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MCUドラマ「ムーンナイト」ネタバレあらすじ紹介&解説&考察 第六夜

ぷらすです。

今回は、2022年3月30日から放送を開始、5月4日に最終回を迎えたばかりのマーベルドラマ『ムーンナイト』全6話のあらすじを6回に分けてご紹介&解説や考察していこうと思います。

今回はいよいよ最終回の第六話。

はたしてマーク/スティーブンは現世に戻ることが出来るのか、そしてハロウによって解放されたラスボス・アメミットを止めることは出来るのか。

という訳で今回は第5話のあらすじと解説・考察をネタバレありでご紹介していきますので、ドラマ未見の方はご注意ください

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第六話"再生"

さて、いよいよ最終回。

死んだマークから奪ったアメミットのウシャブティ(石像)をハロウが掲げると、杖は斧?に変わり、ハロウの一味は墓を後にします。

墓石に身を隠していたレイラはマークの死体に駆け寄るも時すでに遅し。マークが完全に死んでいるのを確認したレイラは、ハロウに復讐するべく彼が置いて行ったスカラベを頼りに一味のあとを追います。

途中、エジプト警察に止められたハロウ一行でしたが、バージョンアップした斧をふるうと一人を除いて警察隊は死んでしまいます。

車の影に隠れてその様子を見ていたレイラは、ハロウに近づく機会を伺いますが、タウエレトが警官の死体を使ってマーク/スティーブンの「コンスを開放してほしい」という伝言を伝えます。

ついでにタウエレトは、レイラを自身のアバターに勧誘するも、素気無く断られてしまうんですね。

一方、アーサー・ハロウがやってきたのは「エネアド召集」が行われたギザの大ピラミッド。

エネアドのアバターたちも異変に気づくも時すでに遅し。ハロウは圧倒的な力でアバター達を葬るとアメミットを解放。
ワニ頭の巨大なラスボス、アメミットが登場します。

ハロウとアメミットが話している隙に、侵入していたレイラはウシャブティを破壊してコンスを開放。復活したコンスは言葉巧みにレイラをアバターに勧誘するも、レイラは毅然とこれを拒否。

復活し罪人の魂を求め、カイロの街へと繰り出そうとするアメミットの前に立ちはだかるコンス。

一方、葦の楽園に辿り着いたマークは自分だけが安らぎを得ることに納得できず、スティーブンを救うべくタウエレトの静止を振り切り冥界へと戻ります。

マークは、スティーヴンを見つけると「お前に救われた」「二人だから生きられた」と語りかけます。

「お前こそがスーパーパワーなんだ」と伝えたところでマークも危うく凍りつきそうになるんですが、ここでオシリスの現世への扉が開き、タウエレトのアシストもあって二人は冥界の脱出に成功。

マークの身体はコンスが瞬時に合流することでムーンナイトの治癒能力が発動。ムーンナイトの姿で完全復活を果たします。

これまでの経験で自由に入れ替われるようになったマークとスティーブン。
ムーンナイトとMr.ナイトの姿を入れ替えながらコンスと交渉。見返りとして二人を解放する約束を取り付け、ムーンナイトはアメミットを追います。

一方、レイラにアメミットの倒し方を聞かれ「もっとアバターがいる」と、オシリスアバターに言われたレイラは自身がタウエレトのアバターになることを選びます。
この時、タウエレトはかつてレイラの父を葦の楽園へと案内した事を告げるんですね。

その頃、アーサー・ハロウがピラミッドの頂上から紫の光を放つと、カイロの街中の人々がアメミットの裁きによって命を落とし、その魂を食べてアメミットは巨大化。

そんな中、瓦礫の中から金と緋色のコスチュームに身を包んだレイラが登場。

一方、マントで空を飛んで追いついたムーンナイトは、ついにアーサー・ハロウと激突。なぜか巨大化したコンスもバックでアメミットと大怪獣バトルを繰り広げています。

その戦いの中、罪を犯したものだけを裁くというコンスと、罪を犯す前に裁くというアメミットの思想がぶつかり合います。両者の思想は似て非なるもので、コンスは「それぞれの選択」を重んじるのです。

ムーンナイトはアーサー・ハロウに追い込まれるも、それを助けたのはスカーレット・スカラベに変身したレイラ。
彼女の翼はハロウの魔術を跳ね返し、Mr.ナイト(スティーブン)はWスティックを武器に、ムーンナイトはカッターを武器に入れ替わりながら戦い、スカーレット・スカラベと共に1対3の様相でハロウを追い込んでいきます。

その余波で一般市民に危害が及びそうになる中、レイラが少女を助けると「エジプト人のスーパーヒーロー?」とアラビア語で聞かれ、レイラは「そう」とアラビア語で答えるんですね。

一方、追い詰められるムーンナイトの胸に、ハロウが斧の柄を突き立てようとしたその時、マークの意識は飛び、次の瞬間にはムーンナイトがハロウの額に斧を突き立てていました。しかし、わずかに手が動いていたことから、ハロウがまだ死んでいない事が分かります。

その向こうではアメミットに追い詰められたコンスが大ピンチ。そこで二人はハロウの体にアメミットを封印することにしてエネアドと共に呪文を唱えると、アメミットはハロウの中に封印されてしまいます。

ハロウを殺さねば再びアメミットは復活するというコンスと、自分の意思で選ぶようにマークに告げるレイラ。

結局ハロウを殺す事を拒否したマークは、コンスに自分たちの開放を要求したのです。

解放されたかに思われたマーク/スティーヴンが目覚めた場所は精神病院のカウンセリング室。

コンスやアメミットが現実だとは思わないという医師に、マークは「俺が信じたら?」と問いかけ、自らの選択で現実を選びとります。

そして、スティーブンの部屋で目覚めたマークとスティーヴンが、足につけた枷を忘れてド派手に転んだところで、ドラマ『ムーンナイト』最終回の第6話は幕を閉じ、まさにハッピーエンド――と思いきや、ここでMCUお得意のポストクレジット。

映し出されたのは精神病院に入院する一人の患者。アーサー・ハロウです。

看護師はハロウをベッドに連れて行こうとするが、そこに現れた黒手袋の男は、スペイン語で話してハロウを病院の外へ連れだし、その横にはいくつもの死体が転がっています。

男が真っ白なリムジンにハロウを押し込むと、待っていたのはMr.ナイト風のスーツを着たコンス。

コンスは、「マークは本当にコンスがレイラを次のアバターに据えると思っていたが、他のアバターなど必要ない」と話します。そして「あいつは自分が思うより病んでいる」と言い放つと、運転席から振り向いた謎の男はマーク/スティーブン――ではなく、第三の人格ジェイク・ロックリー

ジェイクはハロウに「お前の負けだ」とスペイン語で告げると、彼に銃口を向けて発砲。この物語は幕を閉じるんですね。

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解説・考察

というわけで、MCUドラマ「ムーンナイト」はこれにて終了。

最終話は随分駆け足な印象でしたが、最終回直前まで風呂敷を広げておいて、最終話になると大急ぎで回収するのは本作に限らず、「ワンダヴィジョン」からスタートしたMCUドラマのお約束になりつつあります。

