ぷらすです。
今回ご紹介するのは、今年1月7日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷にて開催された「未体験ゾーンの映画たち 2022」で上映された 、ブルガリアとカザフスタン?の合作映画『プラネット・オブ・ピッグ/豚の惑星』ですよー!
低予算ながらストレートに楽しいSFアクション映画かと思って観ていると、中盤以降は混乱・カオス・そしておっぱいだらけの映画でしたよ。
という訳で今回は、多分、ネタバレしても面白さには一切影響がないと思うので、ネタバレありで感想を書いていきます。
なので万が一、これから本作を観る予定の方はご注意ください。
いいですね?注意しましたよ?
画像出展元URL:https://www.cinematoday.jp/
概要
豚と人間が融合した生物兵器に人間たちが戦いを挑むアクション。人間を食らう生物兵器「マズル」の巣窟となっているニューヨーク・マンハッタンで、マズルのリーダーを倒すべく賞金稼ぎの主人公たちが奮闘する。本作の基となった短編映画を制作したティムール・トゥリスベコフが主演を務め、『マチェーテ』シリーズなどのダニー・トレホなどが共演。監督を『クライモリ デッド・ホテル』などのヴァレリー・ミレフが務める。(シネマトゥデイより引用)
感想
豚人間を倒し人類を開放せよ!
本作は、主演のティムール・トゥリスベコフの短編映画を基に製作した、79分のデストピアSFです。
ざっくり搔い摘んでご紹介すると、第三次世界大戦の中、“誰か”が作った豚と人間を融合させた生物兵器「マズル」が反乱を起こし約7割の人類が死滅。
残りの人類も「マズル」たちの食料として家畜化されているそんな近未来が舞台。
最強の凄腕賞金稼ぎロブ・ジャスティスは、姉のラクシャと共に、マズルのリーダー、マザー(女王豚)を倒すべく、敵の巣窟NY・マンハッタンへ潜入するのだが――という物語。
まぁ、設定はともかく、あらすじだけ聞くと面白そうじゃないですか?
実際、ジェットパックで空を飛ぶ豚人間襲来のアクションシーンなどはかなり力が入っていたし、チャチで安っぽいCGや造形をそれっぽく見せるため、わざと映像をざらつき加工するなどの工夫も好感が持てましたよ。
あと、豚人間の造形やゴアシーンなども、低予算ながらかなりしっかり作りこまれていたし、人類の敵と主人公が戦うという設定も分かりやすいですしね。
頭の中に「?」が溢れるカオス展開
なので序盤から中盤くらいは割と楽しく観ていられるんですが、中盤以降の急なカオス展開にすっかり混乱してしまうんですよね………って、いや、嘘です。
突飛なトンデモ設定はや謎シーンは冒頭からあるんですが、この手のインディー系低予算映画にそういう事はありがちだし、いちいち引っかかってたら映画を楽しめないので、それは“そういうもの”としてスルーしていたんですね。
ところが、中盤以降になって、それらトンデモヘンテコ設定やシーンが無視できないくらい物語に関わってきて、それで頭の中が「?」でいっぱいになってしまったんですよねー。
画像出展元URL:https://www.cinematoday.jp/
まず冒頭、賞金首の豚人間を中々処刑しない主人公ロブ。
無抵抗の相手を殺すのを躊躇っているのかと思いきや、助手の女が「また幻覚?」と聞いてくる。
で、そのロブの見ている幻覚っていうのが、お尻丸出しのヘンテコパンツ一丁の長髪美男子(という設定)が脳裏に現れるっていう。
最初は制作陣の悪ノリなのかなと思ったら、このヘンテコパンツ一丁男ことラファエルは最後まで物語に関わってくるんですよねー。
その後語られる主人公のオリジンでは、主人公は実の父を(戦争で?)失っていて、姉のラクシャと共にダニー・トレホ演じる養父に育てられているわけですね。
そんなある日、顔なじみのガソリンスタンドに買い物に来ていた3人でしたが誰も出てこない。不審に思ったダニー・トレホが奥を覗くとそこには店主の惨殺死体が転がっていて、呆然とするダニー・トレホに突如豚人間が襲い掛かってきます。
画像出展元URL:https://www.cinematoday.jp/
しかし、そこはダニー・トレホ。
手に持った斧だかナタで見事豚人間を返り討ちにするも、その後に来た軍隊に(証拠隠滅のため?)撃ち殺されてしまうのです。
つまり、ロブとラクシャにとっての敵(かたき)は豚人間ではなく軍隊(人間)なんですよね。
あと、ロブはどういうわけかモテモテで、助手の女がすぐに「Hして~」と迫ってくるという設定。
冒頭でも仕事が終わったらすぐに引き上げればいいのに、「今すぐご褒美頂戴」とか言ってその場でHにもつれ込む→敵が責めてきて助手死亡。
そしてロブの車には何枚もの元助手の写真(遺影)が貼られているっていう。
で、死んじゃった助手の代わりに、レジスタンスの基地?から新たに3人の助手候補が送られる中の一人が姉のラクシャで、何故か彼女にはヒゲが生えているんですよね。
画像出展元URL:https://www.cinematoday.jp/
それについては、どうみても普通のオッサンみたいなロボットに理由を聞かれ答えるけど、そこは飛行機の音で聞こえないんですよ。
多分、製作者の悪ノリ以外の意味はないんだと思います。
さらに、ロブの下に辿り着いたラクシャは、弟のロブと普通にHしちゃうんですよねー。(実の姉弟ではないってこと?)
