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ジェームズ・ワン監督最新作!期待に十分応える続編でテンション上がりっぱなし!「アクアマン/失われた王国」(2024)

ぷらすです。

先日、映画館でDCEUのラストを飾る作品『アクアマン/失われた王国』を鑑賞しました。前作に続き我らがジェームズ・ワンが監督ということで期待値爆上がりで観に行ったんですが、正直、前作には及ばなかったけど、期待には十分応えてくれる”普通に面白い作品”になっていましたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

海底王国アトランティスの末裔(まつえい)であるアクアマンが主人公のアクション『アクアマン』の続編。海洋生物と意思の疎通ができるアクアマンが、世界存亡の危機に立ち向かう。監督を手掛けるのは『ソウ』『インシディアス』シリーズなどに携わってきたジェームズ・ワン。前作でアクアマンを演じたジェイソン・モモアが続投し、『エッジ・オブ・バイオレンス』などのパトリック・ウィルソン、『ロンドン・フィールズ』などのアンバー・ハード、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、ニコール・キッドマンらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

DCEUのラストを飾る

本作は、DCコミックスのヒーローたちが共演する「DCエクステンデッド・ユニバース」(DCEU)の第13作目にして最後の作品となります。

そのへんの詳しい経緯については当ブログでも何度も触れていますが、超ザックリ言うと世界的で爆発的ヒットを飛ばした同じくアメコミ原作シリーズMCUを真似したけど上手く行かず、すったもんだ紆余曲折の大迷走の挙句に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンをCEOに招いて「DCユニバース」(DCU)として仕切り直すことになったんですね。

しかし、この問題の責任は制作側や作品の出来云々ではなく、DCや親会社ワーナーブラザースの経営陣にあるというのが僕の個人的な意見。

ザック・スナイダー主導体制で2013年「マン・オブ・スティール」からスタートしたDCEUは、1980年代のアメコミ・通称「モダンエイジ」の作品をベースにしています。

「モダンエイジ」とはざっくり言うと過剰な暴力表現や大人の鑑賞にも耐えるダークで“括弧つき“のリアルな世界観のヒーローコミックのこと。

DCEUの前身でもあるクリストファー・ノーラン監督「ダークナイト」三部作の成功で、こちらの方向に舵を切ったDCEUは、興行成績は悪くないものの評判の方は正直芳しくなかったし、作品を重ねるごとに批判も増えていったんですね。

そんなある意味ジリ貧だったDCEUを救ったのが2017年の「ワンダーウーマン」であり、我らがジェームズ・ワン監督の「アクアマン」だったわけです。

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特にアクアマンは、それまでの暗くて「リアル」ないわば厨二的DCEU世界に、アッパーで楽しいヒーロー像やストーリーなど小5男子的世界を持ち込んだことで、DCEUに転機をもたらしたと言っても過言ではない作品でした。

しかし、その後のDCEUは、DCや親会社ワーナー経営陣の作品への介入や度重なる方向転換や梯子外しが相次ぎ大迷走。
その末に2022年にDCフィルムズに代わるDCスタジオを設立。CEOにジェームズ・ガンとピーター・サフランを任命し、DCEUもDCUとしてリスタートを切る事になったわけです。

そんな大迷走の真っ最中に制作されていたのが本作「アクアマン/失われた王国」で、噂で聞く限り、ジェームズ・ワンも作品以外の部分で相当苦労させられたのだとか。

そんな状況下でも本作をしっかり普通に面白い作品に仕上げたのは、さすがワン監督だなーと思いましたねー。

ジェームズ・ワンとは

そんな前作「アクアマン」とその続編となる本作「アクアマン/失われた王国」を監督したジェームズ・ワンは中国系でマレーシア・クチンで生まれ。幼少期にオーストラリアのパースへ移住し、メルボルンのロイヤルメルボルン工科大学でリー・ワネルと出会って、2人で映画製作をするように。

その後、低予算のため18日間という短期間で撮影された初の長編映画「ソウ」が世界的大ヒットとなり、その後、「デッド・サイレンス」「インシディアス」シリーズ「死霊館」シリーズなど、主にホラー映画で次々にヒットを飛ばす一方で、「狼の死刑宣告」やワイルドスピード7作目「ワイルド・スピード SKY MISSION」などアクション大作でも高い評価を受け、今や、ハリウッドを代表する監督・プロデューサーの一人になっているんですね。

そんな彼の作風はとにかくサービス精神が旺盛。観客が求めていると思えば他の映画監督がやりたがらないようなベタすぎてちょっとダサいストーリー展開や設定も衒いなく作品に盛り込んでいくんですね。

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基本、映画監督って引き算でスタイリッシュな作品を作りたがる傾向があると思うんですけど、ワン監督は逆で、お客さんが望むものは全部乗せていく足し算スタイルなのです。

なので、彼の事を職業監督的に思う人もいるかもですけど、決してそうじゃなく、ワン監督は本当にそれがカッコいい・面白いって思ってやっているし、むしろそれこそが彼独自の作家性に繋がっているのだと思います。

そして本作へ

そんなワン監督なので、本作でもとにかく盛って盛って盛りまくっています。

前作のヒロイン・メラと結婚して赤ん坊の父親になっているアクアマンことアーサー。冒頭ではアトランティスの王として会議に忙殺される一方、アクアベイビーの子育てにてんてこ舞いの様子が描かれています。

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そんな本作でメインヴィランとなるのは、ブラックマンタことデイビッド・ケイン。

父を見捨て死なせたアーサーへの復讐心は消えておらず、前作で破壊されたパワードスーツのようなアトランティス製のオーパーツを探し南極を探索。そこで偶然、闇の銛・ブラック・トライデントとアトランティスの超兵器を手に入れた彼は―――というストーリー。地球滅亡を防ぐため、アーサーは前作のヴィランで弟のオームと協力する事になるんですね。

そう書くと、いろいろ暗い要素や葛藤シーンが入りそうなもんですが、基本本作は単純バカで脳筋の兄アーサーに知能派?で真面目な弟オームが振り回される展開が続くんですよねw

そして、劇中では「スター・ウォーズ」を始め様々な映画の「オマージュ」というより、その要素を抜き出して物語に落とし込んでいたり、劇中登場する敵の母艦やメカのデザインは「海底二万里」や「宇宙戦争」などの古典SFを連想させる作りになっているもの楽しいです。

あと、本作では原作マンガでもアクアマンのサイドキックになるタコのトポも登場。これがメッチャ可愛いし、二人の関係はどこかルークとR2D2を連想したりもします。出来るならもうちょっとトポの活躍シーンが観たかったですねー。

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あとはもう、僕らが「こうなって欲しい」「こうなったらいいな」という展開は全部入っているし、最初から最後までアッパーな展開が続くのでずっとテンションが上がりっぱなしでした。

ただまぁ、前作ほどの衝撃はなくて、とにかく普通に面白かったという印象ではあるんですけども。そこはまぁ、前述したように制作中、あちこちから横槍が入ったり、もしかしたら当初3部作の構想で進んでいたのが突然2作で打ち切りになったなんて事もあったのかな?なんて邪推したり。

それでも、ワン監督は最後は職人的にしっかり物語を〆てみせたし、これからスタートを切るジェームズ・ガン率いるDCUへのいい橋渡しになっていたと思いましたねー。

興味のある方は是非!!