で、最後のポストクレジットでいきなり登場したかに見える第三の人格ジェイク・ロックリーですが、実は何気に第1話からずっと登場しているんですよね。

最初はマークやスティーブンだと思っていたシーンも、今回のポストクレジットを見てから振り返ってみると「あれ?じゃぁアレもアレも、実はジェイクだったんじゃね?」となり、もう一回第1話から見返したくなってしまうという仕掛けなのです。いやー、マジ上手いわー。

そして、このポストクレジットですが、個人的には4・5話と同じく(というより意趣返し的に)映し出されている病院や介護士、リムジンなどの映像はジェイ・クロックリーの脳内の映像であり、現実にはマーク/スティーブンが見逃したハロウを、コンスの命を受けたジェイクが追いかけ、手下もろとも殺害したのだと思っていたりします。(もしくはハロウの脳内の映像化かもですが)

他にも第一話からずっと、画面に映し出されている小道具やペットの金魚によって、スティーブンとマークの関係性を暗示したり、マークが作り出したスティーブンの性格には弟ランドールが反映されていたり、ドラマとは関係なく劇中のそこかしこにイースターエッグが隠されていたりと、目ざといファンが気づいてウシャウシャ喜ぶような仕掛けを実にさりげなく仕掛けているんですよね。

また、本作はMCU作品ではあるものの、ストーリー的に他の作品群とはほぼ交わらない独立した作品なので、いきなり本作から観ても楽しめるのが嬉しいところです。別々の物語が有機的に繋がる作劇は今やMCUの代名詞でもある一方、新規ファンが入りにくいというデメリットもありますからね。

今のところ本作の続編は予定されていなくて、DC映画で言えばホアキン・フェニックスの「ジョーカー」的な立ち位置の作品らしいですが、そうは言ってもMCUなので、どこかでいきなりムーンナイト登場の線も、もしかしたらあるかもしれません。

個人的には、本作は綺麗に終わってるので続編はなくてもいいけど、もし続編や他作品にムーンナイトが登場するのなら、それはそれできっと楽しんじゃうんだろうなーと思いますねー。

というわけで、「ムーンナイト」完全ネタバレあらすじ紹介&解説&考察でした。

最後までお付き合いしてくださった方、本当にありがとうございます。
また他の作品でお会いしましょう。

ではではー(´∀`)ノシ

MCUドラマ「ムーンナイト」ネタバレあらすじ紹介&解説&考察 第五夜

ぷらすです。

今回は、2022年3月30日から放送を開始、5月4日に最終回を迎えたばかりのマーベルドラマ『ムーンナイト』全6話のあらすじを6回に分けてご紹介&解説や考察していこうと思います。

今回は、いよいよ物語の核心に迫る第五話。
マークとスティーブンの過去が明らかになり、同時に、このドラマを構成する骨子も明らかになる重要回になっています。

という訳で今回は第3話のあらすじと解説・考察をネタバレありでご紹介していきますので、ドラマ未見の方はご注意ください

 

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第五話"蘇る過去"

タウエレト、マーク/スティーブンの「「「ぎゃ―――!!」」」から物語はスタート。

次の瞬間、マークは再びハロウの顔をした精神科医の前に座っています。

「私は撃っていない」「虚実の間を激しく揺れ動いている」と言う医師は、マークが入院しているのはシカゴのパトナム病院で、彼がスーパーヒーローとして活躍する世界は、現実を否定するための幻だと続けるんですね。

「喋るカバと出会ったことが現実的か?」と聞かれたマークは、それを否定せざるを得ません。

医師は、トラウマから自身の別の側面を逃すために苦しむ心が「隠れ家」を作り出すと説明。医師が以前から話していた“ある少年”についても触れるとマークは突然暴れだし、看護師に注射を打たれて、またスティーヴンと共にタウエレトの前に立っているんですね。

一体何が本当か妄想か、混乱する展開です。

タウエレトは二人が死んだことを告げ、ここがエジプト神話に登場する死者の世界“冥府ドゥアト”であると説明します。ただし異教徒には認識が難しいため、自身の記憶に結び付けた理解しやすいイメージで見えているのだと。

ティーヴンはタウエレトが母と子を司る女神であり、来世へと導く存在だと説明。
ここでの『来世』とは「生まれ変わり」ではなく、「あの世」の事で、タウエレトは死者をあの世に導くのが仕事なんですね。

しかしマークは(先ほどの医師の言葉もあって)タウエレトの言うことが信じられず、部屋に戻ろうとドアを開けるとそこは砂漠の上を進む巨大な船だったのです。
この船の行き先を“アアル=葦の楽園”だと言い当てるスティーブン。
葦の楽園は、第一話でスティーブンと展示品にイタズラする女の子との会話に登場していました。

善悪の均衡が取れていれば楽園で永遠に暮らせると言うタウエレトは二人の心臓をとり、真実の羽根と共に正義の天秤にかけます。

旅の終わりまでに天秤が釣り合わなければ、砂漠で永遠に凍りつくことになる」と言うタウエレトですが天秤は中々釣り合わず。

二人の心臓が不完全であるとタウエレトは言い、二人に「一生の記憶が眠っているこの船で真実を見せ合うこと」を提案します。

言われた通り隠し事を見つけ出そうとするスティーヴンは、ある部屋では第1話ラストのムーンナイトの姿を、別の部屋ではコンスと空を回転させた記憶を見つけます。

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そして次の部屋を開けるとそこは死者の部屋であり、傭兵としてマークが殺してきた人々で埋め尽くされているんですね。

マークはドバイ、ガボン、ニューヨークと一人ひとりを殺した場所を覚えていて、その中にはコンスのアバターとして裁きを下した者も少なからずいると話します。

マークが「何度も殺されたいと願ったが、ムーンナイトの治癒能力が仇になった」と話すと、正義の天秤が動き出します。
どうやら、心に秘めた隠し事を正直に話す魂の均衡が戻ってくるようです。

そして現れたのは一人の少年。少年が逃げ込んだ部屋にいたのは、スティーヴンの母でした。

母親はランドールという少年のことをロロというあだ名で呼んでいます。
このランドールはマークの弟で、二人は前話でマークが見ていたドラマの登場人物に扮したごっこ遊びをしていて、マークは大好きなティーヴン・グラント博士になりきっているのです。

そして二人は秘密の洞窟へ。
しかし途中で雨が降り始め、怖がるランドールをマークは半ば強引に連れ込みます。

次第に増えていく水嵩。スティーブンは二人を助けようとしますがこれはマークの記憶なので無理。「助けて」と叫ぶランドールの声が、「あなたのせいよ!」という母親の𠮟責に繋がり、マークがランドールを死なせてしまった事が分かります。

