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今日観た映画の感想

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スタンドバイミーの続編!? “大人”のホラー映画「ドリームキャッチャー」(2003)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、米国モダンホラーの帝王 スティーブンキング原作の実写映画化作品『ドリームキャッチャー』ですよー!

今回僕は特別版で観たんですが、通常盤と劇中の内容が違うのかどうかはちょっと確認出来ませんでした。

原作者のキングは「今までの実写化で最高傑作」と絶賛でしたが、ネットで見る限り評価はかなり分かれている作品だったので、僕もかなり覚悟を決めて観たんですが、

え、面白いじゃん。って思いましたねー。

そんなわけで、今回はあちこちで仕入れた情報を入れつつ、ネタバレまではいかないけど、わりと踏み込んだ感想になると思います。

http://img.eiga.k-img.com/images/movie/1370/photo/599539d9e0368f34.jpg?1469170628

画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

メイン州の小さな町に住む4人の少年、ジョンジー、ヘンリー、ピート、ビーバーはある日、風変わりな少年ダディッツを助ける。4人はその時、ダディッツから彼の持っている不思議な力を分け与えられ、以後その秘密を共有することで強い絆が結ばれる。20年後、大人になった4人にとってそのパワーは今では重荷として彼らにのしかかっていた。そんなある時、ジョンジーが交通事故で重症を負うが、奇跡的に一命を取り留める。やがて4人は北方の森にある狩猟小屋で再会を果たす。それは彼らにとって毎年恒例の楽しいイベントのはずだったが…。(allcinema ONLINEより引用)

 

感想

ざっくりスティーブン・キング解説

本作の原作者、スティーブン・キングはアメリカモダンホラーの帝王と呼ばれる小説家で、「キャリー」「シャイニング」「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」など映画化された作品も多い、多作で知られる作家です。

アメリカのごく平凡な町を舞台に、具体的な固有名詞をはじめとした詳細な日常描写を執拗に行うのが特徴で、そのことから「怪奇小説」とは違う「モダン・ホラー」の開拓者として多くのファンに愛されています。

またアメリカの実在の街、風俗、カルチャーなどを作品に反映させることも多く、なので米国人以外の読者にはピンと来ない部分もあったりするようなんですが、本作でもそういうシーンが登場します。

ちなみに本作は、キングが散歩中に自動車事故で重傷を負った直後に書かれた作品で、劇中に登場する事故のシーンは、まさにキング自身のリアルな恐怖体験でもあったみたいですねー。

知っておいたほうがいい3つのワード

本作では物語上、非常に重要なポイントとなるワードが3つあるんですが、このワード、日本人には分かりづらいので、ざっくりと解説しようと思います。

1・スクービー・ドゥー

少年時代、主人公の4人は、いじめられていた知的障害を持つ少年ダディッツと友達になります。
そのダディッツがいつも持ち歩いていた黄色いランチボックスに描かれていたのが「スクービー・ドゥー」のイラストで、ダディッツはこのアニメが大好きなのです。

スクービー・ドゥー」とは、ミステリー社という少年少女4人組と弱虫な飼い犬のスクービー・ドゥーの探偵社が事件を解決するカートゥーンアニメで、日本では『弱虫クルッパー』というタイトルで放送されたらしいです。
で、この弱虫な大型犬スクービードゥーが事件解決の糸口を掴み、それをキッカケに4人が事件を解決していくというお話。

本作では、主人公4人組とダディッツの関係をミステリー社とスクービー・ドゥーに準えていて、だからあるシーンでダディッツはアニメの中の「スクービー・ドゥー、仕事だよ」というセリフで自分を奮い立たせるんですね。

2・ブルー・バイユー

本作の中で、主人公の一人ビーヴァー(ジェイソン・リー)が、あるシーンで口ずさむ曲のタイトル「ブルー・バイユー」
ブルー・バイユーとは、ミシシッピー河の入江のことで、非常に美しい景色として有名なんだそうです。
で、この曲は都市生活者の郷愁を歌った曲で、「とても寂しい、ブルーバイユーに私のあの子を残してきてから」「5セント硬貨を節約しして、10セント硬貨を節約して、暗くなるまで働く」という歌詞が出てきます。
アメリカで一番使われるのが25セント硬貨なので、5セント、10セント硬貨を節約してっていうのは、歌の主人公が貧乏だということを示していて、それを口ずさむビーヴァーも裕福ではないという事を表してるんですね。

