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シリーズ完結に相応しい作品「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」(2023)

ぷらすです。

今朝、朝イチの回でGotG第3作にしてシリーズ完結編となる「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」を観てきました。

もうね、シリーズ完結に相応しい作品で、ただただ最高でした!

というわけで今回は、公開したばかりの作品なので出来るだけネタバレしないよう気を付けて感想を書きますが、これから本作を観る予定の方、ネタバレ絶対許さないという方は、先に映画を観てからこの感想を読んで下さい。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

銀河のはみ出し者たちから成る異色ヒーローチームの冒険を描く『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第3弾。落ちこぼれチームのガーディアンズが銀河を救うため、強大な敵に立ち向かう。監督は前2作と同じく『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』などのジェームズ・ガン。『ジュラシック・ワールド』シリーズなどのクリス・プラットをはじめ、ブラッドリー・クーパーヴィン・ディーゼルゾーイ・サルダナ、カレン・ギランらおなじみのキャストが集結する。(シネマトゥディより引用)

感想

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」という衝撃

MCU10作目として、2014年にGotG第1作が公開されるという情報が出た時、僕も含めた多くのファンは正直「え、誰?」となっていました。
というのも、アイアンマン、ソー、ハルク、スパイダーマンなど、他のマーベルコミックのヒーローと比べて、GotGの原作はマイナーで、人気も決して高いとは言えなかったからです。

そんなマイナーヒーローチームを、これまた当時映画監督としては無名だったジェームズ・ガンが監督するということで、正直、公開前のファンの期待度は低かったし、ロケットのビジュアルにスポットを当てた宣伝の打ち方にも、配給会社の苦悩が垣間見えてたんですよね。

しかし、そんな空気は公開ともに吹っ飛びます。

僕の場合、ラッパーの宇多丸さんのラジオでの激熱な紹介を聞き、宇多丸さんがそこまで言うなら…と、正直半信半疑で観に行ったんですね。

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そしたら、これがもう……凄かった!

映画の帰りに、GotG関連のおもちゃが売ってないのかとトイザらスに車を走らせちゃうくらい、居ても立っても居られないというか、もっと言えば世代ど真ん中でありながら「スターウォーズ」にイマイチハマれなかった僕にとっては、「あぁ、スターウォーズにハマった人の気持ちって、きっとこういう事だったんだ!」と。

そのくらいの衝撃があったんですよね。

では一体何がそんなに凄かったのかと言えば、まずは音楽の使い方。
本作用に作曲したのではなく、70~80年代のポップミュージックを使うという方法は、ある意味既にタランティーノがやっていた事ではありますが、タランティーノが結構知る人ぞ知るマニアックな選曲だったのに対し、GotGはもっとポップというか誰もが耳馴染みのある曲を使っていて、それが映画にがっつりハマっていたんですね。

つぎに色使い。

GotGが登場するまで、「スターウォーズ」を含むスペースオペラで描かれる宇宙空間って、ある程度テンプレが決まっていたというか、むしろ「スターウォーズ」によって決定されたというか。

しかし本作で登場する宇宙は、70年代~80年代のSFアートを思わせるカラービジュアルで、羽のついた宇宙船などレトロフューチャー的デザインのメカなどとも相まって、カラフルでポップな世界(宇宙)観がファンのハートをがっちり掴んだんですね。

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そうしたビジュアル、音楽に、元々脚本家としてキャリアをスタートさせたガンの作劇がガッチリと噛み合って、GotG第1作は、MCU作品というよりGotGシリーズとしてファンに広く認知されたのです。

表のピーター・裏のロケット

そんなGotGの主人公と言えば、スターロードことピーター・クイル(クリス・プラット)ですが、実はこのシリーズには主人公が2人いて、表の主人公がピーターなら、裏の主人公はロケットなんですね。

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第1作ではピーターが強くフューチャーされていますが二人はある意味で鏡合わせの存在であり、第2作となる「~リミックス」では、ピーターの育ての親でもあるヨンドゥを中心に置く形で、ロケットの物語の比重がグッと上がり、そして本作「~VOLUME 3」では完全にロケットが主人公になっていたんですね。

本作ではこれまで要所要所で気配は感じさせていたものの、しっかり描かれる事のなかったロケットの過去が回想シーンとして描かれ、ガーディアンズがその決着をつけることで、ガーディアンズとして次への一歩を踏み出すところに着地しているんですね。

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まさに、シリーズ完結編に相応しい展開と言えると思います。

もうね、後半のクライマックスからはずっと泣きっぱなしでしたよ。

メインキャラクター全員に見せ場と相応しい着地を

そんなロケットが主人公の本作ではありますが、GotGシリーズ完結編としてもしっかり機能していて、ピーター、ガモーラ、グルート、ドラックス、マンティス、ネヴュラ、クラグリンや宇宙犬コスモに至るまで、全員にちゃんと見せ場があり、そしてそれぞれに相応しい着地が用意されています。

本作の上映時間は150分とやや長めではありますが、逆にこんだけぶち込めば150分かかるわ……ていうか、これだけの要素を150分に詰め込んだガンの手腕に驚かされました。

ガン風味強め

ジェームズ・ガン監督は二つの大きな作家性があって、一つはエモーショナルをしっかり描くということ、それがある意味「お涙頂戴」的に見えて嫌がる人もいると思いますが、個人的にはこうしたエモ描写を衒いなく、真剣に「良きもの・良きこと」として描けるのはガンの作家としての強みだと思うんですよね。

もう一つは、露悪的な描写。

GotGだけしか観ていない人は驚くかもですが、インディ時代の作品やDCの「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」、そのスピンオフであるドラマ「ピースメーカー」を観た人には、ジェームズ・ガン露悪ギャグはお馴染みだと思います。

大量虐殺や残酷描写をギャグとして描いたりね。GotGシリーズでは(親会社がディズニーということもあり)そうした露悪的な描写はかなり抑えられていますが、露悪性こそがガン本来の作家性と言う人も少なくないかもしれません。

まぁ、エモと露悪の両立こそがガンの作家性なのだと個人的には思ったりするんですけども。

で、本作はガンのMCUラストの作品ということもあり、これまで抑えていた露悪性が割としっかり描かれているんですね。

それを体現するのが、回想で登場するライラ、ティーフ、フロアと今回のヴィランであるハイ・エボリューショナリー

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いや、直接的に残酷なシーンは描かれてないですけど、幼い頃のロケットの姿などからその残酷シーンが想像できてしまうんですよね。あぁ、痛い痛い。

そういう意味でハイ・エボリューショナリーというヴィランは、完結編に相応しいラスボスというか、演じるチュクウディ・イウジの演技も相まって、ここ10年でこれほど憎ったらしいと思った悪役はいなかったですねー!!

今回は最後のディズニー作品ということで露悪的なシーン強めなだけに、クライマックスのエモシーンも一際グッときてしまいましたよ。

ただ……

とまぁそんな感じで、本作はマジで完結編として素晴らしい作品だったし、3作に渡って楽しませてくれたGotGとジェームズ・ガンにはホント、ありがとう以外の言葉はないんですが、ただ一つ。いや、これはガンやキャスト、スタッフへの苦情ではないんですけど………正直、最後のあの一文はいらなかったなーと。

なんかこう「あ、そうなんだ…」って感じで、せっかくの感動がスッと冷めちゃうというかね。いや、まぁ、いいんだけどさ……。うーん。

ともあれ、ジェームズ・ガン監督、および、スタッフキャストのみなさん、最後まで楽しませてくれて、本当にありがとーございました!

興味のある方は是非!!