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多くのファンを混乱に陥れた問題作「ロキ」(2021)

ぷらすです。

ここまで「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の感想を書いてきましたが、今回はついにそんなファンを混乱に陥れたMCUドラマ第3弾にして最大の問題作『ロキ』の感想と考察を書いていこうと思いますよ。

今回も「ワンダ~」と同じくネタバレなしでの感想や考察は無理ってことで、ネタバレ前回で書いていきますので、未見の人は先にドラマを見てから、この感想を読んで下さい。

いいですね? 注意しましたよ?

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あらすじ

サノスの”指パッチン”で消された人々を取り戻すため、タイムトマシンで過去に飛びインフィニティ・ストーンを回収する作戦を実行したアベンジャーズ。2012年のNYに向かったブルース・バナー(ハルク)、トニー・スターク(アイアンマン)、スティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカ)、スコット・ラングアントマン)の4人のうち、ブルースはタイム・ストーン、スティーブはマインド・ストーンの回収に成功するも、トニーとスコットはスペース・ストーン(4次元キューブ)の奪取に失敗。4次元キューブを使って逮捕されたロキは逃亡。
遠く離れたモンゴルの砂漠に飛ばされたロキの前に突如、TVA(Time Variance Authority)を名乗る兵士が現れ、ロキは再び“逮捕”されてしまう――

感想とざっくり解説

ファンは混乱。ついにマーベルが本気を出してきた!

「ワンダヴィジョン」の解説で、僕はMCUフェーズ4のテーマを「継承と拡張」の物語になるといいました。

継承」とは、フェーズ3までに登場したファースト・アベンジャーズの引退に伴って、自分たちの役割を次世代のアベンジャーズへとタッチしていく物語。

一方「拡張」とは、原作コミックにある「マルチバース」という概念(設定)の本格導入によって、これまでMCUでは登場させられなかった原作のキャラクターたちを本作に登場させる計画です。

マルチバースとは日本語にすると「多元宇宙
乱暴に言うなら「パラレルワールド」とほぼ同じだと思ってください。
つまり、僕らの住む宇宙は「あり得たかもしれない」宇宙がレイヤーとして幾重にも重なりあっていて、レイヤーごとにちょっとづつ違う僕らが存在しているわけですね。
例えば女版の僕や、子供版の僕、おじいちゃん版の僕、人種の違う僕、ワニになってる僕などなど。

そこまでなら理解するのはさほど難しくないんですけど、「マルチバース」のややこしいところはパラレルワールド的な横の広がりだけでなく、時間という縦の広がりもごっちゃになってる点です。

さほどSF好きという訳でもない人でも「タイムパラドックス」という単語は聞いたことがあると思います。

「タイムマシーンで過去に行って自分の父親を殺すと、自分は生まれないので、過去に行って父親を殺すことは出来ない――」っていう「父殺しのパラドックス」が一番有名ですよね。

で、「/エンドゲーム」には、(サノスが消滅させた)インフィニティ・ストーンを使って人類を救うため、アベンジャーズのメンバーがタイムマシーンで過去に飛んで消滅前のインフィニティ・ストーンを回収するというシークエンスがあるんですが、あれって自分たちの世界線の過去にタイムトラベルしてるのではなくて、別次元の過去からインフィニティ・ストーンを借りてきてるわけです。

それについては「/エンドゲーム」の中で、ウォーマシンことローディの「タイムマシンで過去にいき、サノスが赤ちゃんの時に殺しちゃえば?」という質問に、ブルース・バナーがこう説明してます。
「過去へ戻って歴史を変えたとしても自分が生きた歴史は変わらない。
もし(タイムマシーンで)過去へ飛んでも、その過去は(自分にとって)未来になってしまい、現在は過去になる(自分が進む時間の方向が変わるだけ)。
”未来”は”過去”に影響を与えない
」(意訳)と。

つまり過去に飛んでアベンジャーズが赤ん坊のサノスを殺したとしても、彼らにとって過去である現在は変えられず、アベンジャーズが赤ん坊のサノスを殺した世界線が生まれる(分岐する)だけ。というわけです。