次の部屋でマークと合流したスティーブン。
そこはランドールの葬式前か後の家族の集まりで、母はマークを罵倒しています。

そこから母親は精神を病み、マークを虐待するようになるんですね。

そして成長したマークは家を出ることを決め、追いすがる父親を罵ります。

優しそうな父親ですが、母親のマークへの虐待を知りながらずっと放置し続けていたんですよね。

そして場面は変わり発掘隊の死体が転がる砂漠に。

神殿の中で血塗れになりながらコンスの像の下までたどり着いたマークは発掘隊を救えなかった後悔から自死を選び、拳銃を喉元に当てます。

が、そんなマークにコンスが話しかけ二人は契約を結ぶんですね。

ティーヴンは「弱みにつけ込まれた」とコンスを非難しますが、マークは本来の自分が求めたのかもしれないと話します。

この、過去を共有し、マークがムーンナイトになったことを自分の選択としたことで、ついに正義の天秤は調和し始めます。

しかしここで冥界に異変が。

どうやらアメミットを復活させたハロウが大量虐殺を行い、その魂が冥界に溢れているらしいのです。

しかし、ここで復活してもコンスの加護が無ければハロウに勝つことは出来ない。

そこで二人はタウエレトの力を借りてレイラにメッセージを送り、コンスを蘇らせることに。

タウエレトはエネアドの一人であるオシリスの門に船を向かう一方、二人に天秤を調和させるよう指示。しかしマークは追体験を拒もうとし、スティーヴンの「大勢の人が死ぬ、君のせいで」という母に言われたのと同じ言葉によってパニックに陥ってしまうんですね。

すると彼は再び医師の前に。

医師がスティーヴンに心を開くしかないと助言すると、再び幼少の頃のマークの姿が映し出されます。

母が執拗に子供部屋のドアを叩く中、虐待に怯えるマークはスティーヴンの人格を作り出すんですね。

ティーヴンの人格は「幸せな普通の人生」という設定で、マークの願望から生まれた人格だったのです。

これを知ったスティーブンはショックを受け、さらに既に母親が死んでいる事を知ってパニックになって医師の前に。

母の死後に一度ここに来たと言われたスティーヴンは、それでも母の死を認めようとしません。

そこで医師はスティーヴンの母親に電話をかけ、スティーヴンと話をさせますが、その電話はどこにも繋がっておらず、スティーブンはようやく母の死を受け入れるのです。

一方、母の葬儀のため実家に戻ったマークでしたが家には入れず、酒を飲んで路上で泣き崩れます。

そして悲しみに耐えきれずスティーヴンにその身を委ねると、スティーヴンは架空の母に電話をかけて正気を保ちます。マークはこうしてスティーヴンと入れ替わる生活を始めたんですね。

2か月前の母の死をきっかけにマークとスティーヴンの人格が混在し始めたと話すマーク。

彼は自分のせいで弟が死んだことを責めますが、スティーブンは不当なのは母親の方だといいます。「君はまだ子供だった」と。

そこで船が現世へのドアにたどり着くんですが天秤はまだ安定せず、冥界の亡者たちが乗り込んでくる中、マークのピンチを勇気を振り絞ったスティーヴンが助けます。

しかし、勢い余って船から落ちたスティーブンはあっという間に砂の中で凍り付いてしまうんですね。

その瞬間に天秤が釣り合い、砂漠はあっという間に草原に。

天秤が釣り合った事で、マークは葦の楽園=あの世へ行ってしまったのでした。

解説・考察

この回は、母親から子供のマーク/スティーブンへの虐待描写などもあり、これまでのマーベル作品群の中でも見ているのが辛い回になっていました。

また、これまで主人格だと思われていたスティーブンが、実はマークが作り出した副人格だった事が判明したり、マークとスティーブン、そしてムーンナイトのオリジンが一気に明かされたり。

同時にこの回は、マーク/スティーブンが辛い過去を共有することで乗り越え、自分自身(スティーブン/マーク)を認め、受け入れるまでの物語でもあり、ある種の成長譚でもあるんですよね。

とはいえ、肝心のマークはあの世行きだし、スティーブンは地獄行きだし、コンスは封印されてるし、果たしてあと1話で物語は終わるのか心配になってしまいますよね――って、まぁ、MCUドラマは毎度そんな感じなんですけどねw

 

というわけで、MCUドラマ「ムーンナイト」のネタバレあらすじ紹介と解説・考察の第五夜でした。

次回はいよいよ最終回の第六話です。

ではではー(´∀`)ノシ

 

面白かった!…だけど、ちょっとモヤる。「シン・ウルトラマン」(2022)

ぷらすです。

ドクター・ストレンジMOM」に続き観てきましたよ!

『シン・ウルトラマンをね!

いや、うん。面白い。面白かったんですよ。

ただ僕は、観ながらずっとモヤってしまったんですよね。

今回は、感想と共にその辺の事をお話ししたいと思います。

*ネタバレなしで書いたつもりでしたが、一部映像で観たかった情報がネタバレになっているとご指摘いただきました。
これから読まれる方はご注意ください。

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概要

1966年の放送開始以来親しまれている特撮ヒーロー「ウルトラマン」を、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明が企画・脚本、樋口真嗣が監督を務め新たに映画化。謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が現れ危機に直面した現代の日本を舞台に、未知の存在であるウルトラマンが出現した世界を描く。主人公を『麻雀放浪記2020』などの斎藤工、彼の相棒を『MOTHER マザー』などの長澤まさみ、禍威獣対策組織のメンバーを西島秀俊、有岡大貴、早見あかり田中哲司が演じるほか、山本耕史嶋田久作らが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

リアルタイム世代のノスタルジーは残しつつ現代風にアップデート

今回の『シン・ウルトラマン』は、総監督・庵野秀明、監督・特技監督樋口真嗣で2016年に公開された「シン・ゴジラ」、2021年公開「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」、来年公開予定の「シン・仮面ライダー」と連なる、庵野秀明”シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース(SJHU?)“作品です。

といっても、それぞれに物語やキャラクターの繋がりがあるわけではなく、監督、もしくは監修、企画、脚本など、何らかの形で庵野秀明が関わっている作品という事なので、他作品を観ていないと本作が楽しめないということはありませんのでご安心を。

シン・シリーズ最初の作品「シン・ゴジラ」は、観客はすでにド派手な「ハリウッド版ゴジラ」を見ていたし、庵野秀明が総監督を務める事も含め、正直かなり半信半疑というか、ハードルが下がった状態からの公開だった事もあり、庵野秀明総監督が提示した、第1作目以来のゴジラとの出会い”という体験に観客は度肝を抜かれ、大ヒットを記録したんですね。

続く第2作「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」は、賛否は分かれたものの、25年間続いたエヴァンゲリオンシリーズの完結作であり、また、(それまでとは違って)作品に込められたメッセージは誰もが理解しやすかった事もあり、エヴァファンだけでなく、一般層も巻き込み大ヒットになったんですね。

なので、シン・ユニバース第3作となる本作『シン・ウルトラマン』は、僕自身かなりハードル(期待値)が上がっている状態でもあったんですよ。

何と言っても庵野秀明といえば素人時代に自主制作フィルム「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」で自らがウルトラマンを演じるほどのウルトラマン好きで知られていますし、代表作エヴァンゲリオンの設定にも少なからずウルトラマンが絡んでいますしね。