あと、3人を送り込んだ教官的なヤツはどうやら超能力者で、中盤で何の前振りもなくいきなり自分はロブの実の兄だと告白(しかもその後一切物語に関わってこない)、後半、ロブも当たり前みたいに(そして何の脈絡もなく)過去へテレポートするんですよね。っていうかそれ、テレポートじゃなくてタイムスリップじゃね?っていう。
まぁ、そんな感じでずっと、物語とは無関係な謎設定やら回収もされない無駄な伏線がそこかしこに貼られまくってるわけです。
お前ら、思いつきで映画作ってるだろっていうねw
え、哲学?
それでも本作は、豚人間のボス・マザーを倒すという目的(ゴール)が設定されていて、物語はそれこに向かって進んでいて。なので、謎設定や無駄伏線もスルーしていられたわけですが、クライマックスで突然ラスボスが変更。
ラスボスのハズのマザー(女王豚)の代わりに登場したラスボスが、ロブの幻覚に登場してくるヘンテコパンツ一丁男ラファエルで、何故か唐突にロブの闘いが始まります。
その闘いの前の会話で、ラファエルはロブに「(お前が)伝説の男であり続けられるように、マザーも倒せず戦争も終わらない世界を永遠に繰り返しているんじゃないのか」的な事を言い始めるわけですよ。
え、哲学?
で、格闘シーン始まるのかと思いきや、何故かパンツ一丁男とロブはコンテンポラリーダンス的な踊りを始め、ロブが顔面に一丁男のおしりを押し付けられたところで、何故か舞台は現代?に。
全裸でキッチンに佇むロブに、ルームメイトが「またトリップしてんのか」的な事を言うんですね。
そして彼らを車で迎えに来るのはパンツ一丁男で、「あいつはテレポートでくるさ」とか言ってロブを置いて行ってしまうわけです。
置いていかれ呆然と佇むロブ。その道路の向こうには「豚=人間」の落書きが――って、
え、夢落ち?
と思うと、立ち尽くすロブの横に車が止まり、窓が開くと運転席には普通のオッサンみたいなロボが――っていう。
夢だけど!
夢じゃなかった!
って、トトロかーい(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
「上手くオチつけたった(ΦωΦ)フフフ…」みたいな製作者のドヤ顔が透けて見えるけど、
全然上手くないからな!
いや、もうちょっと脚本で、無駄設定や謎展開を整理して、ちゃんとフリとオチをつけていれば、僕もあるいは「お、上手いね!」となったかもですが、なんかもう色々散らかしっぱなしな割に必要な説明が一個もないので、全てが唐突で訳が分からないんですよねー。
ぶっちゃけ、記憶に残ってるのはおっぱいとラファエルのヘンテコ尻出しパンツだけでしたよw
でもまぁ、ところどころ「お!」ってなるシーンはあったし、時間も79分しかないので、ヒマつぶしのつもりで見るには丁度いい感じでしたねー。
いや、これはボンクラ映画案件なので、一般の方にはおススメはしませんけどねw
それでも!っていう方は、自己責任で是非!
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