ぷらすです。
今年も残りわずかとなり、年末恒例、今年公開された作品の中で僕が個人的に気に入った作品ベスト10をランキング形式でご紹介しますよー!
今年は、僕の体力や気力の衰えもあってか、昨年と比べても観た映画の本数が随分減ってしまい、また、観たい映画が僕の地元では公開されなかったり、Amazonレンタルやサブスクにも入ってなくて、まだ観られなかったり。
そんなこんなで、ランキングのジャンルも随分と偏ってしまいましたが、そんな、12月27日までに観た映画43本の中から、今年、2022年公開の作品と、2021年公開で今年観た作品からそれぞれベスト10を選んでみましたよ。
というわけで、まずは昨年、2021年公開で今年観た作品のベスト10からです。
2021年公開映画、個人的ベスト10
10位 ウイリーズ・ワンダーランド
はい、我らがニコケイこと、ニコラス・ケイジ主演のホラーコメディー?です。
ニコケイといえば、レンタルビデオのビデオスルーB級映画棚の常連で、主演作品の8割がつまらないんですけど、ごく稀に、(決して名作とは言い難いけど)ニコケイの存在感とインパクトが忘れられない珍作・奇作があるんですよね。で、本作はそんな1作。
呪われた田舎町で車が故障したニコケイが、車の修理と引き換えに今は閉鎖している遊園地の清掃バイトをする。という映画。
しかし、その遊園地には殺人鬼たちの魂が乗り移ったマスコットロボが人を襲い食うという呪われた場所で、ニコケイは遊園地のオーナーに送り込まれた生贄だったのです。
しかしそこはニコケイ。オーナーの言いつけを守り、定期的に休憩を挟みながら襲い掛かるマスコットロボを次々に返り討ちにしていくという、一体どんな気持ちで観ればいいのか分からない作品なんですが、劇中一言も話さないニコケイの、狂気じみた何かが強く印象に残る作品でしたねー。
9位 Mr.ノーバディ
いわゆるナメてた相手が殺人マシーン(©ギンティー小林)映画です。
義父(妻の父)の会社で会計士として働くうだつの上がらない平凡な男ハッチ・マンセル (ボブ・オデンカーク)の家に強盗が入り、ハッチが抵抗せず金を渡したことから、彼は家族やご近所からバカにされる。
ですが、実はこのハッチ、政府公認の殺し屋で、本作はそんな彼がレリゴーしていくという作品なんですね。まぁ、ナメてた相手が――系譜の映画はここ数年作られまくっているけど、このオッサンのレリゴー展開が本作を本作たらしめた、とても印象に残る作品でした。
8位 いとみち(2021)
人気小説家・越谷オサムの同名人気小説の実写映画化作品。
僕はこの原作小説のファンなので、Amazonレンタルで見つけてすぐに観ました。
正直、原作とは物語も主人公いとのビジュアルも全然違うし、個人的に「うーん…」と思う部分も多々あるんですが、僕は、何故か嫌いになれなかったんですよね。
ただ、原作ファンの人には受け入れがたいかもだし、逆に原作を知らない人には物足りなく感じるかもしれません。
7位 ジャッリカットゥ 牛の怒り
映画監督・アートディレクターで映画評論家の高橋ヨシキさんが自身のYouTubeチャンネルの中でおススメされていて、凄く気になったのでAmazonレンタルで観たんですが――終始、「なんなんだこれは!?」っていう映画でした。
恐らくは超低予算映画で、画面もリッチとは言い難いんですが、肉屋から逃げ出した牛を村人たちが追いまわすというワンシチュエーションで、こんなにも熱量の高いハイテンションな作品が作れるのかとビックリしましたねー。
そしてある意味、お祭り映画でもあり、宗教映画でもあるという不思議な作品でした。
6位 オールド
はい。みんな大好き M・ナイト・シャマラン監督作品です。
これはCMでもやってたので書きますが、リゾートホテルに招待された4組の家族が行ったプライベートビーチは、30分で1年分の時間が流れる=4組の家族は異常な早さで成長・老化する場所だった。というストーリー。
その中、最初はプライベートビーチから脱出しようともがく彼らですが、次第に死に向かう宗教観や人生観・死生観へと物語は進んでいくんですね。
これは50代になったシャマラン自身の「老い」に対する恐怖やある種の諦観・希望などを描いた彼の思想・作家性でもあり、それがコロナ禍で多くの人が感じた「人生」と「時間」に対する感覚ともリンクしているんですよね。
元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を映画化した作品。いや、舞台の映画化――というより舞台をそのまま映画にしたという感じでしょうか。