だから、彼らは自分たちの世界ではなく、元々存在する別次元の過去からインフィニティ・ストーンを持ってきて、サノスが消した人類を復活させた(サノスを倒した)あと、それぞれの次元にインフィニティ・ストーンを返しに行ったわけですね。

なぜ「ロキ」の解説で、長々「/エンドゲーム」の話を書いてるかと言うと、つまり本作は「/インフィニティ・ウォー」でサノスに殺されたロキではなく、アベンジャーズがインフィニティ・ストーンを“借りに行った”時に分岐した別の世界線のロキの物語なのです。

つまり、ついにMCUが本気でマルチバースを描き始めたということなんですね。

マルチバース」とアメコミ

そもそも、このマルチバース」という概念とアメコミは切っても切れない関係というか、アメコミのシステム的に量子論における「マルチバース」という概念は非常に都合が良かったわけですね。

日本のマンガとアメコミ最大の違いは著作権で、日本では作品の著作権は作者が持っていますが、アメリカでは出版社が持っています。

なので、例えば作者が辞めても亡くなっても、出版社は別のアーティストを雇って作品を続けることが出来る。1938年に誕生した「スーパーマン」や1939年誕生の「バットマン」の新作が今も出版されているのはそういう事情だからです。

とはいえ、テクノロジー、ファッション、風俗や倫理・常識などなど、あらゆるものは時代とともに変わっていくわけで、アメコミのヒーローたちも続くほど時代遅れになっていく。

もちろんその都度、作品内でマイナーチェンジは行われるものの、次第にキャラクターや設定、物語的にも続けることに無理や矛盾が出てきてしまう。

そんな時、アメコミでは一回全部無かったことにして、新設定でリスタートを切るわけですね。

でも表向き作品は終わってない事になってるので、リスタートするには何か理由付けが必要――ってことで使われたのが「マルチバース」という概念。

つまり、今までの物語とこれから始まる物語は別の世界線(次元)の物語ですよ。という体でリスタートを切るわけですね。

で、このシステムは実写版のMCUにも採用されていて、MCU世界線は「アース199999」、原作コミックは「アース616」なので、原作コミックとMCUもまた別の世界線というわけです。

また、アメコミには上記のように描き手を変えてずっと続いているレギュラーシリーズ『オンゴーイング』(本編)の他に、世界観は同じまま別ヒーローにスポットを当てるスピンオフシリーズ『リミテッド/ミニ/マキシ』や、世界観も設定もまるで違う(場合もある)外伝シリーズ『ワンショット』『アニュアル』というのがあって、本編もスピオフも外伝も全て同時進行で出版されているわけです。

でも、そうすると一部のコアなファンはともかく、新規やライトなファンは作品をどこから読めばいいのか、どの作品が本編か分からず混乱しますよね?

そこで、それらも全部「別次元の話って事にすればよくね?」ということで、アメコミ界はマルチバースという設定とは切っても切れない関係になってるというわけなんですね。

でも、MCUはコミックファン以外のファンも多く。いきなりこのマルチバースをやると観客は当然混乱する。なので、MCUマルチバースを避けながら(アントマンドクター・ストレンジでは存在を匂わせているけど)マーベルヒーローたちの物語を順番に紡いできたわけですが、フェーズ4からは、ついにマルチバース解禁=MCU世界の拡張に踏み切ったわけですね。

TVA(Time Variance Authority)とは何か

第一話で、いきなりロキが捕まっちゃう謎の組織「TVA(Time Variance Authority)」は複数のマルチバースを監視し、タイムキーパーが統一した「神聖時間軸」の時系列を乱す危険性の高い存在(変異体)を排除する事を目的に3人のタイムキーパーが設立、自分で作り出した局員たちに「神聖時間軸」の管理運営をさせているわけですね。

ちなみにこの「神聖時間軸」の世界はMCU本編の世界です。

もう少し平たく言えば、全ての宇宙(バース)は、始まりから終わりまでをタイムキーパーによって全部決められていて、誰か(変異体)がその「台本」にない行動をすると新たな”枝葉”(分岐)が生まれ、収拾がつかなくなるばかりか全宇宙が破滅しかねないので、そうなる前に枝葉(変異体)を“剪定”し、枝分かれした歴史を修正するのが彼らの仕事なんですね。

