今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

“NYウロウロ映画”かと思ったら…「さよなら、僕のマンハッタン 」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「アメージング・スパイダーマン」や「gifted/ギフテッド」のマーク・ウェブ監督作『さよなら、僕のマンハッタン』ですよー!

観る前は「どうせアレだろ? 主人公がNYをウロウロする映画なんだろ?」と、若干ナメてたんですが、実際観てみたら結構好みな映画でしたよー。

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概要

(500)日のサマー』などのマーク・ウェブ監督が、サイモン&ガーファンクルの名曲「The Only Living Boy In New York」に乗せてつづるラブストーリー。ニューヨークを舞台に、親元を離れた青年が隣人との交流や恋愛、父親の不倫を経て成長していく姿を描く。『クィーン アンド カントリー』などのカラム・ターナーが主人公を演じ、『アンダーワールド』シリーズなどのケイト・ベッキンセイル、『007』シリーズなどのピアース・ブロスナン、オスカー俳優ジェフ・ブリッジスらが脇を固める。(シネマトゥデイより引用)

感想

僕は何となく、ニューヨークの映画というとミニシアター系の私小説映画っていう勝手なイメージがありまして。

一時期、ミニシアター系の映画ばっか観ていた時期があって、その時の印象が強かったのかもしれません。

で、ニューヨークを舞台にしたミニシアター系映画で言うと、「主人公がNYをウロウロする系映画」っていう系譜があるような気がするんですよね。

売れないミュージシャンが猫とニューヨークをウロウロする「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2014)とか……うーん、あとはちょっと思い出せないですけど。

で、最初この映画もそういう「NYウロウロ映画」だと思ってたわけですよ。

特に大きな事件は起こらないけど、夢も目的もない青年がNYをウロウロして、小さな出会いを繰り返すうちに少しだけ成長する的なヤツかと。

で、実際観たら、全然違う映画でしたねー。(いや、当たらずとも遠からずなのかな?w)

ざっくりストーリー紹介

大学を卒業して一人暮らしを始めた青年トーマス・ウェブ(カラム・ターナー)は、一夜を共にしたガールフレンドのミミ(カーシー・クレモンズ)にご執心だけど、ミミの方には遠距離恋愛の彼氏がいて、近々夢を叶えるためニューヨークを離れるのでつれない様子。

そんなトーマスは、彼の暮らすアパートに引っ越してきたW.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス )というオッサンと仲良くなり、色々アドバイスを貰うようになり、次第に仲良くなっていきます。

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そんなある日、トーマスは偶然、父親のイーサン(ピアース・ブロスナン)の浮気現場を目撃してしまい……。という内容。

で、確執のある父親の浮気相手を探るうち、トーマスは自分の出生の秘密を知るわけですね。

マーク・ウェブの半自叙伝?

この作品は、 “ブラックリスト”(映画化が実現していない優秀脚本リスト)の中から、監督のマーク・ウェブが「いつか映画化したい」と、長編デビュー作「(500)日のサマー」より前から温めていた作品だそうで、今回ついに念願叶ったんだそうですね。

また、「(500)日のサマー」で一躍脚光を浴び、「アメージング・スパイダーマン」で失意のどん底まで落ち、「gifted/ギフテッド」で初心に帰って、本作でアメスパの本拠地であるNYに舞い戻ったマーク・ウェブが、主人公トーマス・ウェブに自身を投影した半自叙伝的な物語と言えるのかもしれません。

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物書きの道を父親(編集者)の一言で諦め、自分は父親に嫌われてると思い込んでたけど、実はそうじゃなかったっていう内容ですしね。

とはいえ、本作の評価はあまり高いわけじゃないみたいですが。

まぁ、物語自体は結構ベタなメロドラマでもあり、よくある話っちゃあよくある話で、それ以上でもそれ以下でもないって感じですし、僕も「この映画サイコー!」ってほどのテンションではないんですが、でも、そこまで悪くはないっていうか、好き嫌いで言えば、じんわり好きな映画だったりします。

父親のイーサン視点で観れば、結構グッときてしまう感じでしたしねー。

主役のカラム・ターナーを脇で支えるピアース・ブロスナンジェフ・ブリッジスが、個人的には良かったですねー。

90分弱という上映時間も、この物語のサイズ感としては丁度いい感じでしたよ。

興味のある方は是非!

 

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伝説のバンド クイーンに出会う「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)*完全ネタバレ

ぷらすです。

巷で話題の『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきました!!

最初は「DVDでもいいかなー」なんて思ってたんですが、熱量の高いツイートを度々目にしたり、リアル友人からも熱くオススメされたりして、「これは、映画館で観るべき映画なのかも…」と思い直したんですよねー。

で、実際観たら……

うぉぉ!!(ノT△T)ノ フレディぃぃ!!!

ってなりましたねー!!

クライマックスの「ライブエイド」のシーンでは、全僕が、\(T△T\)ういーあーざちゃーーんぴおん(/T△T)/ういーあーざちゃーーんぴおん大合唱でしたよー!!(心の中でね!)

