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こんな映画観たことない!「マリグナント 狂暴な悪夢」(2021)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、みんな大好きジェームズ・ワン監督2021年公開作『マリグナント 狂暴な悪夢』ですよー!

僕はめっちゃビビりなので映画館では観られなかったんですが、先日Amazonレンタルに本作が入ってたので、即レンタルして観ました!

いや、もうね…めっっっっっちゃ面白かったですよ!!

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

『アクアマン』などのジェームズ・ワンが製作と監督などを手掛けるホラー。殺人鬼による犯行現場を目撃するという悪夢に悩まされる主人公に、魔の手がのびる。『スカイスクレイパー』などのエリック・マクレオド、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』などのジャドソン・スコットらが製作総指揮を担当。『アナベル 死霊館の人形』などのアナベル・ウォーリス、『アイ・ソー・ザ・ライト』などのマディー・ハッソン、ジョージ・ヤング、ミコール・ブリアナ・ホワイトらが出演する。(シネマトゥディより引用)

 

感想

ジェームズ・ワンの原点回帰的作品

本作は「ソウ」「インシディアス」「死霊館」シリーズを生み出したあのジェームズ・ワン監督作ということもあり、また、公開時に本作を観た人たちが軒並み大絶賛していたこともあって、僕もめっちゃ期待してはいたんですが。

ここで何度か書いていますが、僕は超ビビりなのでホラー映画を映画館で観るのはちょっと無理なんですよ。
なので配信が始まるのを待っていたんですが、つい先日、アマプラを観てたら早くも本作が配信レンタルになっていたので、早速レンタルしたんですね。

そしたら、いや、もうね、なるほどみんなが大絶賛する気持ちが分かるというか。
全部知ってるヤツで出来てるのに、今まで観たことのない超ぶっ飛んだ作品になっていて、クライマックスでは、爆笑しながらも大興奮してしまいましたよ!L(゚∀゚)」ウォー!!

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ジェームズ・ワンと言えばいくつもの人気ホラーシリーズを手掛ける一方、「ホラー監督」というレッテルを貼られるのを嫌って、ケヴィン・ベーコン主演の傑作バイオレンスアクション「狼の死刑宣告」を監督。

その手腕を買われて「ワイルド・スピード SKY MISSION」やDCEUの「アクアマン」といった大作も監督し世界的大ヒットに導いた、今やハリウッドでも指折りのスター監督。

本作はそんな彼が、久しぶりに監督したホラー映画であり、いわば原点回帰的作品なんですね。

ジャンル横断、温故知新ホラー

そんなジェームズ・ワン監督作品は、いわゆる”イマドキ”のテイストはあるものの、その題材やテーマは極めて古典的ホラー。
彼はそれらクラシックなホラーを現代的に味付けし、アップデートして見せることで、唯一無二のスタイルを築いているんですね。

 

そしてインタビューで監督自身が話していますが、本作は自身がビデオで見ていた80年代ホラーへのラブレターであるんだそうですね。

例えば、「遊星からの物体X」や「エイリアン」、「エクソシスト」などなど、かなり有名なホラーのオマージュもあるし、メインストーリーは本作のポスタービジュアルにもある通りサスペリア2」などに代表されるジャッロ映画がベースになっているわけです。

ジャッロ映画とは何か

ジャッロ映画というのは、(あくまで僕の定義ですが)ざっくり言えば連続殺人を扱ったミステリー、サスペンス、スリラー映画のことで、主に60~70年代にイタリアで作られた作品群を指します。

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赤、黄など原色を使ったライティングが特徴で、ミステリーではあるものの謎解きがクライマックスではなく、(主に美女が被害者の)残忍な殺人シーンを見せ場に据えた、ある種の見世物的な作品なんですね。

ワン監督は、そのジャッロ映画をベースに、SFホラーや館ものなどの要素を加え、また主人公マディソンアナベル・ウォーリス)を信用できない語り部に据えることでミステリー的牽引力を持たせ、それを最後の最後に―――っていう。

また映像面でも、これぞジェームズ・ワンという得意のカメラワークを駆使しつつ、例えばマディソンが家の中を移動するのを真上から撮る(多分、屋根のないセットを作って真上から撮影してる?)など、観客を「あっ!」っと驚かせるような斬新な映像もしっかり入れ込んでいるんですねー。

というわけで、ここから先はネタバレしますので、まだ本作を観ていない人は、必ず先に映画を観てから、この先を読んで下さいね。

あと、本作はホラーリテラシーの高い人ほど深く楽しめると思うけど、そうでない人もきっと楽しめると思うので、興味のある方は是非!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前から薄々分かってはいたけど、ジェームズ・ワン、お前さてはアホだろ!ww(誉め言葉)

 

