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「プリデスティネーション」(2015) 超ネタバレ感想

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画像出典元URL:http://eiga.com/

ぷらすです。
『日刊オレラ』に『プリデスティネーション』の感想載せてもらいましたー。(*´∀`*)

orera.hatenablog.com



で、オレラの方でも書きましたが、この映画、迂闊に内容に触れてしまうとネタバレしてしまうという非常に厄介な映画でして、オレラの方では(多分)ネタバレなしで書けたと思うんですが、正直ちょっぴり消化不良。

というわけで、今回は特別編として、こちらのブログではバリバリネタバレしつつ、もうちょと深い感想を書いていこうと思います!

なので、ここで注意事項。
本作は、出来るだけ内容を知らずに見たほうが楽しめます。
なので、出来れば、DVD(TSUTAYAでレンタル開始してます)→オレラ→このブログの順番で見ていただけると嬉しいです。(もしくはオレラ→DVD→ブログでも)

いいですか? 注意はしましたよ? あとは自己責任ですよ? 

ではでは、感想を書きまーす!

 

 

感想

概要とあらすじは、オレラの方で書いてあるので、ここでは省略。

さて、いかがでしたか? 『プリデスティネーション』

本編で、「卵が先か鶏が先か」の質問をする、イーサン・ホーク演じる「ジョン」の問いに、サラ・スヌーク演じる「ジョン」が「雄鶏」と答えるシーンと、原作版の「輪廻の蛇」という邦題と映画本編でイーサン・ホークが言う「自分の尾を追いかける蛇」というセリフが、本作のほぼ全てですよね。

本作エピソードを時系列順に並べ替えると。

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①1945年、ジェーン(サラ・スヌーク)は誕生後、すぐに孤児院の前に捨てられる。

②頭が良く喧嘩が強かったジェーン。でも愛想が悪く嫌われ者。
自分以外はバカだと思って育つ。

③宇宙慰安婦試験を受けるも、両性具有であることが発覚。(本人には知らされず)
試験に落ちる。

④1963年、初恋をするも、その後すぐ相手の男は行方不明に。

⑤ロバートソン(ノア・テイラー)に『航時局』にスカウトされるも、妊娠が発覚しスカウトは白紙に。

⑥シングルマザーとして女児を出産、母親として生きていこうとするも、難産のため子宮除去。
両性具有であること、手術によって男性になったことを知らされ、さらにひとり娘を誘拐され絶望。

⑦その後、度重なる手術の末に男になったジェーンはジョンと改名、女性雑誌で嘘告白記事を書くライターになる。

そして、1970年、偶然入った酒場で今までの人生を、バーテンダーイーサン・ホーク)に告白。

⑧自分を妊娠させて消え、人生をめちゃくちゃにした男を殺すため、バーテンダーと共に1963年へジャンプ。
過去の自分と恋仲になり、妊娠させた男が自分だった事を知る。
そして自分の宿命を知ったジョンは、バーテンダーの『後継者』として仕事に邁進し功績を挙げる。やがて史上最悪の爆弾魔フィルズ・ボマーが起こす爆破事件を阻止しようと1970年へ。

⑨爆破被害は防いだものの、フィルズ・ボマーを取り逃がし、大やけどで顔と声を失い手術によって別人の姿(イーサン・ホーク)になる。

⑩最後の任務として『後継者探し&引き継ぎ』のため1970年にジャンプ、バーテンとして過去の自分を待つ。

⑪ジョンを連れて1963年にジャンプ。ジョンとジェーンを引き合わせると、自分は1970年にジャンプ。フィルズ・ボマーを殺害しようとするもまた失敗し取り逃がす。そこで顔と声を失った自分と出会う。

⑫1963年にジャンプ、子供(ジェーン)を誘拐し1945年にジャンプし孤児院に捨てる。さらに1963年に戻りジョンを連れて未来へ行き、「輪廻の輪」を閉じる。(無限ループ完成)

⑫すべての任務終了。フィルズ・ボマーが最悪の事件を起こす1975年にジャンプしたジョンは、タイムマシンにパスワードを入力し機能を停止させ、その時代に留まるハズだったが、タイムマシンはエラー。まだジャンプが可能に。

⑬今度こそフィルズ・ボマーを阻止するために、1970年にジャンプし『後継者』ジョンにメッセージを残し、自分は1975年に戻ってフィルズ・ボマーが爆弾を仕掛けたコインランドリーに。そこで出会ったのは未来からジャンプしてきた自分。フィルズ・ボマーは自分だったのだ。
結局、ジョンは未来の自分を殺すことで最悪の事件は未然に阻止した(?)ものの、その目には異様な輝きが……。

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自分から生まれ、自分に恋をして、自分を産み、自分に恋をして、自分の後継者になって自分を追い、自分を殺す。

究極の「全部オレ」状態。

まさに、『鶏が先か卵が先か』というタイムパラドックスの物語なわけです。

でも、よくよく考えると「じゃぁ、このタイムパラドックスの『一番最初』はどこなの?」となりますよね?

つまりそもそもジョンがフィルズ・ボマーにならなければ、ジョンが彼を追うために輪廻を開く必要はなく、でも、逆にジョンがフィルズ・ボマーにならなければ、そもそもジョン(ジェーン)は生まれないという矛盾。

その答えは劇中では語られませんが、多分サラ・スヌーク演じる「ジョン」の「雄鶏」という答えがひとつのキーなのかなーって思います。(いや、そもそも明確な答えなんかないんでしょうけども)

ただ、この物語の主題のウエイトはむしろもう一本の柱である、ジェーン=ジョンというひとりの人間の数奇で残酷な運命を描くことにあったのかなーなんて思ったりもします。

女性としても男性としても『世界』に受け入れらずに最小単位で閉じてしまった、ジェーン=ジョンの世界を描くこと自体が本作のテーマだったんじゃないかなと。

そう考えて振り返ってみれば、ジョンがフィルズ・ボマーに執着するのも納得の展開なんですよね。
多分、あの爆弾魔の気持ちを一番理解しているのは、1970年に酒場に現れたジョン(サラ・スヌーク)で、それはジョン自身の望みでもあるんですよね。(酒場でフィルズ・ボマーを支持するような言動や表情をしてるし)

「こんな(自分が受け入れられない)世界ぶっ壊れてしまえ」という望みを叶えるべく、フィルズ・ボマーが凶行を続けているとも取れます。
なんせ、ジョンはフィルズ・ボマーにとって唯一愛し愛された恋人であり、娘であり、母親であり、父親であり、自分自身であるわけですから。

ラストシーンで、フィルズ・ボマーは訳のわからない理屈を並べ立てて自分を正当化しようとする狂人のような言動をとりますが、実は自分に自分を殺させることで『後継者』にバトンタッチして、輪廻から抜け出すまでがジョンの輪廻の『パッケージ』なのかもなーなんて妄想してしまいました。

あなたは、本作をどんな風に解釈しましたか?

ではではー。(*´∀`*)ノシ

 

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