ぷらすです。
今回ご紹介するのは、「死霊館」シリーズや「ワイルドスピード/SKYミッション」「アクアマン」などの監督ジェームズ・ワンの原点とも言えるソリッド・ホラー『SAW-ソウ-』と『SAW-ソウ-2』ですよー!!
僕はこのシリーズ、残酷ショーが売りのデス・ゲームものだと思いこんでいて、ずっとスルーしていたんですが、「ぷらすと by Paravi」で添野知生さんの解説を聞いて、俄然興味が沸いたので今回とりあえず2本レンタルしてきましたー!
というわけで、今回は2本まとめてご紹介します。
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
密室で足を鎖でつながれた2人の男が直面する究極の選択と苦悩を描いたスリラー。ともにオーストラリア出身のジェームズ・ワン監督と主演の『マトリックス リローデッド』のアクセル役、リー・ワネルはこの作品で一躍脚光を浴び、低予算での製作映画ながら全米2000館で公開。全く先の読めないストーリー展開とスタイリッシュな映像は必見。<SAW概要>(シネマトゥディより引用)
感想
ジェームズ・ワンってこんな人
「SAW」の監督ジェームズ・ワンはマレーシア生まれ。
幼少期にオーストラリアのパースへ移住して11歳頃から映画の道を志し、メルボルンのロイヤルメルボルン工科大学へ進学後に親友のリー・ワネルと出会って、2人で映画製作をするようになります。
その後2人は「SAW」の長編映画を作るため、8分間のパイロット版DVDを制作して映画会社に売り込み、低予算ながらハリウッドで映画化が実現。
脚本も担当しているリー・ワネルがアダム役を演じ、たった18日という短期間で撮影された本作は、2004年にサンダンス映画祭で上映されると熱狂的な支持を受け、波及効果で同年5月にカンヌ国際映画祭でも上映されたのがきっかけとなり世界各国から買い付けが殺到します。
結果120万ドルの低予算映画ながら、1.039億ドルの大ヒットとなり、その後7作に渡るシリーズになっていくんですね。(最新版となる「ジグソウ:ソウ・レガシー」を入れると8作)
しかし、ジェームズ・ワンは続編「SAW2」でダーレン・リン・バウズマンに監督を任せ自身はは製作総指揮に回るんですね。
これはジェームズ・ワンの特徴で、まず自身が監督してテンプレートを作った作品がヒットしたら製作に回り、若手監督にシリーズを任せるのです。(「死霊館」も同じやり方)
そうしてキャリアを重ねた彼は、それまでの“ホラー監督”のイメージを払拭するべく、2007年にはケヴィン・ベーコン主演のアクション映画「狼の死刑宣告」
2015年には外様ながら監督した人気シリーズ「ワイルド・スピード SKY MISSION」が大ヒット。
2018年にはDCヒーロー映画「アクアマン」を大ヒットさせ、ハリウッドのヒットメーカーとして確固たる地位を築いていくんですね。
「SAW」シリーズとは
「SAW」シリーズの概要をざっくり説明すると、猟奇殺人鬼ジグソウが、様々なキャラクターを密室に閉じ込めデス(死の)ゲームを強要し追い込んでいくというもの。
ただし、ジグソウ自体が各キャラクターに直接手を下す事は無く、彼がやるのは状況と仕掛けを作り、あとは“参加者”たちがその中でどう動くのかを観察するだけなんですね。
そんなジグソウの立ち位置は、ある意味でシリーズのテンプレを作っては続編を若手監督に任せるワン自身にちょっと重なるような気がしました。
また、本作で描かれるのは参加者同士のデス・ゲームがメインではあるけど、同時進行で警察がジグソウを追うサスペンス展開、閉じ込められた参加者には何かしらの因縁や共通点があり、物語の進行と共にそれらが明らかになっていくというミステリー要素も含んでいます。
ここが、他のデス・ゲームとは少し違うところで、やってることは毎回同じでもキャラクターが変わると、それに応じて必然的に物語が変化していくのです。
また、毎回趣向を凝らした(痛い)仕掛けや装置によって、今回は参加者がどんなひどい目に合うのかもシリーズの楽しみの1つだったりするんですね。
「SAW-ソウ-」(2004)
という事を踏まえて、まずは第1作目である「SAW」の感想。
物語は、老朽化したバスルームで目覚めた2人の男、医師のゴードン(ケアリー・エルウェズ)とカメラマンのアダム(リー・ワネル)。
両者の足には鎖、2人の間にはカセットレコーダーを握った自殺死体が横たわっています。
そして二人のポケットにはそれぞれカセットテープが。
部屋にはいくつかアイテムがあり、その中から2人は自分たちがおかれている状況を把握・脱出しようとするが……。というストーリー。
2人はバスルームに対角線上に繋がれていて、互いに触れることは出来ない。
しかも、脱出のヒントや指示、アイテムはそれぞれ別なものが与えられるので、2人で情報共有しつつ協力しなければ脱出することは出来ないんですが、そんな状況なので互いに疑心暗鬼になっている。しかも2人が協力しそうになるタイミングで、ジグソーは互いが疑い合うよう揺さぶりをかけてくるんですね。
そして、ゴードンの愛する娘と妻がジグソーに拉致されている事が分かり、ゴードンが手にしたケータイからは娘の泣き声が――。
っていうね。
そこに、ジグソーに相棒を殺された元警官も絡んでいくんですが、ラストのラストでついにすべての真相が繋がった時、「あー、あのシーンもあのシーンも繋がっていたのかー!」という衝撃の展開が待っているんですねー。
まぁ、ジェームズ・ワンのデビュー作でもあるので、今観ると粗さが目立つ部分もあったりもしますが、大ヒットも納得の面白さでしたねー。
「SAW-ソウ-2」
出口の無い洋館に閉じ込められた8人の男女がジグソウのゲームに臨むという物語。
今回は遅効性の毒ガスがゲーム開始と共に館内に充満するという極限状況の中で、ゲームに勝ち抜き2時間以内に解毒剤入り注射器を手に入れなければ、ドアが開くまで生きられないというルールです。
一方、刑事エリック(ドニー・ウォルバーグ)は早々に殺人鬼ジグソウ逮捕するも、彼の部屋で発見したモニターに映る息子を含む8人がジグソウに監禁されており、ジグソウのゲームに臨んでいる光景を見て驚愕。
エリックはジグソーに詰め寄るも、彼は動揺することなくエリックと2時間、2人きりで話をする"ゲーム"を要求する――というストーリー。
前作の成功を受けて若干予算も上がったのか、参加人数も増え、彼らを苦しめる仕掛けや装置などもスケールアップしてました。
2作目ということもあって前作ほどの衝撃はなかったけど、8人のゲームとエリックとジグソーのゲームが同時進行で描かれるという設定は面白かったですねー。
また、前作でも脚本を担当したリー・ワネルが本作でも監督のダーレン・リン・バウズマンと共同で脚本を担当してることもあり、前作が本作の謎を解く前フリになっているのも面白かったですねー。
本シリーズは、恐らく1997年公開の「CUBE-キューブ-」にインスパイアを受けていると思われますが、ワンシチュエーションの密室劇に留まらず、警察の攻防など、“部屋の外”のドラマもプラスし、それらが最終的に一本の物語として繋がる構成が(当時としては)革新的だったのかもしれませんし、今観ても十分に面白かったですねー。
とはいえ、残酷で痛いシーンも多々あるので、そういうのが苦手な人にはオススメ出来ないですけどねw
興味のある方は是非!!
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