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「ゲッタウェイ」(1973) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、米国では1972年公開、スティーブ・マックィーン主演の『ゲッタウェイ』ですよー!
銀行強盗を生業とする夫婦の逃避行を描いた作品です。

 

概要

1972年制作、公開のクライムムービー。
当時人気絶頂のアクションスター、スティーブ・マックィーンと『ある愛の詩』で人気を博したアリ・マッグローが、夫婦役を演じ、この共演をキッカケに結婚した。
監督は『ワイルド・バンチ』『わらの犬』などで知られる巨匠、サム・ペキンパー

あらすじ

有力者ベニヨン(ベン・ジョンソン)の口利きで刑務所を出所したドク・マッコイ(スティーブ・マックィーン)は、その見返りとして、妻キャロル(アリ・マッグロー)と共に銀行強盗に手を染める。
計画は何とか成功するものの、2人は、途中で裏切った仲間のルディ(アル・レッティー)、警察、ベニヨンの弟の三者から追われる羽目になってしまう。

http://ecx.images-amazon.com/images/I/717-N3j-W%2BL._SL1000_.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp/

感想

うーん。
まず最初に感じちゃうのは、『古さ』だなーと。
なんと言っても1972年作品ですからねー。
で、僕は本作(というか、サム・ペキンパー監督の手法)に影響を受けて作られた、いわばフォロワー作品を先に観ちゃってるわけで、ガンダムを観たあとにマジンガーZを観ているのに近い感覚になっちゃうんですよね。

それとは別に、ほかの人のレビューを読むと、本作自体、好き嫌いの分かれる作品でもあるみたいではありますけども。

脱獄しないんかーい!w

物語はスティーブ・マックィーン演じる主人公 ドクが、仮出所に申請を却下されるところからスタートします。
この時点で、僕はこの映画を誤解してるわけですが、なんと言ってもあの『大脱走』のスティーブ・マックィーン主演ですからね。
当然、脱獄するって思ってるわけですよ!

刑務所の仕事で担当している機織り機を意味ありげに見つめるドクに、この機械にわざと手を挟んで怪我→警察病院に→そこから脱走か!? とハラハラ。

外での草刈作業に従事するドクに、囚人が乗るトラックを使って脱獄か! とハラハラ。

お手製の橋の模型を眺めるドクに、脱獄計画を練っているのか!? とハラハラ。

老囚人とチェスをするドクに、脱獄の計画を伝えてるのか!? とハラハラ。

と、とにかく、いつステーブ・マックィーンが脱獄するのかとハラハラしっぱなしなんですが、結局何も起こりませんw

この、諸々意味ありげなシーンは、つまり獄中でのドクの我慢の限界っていうか、とにかく自由になりたいっていう気持ちを表現してるんですねー。

で、面接にきた奥さんのキャロルアリ・マッグローを通して、表向きは大牧場のオーナーで街の有力者、裏の顔はギャングのボス? のベニヨン(ベン・ジョンソン)に出所させて貰えるよう頼むんですね。

その代わり、彼の依頼を受けるという取引は成立。
ドクはついに自由の身となります。

ここまで、ドクにどんな過去があるのか、ベニヨンとはどんな関係なのかは特に説明はありません。

ただ、物語の流れを見ていると、どうやらドクは色んな犯罪に手を染めているワルで、ベニヨンの依頼で何度か悪事を働いていたらしいってことが想像できます。

自由の身になったドクは奥さんのキャロルと、イチャコラしたあとベニヨンの依頼で、彼が用意した二人と奥さんの4人で銀行強盗をすることになります。

計画は辛うじて成功するものの、ベニヨンが用意した仲間のルディ(アル・レッティー)が金目当てで裏切り、ドクを殺そうとするも返り討ちに。
しかし、ドクとキャロルは、計画の段階で支給された防弾チョッキを着ていて命拾いをしたルディ、金の受け渡しで殺してしまったベニヨンの弟とその部下のギャング、そして警察の三者から追われることになる。というお話です。

イマイチ乗り切れない理由

とまぁ、流れを文字で書いてみるといかにも面白そうなんですが、僕はイマイチ本作に乗り切れなかったのは、本作が全体的に散漫な印象を受けたからなんですね。

*ここからはちょっとネタバレになるので、本作を観る予定の人はここで読むのをストップして下さい。

 

 

一つ一つのアクションやシーンは、(撮影も含め)カッコ良かったり、「お!」と感心する部分もあるんですが、全体を通して観ると、余分なシーンや余計なカットが多く、そのせいでテンポが悪くなっている印象を受けました。

例えば、駅でキャロルがロッカーの鍵すり替えの詐欺にあって盗まれたお金を、ドクが取り戻すシークエンスは、二人が警察に追われるために必要なのは分かるんですが、もうちょっとコンパクトにまとめた方がいいんじゃないかなーとか、ルディと動物病院夫婦のシークエンスも正直冗長で弛れちゃうんですよね。

あと、これは僕がちゃんと理解できてないのかもですが、ドクとキャロルの二人が、どうしてギャングの待ち構えているエルトポに向かうのかがイマイチ分からなかったり。
エルトポのホテルの支配人がドクの馴染みで、メキシコへ逃げるための手引きをしてくれるからなのかな?

アクション映画? いいえ恋愛映画です。

最初に、この映画を誤解していたと書きましたが、僕はこの映画をクライムアクションだと思いながら観ていたんですね。
もちろんその要素はあるんですが、でも、本作の本質は、ドクとルディの愛の行方を描いた恋愛映画なんですね。

実は、ドクに言われてベニヨンに会いに行ったキャロルは、夫を救うためにベニヨンに体を許しているわけです。
その事を知ったドクは、頭では自分を救うための方便で、彼女がベニヨンに抱かれた事を分かっていても、彼女が許せなくて当たったり、喧嘩になったり、果ては別れ話に発展してしまいます。

そんな一度は離れた二人の心が、再び修復されていく様子を、バイオレンスアクションの骨格の中で描いている映画なんですね。

多分、本作の中でサム・ペキンパー監督は、どんなにタフでワルな男よりも精神面では女の方がずっとしたたかで強いとうい事を言いたかったのかなーって思いました。

で、ドクという荒くれ者でマッチョな男の奥さんに「ある愛の詩」で人気を博した清純派女優、アリ・マッグローを配置したのも、そういう狙いをより際立たせたかったからかなーなんて思ったりしました。
その辺に、視点を置いて観ると、案外楽しめるかもしれないですねー。

興味のある方は是非!

 

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