そんな感じだったので期待に胸を膨らませ、僕は初日に「シン・ウルトラマン」を見てきたんですねー。

パシフィック・リム」を思わせる冒頭10分

3Dにアップデートされたお馴染み「ウルトラQ」の例のアレから本作はスタート。
「お、原作リスペクトでウルトラQスタートか」と思いきや、出てきた文字は「シン・ゴジラ」。

そして、画面にはシン・ゴジラ――ならぬ古代怪獣ゴメス
ゴメスはゴジラの着ぐるみを改造して作られたことで知られる怪獣で、なのでこちらも限りなくシンゴジラなゴメスからスタートさせているんですね。

そこからは「ウルトラQ」~「ウルトラマン」に登場する怪獣……じゃなくて”禍威獣”に、人類が辛勝する様子、そして対・禍威獣の専門組織、化特隊ならぬ”禍特対(カトクタイ)“の誕生までを、ニュース映像的なダイジェストでサクサク見せていく演出は、ギレルモ・デル・トロ監督のパシフィック・リム」を連想しましたねー。

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そこから予告でも登場した「ネロンガ」と「ガボラ」そして銀色の巨人ウルトラマン)が飛来しスペシウム光線を放つまでの流れは、メッチャワクワクしましたねー!

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ちなみに「ネロンガ」と「ガボラ」は、原作(TV版ウルトラマン)でも予算節約のため同じボディで顔を付け替えたそうで、本作でもそれを踏襲&予算節約のためCGの顔だけ変えているらしいんですが、そんな「大人の事情」を上手くストーリーに落とし込んでいるのも良かったです。

さらにザラブ星人(声: 津田健次郎)やメフィラス星人山本耕史)といった宇宙人……ならぬ”外星人”も、CGでなければ表現できない現代的なデザインに変更され登場。ウルトラマンとのバトルもカッコよかったし面白かった!

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面白かったけどモヤる

……そう、面白かったんですよ。なんですけど、何故かこう、観ながらずっとモヤっとしてしまったんですよね。

その大きな理由の一つは、原作(元ネタ)がゴジラと違ってTVドラマである。というのがあるのかなと。
本作は5つのエピソードから出来ていて、それぞれのエピソードが繋がっている事は劇中セリフで説明はされるんですが、それとは別に禍特対らキャラクターの関係性の変化や連帯の積み重ね描写が殆どないので、クライマックスのエモーションに繋がっていかないんですよね。

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シン・ゴジラ」の場合は原作がそもそも映画で「人類がゴジラという災害に立ち向かう」という物語に太い縦軸があったので、クライマックスに向かってエモーションが高まっていったんですが、原作が1話完結のドラマである本作にはそれがなくて、なのでクライマックスのある展開も、どこか、唐突だし上滑りしている感じがしたのです。

もう一つは、撮影に庵野秀明がほぼ参加していなかったことでしょうか。(庵野さんはシン・エヴァやシン・仮面ライダーで忙しく、現場に六日しか来られなかったらしい)

それは別に樋口監督の腕が悪いとかではなく、にも関わらず庵野さんっぽい映像を樋口監督が撮ってしまったという。

それが、庵野さんのオーダーに沿って樋口監督が撮影したのか、それとも樋口監督が「庵野ならこう撮るだろう」と撮影したのかは分かりませんが、結果として庵野秀明でも樋口真嗣でもない、何かこう中途半端な映像になってしまっているんですよね。

ただ要所要所に「あ、ここは樋口さんっぽい!」というシーンもあって、そこはすごくカッコ良かったので、庵野さん自身がコントロールしない(出来ない)のであれば、撮影は完全に樋口監督のセンスで統一した方が良かったんじゃないかなーって思いましたねー。

あと、個人的に一番気になったのは、キャラ造形やセリフ回しのアニメっぽさでしょうか。

シン・ゴジラ」の場合、個々のキャラクター性より(少なくとも前半~中盤は)対ゴジラのシュミレーション要素が強く、その分アニメ的な演出やセリフ回しはそれほど目立たなかったんですが、本作はそもそも原作(元ネタ)自体がキャラもの的な要素が強いこともあって、よりアニメ的なキャラ造形やセリフ回しが際立ってしまい、それが実写映画としてのバランスを崩しノイズになってる気がしました。

ただそこは、「ゴジラ」「ウルトラマン」という原作の性質がそもそも違うという事もあり、本作も原作(TVドラマ)のウルトラマンを最大限オマージュしている部分もあるので難しいところではあるんですけどね。

ウルトラマン愛が強すぎて?

ただ、まとめると、本作の良いところも悪いところも、庵野さんのウルトラマンへの愛が強すぎるところに起因してると思うんですよね。

庵野さん自体はゴジラや怪獣映画にはほとんど思い入れがなく、ゆえに「シン・ゴジラ」に対しては客観的で、ある意味突き放した視点で制作することが出来たわけですが、逆にこの「シン・ウルトラマン」はウルトラマンが好きすぎる庵野さんの、オタクな部分が前に出てしまったというか、2時間に満たない作品の中にあれもこれもと盛り込み過ぎな印象を受けたんですよね。

特にザラブ星人メフィラス星人のシークエンスは被っているところも多く、また原作にもあるあの人の巨人化のシーンなども、それ自体が物語の本筋に直接絡むようなシーンでもなく、また今の時代にわざわざアレをあのままやるのは正直どうかなー?という感じもあり。

多分そういう、いつもの庵野さんならバッサリ切ってしまうような余分なシーンが、本作では結構入ってたりして、個人的に「庵野さんのウルトラマン愛が爆発しちゃってるのかな?」なんて思ってしまいました。

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そんな感じで、モヤモヤする部分は多々あったものの、同じくらい良いシーン、カッコいいアクションも沢山あって、個人的には十分に楽しめた作品でした。

興味のある方は是非!!

 

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思った以上にサム・ライミだけど想像以上にドクター・ストレンジ「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」(2022)

ぷらすです。

先日、やっと観てきましたよ。MCU28作目『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』をね!

