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リチャード・リンクレイターが描く甘く切ないラブストーリー「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」(1995)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」などのリチャード・リンクレイター監督の出世作ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』ですよー!

その後9年ごとに新作が発表され三部作となる「ビフォアシリーズ」の1本目で、若きイーサン・ホークジュリー・デルピーが共演したラブ・ストーリーです。

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画像出店元URL:http://eiga.com

概要

ジュリー・デルピーイーサン・ホーク共演によるラブ・ロマンス。列車の中で偶然出会った一組の男女。二人は意気投合して列車を途中下車し、ウィーンの街をあてどもなく歩く。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎ、やがてお互いの生活に帰る朝がやってくる……。(allcinema ONLINEより引用)

感想

このブログを読んでいただいている人なら薄々気づいていると思いますが、僕は基本、スーパーヒーローや怪獣、ホラーやゾンビ、アクションなどのボンクラ映画が大好きで、逆に恋愛映画はどちらかといえば苦手ジャンル。
なので、好んで見ることは少ないんですね。

ただ、本作は「6才のボクが、大人になるまで。」や「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」のリチャード・リンクレイター監督の出世作ということもあって、この「ビフォア三部作」はいつかは観なくては…とは思っていたんですよねー。

邦題問題

ところで、内容に触れる前に書いておきたいのは、この映画、原題は「ビフォア・サンライズ」なんですが、劇場公開時の邦題は「恋人までの距離(ディスタンス)」だったそうですね。

恋人までの距離」というタイトル自体は、映画の内容にも合ってるし邦題として結構素敵と思うんですが、「距離」と書いて“ディスタンス”と読ませるセンスはさすがに「ダサッ!!」って思いました。時代的に仕方ないのかもだし、続編が出てビデオタイトルからは「ビフォア・サンライズ」になったんですが。

さすがに最近は、無駄に(一部の漢字を)英語読みさせるタイトルはなくなりましたけど、メインタイトルの後ろに無駄にセンスの悪い副題をくっつけるのは、そろそろ止めた方がいいと思います。いやマジで。

時間を描く監督リチャード・リンクレイター

本作の監督リチャード・リンクレイターは何というか、僕の中ではどうにも掴みどころのない映画作家だったりします。

作品は面白いんだけど、“どこが”面白かったのかを説明しようとすると、上手く説明出来ないんですよね。

それでも、僕の観た彼の作品の傾向を一言で言うなら、リチャード・リンクレイターは「時間を描く」監督というイメージ。

1995年公開の本作の9年後、再び同じ二人で本作の9年後を描いた続編で2004年公開の「ビフォア・サンセット
さらに9年後の2013年に、「~サンセット」から9年後の二人を描いた「ビフォア・ミッドナイト」を公開。

また、子役だったエラー・コルトレーン演じる少年の6才~18歳までを、毎年リアルタイムで少しづつ、同じキャストで撮影し続けた劇映画「6才のボクが、大人になるまで。」など、役者と役柄をリアルタイムでリンクさせることで、独特なリアリティーと実在感をフィルムに焼き付けているんですね。

また、「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」では、入学から学校が始まるまでの(おそらく)人生で一番楽しい4日間を切り取っているし、本作ではたまたま列車の中で出会った若い男女の一日を描いています。

ザックリストーリー紹介

ブダペストからパリへの長距離列車の中、喧嘩を始めたドイツ人夫婦から距離を取ろうと座席を移動したフランス人大学生のセリーヌジュリー・デルピー)は、通路を挟んで反対側の席に座っていたアメリカ人大学生のジェシーイーサン・ホーク)にナンパされウィーンで降車。ジェシーが帰国のために空港に行くまでの一日をともに過ごすことにします。

ウィーンの街を徹夜でウロウロしながらお喋りするうち、二人の距離はどんどん縮まっていくんですが、同時に別れの時間も刻一刻と近づいてくる……という物語です。

時間とともにその表情を変えるウィーンの街を舞台に、劇中のほとんどをジェシーセリーヌの会話劇で構成するという変わった映画で、一見、なんてことのない会話の応酬の中に二人の心境の変化を織り交ぜながら、次第に惹かれあっていく二人をドキュメンタリータッチで描いていくんですねー。

見所

本作の見所は何といっても、ジェシーセリーヌの会話の応酬です。
最初のうちは、お互いに質問し合ったり、それぞれの家庭のこと、宗教や死生観、哲学や友人や子供の頃の話などでお互いの気持ちを探ろうとしたり、自分の面倒くさい部分を話して相手の反応を見たり。お互い相手にどう思われているかを探っているんですね。

しかし、夜が更け別れの時間が近づいてくるとともに、どんどん惹かれあって行く二人は、次第に自らの心の鎧を脱ぎ捨てて素直になっていくのです。

その微妙で絶妙なふたりの距離感が何ていうかこう……

もどかしいやら甘酸っぱいやら
もう、(*ノェノ)キャーって感じなのです。

しかし、互いに好きあっているのは分かっているけど、アメリカ人のジェシーとフランス人のセリーヌには互いの生活や家族があり、一緒にいられる時間は限られているんですよね。

劇中に頻繁に出てくる生と死についての会話は、そのまま出会いから別れの一日に直結しているわけです。

イーサン・ホークジュリー・デルピー

そんな本作で共演しているイーサン・ホークジュリー・デルピー
この時はまだ二人共20代前半らしく、今では貫禄たっぷりに渋い演技を見せるイーサン・ホークも、この作品では線の細いアイドル的な二枚目っていう感じ。
対するジュリー・デルピーも、ぱっと見はいかにもヨーロッパっぽい顔立ちのクールビューティーな雰囲気なんですが、時間が経つごとに、どんどん可愛らしく見えてきます。

美男美女の二人は、美しいウィーンの景色と相まってとても絵になってましたよ。

吹き替え版で観るのがオススメ

で、本作を観ながら思ったのは、このシリーズは字幕じゃなくて吹き替え版で観たほうがいいということ。
というのも、とにかくセリフの量とスピードが尋常じゃないので、字幕版だと字幕を追うので精一杯になってしまうんですよねw

とういわけで、恋愛映画の名作と名高い本作。僕みたいなボンクラでも楽しめるし、ロマンチックな気分にさせてくれる作品でしたねー。

興味のある方は是非!!

 

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