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今日観た映画の感想

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ゴミ溜めの中でのたうつような青春映画「トレインスポッティング」(1996)

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは1996年公開のイギリス映画『トレインスポッティング』ですよー!

前回ご紹介した「シング・ストリート 未来へのうた」と同じ、イギリスを舞台にした青春映画で内容やテーマもほぼ同じですが、内容は正反対。
こちらはスコットランドを舞台に、暴力&ドラッグ&セッ〇スにうつつを抜かす自堕落な若者たちの物語です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91LC4v2a-dL._SL1500_.jpg

画像出典元URL:https://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

スラムドッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイルが、アーヴィン・ウェルシュの小説を映画化した異色青春ドラマ。ドラッグ中毒の主人公と仲間たちのハチャメチャな日々を、スタイリッシュな映像で活写する。今や大スターとなった若き日のユアン・マクレガーが主演を務め、『ビザンチウム』などのジョニー・リー・ミラーらが共演。イギリスをはじめ世界中が熱狂したポップな感性に魅了される。

ストーリー:ドラッグ中毒のマーク(ユアン・マクレガー)と悪友たちは常にハイ状態か、あるいはドラッグを手に入れるため盗みに精を出しているというていたらく。ある日、マークはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就く。ところが、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、マークはクビになってしまう。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

本作がDVD化されてレンタル店に並んでいたとき、パッケージがとにかく格好良くてずっと気になっていたんですが、なんとなく観るタイミングを逃してたまま時が過ぎ、今年、20年ぶりに続編が公開されるという情報を知り「そういえば、見逃してたっけ」と今回レンタルしてきたんですね。

前回ご紹介した「シング・ストリート 未来へのうた」が、清く正しい優等生的青春物語だったのに対し、本作はドラッグ&セックスに溺れる若者たちを描いた青春物語でした。

ゴミ溜めの中でのたうつような青春物語

本作が世界中で注目を浴びた理由は、カッコイイ音楽とスタイリッシュな映像に乗せて、ヘロインとセックスに溺れる若者のリアルな姿を描いたことが大きいと思います。
冒頭、ユアン・マクレガー演じる主人公レントンが万引きをして逃げ回るのシーンで幕を開けるんですが、その映像に乗せて、

「人生を選べ、仕事を選べ、キャリアを選べ、家族を選べ、バカでかいテレビを、洗濯機を、車を、CDプレイヤーを~(中略)未来を選べ 人生を選べ、俺は選ばないことを選んだ」
というナレーションが入ります。

この時の彼は、明日とか将来なんかまったく考えてなくて、とにかくヘロインでご機嫌になることだけが目的の自堕落な生活を送っているわけです。

そんなレントンの友達は、
同じくヘロイン中毒のスパッド(ユエン・ブレムナー
ヘロイン中毒でスケコマシのシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー
薬はやらないけどケンカ中毒のベグビー(ロバート・カーライル
薬もやらずトレーニング好きで彼女のいるトミー (ケヴィン・マクキッド)

の4人。

本作は、この5人を中心に物語が進んでいきます。

たまり場で、ヘロインを打ちまくりのレントンでしたが、何度目かの禁ドラッグで元気になります。すると今度はヘロインで抑えられていた性欲が湧き出てきてクラブで女の子をナンパ。
女の子の家でHが終わると「帰るか、廊下で寝るかにして」と言われ、廊下で寝て起きたら実はその子はまだ15歳。
さらに就職活動にも失敗して、ヘロイン仲間の赤ちゃんが死んで、再びヘロイン中毒に逆戻りして、ヘロインの金欲しさに万引きをして(これが冒頭のシーン)執行猶予つきの実刑判決をくらい、それでもヘロインを打って死にかけて、部屋に閉じ込められて禁断症状に耐え、更生するも友達のせいでクビになってヘロインに手を出して……。というダメっぷり。

じゃぁ友達はといえば、スパッドはレントンと万引きして一緒に捕まり実刑判決を食らってもドラッグをやめられず、シックボーイは趣味と実益を兼ねてドラッグの売人兼ポン引きになり、ベグビーは強盗で指名手配され、唯一まともだったトミーは彼女に振られ他ショックでヘロインに手を出してエイズになって……。

ほんとお前らどいつもこいつもーー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

っていうね。

それでも何故かレントンや仲間たちを憎めないのは、彼らが抱える“弱さ“に共感してしまうからなんですよね。
頑張ったところで先が見えてるとか、自分の国が最低とか、高卒じゃ採用されないとか、なんやかんや理屈をつけては、目の前の困難から目を逸らすためにドラッグに逃げる。ダメだと分かっていてもやめられない心地いい敗北に浸ってしまう的な弱さって、誰だって多かれ少なかれ一度は経験があって、本作ではそれをドラッグという形で誇張して描いてますが、その奥にあるテーマは世界中の若者が抱える普遍的な弱さを、肯定も否定もしないでありのままに描いているんですよね。
それゆえに、公開時は「ドラッグ賛美だー!」なんて叩かれたりもしたみたいですが。

ただ、ちゃんと最後まで観れば、本作が上記のような普遍的な物語を描いている事がわかると思います。

その上で、最後にはレントンの成長 物語として落とし込んでいるのも良かったですねー。

スタイリッシュなビジュアルとポップな音楽

そんな普遍的な物語に、ドラッグやセックスという刺激的な香辛料をたっぷりかけて、スタイリッシュなビジュアルとノリノリな音楽で彩ったことで、本作はイギリスだけじゃなく世界中の若者にカルト的な人気を得ます。

若者たちの様子をただリアルに描き出すんじゃなく、ヘロインでトリップしているレントンの視点を入れたり、なんともファンタジックな印象的な映像とユーモアで高揚感と躍動感のある画作りは、今観てもカッコイイなーって思いました。
ちなみに本作の音声はマサヒロ・ヒラクボという日本人の人が担当しているみたいです。

劇中使われる音楽も、イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」を始め、ブライアン・イーノプライマル・スクリーム、スリーパー、ニュー・オーダーなどなど、そうそうたるミュージシャンのヒット曲ばかり。

この音楽と映像、キャラクターの魅力、そして普遍的に共感されるストーリーが揃ったことで、本作は長く愛されるカルト的な青春映画になったんですねー。

僕も、もし十代から二十代前半で本作を観ていたら、きっとハマってたんじゃないかって思います。

続編は4月に公開されるらしいので、その前に本作を観てみるのもいいかも。

興味のある方は是非!!

 

トレインスポッティング2予告▼

www.youtube.com