ぷらすです。
今回ご紹介するのは、昨年公開され日本でもネットを中心に話題になった、韓国発のゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』ですよー!
公開時から話題だったし評判も良かったので、映画館に行くべきかとかなり悩んだんですが、怖い映画を映画館で観る勇気が出なかったので、ずっとDVDを待ってたんですよねー。(←ヘタレ)
で、今日やっと観ることができたんですが………………やっぱ映画館で観れば良かったーーー!! と激しく後悔してしましたよぉぉ。|||orz
画像出店元URL:http://eiga.com
概要
カンヌ国際映画祭やシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭などで話題となったパニックホラー。感染した者を凶暴化させる謎のウイルスが高速鉄道の車両内にまん延する中、乗客たちが決死のサバイバルを繰り広げる。『トガニ 幼き瞳の告発』『サスペクト 哀しき容疑者』などのコン・ユらが出演。群れを成して襲い掛かる感染者たちに恐怖を覚える。(シネマトゥデイより引用)
感想
「この手があったか!」と思わず膝を打つ見事な設定!
2016年、大泉洋・有村架純ら豪華キャストで作られた国産ゾンビ映画「アイアムアヒーロー」。
ゾンビのデザインや見せ方にジャパニーズホラーのテイストを持ち込み、斬新な映像とビックバジェットで、邦画ホラーとしても、漫画原作の映画としても異例の大ヒットになったのは記憶に新しいところ。
この作品を観て僕は「これ以上のアジアンゾンビ映画はしばらく出てこないだろう」とタカを括っていたんですが、なんと昨年、お隣の韓国がとんでもないゾンビ映画を送り込んできましたよ!
それが本作「新感染 ファイナル・エクスプレス」(原題「부산행」直訳すると「釜山行き」)なのです!
本作最大の特徴は、何といっても狭い列車の中という限定された空間で物語が進んでいくところで、僕は観ながら「その手があったか!」と思いましたねー。
というのも、一般人が銃(飛び道具)を持たない国でゾンビ映画を成立させるのって、案外難しいんですよね。ゾンビの醍醐味は大量のゾンビが人間に襲いかかってくるっていう「多勢に無勢」的な怖さなので、人間がゾンビに対抗するには、離れた場所から一発で仕留めることの出来る飛び道具は必要不可欠なのです。
ところが本作では、動きが制限される列車という空間に舞台を限定することで、人間とゾンビのパワーバランスを上手く釣り合わせることに成功し、さらに狭い空間の中にギュウギュウにゾンビを詰め込むことで、画面的にも迫力と恐怖感を倍増させ、一両ずつドアで区切られている列車の特性を物語に盛り込んでいくことで、物語にサスペンスフルな展開を演出しているんですね。
しかも、そんなゾンビ映画としてはある意味で変化球的な作りにも関わらず、いわゆる「ゾンビマナー」はしっかり踏襲していて、その上でアジア映画ならではの、ウエットで細やかな人間ドラマも上手く世界観に入れ込んでいる脚本は、「お見事!☆拍手!!(゚∇゚ノノ\☆(゚∇゚ノノ\☆(゚∇゚ノノ\喝采!!☆」と言うしかないって思いましたねー!
ざっくりストーリー紹介
映画冒頭、道路に『防疫所』が設けられ、養豚業のトラックを消毒しています。
この時、養豚業の男性と消毒を行う係員の間で短い会話が交わされ、その後走り出したトラックに鹿が激突。
道路に鹿を放置してトラックがそのまま走り去ったあと、死んだはずの鹿がムクっと起き上がるという、この短い描写でこの後、劇中で何が起こるかを提示する見事なオープニングにもう脱帽。韓国映画はこういう演出が本当に上手いんですよね。
画像出店元URL:http://eiga.com / コン・ユ演じる主人公のソグ
舞台変わって、妻と別居し、老母・娘のスアン(キム・スアン)と暮らす、ファンドマネージャーで仕事人間のソグ(コン・ユ)とスアンのやり取りから、舞台となる列車「KTX101」へ乗り込ませる自然な導入と、その合間にもジワジワとゾンビが増えていく様子の断片を入れ込むのも上手いし、列車が発車するまでに主要キャラクターと、後の伏線となるそれぞれの性格をそれとなく紹介していく手際の良さも素晴らしい!
やがて、釜山に向かって出発した列車の中でゾンビは急増し列車内は大パニックに……。
とまぁ、基本的にはゾンビ映画のテンプレに沿った作りではあるんですが、本作が優れているのは、ゾンビ映画に乗り物パニック映画の要素を入れたことで、列車が動いている間は物語も止まることなく動き続けるというところなんですよねー。
つまり、この映画には「ダレ場」がないんです。
それでいて、極限状況下でのソグとスアンの関係の変化や、最初はお互いにいい感情を持ってなかった、サンファ(マ・ドンソク)とソグが、物語が進むうちに次第に気の置ける相棒になっていくなどの人間ドラマなどを、必要最低限のセリフと、動きや表情で観せていき、それが後の感涙ポイントの伏線にもなっていくっていう、もうね、ほんとに隙がないんですよねー。韓国映画恐るべしです!
画像出店元URL:http://eiga.com / ゾンビの習性を利用しての脱出計画にハラハラ…
このキャストに注目!
そんな本作では数人のキーパーソンというべきキャラクターが登場します。
主役であるソグとスアンの親子、プロレスラーのような厳つい肉体のサンファと妊娠中の妻ソンギョン(チョン・ユミ)、高校生野球チームのヨングク(チェ・ウシク)とマネージャーのジニ(アン・ソヒ)、お婆ちゃん姉妹のインギルとジョンギル、そして高速バス会社常務であるヨンソク(キム・ウィソン)。
画像出店元URL:http://eiga.com / (左から)ソグ&スアン、サンファ&ソンギョン、ヨングク&ジニ
特に注目して欲しいのはキム・ウィソン演じるヨンソクで、ネタバレになるから詳しい事は書けませんが、コイツが最初から最後までずっと憎たらしいっていうねw
特に中盤と終盤でのコイツの行いは「コイツ本気(と書いてマジ)で超ひどい死に方すればいいのにぃぃぃぃ!」と、激オコ間違いなしですよ! ι(`ロ´)ノムキー
それとは対照的に気は優しくて力持ちな、マ・ドンソク兄貴演じるサンファはもうね。
ホント頼りになる“漢”で、もし僕が女性だったら「抱かれたい男選手権殿堂入り」確定ですよー!!
ジニちゃんもええ子だし、ソンギョン姐さんはさすがサンファが惚れた女って感じだし、そして何といっても、スアン役のキム・スアンちゃんですよ!
ぶっちゃけ「うわ、美少女!」って感じではない普通の子なんだけど、自分勝手なソグの娘とは思えないくらい優しいええ子でしてね。
この子の悲痛な泣き声と歌声には、もう、涙腺が完・全・決・壊!でしたよ!・゜・(ノД`)・゜・
あえて言うなら
もちろん、何もかもが完璧というわけではなく、やっぱり多少ご都合主義に感じる部分もあったし、ツッコミどころもないではない(例えばガムテープを巻く面積少なくね? とか、なぜ脱ぐ!? とか)んですが、トータルで見れば「泣けるゾンビ映画」という新境地を切り開いた緻密に計算された脚本や、ゾンビ映画マナーを踏襲しつつの新鮮なゾンビ描写など、もう、ホント大満足でしたー!!
興味のある方は是非!!
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