で、そのTVAに捕まったロキも危うく剪定されそうになるんですが、職員の一人メビウス( オーウェン・ウィルソン)によって救われます。

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何故かと言うと、TVAは長年に渡り一人の変異体に手こずっていて、それが女性版のロキ/シルヴィ(ソフィア・ディ・マルティーノ)だというんですね。

で、枝分かれしたロキなら彼女がどう考え、動くかが分かるんじゃないかと、TVAにスカウトしたわけです。

女性版ロキ、シルヴィ

シルヴィは少女時代、突如現れたミニットメンというTVAの実行部隊にさらわれて危うく剪定されそうになるも、職員の隙をついて次元間を行き来出来るタイムドアを出現させるタイムパッドを盗み逃亡、以来ずっと逃げ続けながら自分の人生を奪ったTVAとタイムーパーに復讐するチャンスを狙っているんですね。

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ロキは母親から教わって魔術を使えますが、シルヴィは少女時代に当時はミニットメンだったラヴォーナ・レクサス・レンスレイヤー判事(ググ・バサ=ロー)に捕まって以来一人だったので、魔術は独学で、相手の精神を乗っ取り思い通りに動かす事が出来るんですが、それをすると相手の過去も見える。
そして、乗っ取ったミニットメンは、タイムキーパーが作ったのではなく、全員、それぞれの次元から連れてこられた変異体だという事が判明するのです。

ラヴォーナ、メビウス、B15

血眼のTVAにシルヴィが見つからないのは何かをしてもその後枝葉が伸びようのない、災害などで滅びる運命の場所に隠れているから、彼女がTVAの感知センサーに反応しないからだと見抜いたロキ。
彼女が子供に渡したガムを手掛かりに、シルヴィが2050年アラバマのショッピングモールに隠れていると推理しメビウスと二人捜査に向かおうとするんですが、上司のラヴォーナはメビウスがロキに騙されるのではと警戒し、ミニットメン隊長で第1話でロキを捕らえたB15(ウンミ・モサク)の部隊も同行させるんですね。

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しかしここでB15はまんまとシルヴィに精神を乗っ取っられてしまい、その時”あるはずのない、TVA以前の自分の過去を視たことで、TVAやタイムキーパーに疑問を持ち始めるのです。

一方、その現場で人質になっていたミニットメンの一人が同様に自身の過去を思い出したことで錯乱している様子を見たメビウスは、ラヴォーナに彼女への聞き取り調査を希望しますが、ラヴィーナは「彼女は死んだ」と伝えるんですね。
しかし、メビウスが見た彼女は錯乱はしてたけど身体的に異常はなかったので、彼はラヴォーナの言動に疑念を抱き始めるのです。

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そこまで観てて、僕は「これ、ラヴォーナがラスボスじゃね?」って思ってたんですが、結局は彼女もまた変異体の一人であり、ロキとシルヴィによってタイムキーパーが存在しなかった事を知って尚、真実を隠蔽してTVAの体裁を整えようとする。

TVAやタイムキーパーは職員たちにとって単なる仕事ではなく、ある種の宗教なんですよね。だって自分たちはタイムキーパーに作られたって思ってますしね。
彼ら彼女らにとってタイムキーパー=神なんですよ。

面白いのはタイムキーパーやTVAに対しての三人のスタンスで、B15は嘘だと分かったら全職員に真実を知らせようとする(=TVAが潰れてもかまわない)
メビウスは自分たちの手で、TVAを再構成しようとする。
しかし、ラヴォーナは自分が騙された事を決して認めようとはしない、ある種の狂信者になっていたんですね。

いや、彼女は元々学校の教師になるくらい頭のいい女性なので、もしかしたらタイムキーパーやTVAの嘘に誰より早く気づいていたけれど、それを認める事は自身の存在意義を否定する事になるので、それだけは出来なかったということかもしれません。

