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ザ・シャマラン映画「オールド」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、昨晩Amazonプライムで鑑賞した  M・ナイト・シャマラン監督2021年の作品『オールド』ですよ。

まぁ、ネットで何となくのストーリーは把握してたんですけど、実際に観てみると思った以上にシャマランらしい映画でしたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

シックス・センス』『スプリット』などのM・ナイト・シャマラン監督によるサバイバルスリラー。バカンスで秘境のビーチを訪れた一家が、異常な速さで時間が進む奇妙な現象に見舞われる。謎めいたビーチから脱出すべく奮闘する一家の父を『モーターサイクル・ダイアリーズ』などのガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、『ファントム・スレッド』などのヴィッキー・クリープス、『ライ麦畑で出会ったら』などのアレックス・ウルフのほか、トーマシン・マッケンジー、エリザ・スカンレンらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

みんな大好きM・ナイト・シャマランとは

映画監督としては、それほど大作を手掛けているわけではないし、監督作も決して多いとは言えないにもかかわらず、世界中に通称シャマラニストと呼ばれる彼の作品を偏愛するファンを持つM・ナイト・シャマラン

そんな彼の名を一躍世界に知らしめたのが1999年公開の「シックス・センス」でしょう。
当時大スターだったブルース・ウィリスを主役に向かえたこの作品で、彼は一躍スター監督の仲間入り。その一方でシャマラン=どんでん返しをイメージづけたのもこの作品なんですよね。

その後、「アンブレイカブル」(2000)「サイン」(2002)「ヴィレッジ」(2004)など作家性の強い作品で順調にキャリアを積み重ね、2010年の「エアベンダー」、2013年の「アフター・アース」と大作を手掛けるも散々な評価を受けてしまうんですね。

しかし、祖父母の家に遊びに行った孫が酷い目に遭う2015公開のサスペンスホラー「ヴィジット」で完全復活。

さらに2016年には「スプリット」を発表。
2019年公開の「ミスター・ガラス」と合わせ、「アンブレイカブル」から9年の時を経てシャマラン・シネマティック・ユニバース3部作を完結させ、世界中のファンを驚かせたんですね。

そして、フレデリック・ペータースとピエール・オスカル・レヴィーが2010年に発表したグラフィックノベルSandcastle』にインスパイアされて製作したのが、今回ご紹介する「オールド」なんですね。

ざっくりストーリー紹介

カッパ夫婦と姉弟の4人家族が南国のリゾートホテルに訪れるところから物語はスタート。実はガイとプリスカ夫妻は離婚が決まっていて、この旅行は離婚前の最後の家族旅行なんですね。

そんな彼らを、ホテルの支配人がホテル所有のプライベートビーチへ招待。
同じく招待された3組の家族や恋人らと共に美しいプライベートビーチでの一日を過ごす事になるのだが――というストーリー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

予告編でも明かされているところまで書くと、実はこのビーチは外界よりも時の流れが速く、約30分で一年分の時間が経つ場所なんですね。
しかも、ビーチから出ようとすれば脳に強烈な負荷がかかって気絶してしまうため、陸からも海からも脱出は不可能。まさしく陸の孤島なのです。

はたして、誰が何の目的で彼らをビーチに閉じ込めたのか。そして急速な成長・老化は彼らに何をもたらすのか。というのが、本作の見どころなんですね。

そんな本作の登場キャラクターは、

ガイ・プリスカ・マドックス(姉)・トレント(弟)のカッパ一家。

外科医チャールズと妻クリスタル、娘カーラ、母アグネスの一家。

看護師ジャリンと心理学者パトリシアのカーマイケル夫妻。

人気ラッパーのミッドサイズ・セダン。

最初11歳と6才だったマドックスとトレント、カーラは、彼らの成長に合わせて、それぞれ3~4人の役者がリレー形式で演じています。

シックス・センス」を連想させる見事な構成

そんな本作を一言で言いうなら「シックス・センスっぽい」でしょうか。
冒頭から中盤以降まで緻密に張られた伏線を、クライマックスからラストの展開で一気に回収。「あぁ、なるほど!あの時のアレが――」というカタルシスを与えてくれるんですね。

しかし、ただ伏線回収やどんでん返しで観客を驚かせる事を目的としているわけではなく、中盤以降のサスペンスフルな展開の中に、宗教観だったり人生観、また50代になったシャマランの「老い」に対する恐怖やある種の諦観・希望など、シャマランならではの思想や作家性がすっかりと盛り込まれているし、それはコロナ禍で多くの人が感じた「人生」と「時間」に対する感覚ともリンクしているんですよね。

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僕はシャマラン作品を全て観ているわけではないので断言は出来ませんが、そんな本作は世界中に彼の名を知らしめた「シックス・センス」に感覚的にはとても近い感じというか、ある意味では精神的なアンサーにもなっている感じがしたし、だから熱心なシャマラニストだけでなく、広く一般の人にも響く作品になっているんじゃないかと思いました。

ただしラストは

ただし、前半からクライマックスにかけての丁寧な描写とは変わり、ラストの種明かしから最後までのシークエンスはかなり急ぎ足というか、なんだか慌てて風呂敷を畳んだようなせわしなさを感じてしまいましたよ。

個人的にはこの種明かし以降のシークエンスは正直あってもなくてもいいような、むしろホラーとしては謎は謎のまま、匂わせる程度で終わらせた方が良かったような気がしなくもなかったんですが、でもまぁ。うーん……。そこはハッキリさせた方が良かったのかなぁ?

このラストも序盤のあるフリがあって、ラストの展開に繋がっているわけですが、個人的にはそんなに上手く行くものだろうか?とか、あのホテルの人たちはちょっと脇が甘すぎるのでは?とか、いや、むしろあの人たちなら全てをもみ消すくらいの力はあるのでは?とか、若干モヤってしまったんですよね。

まあ、そこに至るまでの展開こそが本作で描きたかったことで、このラストのシークエンスはあくまでオマケみたいなものだと思うので、このくらいでいいんでしょうけどね。

興味のある方は是非!!

 

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