いやもうね、MCUというよりサム・ライミの新作という感じでありつつ、でもしっかりドクター・ストレンジしてて、「さすが俺たちのサム・ライミ!」と心の中で拍手喝采してしまいましたねー。

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概要

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などのベネディクト・カンバーバッチが、元天才外科医の魔術師を演じた『ドクター・ストレンジ』の続編。マルチバースと呼ばれる狂気の扉が開いた世界を映し出す。メガホンを取るのは『スパイダーマン』シリーズなどのサム・ライミ。前作同様ベネディクト・ウォンレイチェル・マクアダムスキウェテル・イジョフォーが続投するほか、『アベンジャーズ』シリーズなどでスカーレット・ウィッチを演じたエリザベス・オルセンらが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

マルチバースを描くお手本のような作品

ご存じの方も多いと思いますが、MCUはフェーズ4に入ってから「マルチバース」という設定が多用されるようになりまして。

さすがにもう大丈夫だと思うので書きますが、「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」では、トビー・マグワイアアンドリュー・ガーフィールドというソニースパイダーマン2人と、両作のヴィラン役の面々がオリジナルキャストで登場するという大サプライズが。

2002年公開のトビー・マグワイア版「スパイダーマン」からずっと、スパイダーマンを見続けてきた僕にとっては大興奮・大感動の展開でしたが、その一方でマルチバース」(多次元宇宙)設定さえ使えば何でもありになってしまうという問題点も露呈してしまったんですよね。

例えば、過去作で死んだキャラクターを生き返らせたり、過去作で起こった事を無かったことにしたり、過去作やキャラクターの設定や筋書きを変えてしまったり。

つまり、製作者の都合で過去作をいくらでも改変出来てしまうわけで、それはファンにとっては良い面悪い面もあって、例えば今後の作品で別次元設定でロバート・ダウニー・Jrのトニースターク/アイアンマンが再登場すれば嬉しいかもと思う一方、「/エンドゲーム」の時の涙を返せ!みたいな。

そんなマルチバース」設定という危険物の取扱いにある種の手本を見せてくれたのが、本作の監督であり2002年~のソニー版「スパイダーマン」三部作を手掛けた御大、サム・ライミだったんですね。

MCU初のホラー映画

そんな本作のあらすじをざっくりご紹介すると、

元恋人の結婚式に出席中、怪物に追われる少女アメリカ・チャベスソーチー・ゴメス)を助けた魔術師ドクター・ストレンジベネディクト・カンバーバッチ)。

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彼女はあらゆるユニバースを行き来出来る能力を持ち、その能力を欲する何者かに狙われているんですね。

敵の正体も分からず、自分だけではアメリカ・チャベスを守れないと思ったストレンジは、マルチバースに関する知識を持つアベンジャーズメンバー、ワンダ・マキシモエリザベス・オルセン)に協力を求めるのだが――というストーリー。

しかし、今回の敵の力はあまりに強大で、チャベスを匿った魔術師の聖地カマー・タージは壊滅。チャベスの力でマルチバースを跨いで敵から逃げるストレンジは、別アースの自分や元恋人と向き合う羽目になるんですね。

そんな二人が敵に追われ逃げ回る様子をMCU初のホラー映画として撮ったサム・ライミ
サム・ライミと言えば何と言っても「死霊のはらわた」シリーズや「スペル」などで知られるホラー界の大御所であり、また、ホラーにドタバタコメディーを融合させた先駆者でもあります。

本作ではMCU(ディズニー)の限界を超えた、ホラー演出や残酷描写をギャグにする悪趣味なサム・ライミ節を全開で展開しつつ、ワンダという鏡像関係にあるキャラクターと対比させながら、ドクター・ストレンジというキャラクターの本質を捉え、その成長をしっかり描き切ってみせたんですね。

また、マルチバースというややこしい設定を「夢で見る世界」という誰もが馴染みのある説明で端的に語り、ショットとカットとシーンの的確な取捨選択によって、わずか2時間6分の物語に過不足なくまとめあげた手腕は見事としか言いようがありませんでしたよ。

観る前は、「たった2時間6分でドクストの複雑な設定や物語を語り切れるの?」と心配しましたが、そんなのは全くの杞憂。
サム・ライミは端的な状況説明とシンプルなテーマ、そしてワンシーン・ワンカットに必要な情報を無駄なく詰め込むという昔ながらの職人技で物語の強度をあげ、本作をMCUシリーズの1作品でありながら、単体としても楽しめる“一本の独立した映画”として完結させて見せたのです。

というわけで、ここから先は色々ネタバレしていくので、映画未見の方はご注意ください。

 

 

 

MCUドラマ「ワンダヴィジョン」との関連性

この作品がMCUドラマ「ワンダヴィジョン」と直接的な繋がりがあるという噂は事前に聞こえていたし、公開後も方々から「『ワンダヴィジョン』を見ないと楽しめないのでは?」という懸念も聞こえていました。

で、結論から言えば本作は、「ドクター・ストレンジ2」というよりも「ワンダヴィジョン2」と言っても過言ではないストーリーだったんですよね。

実は、本作のヴィランはワンダその人。

幼い頃に国の内戦で両親を失い、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」では唯一の肉親で双子の弟ピエトロを失い。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」で心を通わせていた人造人間ヴィジョンが目の前で死ぬところを2度も見せられるんですね。

しかもそれは、1400万605通りの未来を見たストレンジが唯一サノスに勝利できると選択した未来だったわけで、いわばストレンジはワンダにとっては愛する人の(間接的な)敵でもあるわけですよ。

さらに、ドラマ「ワンダヴィジョン」では、全てを失った悲しみに耐えきれず”現実改変能力(カオス・マジック)“という最強の能力を発動させてしまった彼女が、愛するヴィジョンを復活させ、彼との間に(想像の)二人の子供を生み出し、一時は幸せを手にするも長くは続かず。結局、また愛する家族を失い孤独になってしまうんですよね。

そんな彼女が偶然手に入れた「ダークホールド」という呪われた禁書で、他のユニバースでは自分は愛する息子たちと幸せに暮らしている事を知ってしまい、同時に次元を自由に行き来出来る少女の存在も知る。

それでその少女の力(=命)を奪ってでも、愛する息子のいる世界で幸せに暮らしたいと願う彼女を誰が責められるでしょう。

そんな彼女の元にノコノコ現れ無神経に「協力してくれ」とか言うストレンジ。

そりゃ、ワンダもキレるでしょ

アメリカン・チャベスと2人のストレンジ

本作冒頭。

一つ目のタコ型怪物に襲われるアメリカ・チャベスと別ユニバースのストレンジ(ディフェンダー・ストレンジ)。

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しかし、怪物に追い詰められて進退極まると、世界を守るためチャベスの能力を魔術で奪おうとしたところを怪物に殺されます。(チャベスはその能力を自分の意思では使えない)

ストレンジにとって、世界(ユニバース)を守る事は最優先事項で、なので「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」と「~エンドゲーム」では、世界を守るためヴィジョン、ブラックウィドウ、トニー・スターク(アイアンマン)が犠牲になると知りながらその未来を選択したし、「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」では、マルチバースを閉じる為にピーターを犠牲にする選択をします。(ピーターは死んでないけどね)

なので、チャベスを犠牲にしてでもユニバースを守るというディフェンダーストレンジの選択は、「ドクター・ストレンジ」としては理に適った行動なんですよね。
もちろん、それが最適解であれば自身を犠牲にするのも厭わない。ストレンジはそういう意味で合理主義者なのです。

しかし、こっちのストレンジは決してチャベスを見捨てません。
実は、彼は子供のころに事故で妹を失っていて、その後悔から医師を目指したことが本作で明かされ、だからストレンジは自身の妹とチャベスを重ねて、どんな窮地に陥っても決して彼女の事を見捨てないのです。

チャベスを救うため、「ダークホールド」の力を使いディフェンダーストレンジの死体を操ってストレンジがワンダと闘うクライマックスは、なんとも悪趣味だし皮肉が効いててサム・ライミらしい展開ですが、同時にチャベスを見捨てようとしたディフェンダーストレンジの贖罪をこんな形で実現させるとか、もう、サイコーかよ!って思いましたねー!

