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ゾンビの皮を被ったファミリー映画「デッド・シャック~僕たちゾンビ・バスターズ~」(2017/日本はビデオスルー)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、カナダのゾンビ映画『デッド・シャック~僕たちゾンビバスターズ~』ですよー!

何度かスルーしてたんですが、ジャケットの溶接マスクやトゲトゲの武装の写真が気になってレンタルしてしまいました。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81hIxKMejwL._SL1500_.jpg

画像出典元URL:http://www.amazon.jp

あらすじ

週末、家族同然に良くしてもらっているスレイド一家と山小屋に行った14歳の少年ジェイソン。
スレイド家長女でジェイソンが密かに思いを寄せているサマー、その弟で親友のコリンと森を探検中にお隣の家を発見した3人は、セクシーな女とバカっぽい男2人が家に入っていくのを見て、「3Pが始まるかも」と家を覗き見。

すると女は二人に毒入りワインを飲ませ、動けなくなった二人をゾンビに食わせていているのを見てしまう。しかも3人は女に発見されてしまった! 

感想

カナダ製作のホラー映画といえば、何と言ってもデビッド・クローネンバーグ監督の「スキャナーズ」が有名でしょうか。

僕ももちろん「スキャナーズ」は好きなんですが、個人的にはクエンティン・タランティーノロバート・ロドリゲスの二本立て映画『グラインドハウス』の嘘予告から長編映画になったホーボー・ウィズ・ショットガン」(2011)が印象深かったりします。

映画自体はしっちゃかめっちゃかなんですが、後半に何の前振りもなく登場する「地獄の使者1号・2号」超カッコイイんですよねー。

で、確かそいつらのどちらかが被っていたのが、溶接マスクだったと思うんですが、何かこう、溶接マスクって中二心をくすぐりませんか? くすぐらないですか、そうですか。

ともあれ、そんな訳で本作のジャケットで、溶接マスクを被っているキャラが超気になってはいたんですが、でも地雷臭もあって3・4回はスルーしてたんですね。
でも、レンタルしたい他作品がほぼ借りられていたので、思い切ってレンタルしたら……見事にハズレを引いてしまったんですよねー。(´ε`;)ウーン…

ゾンビ映画……なのか?

本作を一言で言えば、週末人里離れた山小屋に遊びに行ったティーンが、ゾンビに遭遇するという物語なんですが、……え、…これ、ゾンビなのか? という疑問が。

ネタバレ気味に言うなら、ここに登場するゾンビは、セクシーな女の家族でしてね。
女はこのゾンビ一家のお母さんなのです。

まぁ、この時点で何故お母さんだけ人間なのかという疑問が沸きますが、その辺の説明は最後まで一切ありません。

お母さんは、家族のために町のダイナーで、美貌を武器に適当な男を引っ掛けては、毒入りワインを飲ませて家族のご飯にしているわけですねー。

一方、主人公ジェイソンは家庭が上手くいってなくて、同級生で親友のコリンの一家に家族同然に接してもらっているのです。

学級委員長的な性格のお姉ちゃんサマー、バカな中学生を絵に書いたようなコリン、下品なオヤジギャグを連発して場を凍らせるお父さんのロジャー(コリンは確実にお父さん似)、そしてお父さんの恋人でアジア系のリサ(コリンとサマーはリサの事が気に入っていない)。

ダメな父親とグータラな恋人の結婚話に、リサとコリンは思春期らしく大反対。

序盤はそんな2つの家族の様子が説明されるんですが、この件がどうも長いなーと思いました。

その分、ジェイソン、コリン、サマーの三人が事件を発見してからはサクサクとストーリーは進むんですが、撮り方もあまり上手くないし、ストーリーテリングもヘタなのでホラー的怖さはまったく感じませんでした。

ゾンビ映画の皮を被ったファミリー映画?

この作品は、いわゆるゾンビ映画の体を取ってはいますが、本質的には「家族」を描いた物語。

無神経な父親や明らかに母親向きではない恋人の結婚話に、思春期ゆえ反抗してしまうサマーは、しかし内心ではそんな父親を愛している事を、ゾンビ一家との戦いを通して確認するんですね。

一方、ゾンビ家族にご飯を調達し続けるお母さん。
クライマックスでその心情を激白します。

「ずっと“ご飯”を用意しても、感謝されたことなんか一回もないのよー!!」(意訳)

まさに、世のお母さんたちの心情を代弁するかのような絶叫
個人的に、このシーンが一番心に残りましたねー。

本作はゾンビ映画ではありますが、いわゆる世間一般的な、両親が離婚した家族と、一見幸せだけどお母さんが犠牲になっている家族のメタファーになってるんですよね。

うん、分かるよ。やりたいことは重々分かる。でも、上手くはない。っていう

志の割に映像もストーリーも色々雑だなーとも思いました。

クライマックスに向けたシーンで、ジェイソンがいきなり家庭の事情を話し始めたりね。今かよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッっていう。

あと、コメディーとは言えお父さんがビタイチ役に立たないとか、ゆっくりゾンビ(しかも数が少ない)相手なので3人でも全然渡り合えるのはいいとして、明らかに制作の都合でゾンビの数が増えたり減ったりするしね。

いかにも伏線っぽいユニコーンも放りっぱなしだし(お母さんの病んだ心の象徴?)、ラストもなんかスッキリしないし、一応、通少年少女の過儀礼的な結果的な側面もあるけど、誰ひとり成長した描写もないし。

一番の問題は、お母さんの溶接マスクが見た目以外一切活かされてないトコですかね!(←そこ!?)
っていうか、この手の映画にチェーンソーは必須でしょうがー!

あ、あと死んだ人がゾンビになるルールも明確じゃないのは、“ゾンビ映画”としては大問題だと思いました。

 

僕はてっきり、最後の最後にロジャーがゾンビ化すると思ってたんですけどね。(重大なネタバレ)

まぁ、正直お金出してまで観るような映画ではなく、例えばアマゾンプライムの月額見放題で無料で観れるとか、午後ローでたまたまやってたから観るくらいが丁度いいんじゃないでしょうか。

興味のある方は是非。

 

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