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「きっと、うまくいく」の監督と主演がどえらい映画を作った!「PK」(2016)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ボリウッド(インド)映画の傑作「きっと、うまくいく」の ラージクマール・ヒラーニ監督と主演のアーミル・カーンが再びタッグを組んだ映画『PK』ですよー!

公開当初から期待値は高かった本作ですが、もうホント……

どえらい映画でしたよー!!(*゚∀゚)=3

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あらすじと概要

ヒットを記録した『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督と、主演のアーミル・カーンが再び組んだヒューマンコメディー。テレビ局で働く女性が神様を探している謎の男に興味を持ったことから始まる物語を、世界中で起きている社会問題を絡めて描く。主人公のPKを熱演したアーミルが、50歳を超えたとは思えない肉体美を披露し、ヒロインを『命ある限り』などのアヌシュカ・シャルマが演じる。

トーリー:留学先のベルギーで恋に破れ、祖国インドのテレビ局に勤務するジャグー(アヌシュカ・シャルマ)は、ある日黄色いヘルメットをかぶって大きなラジカセを持ち、さまざまな宗教の飾りを身に着け、チラシを配布する男(アーミル・カーン)と出会う。PKというその男は神様を探しているらしく、興味を持ったジャグーは彼を取材する。しかし、PKが語る話は途方もない内容で……。(シネマトゥデイより引用)

 

感想

笑いを武器にタブーに切り込む名作!

「きっと、うまくいく」で世界を笑いと感動の渦に巻き込んだラージクマール・ヒラニ監督と、主演のアーミル・カーンが再びタッグを組んで挑む題材はなんと宗教。

まさにタブーとも言える題材に、本作は真正面から切り込んでいきます。しかもドキュメンタリーとかじゃなくて、コメディー映画で、です。

これは、多民族・他宗教の国インドだから出来た事なのかもしれませんが、それにしたって、商業メディアとしてはリスクの高く、扱いも難しい超デリケートな題材ですよね。それを正直、観ているコッチが心配になるくらい真正面から切り込んでいくんですよ!

しかし、そこはさすが最強コンビ。
世界中のあらゆる宗教問題に対し、おそらく世界一シンプルな言葉で回答を示してみせた上で、ボリウッド娯楽ムービーという枠をはみ出すことなく、見事に着地してみせたんですよ! 

笑いあり、涙あり、恋愛あり、ダンスありのエンタメ山盛り全部のっけ!

本作は冒頭からいきなりカマされます。
広大なインドの風景の中に浮かぶ、明らかに違和感感たっぷりの雲がぷかぷか浮かんで移動してるんですが、それはなんと巨大なUFO。

そして、そのUFOから降り立ったのが、主演のアーミル・カーン演じる宇宙人。
しかも全裸

っていうか、アーミル・カーン50過ぎてるのに筋肉モリモリ過ぎる

で、降り立った地でファーストコンタクトしたインド人に、いきなりUFOを呼ぶリモコンを盗まれるところから物語はスタートします。

で、場面変わってベルギー。
 アヌーシュカ・シャルマ演じるヒロインのジャグは、ある出来事からパキスタン人の青年と恋に落ちます。

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出会って、ケンカして、打ち解けたと思ったら、彼がパキスタン人ということで……っていう、日本人が見ると多分「はぁ!?」ってなるシーンですが、まぁそこは両国の歴史的に色々あったってことなんでしょう。

それでも、彼に惹かれるジャグは去っていく彼を追いかけて――――からの、歌とダーーンス!(しかもベルギーっぽい曲)

さすがボリウッドです。

しかし、娘の熱愛の知らせを聞いたジャグの両親は、彼がパキスタン人でイスラム教徒ということで猛反対、スカイプを繋げたまま、ジャグのパパが信仰してるヒンドゥー教の導師に相談に行き、導師は「彼は必ず裏切るであろう」なんて予言をします。

ジャグは、そんな導師の予言を覆してやると、彼と翌日結婚する約束をするんですが、式場に来たのは、彼女に手紙を渡すよう頼まれたという少年。

手紙は「家族を悲しませたくないから、結婚はできないし二度と合わない」という内容で、ジャグは失意のうちに故郷デリーに戻り、テレビの仕事を頑張るわけです。

そんなある日、彼女は電車でたまたま不思議な男PK(宇宙人)に出会い、これはネタになるとコンタクトを取り始めるのだが……というストーリー。

って、長いわー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

それもその筈、この映画なんと153分もあるのです
なので、ここまで書いた分はまだまだ全然冒頭の部分なんですよww

ぶっちゃけこの冒頭、もっと短く出来ただろう! って思ったんですが、ストーリーが進むうちに、この冒頭部分が後に重要な意味を持つ伏線になっている事が分かるわけですね。

っていうか、こんなに長い映画なのに、観終わってみると冒頭部分を始め、不必要なシーンが一つもないんですよ。全部がクライマックスへの伏線になってるんですねー。

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もちろんボリウッドらしく歌やダンスも満載だし、リモコンを盗まれたPKが紆余曲折あって神様探しをする件は、カルチャーギャップと宗教間ギャップの笑いが満載。
観ながら何度も吹き出してしまいました。しかも、この長ーーいくだりもクライマックスに向けての伏線になってるのだから恐れ入ります。

しかもありとあらゆる宗教を茶化しまくって笑いにしながらも、その合間合間に宗教(の教義)によって苦しむ人たちや、矛盾点などに鋭くツッコミを入れていくんですよねー。そんな構成の一つ一つが本作のスパイスとして後々効いていくのです。

キーワードは「掛け違い」そして回答へ

PKの特徴の一つはもちろん宇宙人ということなんですが、彼は地球人じゃないからこそ、宗教に対し純粋で的を得た疑問を投げかけていきます。
その一方で、彼の星ではウソという概念がなく、何度も間違い電話をかけてくる相手に、ジャグが仕掛けたイタズラをキッカケに、一つの回答を見出すのです。

それが「掛け違い」

映画後半はこの「掛け違い」をキーワードに、一気にクライマックスに向かって物語が加速していくんですね。
そしてクライマックスのシーンでは、それまでの伏線が、「掛け違い」というキーワードのもと次々と組み上がっていき、それまで宗教に対して投げかけられた数々の疑問や問題に対して、これ以上ないシンプルな回答を示すことで、観客に最高のカタルシスと感動をもたらしてくれるのです。

もうね、このクライマックスは号泣ですよ!

その上で、どの宗教も傷つけない見事な着陸な着陸を観せるのだから、ラージクマール・ヒラニ監督恐るべしです!

インド映画というとやたら長い上に、ダンスや歌も入ってくるので苦手意識がある人もいるかもですが(僕もその一人だった)、「きっと、うまくいく」と本作は今まで僕の観た映画の中でもベスト級の映画なので是非見て欲しいし、特に本作は世界中の人に見て欲しい大好きな一本です!

興味のある方は是非!!!!

 

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