ぷらすです。
今回ご紹介するのは、「スナッチ」や「コードネーム U.N.C.L.E. 」で知られるガイ・リッチー監督がアーサー王伝説を実写映画化した『キング・アーサー』ですよー!
スロー・早回し・巻き戻し・ストップモーション・細かいカット割り、時系列入れ替えなどを駆使したスタイリッシュな映像がガイ・リッチー作品の特徴。
そんなガイ・リッチーが「アーサー王伝説」を題材にした作品を作ると聞いて、どうなるのかなとて思ったんですが、思った以上にファンタジーに振り切った面白い作品になってましたねー!
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
アーサー王をめぐる伝説をベースにしたアクション。王であった父を殺されてスラム街で生きてきた男が、聖剣エクスカリバーを手に親の敵である暴君に立ち向かう。メガホンを取るのは、『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー。出演に、テレビシリーズ「サン・オブ・アナーキー」などのチャーリー・ハナム、『コールド マウンテン』などのジュード・ロウ、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』などのジャイモン・フンスーらが結集。壮絶なソードバトルの数々に圧倒される。(シネマトゥディより引用)
感想
アーサー王と聞いてピンと来ない人でも「聖剣エクスカリバー」は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
日本では、大食らいの英霊セイバーが使ったり、ゲームでもよく登場するあの剣です。
まぁ、セイバーは「もしもアーサー王が女の子だったら」っていうキャラクターですが、本作のアーサーはゴリゴリマッチョなチャーリー・ハナムが演じていますよ。
画像出典元URL:http://eiga.com / アーサー王を演じるのは「パシフィック・リム」のチャーリー・ハナム
ちなみにアーサー王は実在の人物かどうかハッキリ分かっていないそうで。(日本で言えば聖徳太子的みたいな人物なのかな?)
なので伝記ももの中でも創作の自由度が高くて、だから多くのクリエイターがアーサー王伝説の作品を発表し、多くの人がこの物語を知ってるんですねー。
そういう意味ではガイ・リッチーが監督するのにうってつけの物語と言えるかもしれません。
ストーリー
そんな本作のストーリーをザックリ説明すると、叔父の謀反で父親を殺されたアーサー王子が聖剣エクスカリバーで復讐して真の王になる物語です。
あれ? 最近そんなインド映画を観たような……?w
まぁ、いわゆる貴種流離譚ってやつなので、内容が一緒なのは仕方ないんですけどね。
で、この映画「バーフバリ」に負けず劣らず、ケレン味たっぷりなアクションファンタジー作品になってるんですね。
アバンは、父親のユーサー王率いる国軍と魔術師モルドレッド率いる軍隊の戦いからスタートするんですが、モルドレッド軍が超巨大な像の背中に建てた要塞に乗って城に攻めてくるという、怪獣映画のような大迫力シーンからスタート。
個人的にはこれだけでもう100点です。(;゚∀゚)=3ハァハァ
国軍は絶体絶命の大ピンチって思ったら、聖剣エクスカリバーで卍解(©ブリーチ)したユーサーパパがダッシュ→大ジャンプで敵要塞に乗り込んでモルドレッドの首を落とすっていう最高のスタート。
かと思ったら、その夜には自分の嫁を生贄に闇の力を得た弟のヴォーティガン (ジュード・ロウ)の謀反で殺され、幼いアーサーは船でこっそり逃がされるんですね。
画像出典元URL:http://eiga.com / ヴォーティガンを演じるジュード・ロウ
で、川から流れてきたアーサーを拾い育てたのは街の売春宿のお姉さんたちで、そこで育ったアーサーが、悪い奴らと大体友達になったり中国人らしき先生のもとでメキメキ腕を上げ、立派なチンピラになるまでをガイ・リッチー大好きな早回しダイジェストでお届けしてからのオープニング。
ここまで観て「あーガイ・リッチーだわー」って思いましたねーw
そこからアーサーは、バイキングと揉めてジュード・ロウに発見されたり、エクスカリバーを引き抜いたり、反乱軍の仲間になったり、メイジ(魔術師)の導きで修行したりトラウマ克服して卍解を覚え、無双状態で叔父のジュード・ロウから王座を奪還する戦いに臨んでいきます。
迫力満点のゴリゴリアクション
本作で特に力が入ってるのが、国王軍と反乱軍がぶつかる大アクションシーン。
巨大なセットの中を走り回りながら、マッチョな男たちが骨のぶつかる音が聞こえてきそうなゴリゴリに男臭いアクションを繰り広げます。
画像出典元URL:http://eiga.com
これらのアクションシーンは早回し、スーパースロー、ストップモーションを駆使したガイ・リッチースタイルも相まって、観ていてアガリましたねー!