僕はトーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンも全く知らずにこの作品を観たんですが、ライブというよりはミュージカルという感じで、曲とテーマと舞台構成が完全にリンクしているし、演者=奏者の統制の取れた動き含め、一本のショーとして凄いんですよね。
なので、トーキング・ヘッズにもデヴィッド・バーンにもまったく興味がなくても、十分に楽しめると思いますよ。
4位 ハロウィン KILLS
「ハロウィン」と言えば「悪魔のいけにえ」と並ぶ、初期スラッシャーホラーの名作。
しかし、実は僕はハロウィンの方は1978年公開の第1作以外はこれまで観ていなくて。
で、2018年公開で第1作の続編として制作された前作を観て、メッチャ面白かったので続編となる本作も観たんですね。
前作では、第1作のヒロイン・ローリーと、殺人鬼マイケル・マイヤーズの対決を主軸に物語が描かれたんですが、本作は前作ラストの直後からスタート。
マイケル・マイヤーズへの恐怖と狂気が、ハドンフィールドの住民に伝染していくという、非常に現代的なテーマ性を持った物語になっていました。
あと、シリーズのどの作品より、景気よく人が死んでいくのが観ていて楽しかったです。
3位 孤狼の血 LEVEL2
「仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」といった、いわゆる東映の実録シリーズを復活させるという趣向で、柚月裕子の同名小説を原作に白石和彌監督がメガホンを取った前作の、3年後を描いたオリジナルストーリーの続編です。
個人的には前作はあまり乗れなくて、というのも、主役の役所広司はもちろんめっちゃ演技の上手い役者さんですが、あまりに上手すぎて作品自体が役所さんの色にまとまり過ぎちゃってるという印象だったんですね。
しかし今回は役所広司演じる大上の死後の物語ということで、前作では大上の部下だった日岡(松坂桃李)と狂気のヤクザ上林成浩(鈴木亮平)との死闘を主軸に描き、同世代の二人のぶつかり合いが、「仁義なき~」に近い熱量の高さで個人的にめっちゃ面白かったです。
2位 ベイビーわるきゅーれ
「最強殺し屋伝説国岡 完全版」などの作品で脚光を浴びる阪元裕吾監督、2021年の作品です。
公開時、映画好きの間ではかなり話題になっていて僕もずっと気になっていたんですが、残念ながら僕の地元では公開されず、結果、Amazonレンタルで配信されてからやっと観ることが出来たんですよね。
同監督の「最強殺し屋伝説国岡」と世界観を同じくする殺し屋が主人公の日常系アクション映画ですが、監督の過去作品と比べても全てが進歩した大傑作で、とにかく伊澤彩織のアクションが素晴らしいし、相棒役の髙石あかりとのオフビートな掛け合いは日常系アニメのようなポップさで可愛らしい。
まさにアニメと実写のいいとこ取り、いわゆる2.5次元的面白さを体現した作品だと思いましたねー。
1位 マリグナント 狂暴な悪夢
みんな大好きジェームズ・ワン監督のホラーサスペンスです。
ジェームズ・ワンと言えば、「ソウ」「インシディアス」「死霊館」などホラー監督&プロデューサーとしての手腕のみならず、「ワイルドスピード SKY MISSION」「アクアマン」などビッグバジェットのアクション大作でも見事な結果を出し、今やハリウッドでも1・2を争うスター監督。
本作はそんなジェームズ・ワンが、死霊館シリーズ最新作を他の監督に任せて製作したのが作品で、メインストーリーは「サスペリア2」などに代表されるジャッロ映画をベースにしつつも、クライマックスでは今まで誰も観たことのない物凄い映像が展開していくのです。
よくこんな事考えつくな――っていうか、考えついてもやろうと思わないだろうという事を、ワン監督は何の衒いもなく、全力でやってくれるし、それこそがワン監督の凄さであり魅力なのだと思いましたねー。
というわけで2021年公開作品のベスト10でした。
ちなみに、11位~19位はこんな感じです。
11位 マトリックス:レザレクションズ
12位 最強殺し屋伝説国岡 完全版
13位 映画大好きポンポさん
14位 ミラベルと魔法だらけの家
15位 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。
16位 シティーコップ 余命30日?!のヒーロー
17位 あの夏のルカ
18位 サイコ・ゴアマン
19位 竜とそばかすの姫
それでは、ここからは2022年公開作品の個人的ベスト10の発表です!