というわけで、今回は伝記映画なので、ネタバレとか(基本)気にしないで書きます。
っていうか、完全にネタバレしてます
なので、ネタバレは嫌!! って人は先に映画を観てからこの感想を読んでください。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった数々の名曲で知られるロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマ。華々しい軌跡の裏の知られざる真実を映す。『X-MEN』シリーズなどのブライアン・シンガーが監督を務めた。ドラマシリーズ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」などのラミ・マレック、『ジュラシック・パーク』シリーズなどのジョー・マッゼロらが出演。フレディにふんしたラミが熱演を見せる。(シネマトゥディより引用)

感想

クイーンって、個人的感覚で言うと僕より上の世代が直撃していた印象で、だから僕自身は今までほとんど触れてきてないんですよね。

もちろんテレビやラジオで曲は聴いてるし、フレディ・マーキュリーの名前やビジュアルも分かるんですけど……。
うーん、何ていうか、ビートルズジョン・レノンと一緒で、バンドっていうより歴史上の人物みたいな感じなんですよねw

なので、そんなクイーンに興味がない僕が観に行って楽しめるんだろうか…? という不安を抱えながら映画館に行ったわけですが…。

蓋を開けたらそんなのまっったくカンケーなかったです!

本作は、“往年のファンが昔を懐かしむ映画”というより、“クイーンを知らない人達がクイーンやフレディに出会う映画”という風にチューニングされているんですね。

とはいえ、往年のファンは楽しめないのかといえば、多分そんなことはなくて、まず、20世紀フォックスのオープニングファンファーレを、ブライアン・メイロジャー・テイラー(本人)が新録したクイーン・バージョンでスタートっていう、ファン感涙モノの大サービスでスタートしますからねー!

つまり、昔馴染みも初めましても、みんな一緒に楽しんでくれよな! っていうマインドの、映画というよりライブに近い作品なのです。

ざっくりストーリー紹介

1970年のロンドン。インド系移民という出自と自分の容姿に強いコンプレックスを持つフレディ(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラーベン・ハーディ)のバンド「スマイル」に自分を売り込む。

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フレディの歌声に魅了された二人は彼をバンドに迎え、さらにベーシストのジョン・ディーコン(ジョゼフ・マゼロ)も加わり「クイーン」と名前を変えて活動開始。

やがて「キラー・クイーン」のヒットによって彼らはスターダムにのし上がるが、フレディは自らのセクシャリティーから孤独に苛まれ……。というストーリー。

ご存知の方も多いと思いますが、フレディは精神的には恋人メアリーを愛しながらも、肉体的には男性を求めてしまうバイセクシャルで、音楽で成功しメンバーを“家族”と呼びながらも、フレディ自身の孤独は深まり、酒やドラッグに溺れ、やがてメンバーの承諾を得ずにソロ活動の契約をしてしまいます。

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画像出典元URL:http://eiga.com / クイーンが揉めたのは大体コイツのせい。

それでメンバーとフレディは大喧嘩になり、クイーンは実質的に解散寸前でしたが、フレディがエイズに侵されたこと、20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴエイド」に参加を決めたことで、再び “ファミリー” の絆を取り戻すのです。

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そして訪れるクライマックスのライブシーン。
7万5000人の観衆に埋め尽くされたスタジアムで、ほぼ完全再現されたクイーン伝説のパフォーマンスは、まさに映画館がライブ会場に変わった21分でしたねー!

もうね、それまでの流れを観ているだけに、このライブシーンで僕はずっと泣きっぱなしでしたよ!!゚(´;ω;`)

キャスト陣

そんな本作でフレディ・マーキュリーを演じたのは、「ナイトミュージアム」シリーズで若きエジプト国王アクメンラー役を演じたラミ・マレック

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フレディ本人と比べると、やや線が細い感じがしましたが、義歯でフレディの出っ歯を再現し、言葉のアクセントやライブパフォーマンスの振りなどを完全再現しただけでなく、ブライアン・メイロジャー・テイラーに生前のフレディについてインタビューして、内面までしっかり役作りしてフレディ役に臨んだんだそうです。

ただ歌声だけは、フレディのアーカイブ音声を合成したものと、フレディと歌声がそっくりと話題になったカナダ人アーティストのマーク・マーテルさんの歌声を使っているんだそうですね。

www.youtube.com

あと、イギリス人俳優のグウィリム・リーが演じた、クイーンギタリストのブライアン・メイも、ファンの間で本人ソックリと話題になりましたよねー。

 あの名曲・名盤の誕生秘話も

もう一つの楽しみは、本作を彩る数々の名曲ですが、そんな名曲やアルバムの誕生秘話も、劇中で描かれます。

バンドの移動に使っていたバンを売り払い、そのお金で作ったファーストアルバム『戦慄の王女』では、ドラムやピアノの上にコインをばら撒いてそれが跳ねる音を収録したり、音を左右に振るなど斬新な方法を試し、映画タイトルにもなっている『ボヘミアンラプソディー』は、バラードからオペラ、そしてグラムロックが融合した約6分もある曲で、この曲をシングルカットするしないでプロデューサーと揉めに揉めたり。

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最初は違う意図で作られたハズのこの「ボヘミアン~」が、クライマックスのライブのオープニング曲として出だしのバラード部分だけ歌われ、まったく同じ歌詞なのにも関わらず、紆余曲折あったフレディ自身の心情を素直に表しているのが、もう、泣けて泣けて。

そしてブライアン作曲の「レディオガガ」からお得意のコール&レスポンスを挟んで、ロジャー作曲の「ハマー・トゥ・フォール」をノリノリで歌い上げ、最後は「伝説のチャンピオン」を7万5000人の観客とともに大合唱

サイコーかよ!!(ノT△T)ノ ウォォォー! 

