剣のような義足で、敵を次々ブッタ斬ってしまう、ロバート・ロドリゲス監督やクエンティン・タランティーノ監督の映画に登場しそうなクールな美女です!
もう一つ。本作で特質すべきは、アクションシーンだと思います。
しっかり計算されたダンスみたいな見事なアクション。
特にアメリカの人種差別主義者が集まる協会えの乱闘シーンは見事で、このシーンだけでも何度も見返したいくらい素晴らしいです。
もちろん冷静に観れば、色々おかしなところがないではないですが、
細かいことはどーでもいいんだよ!
って気分にさせてくれます。
そこは、これまで数々のヒーロー映画を撮ってきたマシュー・ボーンだけに、観客がアガるツボをしっかり押さえた世界観・キャラ設定やストーリーを作り上げているからなんですよね。
後半、最高に不謹慎すぎて思わず笑っちゃうシーンもあり、けれど、「キックアス」ほど血みどろでもなく、やり過ぎにならないギリギリのバランスで、コミックの世界を見事に実写化しています。
超ケレン味たっぷりで、超バカっぽくて、超テンションの上がる、超カッコイイ映画なので、是非、劇場の大画面で、ご覧下さい!!!