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マーティン・マクドナー監督のノワールコメディー「セブン・サイコパス」(2013)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督2012年の作品『セブン・サイコパス』ですよー!

スリー・ビルボード」が気に入ったのでマクドナー監督の過去作品を遡って観てみようと思って、TSUTAYAでレンタルしてきましたー。(´∀`)ノ

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概要

ヒットマンズ・レクイエム』で高い評価を受けたマーティン・マクドナー監督が、コリン・ファレルと再びタッグを組んだクライムコメディー。スランプ中の脚本家が、自分を助けようと奔走する役者によってトラブルに巻き込まれるさまを、ブラックユーモアと共に描く。共演にはベテランのクリストファー・ウォーケン、『月に囚われた男』などのサム・ロックウェル、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソンら豪華キャストがそろう。(シネマトゥディより引用)

感想

タランティーノコーエン兄弟÷2みたいな映画

本作の主人公は、絶賛スランプ中の脚本家マーティ(コリン・ファレル)。

「7人の〇〇」(侍とか荒野のとか)的な感じでサイコパスが7人集まったら面白くね? という思いつきで「セブン・サイコパス」というタイトルだけは決めたものの、中身はまったく浮かばない状態です。

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そんなマーティの友人で売れない役者のビリー(サム・ロックウェル)は、ガンを患って入院中の奥さんを持つ老人ハンス(クリストファー・ウォーケン)と組んで、飼い犬を誘拐し、飼い主が迷い犬の張り紙を出すと拾った振りをして返しに行き謝礼を貰う詐欺で生計を立ててるんですね。

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ところがある日、ビリーがギャングのボス チャーリー(ウディ・ハレルソン)の愛犬のシーズーを誘拐してしまった事で、無関係のマーティーも巻き込んで血で血を洗う大騒動に発展していき……。という物語です。

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全体の雰囲気は初期タランティーノっぽいんですが、ギャグやセリフまわしなんかはどちらかといえばコーエン兄弟のコメディーっぽい感じがしましたねー。

無駄に人がバンバン死ぬし流血やグロシーンや銃撃戦も満載で、個人的には楽しめたんですけど、物語の展開上どうしてもタランティーノと比べてしまうし、そうすると「あまり上手くいってないなー」って思ってしまうんですね。

タランティーノがそうであるように、マーティン・マクドナー監督も脚本家出身のシネフィルで、そんな監督自身が乗っかっているマーティも劇中で北野武監督の「その男、凶暴につき」を観ていたり、セリフの端々に映画ネタをぶっ込んできたりするし、現実と非現実が入り混じって描かれるところは、フェリーニの「8 1/2」っぽいらしい? です。(僕は「8 1/2」は観てないので分かりませんが)

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登場する7人のサイコパスのエピソードはそれぞれ魅力的で面白いし、メインのストーリーとエピソードが折り重なるオムニバス的な展開も個人的に大好物。

やりすぎグロシーンもぶっとびキャラクターも、マーティの頭の中を映像化しているという体で何となく物語として説明をつけていて「そんなアホな」とならないバランスにしています。

、そこに説明をつけてバランスを取ろうとしているところが、本作がクライム・コメディーとして振り切れてない原因なのかな? なんて思ったりするんですよね。

こっちは「そんなアホな」とゲラゲラ笑いたいのに、登場キャラの方が先にツッコミを入れるのでちょっと冷めちゃうし、物語的にも加速してきたと思ったらブレーキを踏まれるみたいな、ほんのりモヤっとした気分になるんですね。

クラスのバカが全力でバカやってるんじゃなく、優等生が照れながらバカを演じてるみたいな感じというか。

スリー・ビルボード」とも通じるテーマ

本作でクリストファー・ウォーケン演じるハンスは、キリスト教の一派で平和主義で非暴力を提唱するクエーカー教徒ですが、教義に反しないように“ある方法”で復讐を果たし、劇中登場するアメリカへの復讐に燃えるベトナム人僧侶は、最終的に実在の人物ティック・クアン・ドックに繋がったりします。

そんな本作で語られるテーマは、(僕が観た中で言うと)「スリー・ビルボード」や短編映画「Six Shooter」と共通していて、一言で言うと「贖罪と救い」だと思うんですよね。

 

監督自身も本作はあまり上手く行かなかったと話してるらしいし、観る人を選ぶというか、好き嫌いの分かれる作品だと思いますが、個人的には多少物足りなさは感じたものの面白かったしオチも好みでしたよ。

興味のある方は是非!

 

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