こんなに感動するのには、映画的に重要な曲にちゃんと字幕がついていて、今まで漠然と聞いていたクイーンの歌詞の意味が分かったのも、かなり大きかったと思います。

ボヘミアン~」「伝説のチャンピオン」寄る辺なき者たちや負け犬たちの歌だったんですねー!!

そしてライブの最後でフレディが、「バイバイ、愛してる!」と言って、メンバーを振り向いたところでこの映画は終わります。 

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 それはきっと、その後エイズによる肺炎で亡くなるフレディの最後を暗示しつつ、彼の人生で最も満ち足りた瞬間を最終カットに選んだんだと思いましたねー。

そしてエンドロールでは、フレディ本人が歌う「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(映像付き)と「ショー・マスト・ゴー・オン」が流れます。

ドント・ストップ・ミー・ナウは「俺は今最高に楽しいから止めないでくれ」という内容で、ショー・マスト・ゴー・オンは1991年の死の淵にいたフレディが「それでも命ある限り舞台に立つんだ」という内容だそうです。

フレディ・マーキュリーの半生を描いた本作のエンディングに、こんな相応しい2曲はないんじゃないでしょうか。

 

煩さ型のファンの人達にしてみれば、ここが違うとかあそこは時系列が云々とか、色々言いたい事もあるでしょうが、前述したようにこの映画は、往年のファンと昔を懐かしむための映画ではなく、クイーンに初めて出会う“ファン”のための映画なんだと思うんですね。

だから、事実と違う部分もあるだろうし、クイーンやフレディのドロドロしすぎてる部分はあえて描かないチューニングをしながら、スト20分にクイーンの魅力の全てを集約させているんだと思います。

きっと、この映画を観て、初めてクイーンやフレディを知って、ファンになった若者も沢山いるんじゃないかな。

僕も家に帰ってすぐに、YouTubeで「ライヴエイド」の動画を観ちゃいましたよw

事ほど左様に、この映画は観る映画というより、ライブ体験に近い作品です。
なので、出来るだけ音響の良い劇場の大画面で観るのがオススメ!!

興味のある方は是非!!!!

 

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原作のダイジェスト版っぽい?「いぬやしき」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、アニメ化もされた奥浩哉の同名マンガの実写映画化『いぬやしき』ですよー!
先に書いておくと、僕は原作もアニメも観ていなくて、この映画で初めて「いぬやしき」を観たので、もし先に原作かアニメを観ていれば印象は違ったかもしれません。

あと、出来るだけ結末などには触れないように書くつもりですが、ある程度、後半部分の展開にも触れていくので、これからこの映画を観る予定の人や、ネタバレは嫌って人は、先に映画を観てから、この感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

映画にもなった「GANTZ」などで知られる奥浩哉の人気漫画を、『GANTZ』シリーズなどの佐藤信介監督が実写映画化。突然の事故をきっかけに、超人的な能力を得た初老のサラリーマンと高校生が、それぞれの目的で強大な力を行使するさまを描く。自分の力を人助けのために生かす主人公を木梨憲武、同じ能力を手に入れるも悪用する大量殺人鬼を、『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健が熱演。本郷奏多二階堂ふみ伊勢谷友介らが脇を固める。(シネマトゥデイより引用)

感想

本作の監督は、同じ奥浩哉の大ヒットマンガ「GANTZ」の実写版も務めた佐藤信介。
GANTZ」の感想でも書きましたけど、アクションやCG描写には力を入れる割に、ストーリーテリングやキャラの描写には、興味がないのかなーっていう印象です。(脚本は別の人なので、そちらに問題があるのかもしれませんけども)

では、本作はというと(読んでないけど)原作マンガのダイジェスト版っぽいなーっていう印象でしたねー。

全10巻の原作を、約2時間にまとめるんだから致し方ないのかもですが、キャラや関係性の描写が足りないので、彼ら(というか主に獅子神)の行動原理が飲み込みずらいし、感情移入も出来ないんですよね。

ざっくりストーリー紹介

うだつが上がらないサラリーマン犬屋敷壱郎 (木梨憲武)は、念願のマイホームを購入したものの、会社や家族から蔑まれ、おまけに末期ガンであることが発覚。

途方にくれて夜の公園でしょぼくれていると、近くのベンチで座っていた獅子神皓 (佐藤健)と共に謎の爆発に巻き込まれ、宇宙人のテクノロジーで兵器ユニットを搭載した機械人間になってしまう。

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犬屋敷はその能力で、医者に見放された病人の命を救うことに生き甲斐を見出すが、獅子神は人類に絶望し抹殺する道を選択。やがて相容れない両者の死闘が始まる。

という物語。

序盤は延々と犬屋敷のしょぼくれた日常が続き、機械人間になってからは獅子神の人生の歯車が狂っていく様子を描き、クライマックスでは同じ力を持ちながら相容れない二人の決戦を描いていく構成になっているんですね。

ダイジェスト版っぽい

ただ、観ていると「あー、これ多分(原作を)かなり端折てるんだろうなー」ってのが、原作を知らない僕でも分かるくらいキャラ(特に獅子神)の描写が足りてなくて、なので犬屋敷以外のキャラにまったく感情移入が出来ないんですよね。

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例えば犬屋敷の家族は、ただただ嫌な部分だけが強調されて、犬屋敷が何故この家族をそこまで大事にするのかって思うし、獅子神が最初に起こす(後に彼自身が追い詰められるキッカケになる)ある事件も、「え、なんで?」って、あまりに唐突に感じてしまうので、後に起こる悲劇に対しての獅子神の怒りに対しても「いや、全部お前の自業自得だし、ただの八つ当たりじゃん」としか思えないわけです。

