ぷらすです。
今回ご紹介するのは、みんな大好きケヴィン・ベーコン主演、「アクアマン」のジェームズ・ワン監督のコンビが、ある男の壮絶な復讐を描いたアクション映画『狼の死刑宣告』(原題:Death Sentence)ですよー!
「ソウ (SAW)」シリーズのジェームズ・ワンが、ホラーだけじゃない事を証明した作品です!
画像出典元URL:http://eiga.com
概要
大ヒットした『ソウ』シリーズの生みの親であるジェームズ・ワン監督が、『狼よさらば』の原作者ブライアン・ガーフィールドによる同名小説を映画化したバイオレンス・アクション。家族と幸せな生活を送りながらも息子を殺されたことから復讐(ふくしゅう)の鬼と化していく男の姿を、過去の名作アクションへのオマージュを散りばめて描く。主演は、『フットルース』のケヴィン・ベーコン。立体駐車場で繰り広げられる暴漢一味との追跡シーンに息をのむ。(シネマトゥデイより引用)
感想
本作はチャールズ・ブロンソン(リメイク版ではブルース・ウィリス)主演で映画化もされた『狼よさらば』の原作者、ブライアン・ガーフィールドの同名小説を「ソウ」シリーズのヒットで一躍新時代ホラーの旗手として躍り出たジェームズ・ワンが実写化したアクション映画です。
僕の大好きなケヴィン・ベーコン主演ということで前から観たかったんですが、レンタルに置いてなくて諦めてた映画で、今回、監督が「アクアマン」のジェームズ・ワンだったと知って、思い切ってアマゾンプライムビデオで鑑賞したら、超面白い作品でしたよー!!
ざっくりストーリー紹介
本作のストーリーをざっくり紹介すると、
妻と男の子2人の家族と幸せな生活を送るニック(ケヴィン・ベーコン)はある日立ち寄ったガソリンスタンドでギャングの襲撃に遭遇、目の前で長男(スチュアート・ラファティ)を殺されてしまう。
犯人は捕まったものの、あまりに身勝手な殺害理由や、納得のいく刑罰を下せないことを知った彼は、法廷で裁くことを断念。自らの手で復讐を考え実行。
しかし、ニックが殺害した犯人はギャングのボスのたった一人の弟だった……。
という内容です。
「狼よさらば」では、家族を殺された主人公がビジランテ(自警団)として、街の悪人を無差別に殺していくうちに英雄視されるようになり、次第に目的が変わっていくという内容でしたが、本作はそれとは毛色が違って一本径の復讐劇になってましたねー。
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ニックは最初、怒りに駆られて復讐を計画するも、この時はまだ迷っているんですね。しかし、愛する息子を殺した犯人の顔を見て我慢できなくなった彼は、突発的に復讐を果たしてしまいます。
しかし、覚悟なき復讐の代償は、より凄惨な結末をもたらしてしまうのです。
本作の内容をざっくり言えば「復讐は割に合わない」という割と倫理的なオチへと着地するんですが、しかし、ニックが復讐に至るまでの過程を観れば「復讐なんて割に合わないよね」と簡単には言い切れない理不尽さがあります。
もちろんニックの行動は傍から見れば浅はかだし、その代償として彼は多くのものを失うけれど、彼を復讐に向かわせたのは結局被害者と加害者の「釣り合いが取れない」アメリカの司法制度なのです。
ダイナミックなアクションと、ディテールの細かさ
本作で、誰もが口を揃えて賞賛するのが、中盤、高層駐車場でのニックとギャングのチェイスシーン。
ほぼカットを割らずに1カット長回しで一連のシークエンスを撮影しているんですが、「一体どうやって撮影してるんだろう?」と思っちゃうような凄いシーンでしたねー。
町でギャングに襲撃され逃げるニックと、追うギャング。
高層駐車場に逃げ込んだニックをカメラは追っていくんですが、逃げ場も隠れる場所もない駐車場で、たまたま駐車中の車にぶつかって防犯ブザーが鳴るのを見て、ニックは逃げながら次々に車を揺らしてブザーを鳴らしていくわけです。(騒ぎを起こせば警察が来ると考えた)
そうやって、駐車場を1階から上に向かって逃げるニックを追いかけるカメラは、途中で駐車場の外に出て、一端下の階のギャングを映し、また上に上って駐車場の中で屋上に向かうニックを追うわけですよ。
ほかの人のレビューによると、これ、駐車場の外にクレーンを用意して、駐車場でケヴィン・ベーコン演じるニックを追っていたカメラマンが、クレーンのカメラマンにパスして下の階のギャングを撮影、再びクレーンで上がって中のカメラマンにパスしてニックを追うというやり方なんだそうですね。
そんな苦労をして撮影したこの駐車場の長回しシーンのおかげで、次第に追い詰められていくニックの焦燥感がダイレクトに観ているこっちにも伝わってくる名シーンになってるのです。
他にも細かいところで言うと、復讐の時、ギャングにニックの身元がバレるシークエンスのあと、場面がニックに切り替わると、彼が手に巻いた包帯(最初の復讐の時に負傷した)から血が滲んでいるんですね。
これは、ニックの復讐がバレて「これから凄惨な事が起こりますよ」っていう映像的な暗喩になってるのです。
あと、ギャングとの本格的な殺し合いに向かう前に銃を購入したニックが、説明書を見ながらたどたどしい動きで失敗しながら銃に弾を込め、銃の取り扱いを練習するシーンも良かったし、ニックが身も心も「狼」になるためにバリカンで髪を切るんだけど、自分でやってるから後ろ髪は長く残ってるとか、普通なら、「ちゃんと刈れよ」って思っちゃうところだけど、本作ではそれが逆にニックの心情を効果的に描く事に繋がっているわけですよね。
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彼が復讐者として完全に覚悟を決める病室のシーンでは、ちょっとやりすぎなくらいケレン味のある描写をしてるんですが、それまでの流れを踏まえるとアガるシーンになってましたねー。
まぁ、確かにちょっと蛇足に見えるラストシーンとか、警察が役立たず過ぎるとか、ところどころあまり上手くないシーンもあるんですが、個人的に、長男が殺される件だとか、裁判のシーン。ニックが追い詰められていくシーンの描写では胃がキリキリするくらいニックに感情移入して観てしまいました。
それ(多分)演出や描写に、ジェームズ・ワンが「ソウ」シリーズで培ってきたホラーのテクニックを活かしているからなんですよね。
そういう意味でも、ジェームズ・ワンはいい監督だなーと思いましたねー。
興味のある方は是非!!!
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