2022年公開映画、個人的ベスト10
お馴染みバットマンが、まだ若かった頃を描いたDC映画です。
MCUに追いつけ追い越せで始めたDCユニバースの低迷で、一時は滅亡の危機に追い込まれたDCヒーロー映画でしたが、ぼんやり世界観を繋げつつ、それぞれの作品を独立した物語として描くという方針にチェンジ。その先鞭をつける形で公開したホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」の成功に乗る形で制作が始まった本作。
ほぼ3時間と非常に長い作品でしたが、個人的にはあまり長さを感じない、面白い作品でした。その後、ジェームズ・ガンがDCユニバースの責任者に就任したことで、この作品を始め、今後のDC作品が先行き不安な感じなのは心配ですが、何とか良い方向に向かう事を祈るばかりです。
9位 ゴーストバスターズ/アフターライフ
みんな大好き、1984年のオリジナル版「ゴーストバスターズ」2作の”その後”を描いた作品。2014年に病死したハロルド・レイミス演じるイゴン・スペングラー博士の孫娘が、祖父の遺品を駆使して田舎町に現れたゴーストを退治する――という物語。
2016年公開の女性版ゴーストバスターズが興行的に失敗しましたが、本作は主人公をスペングラー博士の孫で天才少女のフィービー(マッケナ・グレイス)に据え、兄や友達とのジュブナイルものにしたことや、ビル・マーレイ、ダン・エイクロイドらオリジナルキャストが出演したことで、個人的にはとても面白く観ることができましたねー。
8位 ブラックアダム
経営陣の交代やジェイムズ・ガンの加入などで先行き不透明なDCEU(現DCユニバース)最新作。主演にロック様ことドウェインジョンソンを迎え、十年近く計画を練られていた本作は、DCEU7作目「シャザム」の敵役(ヴィラン)であり人気キャラでもあるブラックアダムに扮したドウェイン・ジョンソンが大暴れする爽快な物語。
MCU作品やこれまでのDC作品がどんどん社会性を帯びる中、社会性をさらっと入れ込みつつも痛快エンタメアクション映画に振り切ったことで、僕を含め多くのファンが「そうそう、こうゆうのがいいんだよ」と膝を打つ作品になりました。
7位 激怒
アートディレクター・映画ライター・デザイナーとして知られる高橋ヨシキ長編デビュー作。一部の映画好き界隈では公開前から話題沸騰だった本作ですが、上映館数も決して多くない作品なので、僕の地元での公開はないだろうと、映画館での鑑賞は諦めていたんですね。
ところが、奇跡的に地元のシネコンで公開されたので、喜び勇んで公開初日に観に行ったんですが――うん、とても良かったですねー。
低予算だし、映像も決してリッチとは言えませんでしたが、それでも要所要所に「おっ!」と思わせるシーンもあったし、日本のデストピアものとして、物語的にもすごく良かったなーと。なにより、多くの映画評でヨシキさん自身が話していたアレコレが、本作ではしっかりと活かされていて、そういう意味でとても誠実な作品だと思いましたねー。
6位 トップガン マーヴェリック
ご存じトム・クルーズが、自身の出世作の続編を36年の時を経て製作。
コロナ禍によって公開延期が続いた本作ですが、公開されるや今年上半期の話題を独占したんですよね。
にも拘らず僕の順位が6位なのは、36年前に僕が「トップガン」を通ってこなかったからです。
もし、36年前に僕がトップガンを観てたら、もっと順位は上がっていたと思います。
5位 プレデター/ザ・プレイ
宇宙最強の狩猟民族プレデターvs人間の闘いを描いた「プレデター」シリーズ第5弾です。この作品、映画館で上映はされてなくて、Disney+で配信されたんですね。
今までの過去4作はシュワちゃんを始めマッチョな男たちと、一人前の戦士になる通過儀礼として地球にやってきて強者を狩る宇宙人、プレデターとの戦いというテンプレで描いてきたんですが、本作の主人公はネイティブアメリカンの少女で、時代設定も過去作より100年以上昔のアメリカという設定。
観る前は、その辺の設定にポリコレ感を感じたものの、実際観てみると、主人公がネイティブアメリカンの少女であることにちゃんと必然性があるし、少女とプレデターの戦いにもしっかりロジックがあって、個人的にはシリーズの中でも1・2を争う面白さでしたねー。あと、プレデターのデザインも凄くカッコ良かったですよ。
4位 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
ご存じMCU27作目にして、トム・ホランド版スパイダーマンの3作目。
正直、本作をランキングに入れるべきか否かは結構悩んだんですよ。というのも映画としてはある意味反則技を使っていますしね。