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ウィキペディアを読むと、獅子神が最初の事件を起こすに至るまでを、段階的に描いているようだし、後半では犬屋敷の家族の再生も描かれているらしいんですが、そこを端折っているので、気は弱いけど善人な犬屋敷と、心に闇を抱える少年 獅子神という、記号的なキャラクターになっているんですよね。

獅子神の親友でいじめられっ子のチョッコーも、犬屋敷をナビゲートするだけの便利キャラぽくなってるし、犬屋敷の息子がカツアゲされてる問題なんか、最後まで放置したままですしね。

アクションシーンについて

で、二人が対決するアクションシーン。
「ハリウッドに比べてCGがショボイ」とか、そういうのは正直どうでもいいんですよ。っていうか、今やCG技術も上がってきてある程度の水準は担保されてますからね。

実際、劇中でも犬屋敷と獅子神の空中でのチェイスなんかは見ごたえがあったし、体のアチコチが開いて武器が出てくるシーンも、個人的にはちょっと上がりました。

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ただ、基本的にどういう機能がついてるのかの説明がなくて(セリフで、じゃなく自分で機能を発見していく描写を入れるとか)、なので例えば、単純に物理攻撃だと思ってた指鉄砲が、ネットワークを通してモニター越しの人間を打ち抜くシーンとか「え、どういうこと?」と困惑したし、「それが出来たら、もう何でもアリじゃん」と、鼻白むというか。

あと、クライマックスで犬屋敷が必死で瀕死の娘を救うシーンを2回やるとか、構成的にも上手くないし、タイムリミットサスペンスもまったく機能していない。

そもそも二人にどういう能力(機能)があって、どういう弱点があるのかっていうルールがぼんやりしてて最後の決着もロジックがないので、同じ機能のハズなのにどうしてそうなったか分からないんですよね。(多分こういう事だろうなーってのは何となく分かるけどさ)

っていうか、その前のシーンで死んだと思った獅子神がしれっと復活したので、あれ? こいつ自己修復機能がついてるの? って思って混乱しましたよ。

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なので結局、どっかで見たようなテンプレの上っ面をただ真似てるだけに見えちゃうのです。

テンプレといえば、獅子神による大量虐殺の引き金になるネット民が引きこもりのデブだったり、サイトも書き込みの言葉使いもあからさまに2ちゃんなのが、(原作通りなのかもですが)まだそれやってるの? って感じでしたねー。

君塚良一かよ! っていう。

むしろ今はTwitterとかフェイスブックなどのSNSや、YouTubeみたいな動画投稿系サイトの方が主流なんじゃないかなーって思ったりしましたねー。

ちなみに、一部で酷評されてる木梨憲武の演技は、個人的に言うほど悪くないって思いました。
演技自体はそんなに上手くないのかもだけど、木梨さんが長年芸能界で培ってきた年輪の重みが犬屋敷に乗っかっていて、説得力のある存在感を出していたように思いましたねー。

興味のある方は是非!

 

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ほぼ完璧な三部作完結編「ちはやふるー結びー」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、実写版「ちはやふる」三部作完結編『ちはやふるー結びー』ですよー!

素晴らしいアイドル映画であり、ほぼ完璧と言っていいシリーズ完結編だと思いましたねー!!

で、今回の感想は、出来るだけネタバレしないように気をつけてはいますが、わりと内容の確信部分に触れてるところもあるので、これから本作を観る予定の人、ネタバレは嫌! という人は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

末次由紀のヒットコミックを原作にした青春ドラマの続編。全国大会での激闘から2年後を舞台にして、競技かるたに打ち込む高校生たちのさらなる戦いを活写する。監督の小泉徳宏広瀬すず野村周平新田真剣佑上白石萌音矢本悠馬森永悠希ら前作のスタッフ、キャストが結集。新たなキャストとして、NHK連続テレビ小説あまちゃん」などの優希美青、『くちびるに歌を』などの佐野勇斗、『森山中教習所』などの賀来賢人らが参加する。(シネマトゥディより引用)

感想

まず、「ちはやふる」を知らない人にざっくりとどんな物語かを説明すると、かるたバカの残念美少女 千早広瀬すず)、かるたの天才 新田真剣佑)、二人の幼馴染で才能の差に苦しみながら片思いしている“千早のため”に部長として かるた部を引っ張っていく 太一野村周平)三人の恋の行方と、競技かるたに青春をぶつける高校生たちを描いた大ヒット少女マンガ「ちはやふる」の実写映画です。

第一作となる「~上の句」では、高校で再開した千早と太一が仲間を集めて競技かるた部を作り、全国大会団体戦で優勝するまでを。

続編の「~下の句」では、個人戦に焦点を当て、最年少クイーンの若宮詩暢(松岡茉優)と千早との対戦をクライマックスに、千早、新田の2人が抱える悩みや苦悩を乗り越えていく姿を描いているんですねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 出番は少なかったものの、それぞれにちゃんと見せ場があってよかった。

そして、本作「~結び」はそれから2年後の高校生競技かるた大会を舞台に、高校3年生になった千早や新、そして太一の、青春の終わりと3人の恋の行方にも(一応の)決着をつけるシリーズ完結編なんですねー。

