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ヒーロー版リメンバー・ミー?「ブルービートル」(2023)

ぷらすです。

先日Amazonで、DCEU17作品目となるヒーロー映画「ブルービートル」のレンタルが始まっていたので、早速視聴しましたよ!

今回のヒーローはメキシコ人ということで、強い家族の絆が描かれていて、ちょっとピクサー映画の「リメンバー・ミー」を連想してしまいました。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

様々な「DCコミックス」の実写映画作品を、同一の世界観のクロスオーバー作品群として扱う『DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)』シリーズの第17作品目の映画。

エイリアンが作り出した古代の寄生型超兵器「スカラベ」を思いがけず手にしたことで、どこにでもいる普通の青年ハイメの運命は一変。
スカラベの力で最強のヒーロー「ブルービートル」に変身した彼は、スカラベを狙う悪の企業から愛する家族を守るため戦う。

ドラマ「コブラ会」シリーズで注目を集めた若手俳優ショロ・マリデュエニャが主演、ブラジル出身のモデルで俳優のブルーナ・マルケジーニがヒロインを務め、名優スーザン・サランドンや人気コメディアンのジョージ・ロペスが脇を固める。

感想

DCEUの崩壊と巻き込まれたヒーローたち

DCヒーロー映画の成り立ちで言うと、1978年「スーパーマン」の空前の大ヒットがあり、その後、1989年~ティム・バートン監督の「バットマン」2部作、2005~クリストファー・ノーランの「ダークナイト」三部作(バットマン)が、それぞれ大ヒットを記録。(ドラマ版も好評だったけどここでは除く)

その後、MCUの躍進に触発され、DCEUを発足、数々の作品を世に出すものの「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」が賛否分かれる評価になったことを受け、親会社のワーナーブラザーズはDCEUの評価安定のためDCフィルムズを設立します。

その後、何度か好転の機会はあったものの、(恐らく)親会社ワーナーの介入によってDCフィルムズは大迷走。結局、2022年、DCフィルムズはDCスタジオに名を変え、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンとピーター・サフランをCEOに任命。DCEUもDCUに名称を変更し、その内容を一新していく事になったんですね。

その結果、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルワンダーウーマン役のガル・ガドット、サイボーグ役のレイ・フィッシャーバットマン役の ベン・アフレックらが降板する事態になり、さらに完成間近だったバットガールもお蔵入りに。

そんなDCEU最後の2作品として作られたのが来年1月公開「アクアマン/失われた王国」と、日本ではビデオスルーとなってしまった本作「ブルービートル」だったのです。

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え、それどんな気持ちで観ればいいの?って話ですが、「ブルービートル」と「アクアマン」はDCUに継続して出演という噂もあるので、それが真実であることを祈るのみです。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作をざっくり紹介すると、大学を卒業したハイメが実家に戻ると、実家の自動車工場は潰れ、家も立ち退きを迫られていることを知らされます。ハイメは職を探すも中々上手く行かず、そんな時たまたまバイト先で出会った世界的企業コード社のジェニーと出会い、仕事を紹介してもらう約束をするんですね。

後日、面接の為コード社に赴いたハイメは、慌てた様子のジェニーからハンバーガーの箱を預かり、家に戻ってその箱を開けるとそこには虫型の小型デバイスのようなものが。

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すると突然そのデバイスがハイメに寄生。デバイススカラベ)の力でスーパーパワーを手に入れたハイメは、スカラベを狙うジェニーの叔母でコード社CEOのビクトリアと彼の部下で人間兵器のカラパックス から、大切な家族を守るため立ち上がるのでした。というストーリー。

MCUのパクリ?

なんですが、スカラベとそれを制御している(多分)AIのカージ・ダは、アイアンマンのJ.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)的な感じだし、ハイメの年齢は大学を卒業したばかりの22歳?ということや中盤のある展開もあって、全体の雰囲気はスパイダーマンっぽいなーという印象。

実際、ネット上では「MCUのパクり」なんていう批判も出てるわけですが、僕に言わせれば「それがどうした」と。

そもそも、DCコミックとマーベルに限らず、アメコミヒーローはパクリパクられが常ですからね。MCUホークアイだって元を辿ればDCコミックのグリーンアローのパクリだし、他にもキャット・ウーマン(DC)とブラック・キャット(マーベル)、フラッシュ(DC)とクイック・シルバー(マーベル)とか、言い出せばキリがないし、そもそもアメコミってそういうものだから

メキシカンヒーロー

で、そんな本作のオリジナリティーといえばハイメの家族。

ハイメの家はお父さん、お母さん、お祖母ちゃん、叔父さん、妹が同居していて、メキシコからの移民として虐げられているということもあってか、その繋がりはとても強いんですね。そんな彼らを見てピクサー映画の「リメンバー・ミー」を連想する人も少なくないかも。

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映画中盤、コード社に連れ去られたハイメを家族全員が力を合わせて救うという展開はベタっちゃベタだけど、やはりグッと来てしまうし、貧乏だけど仲良しな家族全員、それぞれキャラクターが立っているのもいい。

逆に悪役には、大会社の社長だけど過去に家父長制によって不利益を被ったジェニーの叔母ビクトリアを置くのも良い対比になっていると思いましたねー。演じるスーザン・サランドンの芝居がメッチャ憎らしいのも良かった。

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まぁだからと言って大傑作とまでは言えないし、物語的にもわりとこじんまりとまとめた印象で、CGも若干ショボい感じ。

まぁ、物語に関しては新ヒーローのオリジン(誕生譚)だし、初めましての自己紹介的意味合いもあるので、あまりややこしくせずに、このくらいシンプルで丁度いいのかもですね。

あと、DCEUといえば、モダン・エイジを原作にした、ザックスナイダー主導の暗くて『リアル』な映画というイメージの人も多いかもですが、その後、ジェームズ・ワン監督の「アクアマン」を契機に、「シャザム!」「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」など、明るく楽しい作品も増え、本作はその系譜にあって、大人から子供まで楽しめる作品になっています。

個人的にはDCUでも、新ヒーロー「ブルービートル」の活躍を(今度こそ大きなスクリーンで)観られるのを期待しています。

興味のある方は是非!!