ぷらすです。
今年TikTokなどでもダンスシーンがバズった話題のホラー映画『M3GAN/ミーガン』を先日、レンタルビデオで観ました。
僕はメッチャビビりで、特に人形系のホラーが苦手なので劇場での鑑賞は見送ったんですが、Blu-rayで観て「これだったら劇場で観ても平気だったかも」と思うくらいには怖さ控えめな作品でしたねー。
というわけで、今回は若干のネタバレを含むので、気になる方は気をつけてください。
画像出展元URL:http://eiga.com
概要
子供の良き友達となるように開発されたAI人形「M3GAN(ミーガン)」の愛情が暴走するスリラー。『インシディアス』シリーズなどのジェームズ・ワンとジェイソン・ブラムが製作陣に名を連ね、ジェラード・ジョンストーンが監督、ワン監督作『マリグナント 狂暴な悪夢』などのアケラ・クーパーが脚本を担当。『ゲット・アウト』などのアリソン・ウィリアムズ、『ブラック・ウィドウ』などのヴァイオレット・マッグロウのほか、ロニー・チェン、ジェン・バン・エップス、ブライアン・ジョーダン・アルバレスらが出演する。(シネマトゥディより引用)
感想
チャイルドプレイかと思ったら――
本作の公開前、SNSなどでミーガンのビジュアルを観た時にまず思ったのは「チャイルドプレイ(チャッキー)の女の子版」でした。
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ご存じ「チャイルドプレイ」は殺人鬼チャッキーの邪悪な魂が、ブードゥー教の呪術によって男の子用の人形に乗り移ってしまうというホラー映画。まぁ、僕はこのシリーズ1本も観てないんですけど、Wikipediaではそう書いてありました。
対して本作は、AIが暴走した子守りロボが、子供に危害を加たり自分の目的を邪魔するものを次々に排除するという、思った以上にSFなストーリーで、そういう意味ではチャイルドプレイとは真逆な物語でした。(ドラマ版のチャッキーはAIが暴走する話らしいけど)
制作するのは、今やホラー映画と言えばでお馴染みのブラムハウス。製作総指揮にはみんな大好きジェームズ・ワン。そして本作の脚本を担当するのは同じくジェームズ・ワンの大傑作ホラー「マリグナント」の脚本も手掛けたアケラ・クーパー。
これはホラーファンなら期待せずにはいられない布陣ですよね。
ただ、実際観てみると上述したように残酷描写やジャンプスケア(音やいきなり映像でビックリさせるシーン)は殆どなく、大人から子供まで安心して楽しめる映画だと思います。逆に、ホラー大好きって人には物足りないかもですね。
ざっくりストーリー紹介
そんな本作のストーリーをざっくりとご紹介。
家族とスキーに出かけた少女ケイディは自動車事故で両親を失い、叔母でオモチャ会社の開発部で働くジェマに引き取られます。
一方のジェマは、AIを組み込んだ高性能少女型ロボット・ミーガンを開発中ですが中々上手く行かず。さらには独身で仕事一本でやってきたのでケイディとの接し方も分からずギクシャク。
そんなある日、大学時代のジェマが製作し倉庫に置いてあった操作型ロボに興味を示したケイディの「これがあったら一生オモチャはいらない」という言葉に閃いたジェマは、中断していたミーガンを開発。上司も大いに気に入るのだが――というストーリー。
まぁ、ネタバレっていうか、そりゃそうなるでしょっていう話で、この後、ケイディを心身共に守るようジェマに命じられたミーガンが暴走。ケイディに危害を加えるモノを次々に排除していって、やがてミーガンの狂気は製作者のジュマや守るべきケイディにも及んでいく。というわけです。
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そのいかにもSFチックな展開自体は面白かったんですが、ただ、両親を亡くしたケイディが、どんどんミーガンに依存していく前半と、暴走したミーガンによる殺戮ショーが始まる後半は、なんかこう別の映画みたいになってるのが、個人的には気になったところ。特にクライマックスでミーガンがケイディに放った一言には、「それ言ったらお前のアイデンティティなくなるやろー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ」って思いましたねー。
あと、ラストのラストのあるカットにも「あー、なるほど攻殻機動隊オチなのね」と。
まぁAIを題材に作る以上はそういうオチにならざるを得ないよねとも思ったし、これ続ければ永久に続編作れるとも思いました。
ただ、本作の魅力は一作でホラーアイコンになったミーガンのビジュアルでもあるので、続編でどうやってそこに持っていくか問題はあるし、逆に今回の設定でいくとミーガンがどこまでも強くなれちゃうので、インフレしないバランスを取っていくのは難しいかもとは思いましたねー。
良かったところ・気になったところ
そんな本作で僕がいいって思ったのは、むしろ前半部分。
GMに向けてのプレゼンで、突如泣き出すケイディ。ミーガンが理由を聞くと、ケイディは時間と共に両親の事を忘れてしまいそうで怖いと言うんですね。
そこでミーガンはケイディに、お母さんの思い出を聞かせてと言い、ケイディの話を録音。「あなたが忘れても私が覚えている」と言うんですね。
ここ、一見メッチャいいシーンですが、この二人の会話にジュマはショックを受けるのです。それ(ケイディのケア)は本来自分がやるべきことだったと。
しかし、これを機にケイディのミーガン異存が激しくなり、ミーガンから引き離そうとすると暴れ出す始末。
ここ、ミーガンじゃなくても、子供が騒ぐとスマホとかタブレットでYouTubeとかを、ついつい大人は見せちゃうじゃないですか。それで子供たちはどんどんスマホやタブレットに依存していくし、大人が眉をしかめるような言葉もネットで覚えちゃう。自分の知ってる子じゃなくなる感覚。
本作ではそんな大人が日々ぼんやりと感じる怖さをミーガンというキャラクターで具現化して見せているわけで、むしろ、本当に怖いのはミーガン殺戮ショーが始まる後半よりも、この前半部分なんですよね。
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逆に後半は、ミーガンのスーツアクターを担当したエイミー・ドナルドのめっちゃ高い身体能力全開によるアクションが、むしろメッチャ楽しかったりするのです。
逆に、気になるところは、ミーガン強度高すぎ問題。
ミーガンは骨格がチタン製でとにかく頑丈。それは子供が乱暴に扱っても壊れないようにという、一応のロジックはあるものの、子供のおもちゃにそこまでの強度必要か!?っていう疑問が残るし、片手で大人を吹き飛ばしたり、四つ足高速走行が出来たりと、子供のおもちゃにしては明らかにオーバースペックが過ぎるんですよね。
それで言うと、序盤に登場するジェマの手作りロボも、そんなミーガンを破壊するほどのスペックを持っていて、それもう兵器レベルじゃんと。
ロボットマニアのジェマが、このロボット三原則を知らなかったってのはちょっと考えにくいと思うんですけど、ミーガンにはその三原則のコードが組み込まれていないんですよね。多分。
ジェマ、ロボットっていうかおもちゃ作りに向いてないわ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ
個人的には、ロボット三原則に縛られたミーガンが、工夫を凝らしながら邪魔者を屠るっていう展開だったらもっと面白かったのにって思いました。
興味のある方は是非!!