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マトリックスのワリを食った秀作「13F」(2000) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、米国では1999年に公開されたSFスリラー『13F』ですよー! 物語は地味ですが、中々見ごたえのある作品でしたー!

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91j4WJ7joSL._SL1500_.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.co.jp

あらすじと概要

インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ製作によるSFスリラー。

ストーリー:コンピュータ・ソフトの開発者ホールは、ヴァーチャル・リアリティの技術を使ってコンピュータ内に1937年のロサンゼルスを再現しようとしていた。
だが上司が何者かに殺される事件が起こり、ホールが容疑者となってしまい、アリバイが無いどころか、犯行時間の記憶自体失っているホールは、突然の事態にパニックとなる。
やがて彼は、研究の過程で1937年の仮想世界と現実世界を行き来していたことを知る。その鍵を握るのは“13階”……。
ジョセフ・ラスナック監督。(allcinemaより引用)

 

感想

本作が制作公開されたのは、「マトリックス」の少し後で、そういう意味ではかなりワリを食っちゃった作品と言えるかもしれません。
どちらも『仮想世界』を題材にしたSF映画で、しかもマトリックスの方が100倍ど派手ですからねーw

ただ、作品としては地味だけど、とても丁寧に作られてて、個人的にはかなり好印象な作品でしたよー!

仮想現実+タイムトラベル?+サスペンス

本作で特徴的なのは、単純に『仮想現実』の世界を舞台にするだけでなく、そこに時代を入れ込むことで、ある種のタイムトラベル映画としても楽しめるところじゃないかと思います。

クレイグ・ビアーコ演じる主人公のダグラス・ホールが務める会社では、ヴァーチャル・リアリティの技術を使ってコンピュータ内に1937年のロサンゼルスを再現しているという設定。

その世界の住人は、プログラムでありながら人格を持ち、自分で思考成長するという設定なんですね。
で、この会社の機械を使うと、現実世界の人間は一定時間この仮想現実の世界の住人に成り代われる(肉体を乗っ取れる)わけです。

ホールの上司で社長のフラーはこの技術を使い、仮想現実の世界で女遊びに興じてたんですが、ある驚愕の真実を知ってしまい、その事を部下で友人のホールに伝えようとするも、何者かによって殺害されてしまう。

で、アリバイもなく警察に犯人ではと疑われたホールが、過去(仮想現実)と現在(現実世界)を行き来しつつ真実に迫っていくという物語なんですね。

この物語には3つのルールがあります。

1・未来(現実世界)→過去(仮想現実)へは一方通行(仮想現実から現実世界には来れない)
2・現実世界の人間が仮想現実の人間を乗っ取っている間は、仮想現実の人間の記憶は無くなる。
3・仮想現実の人間を乗っ取っている現実世界の人間が、仮想現実の中で命を落とすと、現実世界の肉体は仮想現実の人間のものになる。

本作では物語の中で、このルールをとてもスマートに説明しつつ、ルール自体が物語を進めていく上での伏線や推進力になっていくんですねー。

ただ、若干ご都合主義というか、「え?」となるシーンもあるにはあるし、中盤くらいでオチも読めるんですが、映像のディテールや物語の構成が丁寧なので、オチは読めても、個人的には最後まで楽しめましたよ。(SFファンの人には物足りなく感じるかもですが)

傑作とまでは言いませんが、観て損はしない秀作と言えるんじゃないかと思います。

興味のある方は是非!