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今日観た映画の感想

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「ホドロフスキーのDUNE」(2014) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』『サンタ・サングレ/聖なる血』など、前衛的な作風でカルト的人気を誇るチリ出身の映画監督 アレハンドロ・ホドロフスキーが、アメリカの作家フランク・ハーバート原作のSF小説デューン」に挑んだ当時の話を、ホドロフスキーとチームの面々にインタビューしたドキュメント映画『ホドロフスキーのDUNE』ですよー!

個人的に、ホドロフスキーの映画は『エル・トポ』しか観たことがなくて、芸術家肌の気難しい人かと思っていたんですが、ものすごくパワフルで面白いおじいちゃんでしたー!

http://image.eiga.k-img.com/images/movie/79281/poster2.jpg?1398393977
画像出典元URL:http://eiga.com/

概要

アメリカ人のSF作家 フランク・ハーバートの代表作『DUNE』を原作とし、主要スタッフ・キャストを集め、絵コンテまで制作されながら、制作が中止された映画『DUNE』の始まりから制作中止、後世の映画界への影響をホドロフスキー本人や当時のプロデューサー・スタッフが証言したドキュメンタリー映画。
監督はフランク・パヴィッチ。

 

あらすじ

1975年、映画監督アレハンドロ・ホドロフスキー(46歳)と映画プロデューサー ミシェル・セドゥー(28歳)は、荒唐無稽で壮大な映画を企画した。
その映画とは、アメリカ人作家フランク・ハーバートの代表作であり、当時の技術では映画化不可能と言われたSF小説『DUNE』

フランスでカリスマ的人気を誇ったマンガ家メビウス、SF画家のクリス・フォス、『エイリアン』『トータル・リコール』の脚本で知られるダン・オバノン、画家でデザイナーのH・R・ギーガーなど、そうそうたるキャスト・スタッフに配し、莫大な予算と、12時間にも及ぶ上映時間を予定していたというその企画は“映画史上最も有名な実現しなかった映画”と言われ、伝説となっている。

本作は、そんなホドロフスキー版『DUNE』の顛末を、ホドロフスキー本人と当時のスタッフ、『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督や評論家などホドロフスキーフォロワーのインタビューと、当時の資料で綴るドキュメント。

 

感想

アレハンドロ・ホドロフスキーとは。

ホドロフスキー監督と聞いても、あまりピンとこない人も多いかもしれません。
元々はメキシコを中心に100本以上の前衛的な芝居の演出をしていた演出家でしたが、1957年にトーマス・マン原作の短編映画『LA CRAVATE』で映画監督デビュー。

その後、1970年に発表された彼の代表作「エル・トポ」が、ジョン・レノンやアンディー・ウォーホールミック・ジャガーらに賞賛され、一部の映画ファンの間でカルト的人気を誇る作品としてヒット。同時に映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーの名前も知られるようになったんですね。

僕がホドロフスキー監督の映画で観たことがあるのは、この「エル・トポ」だけなんですが、感想を一言で言うなら、なんとも形容しがたいヘンテコな映画です。

何故か全裸の一人息子と荒野を旅するガンマン エル・トポと荒くれ者の対決の物語かと思ったら、物語はどんどんあちこちに転がり、最終的には宗教的というか、東洋思想的な『悟りの境地』へいっちゃうというなんかよく分からない映画です。

で、その『エル・トポ』のヒットで儲かったホドロフスキーが、その資金で作り上げた映画『ホーリー・マウンテン』がフランスの映画プロデューサー ミシェル・セドゥーの目に止まり、二人は『DUNE』製作に乗り出すわけです。

『DUNE』とは。

結果、色々あってホドロフスキー監督での『DUNE』映画化は頓挫するわけですが、1984年、デビッドリンチ監督で『デューン/砂の惑星』として映画化されます。

当時、日本ではスターウォーズを始め、次々にハリウッド超大作が公開されファンのSF熱も高まっていた頃でした。

デューン/砂の惑星』公開の時も大々的な宣伝が打たれ、なんかどエライSF映画がやってくるらしい! と、当時の少年たちは心躍らせながら観に行ったわけですが、映画が終了して出てきた僕を含めた少年たちはほぼ全員が無表情だったっていう、いわくつきの作品でした。

内容もほとんど覚えてないんですが、確か砂からでっかいミミズが出てきて人間を襲う映画だったような……w

ホドルフスキーの『DUNE』

そんな『DUNE』製作から中止までの一部始終を、御年84歳(撮影当時)のホドロフスキーやミシェル・セドゥー他、当時ホドロフスキーに巻き込まれたスタッフたちのインタビューで語るのが本作『ホドロフスキーのDUNE』です。

ホドロフスキー本人は実にパワフルなおじいちゃんで、役90分間喋り倒してます。
「エル・トポ」を観て僕が抱いていた、気難しい芸術家肌の監督という印象とは随分かけ離れていて、フランクで明るくてパワフルな人でした。とても80歳オーバーとは思えないくらい。

ただ、話のは端々に「あ、この人ちょっとアレだな」っていう片鱗も見え隠れしていて、当時12歳の息子を主役に据えるために空手家の元で修行させたり、集めたスタッフを「魂の戦士」って呼んだり。
話している最中も熱がこもってくると自分の世界に入っちゃう感じで、ある種の狂気を感じました。

さらにホドロフスキーは、ピンクフロイドに音楽を頼んだり、オーソン・ウェルズミック・ジャガーサルバドール・ダリに出演をオファーしたり。
とにかく思い立ったら即行動っていうフットワークの軽さで、次々に大物に接触しては出演を取り付けちゃうんですねー。

サルバドール・ダリってあんたw

そんな彼に招集されたスタッフも、フランスのバンド・デシネ(マンガ)のカリスマ作家メビウスや、エイリアンのデザインで知られるH・R・ギーガー、SF画家のクリス・フォスなど多くの人が名前を知ってる人たちばかり。

もし、この映画が実現してたら、スタッフやキャストだけでも超話題作になった事は間違いなしです。

しかし、ホドロフスキーのDUNEは絵コンテまで完成させたものの結局製作中止に追い込まれ、そのことで逆に伝説となるわけです。
もし、DUNEが実際に一本の映画になってたら、後世に残る名作になったかどうかは正直分かりません。
むしろ、多くの芸術作品がそうであるように、ホドロフスキーのDUNEは未完ゆえにその名前を後世に残しているのかも。

このDUNEの絵コンテやデザインが、後のSF映画に大きな影響を与えたと、本人やスタッフ、フォロワーは証言してますが、それが本当かどうかは実際に観て判断していただくしかありません。

ただ一つ言えるのは、ホドロフスキーのイメージした世界をスタッフが形に残したイマジネーションは今見ても斬新でワクワクするし、今では考えられないような超大物たちを巻き込んでいったホドロフスキーのパワーと情熱は本物だったって事じゃないでしょうか。

興味のある方は是非!!

 

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