ライミのホラー演出

そんな二人を次元を超えて執拗に追いかけるワンダ。

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彼女はアメリカ・チャベスとは違ってユニバースを超える能力は持っていませんが、「別ユニバース=夢で見る世界」という設定を使って、精神だけを別ユニバースに飛ばす「ドリームウォーク」という魔術で、その世界のワンダに乗り移って二人を追いつめていくんですね。

別次元の世界を守るヒーローチーム「イルミナティ」のメンバーをサクっと惨殺。彼らの基地の中を逃げるチャベスとストレンジを圧倒的パワと魔術で追い詰めるワンダの描写がどんどん貞子チックになっていく様子がメッチャ怖いんですよねー!(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

また、冒頭の一つ目の怪物を倒す時、ストレンジと盟友ウォン(ベネディクト・ウォン)は怪物の大きな目を狙うんですが、武器を目に突き刺し引っ張ると、怪物の目玉が抜けるという描写では「ポンッ!」という効果音をつけたり、カマ―タージでワンダに黒焦げにされた魔術師たちを執拗に写したり、イルミナティのメンバーを殺す時も、何ならちょっと面白い感じに殺したりと、まさにライミ節全開。

さらにクライマックスでは前述したように、ストレンジがアメリカ・チャベスを見捨てようとしたディフェンダー・ストレンジの死体を操って、高笑いしながらワンダの前に登場。「いくら殺してもこの体は死なんぞー!」とか言っちゃって、もう、どっちが悪者だか分からないんですよねw

まぁ、そんなことしても違和感がない異色のヒーロー・ストレンジだから、サム・ライミも監督を引き受けたんでしょうけどね。

驚くほどシンプルなテーマ

そして多次元宇宙を跨いだ壮大な鬼ごっこを通して、本作で語られたのは「幸せ」というビックリするくらいシンプルなテーマ。

ワンダは愛する家族が欲しいというその一点で、全ユニバースを巻き込んだ大虐殺を行うし、ストレンジはそんなワンダから一人の少女を守る冒険の中で、自身の幸せを見つけるんですね。

このあまりにもシンプル過ぎるテーマは、それゆえ普遍性を持っていて、それが物語の強度を上げているんだと思いました。

不満点

そんな感じで、個人的にはもうサイコー!以外の感想はないくらい面白かったんですが、一点だけ不満点を挙げるなら…………

 

ワンダ可哀そうすぎやろー!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ と。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」以来、ずっとワンダを見続けてきた身としては、本作のワンダがあまりにも不憫すぎて素直に喜べないんですよ。

彼女はMCUの中で、ずっと失い続けてきたキャラクターですからね。
嘘でもいいからもうちょっと幸せにしてあげてよー。って思っちゃうんですよねー。

まぁ、今後も続くMCU作品のどこかで、いつか、僕たちのワンダが幸せになる未来が来ると信じていますけどね。

興味のある方は是非!!!

 

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MCUドラマ「ムーンナイト」ネタバレあらすじ紹介&解説・考察 第四夜

ぷらすです。

今回は、2022年3月30日から放送を開始、5月4日に最終回を迎えたばかりのマーベルドラマ『ムーンナイト』全6話のあらすじを6回に分けてご紹介&解説や考察していこうと思います。

前回、ロンドンからエジプトに舞台を移し「インディ・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」的な展開もあった本作ですが、この第四回はある衝撃的な展開と、その後のラスト15分でファンを最もざわつかせた問題回でもあります。

という訳で今回は第3話のあらすじと解説・考察をネタバレありでご紹介していきますので、ドラマ未見の方はご注意ください。

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第四話 "アメミットの墓"

第四話は前回登場したオシリスアバターがコンスを封印したウシャブティ(石の神像)を石棚に並べるシーンからスタート。

天体を動かしたコンスが他の神々に封印されたことで、加護を失い気を失ってしまったスティーブン。レイラはそんな彼を起こそうとしますが、そこにハロウの手下が襲ってきます。

気を失ったままのスティーブンを庇いつつも、何とか敵を撃退するレイラ。

意識を取り戻したスティーブンはレイラと共にアメミットの墓に辿り着きますが、ハロウの一団が作った拠点はもぬけの殻。ここで自分と変わらないスティーブンに腹を立てたマークは、スティーブンがレイラに惚れていると指摘。自分の妻だから手を出さないようにと忠告します。

しかし、スティーヴンはレイラにキスされそうになり、マークがレイラから離れたのは、コンスが自分の次のアバターにレイラを狙っていたからで、コンスからレイラを守るためだった事を明かします。

それでも、レイラは「守ってほしくない。ほしいのは誠実さ」と返しスティーブンにキス。これに腹を立てたマークは腕だけ制御権を奪いスティーヴンを墓の中に落とします。

なんやかんやあって二人がさらに遺跡を進んでいくと突如銃声が聞こえ、現れたのは青い肌の謎の人影。
生きた人間を連れてきて、臓器を取り出してはカノプス壺に入れていて、どうやらミイラを作っているらしい。

ティーヴンはその一体を倒すが相手はもう一体いたらしく、俊敏に動く怪物(ヘカの司祭)は深い闇へとレイラを引き込むも、彼女は持ち前の戦闘力を発揮し怪物を倒すんですね。

一方、レイラとはぐれたまま潜入を続けるスティーブンは墓の中にマケドニア語を発見。

それで、なんとこの墓はアレキサンダー大王の墓だった事、つまりアメミットの先代アバターアレキサンダー大王だった事が分かるんですね。

歴史オタクのスティーブンは大興奮しつつも、ミイラの口からアメミットが封印されているウシャブティ(石像)を取り出します。

一方、ハロウと遭遇したレイラは、父を殺した一団の中にマークがいたことを知らされ動揺しながらその場を立ち去り、レイラと再会し、父親を殺したのかと詰め寄られたマークは、自身の相棒(上司)が皆殺しにしたことを明かし、さらに発掘団を逃がそうとした自分も撃たれた事を明かします。

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それに対しレイラは、マークがずっとその事実を黙っていたことや、罪悪感から自分に近づいたのではないかと失望。

そこにハロウの一団が現れ、コンスから自由になったマークに立ち去るか、自分たちと闘うかの選択を迫るとマークは敵三人を倒します。

しかし、次の瞬間ハロウに胸を銃で撃たれたマークは、アレクサンダー大王の墓の水場に倒れ込んでしまいます。

水の中をどこまでも沈んでいくマーク。

すると画面は80年代ドラマの様なレトロな映像に。
その中ではインディー・ジョーンズ的な探検ドラマが流れ、中年男性と少年が会話しているんですが、少年は男性の事を「ティーヴン・グラント博士」と呼んでいるんですね。

