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15年に渡るダニエル・クレイグ版ボンド終演「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021)

ぷらすです。

観てきましたよ!

ダニエル・クレイグ最後の007となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をね!

(;゚∀゚)=3ハァハァ

いやー、待ちましたよ!
2020年公開のハズがコロナの所為で3度にわたる公開延期の末、やっとの公開ですからね!

マジで待ちくたびれましたけど、その分、個人的には最後の最後までしっかり楽しめる作品になってました!

ちなみに今回は劇場公開したばかりの作品なので、出来るだけネタバレはしないように気を付けて感想を書きますが、「内容を何も知らずに観たいんじゃーい!」という人は、先に映画館で作品を観てから、この感想を読んで下さいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

イギリスの敏腕諜報(ちょうほう)員ジェームズ・ボンドの活躍を描く人気シリーズの第25弾。諜報(ちょうほう)の世界から離れていたボンドが、再び過酷なミッションに挑む。メガホンを取るのはドラマ「TRUE DETECTIVE」シリーズなどのキャリー・フクナガダニエル・クレイグレイフ・ファインズナオミ・ハリスらおなじみの面々が出演し、新たに『ボヘミアン・ラプソディ』などのラミ・マレックらが参加する。(シネマトゥデイより引用)

感想

007というレガシー

007シリーズは、ショーン・コネリー主演で公開された第1作「007は殺しの番号」(原題「Dr. No」)から本作まで、58年間の間に25作品が製作・公開された(イーオン・プロダクションズ製作以外の作品も2作品はノーカンで)大人気長尺シリーズ。
当然、主人公の007ジェームズ・ボンド役の役者も代替わりしてるので、ファンも世代によって見ていたボンドのイメージが違うんですよね。

ちなみに僕はロジャー・ムーア世代で、初代ボンドのショーン・コネリー版はテレビ洋画劇場で何作か見たことがある程度だったりします。

で、ジョージ・レーゼンビーティモシー・ダルトンピアース・ブロスナン版の007は1作も観たことがなくて、ちゃんと作品を追ってたのはロジャー・ムーアの時とダニエル・クレイグ版になってからなので、決して熱心なファンというわけではないんですね。(〃ω〃)>

ただ、6代目ボンドにダニエル・クレイグが決まった時の事は覚えていて、それまで黒髪・青灰色の瞳が特徴だったボンドが金髪碧眼のクレイグに変わることに対してのアンチはかなり多かったし、ぶっちゃけ僕も彼は007っていうより敵キャラっぽいって思いましたしね。

そんな中、「カジノ・ロワイヤル」(2006)で原作のイメージに限りなく近い、寡黙でタフなボンドを演じた彼は、まさに実力でダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを世界に認めさせ、そこから「慰めの報酬」(2008)「スカイフォール」(2012)「スペクター」(2015)、そして本作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」までの5作品に渡り、新時代のジェームズ・ボンドを演じきってみせたんですね。

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新時代のジェームズボンド

じゃぁ新時代のボンドってなんじゃいって話ですが、ジェームズ・ボンドはそもそも前時代的の恐竜みたいなキャラクターでして、一流の服や装飾品を身につけ、一流の車を乗り回し、世界の名所を回って一流の酒・食事を嗜み、夜な夜な美女とHして、その一方で、任務のためなら女性も道具のように次々使い捨てるっていう非情なスーパースパイでもあります。

そんなスパイ映画であると同時に、海外旅行のハードルが今より高くネットもなかった時代、超カッコいいスパイのジェームズ・ボンドが一流のファッションに身を包んで世界の名所を回り、その土地の美女とのお色気シーンもありっていう、「PLAYBOY」的な役割も担っていたわけです。

もちろんイアン・フレミングの原作小説や、それまでの映画シリーズが公開された1960~90年代までなら通じたそれらの価値観やヒーロー像は、2000年代に入り加速度的に変わりゆく価値観のなかで一気に古臭くなり、世界基準からもズレて通じなくなっていきます。

そこで、ダニエル・クレイグ版007は、(それまでの007の文脈やスタイルは受け継ぎつつ)「スペクター」という敵組織との戦いを縦軸に、これまでのシリーズではあまり描かれてこなかったジェームズ・ボンドという男の感情面や生い立ちにスポットを当てながら、時に必死で泥臭く、時に繊細でナイーブな人間・ジェームズ・ボンドの半生を15年5作品の連続ドラマとして描いたんですね。

前述したように、僕は007シリーズ全作品を追ってるわけではないので断言はできませんが、それまでの007はそれぞれの作品が一話完結のオムニバス的なシリーズで、一人の役者が演じるジェームズ・ボンドというキャラクターのドラマを連続的に描いたのは、このダニエル・クレイグ版が初めてだと思うんですよね。

そんな、ダニエル・クレイグ版007シリーズの集大成と言えるのが本作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」なのです。

2時間43分

そんな本作の感想を一言でまとめると、とにかく長い!w
上映時間なんと2時間43分ですよ!