青春映画でありアイドル映画でもある

本シリーズは、競技かるたに情熱をかける若者たちの青春映画であり、同時に広瀬すずを始めとした10代・20代、つまり劇中のキャラとほぼ同世代の若手俳優たちの「今」を切り取るアイドル映画でもあります。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 1年生二人を加えて7人になった瑞沢高校かるた部

上の句・下の句が一気に撮影、ひと月の間をあけて順次公開されてから2年、完結編となる本作が制作・公開されていて、この2年間での劇中のキャラと俳優たちの成長がリンクしているんですね。

劇中ではクイーン戦準決勝で敗れた千早が、クイーンの詩暢と中学3年生の我妻の対戦と、千早・太一・新の師匠である原田先生(國村隼)と、4連覇中の名人周防(賀来賢人)の名人戦勝戦のシーンからスタート。

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画像出典元URL:http://eiga.com / コメディーリリーフ的なシーンも多かったけど、決めるところはビシっと決める松岡茉優

この冒頭のシーンで、原作の名人・クイーン戦の件を10分ほどサクッと終わらせ、上の句と同じように高校最後の団体戦を物語の中心に絞ると同時に、クイーン・準クイーンの戦いとネット中継の解説で、人物紹介や競技かるたなど、本作に関する基本的な情報を説明しているんですよ。

この辺の手際の良さは素晴らしいと思ったし、同時に、前作・前々作同様、競技かるたの激しさや迫力、動きの美しさをスローモーションを交えながら伝えているのも良かったですねー。

説明ゼリフの上手さ

その後、千早たちが新入生の部活説明会で新1年生に説明するという体で、観客に対して競技かるたのルールを説明し、古典が大好きな奏(上白石萌音)が物語のキーとなる和歌の内容を解説させるなど、観客が説明ゼリフを説明くさく感じさせないよう、物語に織り込んでいく脚本の上手さを感じました。

逆に、それぞれのキャラクターの心情を表すシーンではセリフを極力排して、映像や構図、カットで、観客に「レンズの外」を想像させる演出をしているんですよね。

例えば、太一に一目惚れしてかるた部に入った花野薫(優希美青)が、女子更衣室で盗み聞きした千早と奏の話を太一に告げ口するシーンでは、太一の顔は一切撮さず背中だけを見せることで、太一の表情を観客に想像させるとか。

セリフに頼らない映画的演出と、説明セリフを違和感なく伝える演出のバランスが、ほんとよく考えられていると関心しました。
前2作でも同じことはやってるけど、本作の脚本と演出のクオリティーは桁違いだと思いましたねー。

和歌の意味が物語のキーになる

上の句・下の句では、どちらかといえば和歌の意味よりも競技としての「かるた」に重心が置かれていた本シリーズ。
しかし、本作では、かるたに書かれた和歌の内容が物語の重要なキーになってきます。

それが、

『ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば
   ただ有明の 月ぞ残れる』

『しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
     ものや思ふと 人の問ふまで』

『恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
    人知れずこそ 思ひそめしか』

という、3枚のかるたに書かれた和歌です。

『ほととぎす~』は、色々あって太一が退部したあと、千早が部室の畳の隙間から見つける札で、ほととぎすの鳴き声が聞こえたような気がして振り向いたら、まだ明け方の月が残っていた。という内容。

『しのぶれど~』は、心に秘めた恋心を隠してたつもりが、「恋してるの?」と人に聞かれちゃうくらい、顔や表情に出ていたらしい。という意味で、

『恋すてふ~』は、秘密にしてた恋がバレて噂になっちゃった。という意味らしいです。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 仲間とかるた部を組んで、大会に出場する新

「しのぶれど〜」が太一、「恋すてふ〜」が新の状況をそれぞれ表しているんですが、クライマックスの団体決勝戦、新が率いる福井の藤岡東高校と太一たち都立瑞沢高校の対戦のクライマックスで、この2枚の札は大事な意味を持っているんですね。

しかも、この2枚の札の件では勝敗を左右するロジックだけでなく、新と太一の現状や、千早と詩暢の未来への予感などなど、何重ものメタ的な意味も内包しているのです。

前作から引き続き、青春をかけた競技かるたへの熱量はそのままに、かるたに書かれた和歌の意味を物語に深く絡ませることで、千年前の和歌と現代の若者たちのを“繋ぐ”ことに成功しているのではないかと思ったりしましたねー。

果たして3人の恋の行方は

ネットで「新・太一・千早の恋の決着が曖昧なまま終わった」事が不満だったというレビューをいくつか見かけました。

まぁ、確かに「え?」という感じではあったんですが、個人的には、三人の恋の決着は観客にそれとなく予感させるように、劇中でちゃんと描かれていると思うんですよね。

あえて劇中で白黒ハッキリつけずに、劇中でヒントを見せながら未来を予感させるのもまた、かるたや和歌の世界観とリンクしてる美しい終わり方で、もう最高かよ! って思いました!

本作は、遡って「上の句」「下の句」を再評価してしまうほど三部作完結編としてほぼ完璧で見事な青春映画だし、同時に約2年間に渡る出演俳優たちの成長を切り取ったアイドル映画としても、もちろんマンガ原作の実写作品としても、っていうか近年の邦画の中でも1・2を争う大・傑・作だったと思いますよー!!

興味のある方は是非!!!

 

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これは兎たちのアポカリプトだ!「ピーターラビット」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、イギリス生まれの大人気キャラクターが活躍する映画『ピーターラビット』ですよー!