カメラが引くと、そのドラマが流れているのは真っ白な病院で、患者や看護師の様子からそこが精神病棟であることが分かります。

そこにはマークが一方的に話しかけていた銅像パフォーマーや、ギフトショップの上司、ハロウの手下の刑事や、患者服を着たレイラの姿も。

そして、車椅子に足を縛られたマークは、その手からムーンナイトの人形を落とすんですね。

そんなマークに「現実と頭の中にあるものの区別がつかないんだね」と語りかけるのはアーサー・ハロウと同じ顔の医師。

彼はマークが見続けているスティーヴン・グラントが主人公の『トゥーム・バスター(墓荒らし)』というタイトルの映画の悪役が好きだと語ります。

鎮静剤を打たれた影響で意識が朦朧としているマークですが、医者に「思い出すのは君の過去か?それともスティーヴンか?」と問われ、徐々に記憶を取り戻します。

目の前の医者、ハロウに撃たれたことを思い出した看護師を振り切って逃げだしたマークがある部屋に逃げ込むと棺があり、それを開けると出てきたのはスティーヴン。

初の物理的な対面で、二人は思わず抱きしめ合います。

一緒に逃げ出す二人が見た別の部屋にはもう一つ荒ぶる棺がありましたが、二人はこれをスルーします。(恐らくは三人目の人格が入っているんでしょう)

そしてラストシーンで開いた扉から現れたのは―――直立歩行のカバ

可愛い女性の声で「ハーイ」と手を振るカバに、マークとスティーブンが悲鳴を上げてこの回は終了するんですね。

解説・考察

全六話の中でファンを最もざわつかせたのが、この第四話でした。

「え、今までのは全部精神病院でマークが見た夢だったの?」と思わせるラスト15分。

まるで夢野久作の「ドグラマグラ」を想起させる展開ですが、スティーブンが登場したことでその線は取り合えず消えています。

そして最後に登場した直立歩行の喋るカバは、タウエレトという出産や生を司る女神だそうです。

このラスト15分の仕掛けは、マーク/スティーブンが解離性同一障害であることを知るファンに向けてのサプライズでもあり、僕もまんまと驚いてしまったのでしたw

 

というわけで、MCUドラマ「ムーンナイト」のネタバレあらすじ紹介と解説・考察 第四夜でした。

配信後、ネット上ではファンの間で様々な考察が行われていました。

というか、僕も精神病院のシーンには驚いたものの、すぐ「これはマークの精神世界なんだろうなー」と納得したものの、いやいや、だとしたらマーク死んじゃってるじゃん!っていうw
なんせ、肝心のコンスは他の神様に封印されちゃってて、マーク/スティーブンにムーンナイトの治癒能力はありませんからね。

そんな様々な問題と謎を含みつつ、物語は第五話へと続きますよ。

ではではー(´∀`)ノシ

MCUドラマ「ムーンナイト」ネタバレあらすじ紹介&解説&考察 第三夜

ぷらすです。

今回は、2022年3月30日から放送を開始、5月4日に最終回を迎えたばかりのマーベルドラマ『ムーンナイト』全6話のあらすじを6回に分けてご紹介&解説や考察していこうと思います。

今回は物語の折り返しとなる第三話。

舞台はすべての始まりの地エジプトへ。
「インディー・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」を連想させる楽しい展開やちょっぴりホラーテイストな展開もありましたねー。

という訳で今回は第2話のあらすじと解説・考察をネタバレありでご紹介していきますので、ドラマ未見の方はご注意ください

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第3話"エネアドの決断"

レイラが顔見知りの老女に偽造パスポートを作ってもらいながら会話をしているシーンから物語はスタート。
その中でマーク/スティーブンがエジプト・カイロに向かった事。レイラの父親が考古学者だったこと。彼女は闇市場から盗品を盗み出し元の持ち主に返すことで手数料を稼ぐ仕事をしいる事が分かります。

一方、スカラベに導かれカイロに到着したハロウたちは、ついにアメミットの墓を見つけ出します。
その時、信者からマークがカイロまで追ってきているという報告を聞いたハロウは信者を向かわせるんですね。

三人組の信者と常人の姿のまま戦うマークですが、大きなナイフに写ったスティーブンに攻撃を止めるよう言われるとそのまま体の制御権を奪われ、次に気が付くと空港へ向かうタクシーの中に。

意識を取り戻して三人を追うマークは容赦無く相手を追い詰めるも、またも鏡の中に登場したスティーヴンに気を取られている隙に攻撃され意識を失ってしまいます。

目を覚ますと二人の信者を刺殺ししていたマーク。スティーヴンは自分がやったのではないと言いますが、マーク自身も殺人の記憶はありません。

コンスに従い、生きていたもう一人の若い信者を崖の端まで連れ出し、落とすと脅してハロウたちの居場所を吐かせようとするマーク。しかし、アメミットに忠誠を誓う青年は自ら命を絶ってしまい、マークたちは完全に手掛かりを失ってしまうんですね。

そこでコンスは最後の手段として、世界中に散らばる神々(のアバター)を集めて行う審問会「エネアド召集」を開くべくその合図として日食を起こします。

この時、マークに最後の集会で神々から追放されたことを明かすコンス。

人間に干渉しないことが神々のルールですが、マークを使い罪人を裁く=積極的に人間に関わるコンスを他の神々は嫌い、「エネアド」から追放したというんですね。

集会にやってきたのは、愛と音楽の女神ハトホル、天空神ホルス、豊穣の神イシス、湿気の女神テフヌト、冥界の神オシリスアバター5人。それにコンスのアバターであるマークを加えた6人で審問会が始まります。

マークに宿ったコンスは他の神々に対し、アメミットの復活を目論むアーサー・ハロウへの裁きを求め、神々はハロウが召集しますが、召喚されたハロウはアメミットの復活を企んでいるのはコンスの方だと主張。

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更にアバターのマークが多重人格で病んでいること、その弱みをコンスが利用していると言います。

これに怒り暴力を振るおうとして止められたコンスに代わって呼び出されたマークは、「助けが必要だ」と認めた上でハロウを裁くことを主張するも、その訴えは退けられてしまうのです。

万策つきたと思われたマークでしたが、センフーという2千年前に墓の記録を担当していた人物がアメミットの墓の位置を知っており、彼の棺にその情報が記されているという情報をハトホルのアバターから得たマーク。

レイラと合流したマークは、発掘品収集マニアのアントン・モガートの屋敷に向かいます。

二人はモガートにセンフーの棺を見せてもらいますが、鏡の中のスティーヴンは暗号を解かなければならないと助言、レイラがモガートの気を引いてるうちに、マークと代わったスティーブンが布の棺材に描かれた暗号を解きます。

しかし、棺材に触ってるのを見つかったスティーブンたち。さらにハロウも現れ大ピンチに陥るも一瞬のスキをついてムーンナイトに変身し彼らは危機を脱するんですね。

暗号を解き、星座の位置からアメミットの墓の位置を割り出すも、センフーの生きていた2千年前とは星の位置が違うので、このままでは墓に辿り着けないと言うスティーブン。

するとコンスがMr・ナイトに変身したスティーブンと一緒に星空を回転させ、2000年前の夜空を復活させるんですね。しかし、この行為によってコンスは神々に封印されてしまうのでした。