黒幕の正体

結局、ロキとシルヴィに壊されて、タイムキーパーはただのロボット(ニセモノ)である事が分かるんですが、そこでメビウスとロキはラヴォーナによって剪定されてしまいます。

次にロキが目を覚ますと、少年、黒人、老人(&ワニ)の3人のロキが彼を覗き込んでいるわけです。

クラシックロキ(リチャード・E・グラント)によれば、TVAに剪定されたものはこの「虚無 (The Void)」に飛ばされ、物質のエネルギーを食べる嵐の怪物アライオスに食われてしまう運命らしい。けれど、そこはロキ。
彼らロキの変異体たちは、そんな虚無のなかで強かに生き延びていたんですね。

一方、ラヴォーナとの会話から、自身の敵はロキが送られた虚無のさらに果てにいると気づいたシルヴィは、剪定棒を自分に突き立てて自ら虚無に落ちるのです。

目が覚めた彼女は早速アライオスに追われるも、危ないところをピザ屋の車に乗って現れたメビウスに助けられ、その後ロキ達と会います。

そこで、黒幕はアライオスが守るその向こうにいると推理。
自身の力でアライオスを手なずけ、ラスボスに会いに行くという計画を立てます。

そして、自身の持つタイムパッドでメビウスをTVAに送り返したシルヴィとロキは作戦を実施するも、ピンチに陥ったところをクラッシックロキの自己犠牲に救われ、力を合わせて何とかアライオスを手なずける事に成功。
ラスボスの素に向かうのです。

そして、まるでは廃城のような建物で、二人を待ち構えていたのは―――

って、お前誰やねん!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

――って、多くのファンが思ったんじゃないでしょうか。

ここにきて新キャラ(ラスボス)登場っていうねw

推理小説で言えば、探偵が新キャラを捕まえて「コイツが犯人です」と言うみたいな感じ。

ただ、このラスボスこと「在り続ける者」を演じるジョナサン・メジャースを見た一部のファンは大喜び。

何故なら、このジョナサン・メジャースは、今後公開される「アントマン&ワスプ: クアントゥマニア」で征服者カーンを演じる事が決定しているからです。

征服者カーンというのは原作コミックの人気ヴィランの一人で、本名はナサニエル・リチャーズという30世紀の(ごく普通の)未来人。
ビデオで「ファンタスティック・フォー」観てヒーローに憧れ、タイムマシーンを作ってエジプト時代に飛んでラマ・タトという名でエジプトを支配したり、そこで過去にきたファンタスティック・フォーと闘い勝つけど、ドクター・ストレンジアベンジャーズに負けて未来に逃走、その途中でドクター・ドゥームというヴィランを救出。
その時みたドクター・ドゥームに影響でされて仮面と鎧を付け、征服者カーンと名乗るようになるそうです。

彼はその後も、過去と未来をウロウロしてるので、そのたびに枝葉が増えて変異体のカーンがメチャクチャ生まれることになり、カーン同士で戦争を始めたりもするらしい。

ただ、本作での彼はどうもカーンではなく、未来のカーンことイモータスというキャラらしいんですね。

で、彼は、多次元宇宙を発見して沢山の自分と出会い、全宇宙を支配しようとする自分と戦争し、アライオスを使って他の自分を封印し、分岐しまくった多元宇宙を一つにまとめ(神聖時間軸)、枝葉が増えないよう(枝葉が増えると新たな自分が誕生しちゃうから)にTVAを作って自分の台本に従わない変異体を捕まえては虚無に送り込み、アライオスの餌にしていた。ということらしいんですね。

なんという壮大なマッチポンプ

しかし、それを続けることに疲れ果てた彼は、自分の隠れ家に辿りついたロキとシルヴィに席を譲ろうとするも、結局シルヴィに殺されてしまったわけです。

その時の問答の中で「在り続ける者」ことイモータスはシルヴィに向かって「そもそもお前に誰かを信じる心はあるのか?」と聞きますよね?
これは本作の中でとても大事なセリフなんですね。

