ぷらすです。
今回ご紹介するのは、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』ですよー!
実は最近、僕の周りで「物体X」ブームが起こりまして。
で、「ハロウィン」(リブート版)と「ゼイリブ」を観たあと、「そういえば『物体X/ファーストコンタクト』観てないじゃん」と気づいて、レンタルしようと思ったんですが、だったらうろ覚えのカーペンター版を先に観ようと思って、一緒にレンタルしてきました。
久しぶりに観たけど、やっぱり「物体X」は面白かったですよ!
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
氷の中から発見されたエイリアンと南極基地の隊員との死闘を描いた、SFホラーの古典「遊星よりの物体X」のリメイクで、よりキャンベルの原作に近い。10万年前に地球に飛来した謎の巨大UFOを発見した南極観測隊のノルウェー基地が全滅。やがてノルウェー隊の犬を媒介にしてアメリカ基地に未知の生命体が侵入した。それは次々と形態を変えながら隊員たちに襲いかかる……。(allcinema ONLINEより引用)
感想
このジョン・カーペンター版の「~物体X」は、1951年公開に公開されたクリスティアン・ナイビイ監督の同名映画のリブート作。
この映画が大好きだったカーペンターは、監督の依頼を受け二つ返事で引き受けたらしいんですね。
で、ナイビイ版よりも、ジョン・W・キャンベルの原作小説『影が行く』に寄せ、物語の舞台もアラスカから原作の南極に戻し、当時のSFX技術(特殊効果)を駆使して本作を作り上げたのです。
当時、最初に観たときはかなり衝撃を受けた記憶がありますが、どちらかと言えば本編よりもSFXシーンメイキングの方を夢中で観ていた気がしますねーw
ざっくりストーリー紹介
一機の円盤が地球の近くで爆発からのタイトルから本作はスタートします。
場面変わって、1982年冬の南極大陸。
雪原を走る一匹のシベリアンハスキー。
それをライフルを構えた男が発砲しながら追いかけるヘリという、(映画的に)最高の出だしから物語が始まります。
で、犬はアメリカの観測基地に逃げ込み、それを追いかけ発砲を続ける男は、隊長に撃ち殺され、ヘリは爆発炎上。
調べてみると、ライフルの男はどうやらノルウェーの観測隊隊員らしく、ノルウェー隊に一体何があったのか、真相を究明すべく観測基地へ向かったヘリ操縦士のマクレディ(カート・ラッセル)らが見つけたものは、無残に焼け落ちた建物と自らの喉を切り裂いた隊員の死体。何かを取り出したと思しき氷塊と、異様に変形し固まったおぞましい焼死体。そして巨大なUFOだったんですね。
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変形した焼死体を基地に持ち帰ったマクレディたちは、すぐに解剖し調べるわけですが、実はその死体には恐ろしい秘密が――というストーリー。
少しだけネタバレすると、この焼死体は人間のものではなく生物を取り込み、その生物そっくりに擬態する宇宙生物だったわけです。
そして逃げ込んだ犬は、その寄生生物が擬態した姿で、既に隊員たちの誰かがすり替わっているかもしれない。
南極という閉じられた環境の中、隊員たちは互いに疑心暗鬼に襲われて……。というのが本作の見どころなんですねー。
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つまり、本作は先日ご紹介した「ゼイリブ」と同じ“静かなる侵略”がテーマ。
仲のいい友人や仲間を信用出来ない状況で、彼らがどのような行動をするのかという物語なのです。
ハリウッドSFX技術の到達点
1980年代といえば、ハリウッドのSFX(特殊効果)華やかなりし頃。
まだ、CGなどのVFX技術(視覚効果)がなかった時代で、ジョー・ダンテ監督で狼男の映画「ハウリング」や、リドリー・スコットの「エイリアン」など、主にSFやホラーで特殊メイクやアニマトロニクス、パペット、爆破、ミニチュア・合成などなど、様々な技術を駆使して、今まで描けなかった世界やモンスターなどが画面に登場するようになっていくんですね。
で、そんなSFX技術の到達点とも言えるのが、本作ではないかと僕は思うのです。
本作でSFXを手がけたのは、ロイ・アーボガストやリロイ・ルートリー、アルバート・J・ウィットロックなどのアーティストたち。
当時まだ22歳だったロイ・アーボガストは、あのグロテスクながら記憶に残るモンスターの造形や特殊メイクなどSFX全般を担当し、当時マットアーティストとしてハリウッドの重鎮だったアルバート・J・ウィットロックは、巨大UFOや南極基地など、見事なマットペイントで、実写やセットとしか思えない風景・背景を再現しています。
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また、クライマックスの巨大モンスターは、1/5のミニチュアを作って実写と組み合わせているし、中盤、ある隊員のもげた頭からクモのような足が生えて逃げ出そうとするシーンは、アニマトロニクス(ラジコン装置の入った部位を操作して生きているように見せる技術)で作られたらしいですよ。
確かに、今観ると手作り感があるというか、ぶっちゃけ「作り物だなー」ってすぐに分かるシーンも多いけど、個人的には着ぐるみを使わずに、あの不気味なモンスターを再現した職人技に「これぞハリウッド特撮!」って萌えるんですよねー。(;//́Д/̀/)'`ァ'`ァ
そういう意味で本作は、役者でも監督でもなく、ロイ・アーボガストら特撮マンの映画と言えるかもしれません。
興味のある方は是非!!
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