解説・考察

1・2話はスティーブン視点で進んだ本作ですが、この第3話はマーク視点で物語が進みます。

そして舞台はエジプトに映り、冒険や謎解きなど「インディー・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」的な楽しい展開もあり、また、これまでお荷物的な扱いだったスティーブンのエジプトの知識が初めて役に立つんですね。

あと、「エネアド召集」の件では、リーダー格のオシリスが、あまりにも無条件にハロウの言い分を信じるので、「ははーん、これはハロウとオシリスが裏で繋がってるんだな」と推理してたんですが、単純にオシリスはコンスが嫌いだっただけだと後の回で分かりましたよw

この回ではマーク/スティーブンに第3の人格がいる事が仄めかされたり、レイラの父親の死にマークが関わっている事が示唆されたり(マークが殺したとされる発掘団にレイラの父親もいた)、コンスが封印されたことでマーク/スティーブンがムーンナイトの能力を失うなど、ドラマの折り返しとして物語が大きく動きました。

 

というわけでMCUドラマ「ムーンナイト」第三話のネタバレあらすじと、解説・考察でした。次回は、MCUファンを最もざわつかせた第四話をご紹介します。

ではではー(´∀`)ノシ

 

MCUドラマ「ムーンナイト」ネタバレあらすじ紹介&解説&考察 第二夜

ぷらすです。

今回は、2022年3月30日から放送を開始、5月4日に最終回を迎えたばかりのマーベルドラマ『ムーンナイト』全6話のあらすじを6回に分けてご紹介&解説や考察していこうと思います。

本当は6話分まとめてアップしようかと思ったんですが、入り組んだ複雑なストーリーや設定で、書いているうちに一万文字を超えてしまったので、今回の連載方式にしました。

という訳で今回は第2話のあらすじと解説・考察をネタバレありでご紹介していきますので、ドラマ未見の方はご注意ください

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第二話"スーツ召喚"

ストーリー:ベッドで目を覚ましたスティーブンは、昨晩博物館で起こった事が夢か現実か分からないんですが、博物館に出勤すると昨晩何者かに破壊されて大騒ぎになっていたことで夢ではなかったと確信。

警備員と監視カメラをチェックしますが、そこに映っているのはスティーブンだけでモンスターの姿は映っていません。
結局、博物館を破壊した罪で仕事をクビになったスティーブンは、先日見つけた鍵を持って貸金庫へ。その中には世界各国の紙幣の束と、“マーク・スペクター“という米国人名義のパスポートや銃器があったのです。

そこで、貸金庫のステンレス製の壁に映った自分が話しかけてくるんですが、それがスティーブンのもう一人の人格、マーク・スペクターなんですね。

マークは、自身のことを「コンスに仕える彼の化身(アバター)」だと説明。コンスとは月の神コンシュのことで、マークはスティーブンに邪魔をさせないことを約束をしていたと言う。

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しかし、マークの話を信じられなず頭がおかしくなったと思ったスティーブンは、貸金庫の物を全て警察に提出し、精神病院に行こうとしますが、そこに3mはあろうかという長身に鳥の頭蓋骨を持つコンスが登場。コンス追いかけられるも何とか外に逃げ出したスティーブンは、バイクに乗ったレイラ(メイ・カラマウィ)と出会い、彼女のバイクで部屋に向かいます。

ちなみにこの時点で彼女は彼をマークだと思っていて、さらにマークがムーンナイトに変身できる事も知っている様子。

部屋に戻った二人の会話で、マークが突如レイラの前から姿を消し、一方的に離婚届を送り付けていた事などが分かりますが、水槽に映ったマークが「彼女を守るためだった」と説明するなど、”3人”の会話によってマークの過去が分かってくるんですね。

すると部屋に刑事が訪れ、スティーブンに同行するように要請。
博物館の破壊の件だと思ったスティーブンは大人しく車に乗り込みますが、実はこの刑事はハロウの手下で、スティーブンはハロウの元に連れていかれます。

そこで、ハロウは元々コンスのアバターだった事を明かし、「しかし、罪人が悪事を起こしてからでは遅い」ので、過去・現在・未来を見通し、罪人が罪を起こす前に裁きを下すアメミットアバターになり悪なき世界を作ると話し、封印されしアメミットの墓を探すため、常に墓を指し示すためのコンパスであるスカラベを渡すように言うんですね。

しかし、今、スカラベを持っているのはレイラ。さらに「悪事を行う前に捌く」やり方に疑問を呈するスティーブンは「頭で考えるのは罪じゃない」と反論。「未来に罪を犯すからと赤ん坊も殺すの?」とハロウや信者に問うも話は平行線。埒が明かないと思ったハロウが力づくでスカラベを奪おうとしたその時、スカラベを持っているレイラが登場。スティーブンに「スーツを呼んで!」とスカラベを渡します。

ハロウは杖の力でモンスター(ジャッカル)を召喚し大ピンチに陥るも、マークには変わりたくはないスティーブン。

ティーブンにしか見えないジャッカルが襲い掛かったその時、スティーブンが変身したのは、英国式の背広(スーツ)に身を包んだMr・ナイトだったのでした。

それでもコンスの力でパワーアップしたスティーブンは、ジャッカル相手に健闘するんですが、やがて劣勢になり仕方なくマークにバトンタッチ。ムーンナイトに変身したマークはあっさりジャッカルを倒すも戦闘中に肝心のスカラベを落としてしまい、スカラベはハロウの手に。

スカラベを奪われた事を責めるコンスにマークは「奴らより先にアメミットの墓を見つける」と約束し、一路エジプトに飛んだのでした。

解説・考察

この2話では、ついにスティーブンのもう一人の人格マーク、そして彼の妻でもあるレイラが登場。
敵であるハロウの目的や、月の神コンスがそれを阻止しようとしていた事が分かります。

ちなみに、ハロウの手下の車の中でスティーブンは、過去にマークがエジプトで遺跡の調査団を虐殺した罪で指名手配されている事を告げられるんですね。

ちなみに、クライマックスでレイラに「スーツを呼んで!」言われたスティーブンが変身すると、背広姿になるというシーンは、原作で登場するムーンナイトの別バージョン「Mr・ナイト」を、設定を変えて登場させるファンサービスでもあります。

また、ハロウが元はコンスのアバターだった事、アメミットの力で「悪事を起こす前に罪人を罰する」ことで悪なき世界を作ろうとしている事が分かり、そんなハロウの考えに対してスティーブンが異を唱えるのは、犯罪の実行前(計画や準備行為の段階)に犯人を逮捕できる共謀罪や、政府の恣意的な運用によって内心の自由が侵害される可能性への批判であり、近年の世界的に不寛容で排他的な社会情勢への批判と警鐘でもあるんでしょう。

というわけで、MCUドラマ「ムーンナイト」のネタバレありあらすじ紹介と、解説・考察第二夜でした。
次回はいよいよ折り返し、第三話をご紹介します。

ではではー(´∀`)ノシ