そもそもロキは偽りとイタズラの神なので嘘しか言えない。そういう風にイモータスが台本に書いているからです。

しかし、本作の中でシルヴィに出会った彼は成長し、この3人の問答でも本心を言うようになる=成長する。
しかし、ロキの変異体であるハズのシルヴィは、最初から本当の事しか言わないんですよね。何故なら、彼女は見聞きする全てが嘘にしか見えないし聞こえないから。

二人は「偽り」を司る神ですが、ロキは嘘しか言えない(アウトプット)、シルヴィは嘘にしか聞こえない(インプット)という違いにロキは気づけず、イモータスを殺そうとするシルヴィを止める時も、イモータスの台本から外れたことで成長したロキは本心を言ってしまう。

結局大事な局面で信じて貰えなかったロキはシルヴィによってTVAに送られ、この事実をメビウスに話そうとするも、メビウスやB15はロキの事を知らず。
TVAのタイムキーパー像は鎧を身につけたイモータスの像に入れ替わっていた――という衝撃のラストで、シーズン2に続く―となるわけですね。

この鎧をつけた像こそが若き日のイモータスこと征服者カーンで、つまりロキは元の世界から征服者カーンの支配する次元に飛ばされてしまった。=シルヴィがイモータスを殺したことで「マルチバース」が生まれてしまった。

つまり、この物語は「マルチバース」誕生の物語だったわけですねー。

多分。

様々な疑問点

え、じゃぁ「アントマン」や「ドクター・ストレンジ」、「/インフィニティ・ウォー」や「/エンドゲーム」で出てきたマルチユニバースは何だったの?って思いますよね?

ドクター・ストレンジ」で、敵との戦いに現実世界を巻き込まないための「ミラー・ディメンション」やラスボスのドルマムゥがいる暗黒世界「ダーク・ディメンション」

魂が存在する世界「アストラル・ディメンション」や「アントマン」でイエロー・ジャケットとの戦いの際にアントマンが迷い込み、初代ワスプが捉えられていた量子世界「マイクロ・ディメンション」、「/エンドゲーム」でアベンジャーズが行った過去など別次元の世界は、イモータスが存在を許した=イモータスの台本に書かれ管理された別アースだったのです。

で、本作の3人の問答の最中ドーンと大きな音がして、慌てたイモータスが「境界を超えた…」と呟く謎のシーン。

その後、過去、未来全ての次元を見て知っているとドヤってたイモータスが突如「今はもうこの先を全く知らない」と言い出すんですが、これは多分、これまで“脚本家”として物語の外にいたイモータスが、ロキとシルヴィに出会い“出演者”になった、もしくは死が確定した時点でマルチバースが解放され、この先の展開(台本)が読めなくなってしまった――という事かなって思いました。

「ロキ」=「/フォースの覚醒」

とはいえ、本作がファンの間で物議を醸したのは、この6話の中で起こった問題がなに一つ解決していないから。つまり謎だけ振りまいてラストで放り出されてしまったからという部分なのだと思います。

これはもう、ワクワクのタネだけ巻いて続きをライアン・ジョンソンに丸投げした、「スター・ウォーズ:エピソード7/フォースの覚醒」状態ですよ!

カーンorイモータスの登場にしたって原作知らない人が観たら、お前誰やねん状態ですしね。

その他、例えば「自由意思を見つけに行く」と消えたラヴォーナがどうなったとか、イモータスを殺したあとのシルヴィはどうなったとか、原作を知ってる人は「むむ、そう来たか」って思ったみたいですが、僕ら映画とドラマしか知らない勢は「え、え、どういう事!?」状態でしたしね。

まぁ、イモータスに関しては、お前誰やねんと思った後、この世の神様的なオッサンと納得して観たのでそれなりに楽しめましたけどね。

まぁ、本作で始まったマルチバースは、これから公開される「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」や「ドクター・ストレンジ2 マルチバース・オブ・マッドネス」で本格始動していくだろうし、本作のシーズン2でも新しい展開が生まれそうなので、もう、今からワクワクが止まりませんよ!

というわけで、またもや8000字を越えてしまいましたが、MCUドラマ第3弾「ロキ」の感想とざっくり解説でした。

興味のある方は是非!!

 

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