予告編で観たり、噂には聞いてましたけど、思いのほか殺伐とした世界観でしたねーw

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概要

世界中で親しまれているビアトリクス・ポターの人気絵本を実写映画化。イギリスの湖水地方を舞台に、いたずら好きなうさぎの日常や恋のエピソードを、実写とCGアニメーションを織り交ぜて描く。ドラマシリーズ「ダメージ」などのローズ・バーン、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』などのドーナル・グリーソンらが出演するほか、声の出演にジェームズ・コーデン、マーゴット・ロビーデイジー・リドリーら。『ANNIE/アニー』などのウィル・グラックがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)

感想

僕はビアトリクス・ポター原作絵本を読んだことはないんですが、ピーターラビットはもちろん知っていて、なので実写映画化されると聞いたときは、「きっと優しくて可愛らしい映画なのだろう」と思ってたんですね。

しかし、ネットで予告編を観たら予想とは随分違っていて、さらにネット上での評価も賛否が分かれていたので、これは自分の目で確かめなければ! と思い、今回レンタルで観てみましたよ。

思いのほか殺伐とした描写にビックリ

冒頭、雀のミュージカルから始まる本作。

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イギリスで最も美しい風景と称えられる、湖水地方の自然豊かな風景をカラフルな映像で捉え、その中をピーターや妹たちや従兄弟、他の動物たちが楽しそうに駆け回るシーンは、まさに頭の中に描いていた「ピーターラビット」の世界そのままでした。
が、父親をパイにして食べてしまったピーターの宿敵、農夫のマグレガー爺さんが心臓麻痺でポックリ逝ったのを皮切りに、遺産相続のためロンドンからやってきた又甥のトーマスは、捕まえたピーターの従兄弟ベンジャミンを麻袋に入れて川に沈めようとするし、トラバサミのような罠をアチコチに配置、さらに門扉が頑丈なものに付け替え、挙句、害獣よけの電気柵や害獣を吹っ飛ばす爆薬まで……。と、
完全に殺る気満々

対するピーターたちも、トーマスの仕掛けた罠を逆利用したり、アレルギーのあるトーマスの口にブラックベリーを放り込み、アナフィラキシーショックを起こさせたりと、まさに生きるか死ぬかのサバイバルバトルが繰り広げられるんですよね。

クライマックスに至っては、スピルバーグの戦争映画「プライベートライアン」を参考にしたと言うんだから驚きです。“あの”プライベートライアン」ですよ!?

改良か、それとも改悪か 

この改変っぷりに、原作ファンの人たちを中心に本作はかなり批判されたそうですが、「そりゃぁそうだよなー」と思う一方で、マクレイガー爺さんは、元々ピーターたちの土地だった場所を占拠したうえにピーターの父親をパイにして食べてしまったわけだし、又甥のトーマスも、家の敷地にピーターたちが入れないようにするばかりか、侵入したピーターやベンジャミンを容赦なく殺そうとしてるわけで、ピーター目線で見れば、弱者である自分たちが理不尽に立ち向かい土地を取り戻そうとするのは、ある意味で当然の行動と言えなくもないわけですよ。

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むしろピーターの行動に引いてしまうのは、可愛いピーターラビットが人間を殺そうとするなんて! というショックの方が大きいんじゃないかと思うし、それは、ある意味で人間の傲慢なのではと思ったり?
見た目は可愛いうさぎでも、ピーターは野生で人間と対等な存在なわけですからね。

そういう意味では、一見改悪に見える本作のピーターの行動は原作者ビアトリクス・ポターの精神に沿っていると言えなくもない…かもしれない? とか思ったり。

あと、ピーターたちがラップを歌ったり、映画自体がスラップスティックコメディーになるのは、100年以上昔の物語を現代にアップデートするっていう意味では致し方ないんじゃないかと思いますしね。

微妙な部分も

ただ、本作がピーターラビットの映画化として成功しているかというと、微妙な部分も。

例えば、本作でピーターを始め動物たちの多くは上着を着ていますが、そのことについて人間たちはごくごく当たり前に受け入れてるし、後半ではトーマスはピーターと普通に会話し始めるんですが、本作のヒロインであり、トーマスとピーターの争いを激化させる要因となるビアとは、ピーターは言葉を話さないんですよね。

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ちなみに、ピーター側は(多少認識の齟齬はあるけど)人間の言葉を理解しているようで、ということはピーターたちが話す人間を選んでいるのか、それとも人によって言葉が通じたり通じなかったりするのかが、よく分からなくて、その辺の(映画内)リアリティーのルールが明確にされていないのが、引っかかってしまうんですよね。

あと、本作で重要なキャラクターであるはずの、ビアの描き方はハッキリ上手くないって思いました。

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原作の設定や世界観を活かしつつ上手く現代風にアップデートすることに成功した作品としては、同じイギリス発の児童文学が原作の「パディントン」がありますが、対する本作は原作のエピソードを入れ込んでファンへの目配せはしているようですけど、アップデートという意味では上手くいってない部分が多いと思いましたねー。

とはいえ、ピーターや動物たちは総じて可愛いし、スラップスティックコメディーとしても楽しい映画でしたよー!

興味のある方は是非!!

 

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ただのコメディーかと思ったら「ゲーム・ナイト」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、アメリカのコメディー映画『ゲーム・ナイト』ですよー!