映画中盤、ジュード・ロウ暗殺計画に失敗し、ついに追い詰められたアーサーと仲間たち。
ついには頼みの綱のメイジまで捕まって、万事休すか!?っていうシーンでアーサーが卍解!
画像出典元URL:http://eiga.com / 卍・解!
無双状態で敵兵をあっいう間になぎ倒すシーンは、ガイ・リッチーのケレン味溢れる映像効果も相まって、痺れましたよ!
良かったところ
そんなアクション以外で良かったのは、アーサーが非常に現代的なキャラクターとして描かれているところ。
毛皮のコートや首周りにファーがついてる革ジャンを着込み、ツーブロックの髪型というファッションは、そのまま現代劇でも通用しそうなくらいオシャレでかっこいいデザインだし、幼少期にいわば裏社会で磨かれた交渉術や、相手のスキをついて攻撃を仕掛ける騎士道精神の欠片もないアーサー王には、中世ヨーロッパの物語が苦手な人でもすんなり感情移入出来るんじゃないかと思いました。
画像出典元URL:http://eiga.com
その仲間たちもスラムでともに育ったチンピラで、いわば「負け犬のチンピラが一発逆転」するクライム映画的な要素を含んだヒーロー譚になってるんですね。
残念だったところ
ただ、中盤でのジュード・ロウ暗殺計画の件は、アーサーたちが何を狙ってどこで何をしようとしているのかの行動や位置関係がゴチャゴチャしてて分かりにくかったかも。
あと、序盤のアーサーが色々巻き込まれていくキッカケになる回想シーンも、「ん?」ろ引っかかる部分がありましたねー。
そういう回想シーンやスパイ的な作戦を立てるシーンの映像をコチョコチョいじる「遊び」は、ガイ・リッチーの味でもあるんですが、本作ではそれらがストーリーや展開に上手く活かされてなかったように感じました。
記録的大赤字らしいけど
で、この作品ハリウッドでも記録的な大赤字を出してしまったらしく、作る気満々だった続編も絶望的な状況らしいです。
その理由を一言で言うなら、恐らく多くの人が「え、今更アーサー王伝説?」と興味が湧かなかった事と、逆に歴史好きな人は「えー、ガイ・リッチーが監督かよ」とやっぱり興味が湧かなかったのが大きいんじゃないかと。
多分、日本で言えば高畑勲監督の「かぐや姫の物語」みたいな感じだったんじゃないかな?
観れば「お!」って思うんだけど、題材に会場に足を運ばせるまでの求心力がないというか。
ただ、1億7500万ドルもの予算をかけたビックバジェットな本作は、巨大なセットや大人数のエキストラやスタントマンも参加してリッチなビジュアルの迫力があるし、ガイ・リッチーのケレン味溢れる映像演出は楽しいので観て損はしない作品だと思いますよ。
ただ、歴史ドラマとして観ちゃうと肩透かしを食らうので、あくまで「中世を舞台にした伝奇アクションファンタジー」として観るのがオススメです。
つまり、「西郷どん」じゃなくて「るろ剣」を観るんだっていう気持ちで観れば、かなり楽しめるんじゃないかな? って事ですねw
興味のある方は是非!!
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