そもそも007のファンは(僕も含め)中高年の人が圧倒的に多いですからね。
途中トイレに立つ人がめっちゃ多かったし、僕は辛うじて最後まで座ってられましたけど、膀胱の容量はギリギリでしたよw

なので、これから本作を観る時は出来るだけ水分を取らない事をおススメします。

ざっくりストーリー紹介(*前作のネタバレあり)

前作でのスペクターとの戦いから5年後、引退しジャマイカで穏やかな日々を過ごしていたボンドのもとに、旧友でもあるCIAエージェントのフェリックス・ライタージェフリー・ライト)が訪れ、誘拐されたロシアの細菌学者ヴァルド・オブルチェフデヴィッド・デンシック)を救い出してほしいと依頼。最初は乗り気ではないボンドでしたが、事件に宿敵スペクターが絡んでいると知ってフェリックスの依頼を受ける――というストーリー。

で、フィリックスからCIAエージェントと会うように言われキューバを訪れたボンドを待っていたのが、この仕事がデビューのCIAエージェントのパロマ(アナ・デ・アルマス)なんですが、なんと彼女はドジっ子なのです!w

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めっちゃ美人な女スパイのパロマですが、初めての任務に緊張してあたふたバタバタ。その様子はまるでマンガのドジっ子みたいでめっちゃ可愛いんですよね。

「へー、007でもこういうマンガ的なキャラが出るようになったか」なんて思いながら微笑ましい気持ちで観てると、敵アジトでのアクションシーンでは一変、ダンスを踊るように優雅なガンアクションをビシッと決める姿がめっちゃカッコよく、序盤のドジっ子キャラとのギャップもあって、すっかりファンになってしまいましたw

まぁ、その後のシーンでは一切出てこないんですけど、彼女主役の番外編とか作って欲しいと思いましたねー。

新007(微ネタバレ)

本作では、引退したボンドに変わってノーミ(ラシャーナ・リンチ)という黒人女性が新007になってるわけですが、個人的にはその扱いがいかにもイマドキのポリコレ的に案じました。

彼女は物語の役割的にボンドが007に復帰するための繋ぎ、そして引き立て役以上のキャラクター的な役割がなくて、ぶっちゃけ彼女が007じゃなくても001だろうが009だろうが物語は成立するんですよ。

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なんていうか、この程度の扱いなら彼女を007にする必要あるかなー?って思ったり。
これは本作に限ったことではないけど、性別・人種的マイノリティーが映画で重要な役を演じる事自体は大賛成ですけど、マイノリティーありきのキャスティングは違うんじゃない?っていう感じ。ラシャーナ・リンチ本人は良い役者さんなだけに、勿体ないなーって思いましたねー。

悪役

予告編でも登場してるのでネタバレにはならないと思うんですが、今回の悪役サフィンを演じるのは、「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ役を演じたラミ・マレックなんですが、正直(悪役として)うっすいなーって思いましたねー。

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基本的にダニエル・クレイグ版007では、スペクターという組織、その首領ブロフェルドクリストフ・ヴァルツ)が終始一貫した敵なんですけど、そのスペクターとの闘いは前作「スペクター」で完結しちゃってるんですよね。
なのでまぁ本作自体が蛇足っていうか、ある種のボーナストラック的要素もあったりするんですが、007を作るからには敵も必要ってことで登場したのがこのサフィンなわけです。

ただ、これは仕方ないことではあるんですが、正直唐突感が否めないっていうか、え、いきなり出てきたあなたはどちら様ですか? っていう。

例えるなら、長年続いたラブコメの最終回で、突然主人公に猛アタックをかける新キャラ登場みたいな。しかもヤンデレでしたっていう。

壊れた能面を被って登場するビジュアルはカッコいいしキャラ設定もイマドキっぽいけど、イマイチ背景が見えてこないというか、彼の目的や、なぜボンドやマドレーヌたちを執拗に狙うのかがイマイチ理解出来ない――っていうか、理解はできるが飲み込みづらいんですよね。

彼の本拠地は北方領土っぽいので、日本かロシアにルーツがあるのかな?
能面被ってるし、庭には枯山水、アジトには畳も敷いてますしね。
まぁ、日系のキャリー・ジョージ・フクナガが監督を務めてるからかもですが。

そういう見た目のインパクトは強いし、彼の武器はある意味最強でもあるんだけど、もう少しストーリー的にも映像的にもキャラ説明が欲しかったなぁって思いました。
でも、それやるとさらに上映時間が伸びるのか。うーん悩ましいw

まとめ

まぁ、そんな感じで色々文句も書いてしまいましたけど、前述したように、基本的には2時間43分めっちゃ楽しみました。

あの賛否の分かれそうな衝撃のラストも個人的には納得だし、ダニエルクレイグ版ボンドの幕引きとしては申し分ないと思いましたしね。

何度も進退に悩みながらも、15年間ジェームズ・ボンド役を完走してくれたダニエル・クレイグにはありがとうしかないし、(ストーリーや設定的にはツッコミどころも多いけど)劇中にはファンには嬉しいイースターエッグや歴代シリーズへのオマージュもふんだんに盛り込まれていて、大・満・足でしたよ!!

興味のある方は是非!!

 

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