本作は「サボテン・ブラザース」的な勘違いコメディーなんですが、ただ笑わせるだけではなくて、謎解きやアクション、サスペンスなどなど、色々な要素がてんこ盛りの超面白い映画でしたねー!

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概要

モンスター上司」の監督、「スパイダーマン:ホームカミング」の原案・脚本を務めた ジョン・フランシス・デイリー、ジョナサン・ゴールドスタインコンビによる、「ゲームだと思ったら本当の犯罪に巻き込まれちゃった」系コメディー映画。
ジェイソン・ベイトマン(マックス役)とレイチェル・マクアダムス(アニー役)がゲーム好きの夫婦を演じ、マックスの兄ブルックス役はカイル・チャンドラーが勤める。

感想

ざっくりストーリー紹介

ゲーム大会参加が縁で結婚したマックスとアニーは、週末になると仲間たちとゲームに興じる生粋のゲームマニア夫婦。
しかし、二人は中々子供ができないことに悩み、医師によればマックスのストレスによる精子不活性が原因ではないかとのこと。
その原因は、投資家でお金持ちな兄ブルックスへのコンプレックスや、子供ができることで生活が変わってしまう事への不安だった。

そんなある日、久しぶりに地元に戻ってきたブルックスの家での推理ゲームに招待されたマックス夫妻とその仲間たち。

突然、家に押し入ってきた暴漢二人に連れ去られたブルックスを見送りながら、「リアルな演出」と関心していたメンバーだったが……。

というストーリー。

よく分からないけど、アメリカでは週末に仲間を家に呼んでのゲームをするのが、わりとポピュラーなんですかね?

週末に友達の家でゲーム大会なんてまるで中学生男子みたいですが、この場合のゲームはテレビゲームではなくて、例えばジェスチャー当てとか、ヒントを出してお題を当てるとか、アナログなパーティーゲームなんですよね。

で、マックスの嫌味な兄貴ブルックスが、嫌味たっぷりに高級な自宅で商品付きの推理ゲームを主催。

「参加者の中の誰かが誘拐される」なんて説明してると、ドアをぶち破って二人組が侵入し、兄貴を連れ去ってしまうんですね。

それを合図にゲームを開始するメンバーたちですが、どうやらゲームではなくマジ誘拐だったことや、ブルックスの正体も分かっくるという、まぁ、よくある勘違いコメディー展開になっていくわけです。

で、「あーはいはい、こういうヤツねー」なんて観ていると、そこからさらにもう一捻りふた捻りあってビックリさせられるんですよねー!

しかも、そんなストーリーの合間合間に、登場キャラクターの性格や関係性や笑いもしっかり入れ込んで、アクションもあり、感動もあり、アメコメっぽい有名人ネタや映画ネタもあり、後半ではどんでん返しに次ぐどんでん返しもありという、こうして書いてるだけでお腹いっぱいになりそうな要素盛り沢山映画なのです。

キャラクターの魅力

そんな本作はキャラクターたちも魅力的。

マックス役のジェイソン・ベイトマンは、シリアスからコメディーまで幅広く活躍する俳優で、近年だと「ズートピア」でニックの声も演じた実力派。

奥さんのアニーを演じるレイチェル・マクアダムスは「スポットライト 世紀のスクープ」でアカデミー助演女優賞にノミネートされた実力派ながら、本作での美人でキュートな奥さんをノリノリで演じていて「お前、こんなカワイイ嫁さん貰った時点で勝ち組だろ! (´・ω・)つ)3゚)∵」と、ウジウジしてるマックスを殴りつける勢いですよ!

マックスの兄貴ブルックスは、幼少期からマックスにコンプレックスを植え付けてるいけすかない兄貴なんですが、実は……というキャラで、演じているカイル・チャンドラーは、名前は分からなくても、洋画好きの人なら彼の顔を見れば「あーこの人ね」って分かるんじゃないでしょうか。

そんな二人のゲーム仲間は、ずっと奥さんの浮気を疑ってるケヴィンとミシェルの黒人夫婦。そのミシェルの浮気相手というのがまさかの!? っていうw

そして、筋肉バカのライアンと、ライアンがゲームに勝つためにスカウトしてきた少しとうが立ってるけどインテリ美女のサラ。

あと、奥さんと別れてから仲間はずれにされている、ちょっと不気味な警官のゲイリーと、それぞれキャラが立っていて、みんな何か憎めないんですよねw
物語の進展に合わせて、それぞれの関係が少しづつ変わっていくのもいいんですよね。

映像

冒頭や中版で、マックスの家周辺をミニチュアぽく見えるように撮影したり、カーチェイスはまるでレーシングゲームのような感じで撮影したりと、違和感を感じる演出なんですが、これ自体が映画全体の伏線になっていて、それはEDまで観ていると「あ! そういうことだったのか!」って分かる仕掛けになってたりします。

それ自体は別に上手い仕掛けではないし、下手にやるといやらしい感じになってしまいがちですが、本作の場合はビックリさせるというより、最後のオマケ的な感じで使っているのでイヤミな感じはしませんでした。

っていうか、全体的に特別目新しい仕掛けはないんですが、情報を整理するのが上手くて、観ている間ストレスを感じる部分がなかったのが一番素晴らしいって思いました。

有名人や映画ネタは分からない部分もあるけど、それ自体はただのジョークなので分からなくても問題ないですしね。

興味のある方は是非!!