はい、ここからはネタバレありの感想ですよ。

まぁ、そんな感じで話が進むうちに、事の真相が明らかになっていくわけですが、個人的には「え、これ、もしかして? いやいや、そんなまさかね。 え、嘘でしょ? まさかやらないよね? ………って、ホントにやるんかー--い!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ」っていうw

僕の子供の頃「人面瘡」ブームみたいのがあって、その手の恐怖漫画を結構読んでいたし、80年代には「バスケットケース」などのB級ホラー映画でも、こういう寄生双生児系ホラーって割と多かった記憶があり。
なので、割と序盤から「あれ、これはもしかして……?」って思ってたんですが、まさか2020年代に本当にやるとは思いませんでしたよw

最初SFホラーかと思わせて、序盤は館ものかなと思ったら、ジャッロ映画になり、最後はまさかのボディホラーかよ!っていう。

まぁ「ボディホラー」と一口に言っても定義は広いんですが、ざっくり言えば肉体が変容・変化・破損したり、体の自由を奪われるor乗っ取られる恐怖を描いた作品の総称で、有名なのはデヴィッド・クローネンバーグ督でしょうかね。

本作の殺人鬼「ガブリエル」の正体は、マディソンの別人格でも何でもなくて、「寄生性双生児」として体を共有していた実の兄弟だったわけです。

そう考えると、実はオープニングの時点ですべての謎は明かされているんですが、その辺は何気に「サスペリア2」オマージュでもあるのかなと思ったり。

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で、ガブリエルは母体の中でマディソンに吸収され、彼女の背中と後頭部に引っ付いた形で生まれ・成長するわけですが、その過程で電気や電波を操ることで外部と意思疎通が出来るようになるんですよね。

「ガブリエルがなぜ、電気と電波を操れるようになったか分からない」という感想を見かけたので僕なりに考察すると、恐らく幼少期からマディソンを操って暴れるのを止めるため、ガブリエルはフローレンス・ウィーバー医師(ジャクリーン・マッケンジー)に日常的に電気ショックを喰らっていたと思うんですね。(劇中でもそういうシーンがあります)
まぁ、アバンの状況を見れば致し方なしと思わなくもないですが、それでも幼いガブリエルにとってそれは虐待でしかないですし、恐らくはそれ以外にも何かしら非人道的実験をされたりしていたのではないかと。
で、例えば盲目の人が聴覚など他の器官が発達するように、ガブリエルは元々ある種の超常的な能力を持っていて、それが研究所で電気ショックを日常的に食らわされたことで、徐々に電気や電波を操る能力として目覚めていったという事だと思うんですよね。

劇中、ウィーバー医師はガブリエルも救おうとしたと言ってたけど、実のところは彼をマディソンに寄生する悪性腫瘍としか見ていなくて、その事を敏感に感じ取っていたガブリエルの心を蝕んでいったのかもしれないと思ったりしました。

中盤で妹のシドニー(マディー・ハッソン)が研究所から持ってきたガブリエルとマディソンのビデオを見るというネタ晴らしのシーンは、CGではなく特殊メイクを駆使し、それをビデオ画質で見せることでワン監督が「『ビデオ』で見たホラー映画」を観客が追体験する形になってるのがニクい演出だと思うし、警察署での後頭部パッカーンには思わず爆笑したけど映画序盤の後頭部から出血という違和感の伏線回収になってて、その後の警察署での超絶長回しアクションはCGではなく、軟体パフォーマーの人が本当に後ろ向きで戦っているので、「作り物だけど本物のアクション」っていう感動とワクワクがあるんですよね。

っていうか、ワン監督は絶対に、このアクションシーンがやりたくて本作作ったでしょって言うねw

で、こんなんどうやって物語を閉じるのかと思ったら、まさかの家族愛に着地させるっていうところも「ジェームズ・ワンまじ凄え!」って思いましたよ。

いや、こんなアホみたいな映画を大真面目に、しかもちゃんと怖く作ってる時点で凄いんですけどね。
だってこんなん、普通の監督が撮ったらコントになっちゃいますよ。

ジェームズ・ワンは何がそんなに凄いのか

じゃぁ、ジェームズ・ワンの何が凄いのかっていう話を最後に少しだけさせて貰うと、良くも悪くも観客の期待を裏切る演出や撮影をする監督って結構多いと思うし、そういう監督は割と評価が高い傾向があったりすると思うんですが、ジェームズ・ワンの場合、作品の中に観客の要望に全部応えた上で、観客の想像を超えるんですよね。

また、普通だったら「これ、イマドキちょっとダサいよな」っていうベタな演出を、衒いなく全力でやって見せるところもワン監督の凄さなんじゃないかと思いますねー。

それが出来てかつ面白く撮れる監督って、ハリウッドのみならず、世界中見渡しても、そうはいないんじゃないかと思います。

というわけで、「マリグナント 狂暴な悪夢」感想でした。
ではではー(´∀`)ノシ

 

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