3・「SSDD」「Nobound,Noplay」

この二つの単語も、本作で重要な意味が有る言葉です。
SSDD]とは「Same Shit Different Day」の略で、直訳すると「日は変わっても同じクソ」となります。もっと端的に言うと「クソのような毎日」って感じですかね。ちなみに「SSDD」はこの作品でキングが作った略称で、この作品から「SSDD」は有名になったらしいですw

「Nobound,Noplay」は、「ここはボールが跳ねないから遊べない」という意味ですが転じて「ここで遊ぶな」という意味。そこから更に転じて「どうしようもない」というスラングとして、劇中でも登場します。

大人版「スタンドバイミー」

ハッキリ言及はされてないし登場人物の名前も違いますが、本作は同じキング原作の「スタンドバイミー」の続編的な作品です。
「スタンドバイミー」は4人の少年の冒険を描いた作品ですが、本作は4人の中年が主人公なんですね。

ヘンリー(トーマス・ジェーン)、ジョンジー(ダミアン・ルイス)、ピート( ティモシー・オリファント)、ビーヴァー(ジェイソン・リー)は、幼なじみの中年四人組で、年一回? 山小屋で一緒に休暇を楽しむ仲間ですが、ヘンリーは自殺志願者、ピートはアル中、ビーヴァーは貧乏。
そして、ある事情からジョンジーは交通事故で死にかけた経験から世の中が信じられなくなっている。ってな感じでそれぞれ問題を抱えているんですね。(大人になるとみんな何かしらあるものですw)

ジョンジーの事故で時期がずれたものの、冬の山小屋で休暇を楽しんでいた4人ですが、ある事件をキッカケに恐ろしい目にあうというのが本作のあらすじ。

って書くと、なんか面白そうに思うかもですが、実はこの作品、評価が分かれていて酷評も非常に多い作品なんですね。

なぜ、酷評が多いのか

その理由は、本作がとってもヘンテコな映画だからだと思います。

冒頭、いかにもホラーっぽい不穏な雰囲気で始まるんですが、山小屋のあるシーンから急にSF(というかコメディー?)になり、中盤以降、政府の陰謀?が明らかになり、最終的に怪獣映画? になりますw

なので観ているこっちも、どういう気持ちで観ればいいのか分からないってのがあると思うんですね。
「ホラーじゃないのかいっ!!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ」
みたいな。

ただ、そういう先入観をとっぱらって流れに身を任せてしまえば、中々面白い映画じゃないかと思うんですよね。

アメリカ人にとっての“恐怖”が詰め込まれた作品

本作は、平均的アメリカ人が抱える潜在的な“恐怖”の詰め合わせのような作品です。

例えば、自殺志願者のヘンリーは映画冒頭でいきなり自殺しようとしますが、彼はミドルエイジ・クライシス(中高年が陥る鬱病や不安障害)なんですね。

折り返しに近づき、人生の終盤が見えてくると「こんなはずじゃなかったのに…」とか「自分はこのまま朽ち果てていくのか」的な不安に襲われて欝状態になっていき、悪化すると自殺を考えるようになるみたいな感じ。

映画の分岐点となる「あるシーン」や、冒頭のジョンジーの交通事故は突然の病気や事故への恐怖だし、何故か彼らの股間を狙う恐ろしいモンスターは、中年男性になって次第に性欲が衰えていく→男でなくなっていく恐怖のメタファーです。

中盤で登場するモーガン・フリーマン演じるカーティス大佐は、いつ軍や政府の陰謀によって自分たちが不利益だったり理不尽な目に遭うか分からないというアメリカ人が抱える潜在的な恐怖の象徴だったりします。(アメリカで武器の携帯が認められているのはここに起因している)

なので、一見すると訳の分からないヘンテコ映画ですが、実は意外としっかり「恐怖映画」なのです。

「スタンドバイミー」は「子供の恐怖」を克服して大人になる物語ですが、本作は成長した彼らが直面する「大人の恐怖」に対峙する作品で、「スタンドバイミー」の“その後”でもあり、アンサー的な作品でもあるんだと思います。

という事を押さえたうえで、ある年齢以上の人が本作を観ると、一部の人達には不評なあのラストシーンも中々感慨深いんじゃないかなーって思ったりしますねーw

興味のある方は是非!!

 

▼こっちの動画でより面白く解説されていますよー!▼

www.youtube.com

 

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