 

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僕が求めているバットマンとは違うけど「ニンジャバットマン」(2018)*ネタバレあり

ぷらすです。

今回ご紹介するのは初? の日本製バットマンとして話題になった『ニンジャバットマン』ですよー!

何ていうか、心底やりたい放題って感じで、アメコミヒーローを使ったジャパニメーションでしたねーw

で、この作品は多分、ネタバレしても面白さは1mmも減らないタイプのイベント映画だと思うので、今回はネタバレを気にせずに感想を書きたいと思います。

なので「ネタバレは嫌!」って人は、映画を観てからこの感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

https://eiga.k-img.com/images/movie/88226/photo/6a361322ef44e1a8.jpg?1521167700

画像出典元URL:http://eiga.com

概要

アメリカの人気ヒーローたちと悪党のバトルを活写するSFアクションアニメ。戦国時代の日本を舞台に、現代から迷い込んだバットマンたちとジョーカーたちが死闘を繰り広げる。監督はテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のオープニングを手掛けた水崎淳平バットマンの声をベテランの山寺宏一が担当し、歴史を塗り替えようとする悪党を高木渉らが好演している。(シネマトゥデイより引用)

感想

DC公認!?  ジャパニメーションの文脈で描かれたバットマンストーリー

本作は、「ジョジョの奇妙な冒険」OPを手がけた水崎淳平が監督(神風動画)、「天元突破グレンラガン」の中島かずきが脚本、「アフロサムライ」の岡崎能士がキャラクターデザインを担当した純日本製「バットマンです。

しかもこの作品、DCコミック公認で、ワーナー・ブラザーズ・ジャパン制作なんですね。

ストーリーは、バットマンのキャラクターが戦闘中の事故で日本の戦国時代にタイムスリップするという内容。
ヴィラン(悪役)のジョーカーは織田信長、ペンギンは武田信玄、ポイズン・アイビーは上杉謙信、デスストローク伊達政宗トゥーフェイス直江兼続と、それぞれが武将に成り代わって国取り合戦を始めるのを、バットマンやロビンが阻止しようと奮闘するっていう、とにかく何でもアリのやりたい放題な内容なのです。

さらに、それぞれの城がトランスフォームするわ、合体するわ、忍術をマスターしたバットマンが巨大化するわっていう、まさにグレンラガン」や「キルラキル」で見せた中島かずきの世界観が全開だなーと思いましたねー。

映画版バットマンの新作というよりアニメ版バットマンの系譜

で、映画版のバットマンが好きでこの作品を観た人は、「お前誰やねん!」っていうキャラクターが結構いたんじゃないでしょうか?

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バットマン勢はバットマンキャットウーマン、アルフレッドという映画でもお馴染みのキャラクターの他に、

ナイトウィング(初代ロビン)、レッドフード(2代目ロビン)、レッドロビン(三代目ロビン)、ロビンバットマンの実子ダミアン・ウェインで、5代目ロビン)が登場。

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ヴィラン勢は、お馴染みジョーカー&ハーレイ・クインジャスティスリーグ」の最後にちょこっと出てきたデスストロークティム・バートンの「バットマンリターンズ」に登場したペンギン、ダークナイト」に登場したトゥーフェイスバットマン & ロビン Mr.フリーズ」に登場したポイズン・アイビー の他に、

ゴリラ・グロッド(科学者のゴリラで、本作の発端となったタイムマシンを作った)も登場します。

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つまり、本作は映画版バットマンの系譜にある作品というより、ワーナー・ブラザース・アニメーションが制作しているOAVのアニメ版バットマンの系譜にある作品なんですよね。(キャラクターデザインもそちらに寄せている)

じゃぁ、アニメ版バットマンを観ないと内容が分からないのかといえば、そんな事はなくて、上記したようにストーリーの方は完全に独立した、いわば番外編なのでプリキュアオールスターズ」的な感覚で観てもらえば問題なく楽しめると思いますよw

僕が求めているバットマンとは違うけど

ただ、上述したように合体ロボットやら巨大化やらは、バットマンの世界観が好きという人には賛否が分かれるかもと思いました。

いや、動きは凄いし、絵もカッコイイんですよ。
ただ、個人的に僕がバットマンに求めているのはコレジャナイというか。

僕の好きなバットマンは、やっぱアメコミヒーローのバットマンなので、「グレンラガン」や「キルラキル」的な、勢いで物語を進める70年代的熱血ジャパニメーションのパロディーは求めてないんですよね。

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いかにも「OH、クレイジー…だけどクールだぜジャパン!」と海外のオタクを喜ばせようという意図が透けて見える展開は、正直乗れないっていうか。

ただ、それでも個人的にこの作品が憎めないのは、バットマンと宿敵ジョーカーの関係性はブレずにしっかり描いてるからなんですよね。

正反対のようで鏡像関係の二人の関係と、両者の決定的な違いがブレちゃうと、バットマンではなくなっちゃうので、そこが担保されてたのは良かったし、穿った観方かもですが、本作のジョーカー(の動き)は、アニメ版と映画版全てのジョーカーが合体したような雰囲気があって、クライマックスでバットマンと一騎打ちするジョーカーの動きは、おそらく「ダークナイト」のヒース・レジャー版ジョーカーを意識してるんじゃないかと思うんですよね。

www.youtube.com

それが観れただけで、個人的には満足でした。

ちなみに、手描きっぽく見えるけど、本作はCGアニメです。
けど、いかにもCGっぽく見えるシーンがあまりないのも良かったですねー。

興味のある方は是非!!

 

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