スパイダーマンの実写映画は、2002年公開、サム・ライミ監督版の第1作から始まり、2012年からリスタートしたアメイジング・スパイダーマンシリーズ2作を経て、2017年公開の「スパイダーマン:ホーム・カミング」からMCU版がスタート。「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を経て、MCU版スパイダーマンの完結編として本作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が公開されたわけですが、流石にもう大丈夫だと思うので書きますが、本作ではサム・ライミ版でスパイダーマンを演じたトビー・マグワイア、アメイジング・スパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールド、そしてMCU版のトム・ホランドという、歴代スパイダーマンが揃い踏みしたんですね。
それはサム・ライミ版からスパイダーマンに付き合ってきた僕にしてみれば、まさに奇跡でありご褒美であり。もうそれだけで号泣ものなんですが、でも、映画作品としては反則技だし、物語的にも(´ε`;)ウーン…という展開も結構ある。それは分かってる。分かってるんですがっ!……それでも、こちとら20年間スパイダーマンに付き合ってきたんだもん。そりゃぁこんな胸アツ展開、感動するに決まってるでしょ。
というわけで、スパイダーマンに思い入れのない人にはおススメは出来ませんが、スパイダーマン好きな人は必見の作品です。
3位 ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
アメコミ映画ばっかりかよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッって思われるかもだし、例年は出来るだけマーベル作品をランキングには入れないようにしてたんですが、今年は観ている作品自体が少なかったし、何より、この作品はMCU作品というよりサム・ライミ作品だし!ということで、入れてしまいました。
いや、本当に終始サム・ライミ節全開の本作ですが、にもかかわらず、しっかりドクストだったし、MCU作品というジャンルに、ある種の答えを出した作品でもあると思いましたよ。さすがはサム・ライミです。
あと、高橋ヨシキさんが「サム・ライミはオカルトヒーローとして、ドクストを監督した」(意訳)的な事を話されてたんですが、まさに我が意を得たりというか、クライマックスの千手観音ゾンビと化したドクストには度肝を抜かれつつ、めっちゃ興奮したんですよねー!
2位 RRR
日本でも大ヒットしたインド映画「バーフバリ」のS・S・ラージャマウリ監督最新作です。正直、バーフバリがあまりにも面白すぎて、アレを超える映画が作れるのかという不安があったんですが、実際観たら上がり切ったハードルを軽々と超える凄い作品になっていましたよ。
一見、トンデモ映画っぽく見えるけど、実は前半で周到に張りめぐらされた伏線を後半でしっかり回収するなど、実に細密な設計がされた作品なんですね。
それでいて、ザッツ・エンターテイメントとして、普通なら思いついてもやらないようなあれやこれやを、何の衒いもなく大真面目にやっているところに、僕は痺れましたよ。同月に世界中で公開された映画の中で、一番面白い作品なんじゃないかと思いました。
1位 ウエスト・サイド・ストーリー
1957年にブロードウェイで上演された同名のミュージカルを映画化し、アカデミー11部門中10部門を受賞した「ウエスト・サイド物語」を、みんな大好きスティーブン・スピルバーグがリブートした作品。
正直観る前は「えー、今さらウエスト・サイド・ストーリーって…」と、あまり観る気が起こらなかったんですが、それでも実際観てみたらスピルバーグはマジで映画上手男だなーと心底感心しましたねー。
「ウエスト・サイド物語」が元々持っていた社会的メッセージを、構成自体は変えてないのに現代に通用するようにリブートしてみせた手腕は見事としか言いようがなかったです。
また、ぱっと見過去作をなぞっただけに見える部分も、しっかり現代の作品として変えるべきところは変え、残すところは残す構成も素晴らしいし、ミュージカル映画としてのルックも非常にリッチ。
まだ観ていない人には騙されたと思って観て欲しい作品ですよ。
というわけで、個人的2022年公開作品ベスト10でした。
ちなみに、11~20位はこんな感じです。
11位 ムーンフォール
12位 ソー:ラブ&サンダー
13位 バッドマン史上最低のスーパーヒーロー
14位 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
15位 モービウス
16位 アンチャーテッド
17位 シン・ウルトラマン
18位 ジュラシック・ワールド新たなる支配者
19位 KKKをぶっ飛ばせ!
20位 大怪獣のあとしまつ
もちろん僕が選んだトップ10と11位以下の作品の間に大きな差がある訳ではなく、あくまで「今日の気分はこっち」程度の差でしかないし、トップ10ランキングも同様です。
今年はあまり映画を観ることが出来ませんでしたが、来年はもっとたくさん映画を見れたらいいなと思いつつ、これで終了です。
ではでは、今年一年お世話になりました。
皆様、良いお年をー!(´∀`)ノシ
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