今日観た映画の感想

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フランス版シティーハンターのチームによるアクションコメディー2作「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」(2021)&「バッドマン史上最低のスーパーヒーロー」(2022)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」の公開が話題になり日本でも一躍注目された、監督で俳優のフィリップ・ラショーらのチームが製作したアクションコメディー2作『シティーコップ 余命30日?!のヒーロー』と『バッドマン史上最低のスーパーヒーロー』の2作ですよ。

友人がレンタルしたDVDで見たんですが、「バッドマン~」の方はヒーロー映画好きな僕のツボにドンピシャだったし、「シティーコップ~」の中盤では一緒に見ていた友人が急き込むくらい爆笑してました。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

北条司の漫画をフランスで実写映画化した『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』などのフィリップ・ラショー監督(バッドマン~)&タレク・ブダリ監督(シティーコップ~)によるアクションコメディー。

ジュリアン・アルッティ、タレク・ブダリ、エロディ・フォンタンなど『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』にも出演したキャスト・スタッフらがチームとして制作している。

感想

コメディグループ「La Bande à Fifi」による作品

「真夜中のパリでヒャッハー!」「世界の果てまでヒャッハー!」などのコメディー映画で脚光を浴びたフィリップ・ラショーは、俳優、監督、脚本家、アニメーターなどの顔を持ち、タレク・ブダリ、 ジュリアン・アルッティ、エロディ・フォンタン、リーム・ケリシらとコメディグループ「La Bande à Fifi」を結成していて、日本でも話題になった「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」や本2作も、このチームで作られた作品です。

「シティーコップ~」の方では、タレク・ブダリが監督・共同脚本・主演を務め、「バッドマン~」の方ではフィリップ・ラショーが監督・脚本・主演を。

なので、「La Bande à Fifi」は言い出しっぺが監督もするシステムなのかもしれませんね。

ざっくりあらすじ紹介

では両作のあらすじをざっくりご紹介すると、「ティーコップ~」の方は小心者のライアン(タレク・ブダリ)は、殉職した父親の意志を継いで警官になるもヘマばかり。そんなある日、犯人を捕まえ損ねたライアンはネズミに噛まれ、ネズミが媒介する奇病にかかってしまい—―というストーリー。

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バッドマン~」の方は、売れない役者のセドリック(フィリップ・ラショー)は、晴れて新作映画『バッドマン』の主役に抜てきされるも、初日の撮影終了間際に父が倒れたという連絡が。動揺した彼は衣装の「バッドスーツ」を着たまま「バッドモービル」に乗り、病院へ向かう途中で事故に遭ってしまい——。というストーリー。

まぁ、どちらの作品も、ちょっとした勘違いが大ごとに発展していくという、王道のコメディーなんですが、ストーリーというよりは明らかに笑いの方にウエイトが乗っていて、僕が昔見ていた70年後半~80年代の昔懐かしい洋画のコメディーを思い出しましたねー。

お国柄なのか、それとも彼らだからなのか

その「笑い」の方も、今どきの映画にしては結構ベタというか、作中に登場する警官が全員間抜けで役立たずというのは、もはやフランスコメディ映画の伝統とも言えると思うんですが、それ以外でも売れない役者のセドリックは極短小用コンドームのCMに出演してる(バッドマン)とか、自分の寿命があとわずかと知ったライアンが、祖母や片思いの相手に送る遺言のビデオメッセージを撮るも、スイッチを切り忘れてその後の乱痴気騒ぎも映っちゃってる(シティーコップ)とか、病院で、証人を殺しに殺し屋がくるのを待ち伏せしてたら勘違いした看護師に連れていかれて男なのに豊胸手術されてボインになっちゃう(シティーコップ)とか。アイデア自体は昔懐かしいコメディー映画のギャグなんですが、間もいいし全部面白いんですよね。

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あと、これはお国柄なのか、それとも彼らの作品だけなのか分かりませんが、基本本2作の主人公は成長しません。

今どきの映画って、例えコメディーでも主人公が事件や出来事を通して成長していく物語を、大上段に構えて、良き話風に描くじゃないですか。

もちろん、本2作の主人公たちも物語を通して成長はするんだけど、それは成長っていうより変化って言う感じで、物語が進むと、どんどん立場が悪くなっていくんだけど最後は元のさや(最初の状態)に納まるみたいな感じなんですよね。

その辺も、僕が子供のころ観ていた洋画コメディーってこんな感じだった気がする!って思い、何か懐かしい気分になりましたねー。

あと、これもお国柄なのか彼らの作品だけなのか分かりませんが、このコンプラコンプラとうるさいご時世に、しっかり下ネタをぶち込んでくるし、あと、子供が酷い目に遭うギャグとかもいれてたりするのはちょっと驚きました。

いや、別に子供が殺されちゃうとかではないんですよ?じゃなくて、大人も子供もちゃんと同じように痛い目に遭うみたいな。

フィリップ・ラショーはオタク監督?

「バッドマン~」では、DCやマーベルのパロディーも満載で、個人的にメッチャツボってしまいました。

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そのパロディーギャグの一つ一つも、しっかりオタクのツボを押さえすぎていて、僕の中で「もしやフィリップ・ラショーはかなりのオタクなのでは!?」という疑惑もw

それで言うと、前作の「シティーハンター~」も、舞台とキャストはフランスながら「シティーハンター」のツボをしっかり押さえた展開やギャグが、日本のファンにも評価されてましたしね。

「バッドマン」でも、元ネタはDC映画の「バットマン」ですが、パロディーの多くはMCUだったりするんですよね。

しかもクライマックスではあの「アベンジャーズグルグル」を見事に再現してて、爆笑しつつもグッとアガってしまうという。

他にも、サムライミ版「スパイダーマンのあのキスシーンや、スタン・リーのカメオ出演までしっかり押さえてたり。

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それらを分かる人にはわかる様、しれっと物語に溶け込めせるあたり、かなりの手練れだなーと思いましたねー。

時間の方も、「シティーコップ~」90分、「バッドマン」83分と、今どきの映画にしては時間が短くサクッと観られるもおススメポイントです。

興味のある人は是非!!