ぷらすです。
今回ご紹介するのは韓国映画『オオカミ狩り』ですよ!
公開時、2.5トンの血のりを使ったという血みどろ人体破壊が話題になった本作。
Amazonレンタルで配信していたので早速視聴してみました!
画像出展元URL:http://eiga.com
概要
『メタモルフォーゼ/変身』などのキム・ホンソン監督によるサバイバルアクション。極悪非道な犯罪者たちを乗せてフィリピンから韓国に向かっていた貨物船内で暴動が発生し、し烈な戦いが繰り広げられる。『パイプライン』などのソ・イングク、ドラマ「ノクドゥ伝 花に降る月明り」などのチャン・ドンユン、『探偵なふたり』シリーズなどのソン・ドンイルのほか、パク・ホサン、チョン・ソミン、コ・チャンソクらが出演している。(シネマトゥデイより引用)
感想
凶悪犯罪者vs刑事。生き残りをかけたサバイバルアクション
フィリピンで逮捕されたパク・ジョンドゥ率いる極悪犯罪者軍団を、貨物船で護送するイ・ソグ率いる刑事チーム。
しかし、その船にはジョンドゥの仲間が忍び込んでいて、太平洋のど真ん中で暴動が発生。刑事チームvs極悪犯罪者軍団の血で血を洗うサバイバルが始まる――というのが、本作の大まかなストーリー。
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16㎏増量の肉体改造をして、全身に入れ墨の凶悪犯ジョンドゥを演じるのは、歌手・俳優としても活躍する韓国の大スター、ソ・イングク。
船内に食事係として紛れ込んでいた仲間が隠していた銃器で刑事たちに攻撃を仕掛けたのを合図に、ジョンドゥは口内に忍ばせていた針金で手錠を外すし、刑事に掴みかかり耳を齧り取り、ナイフでザク刺し。死にかけの刑事の胸にナイフを当ててゆっくり押し込むと、死体におしっこをかけながら煙草を吹かすという極悪ぶり。
仲間たちも協力者が持ち込んだ機関銃やけん銃、ナイフなどなどの武器を手に、刑事たちを次々に屠っていくんですね。
豆腐の様に人体が破壊され、血が景気よくビュービュー噴き出て、出演者は全員真っ赤。痛い残酷描写は韓国映画の十八番ではありますが、本作はそれが極まっている感じで、なんかもう、逆に笑っちゃうんですよね。
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そんなこんなで先手を取られ劣勢の刑事チーム。
このままジョンドゥたちに蹂躙され皆殺しにされてしまうのか―――
ということで、ここからネタバレです。
第三勢力の登場
機関室で睨み合う刑事たちと犯罪者軍団。ここからついに最終決戦かと思ったら、そこに突如”謎の怪人”が降り立ち、犯罪者・刑事の区別なく目の前の人間を次々惨殺していくのです。( ゚д゚)…え?(*っдс)コシコシ( ゚д゚)…え?
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しかもこの怪人、超頑丈でめっちゃ強い。いわゆる超人、MCUで言えばスーパーソルジャーなので、一般人ではどうにもできない。
実はこの怪人、映画序盤から存在はチラチラ示されていて、船底で眠らされていたんですが暴動で流れた大量の血が配管を伝ってこの怪人の顔に垂れてきて復活―――って、ヘルシング!
先に言っておくとこの怪人、旧日本軍の人体実験によって生まれた強化人間という設定。ざっくり言うと体の細胞が全部がん細胞になったことで、超再生&超パワーを手に入れたスーパーソルジャーなのです。って、デッドプール!!
ただ、全身がん細胞化による超ストレスによって、目の前で動く生物は悪人善人の区別なく殺す制御不能の殺人マシーンになってしまってるんですね。
そしてこの怪人、ジョンドゥとイ・ソグ刑事班長もサクッと殺してしまうのです。
( ゚д゚)え!?
お前ら主役じゃなかったん!?
で、話は前後しますが、この輸送船の監視をしていた海洋特殊救助団リーダーのオ・デウン。
犯罪者たちが船の通信網をすべて破壊したことで監視不可能になった状況で、護送の刑事たちに毒づいたり、部下たちを詰るなどパワハラ全開の嫌なオッサンなんですが、謎の男から命令で、ヘリでこの船に乗り込むことに。
「ははーん、コイツも船の中で怪人に殺される展開だな」と思ったら、このオッサンもスーパーソルジャーでしたよ。
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しかも、怪人がプロトタイプだったのに対し、このオッサンは怪人のデータを基にした改良型。怪人を圧倒してサクッと殺してしまうんですね。
強さのインフレが止まらないよ!
つまり、旧日本軍の人体実験によって生み出されたスーパーソルジャー計画を、戦後、謎企業の謎人物が引き継いで、犯罪者たちを実験台にスーパーソルジャーを生み出している。そのプロトタイプである怪人の輸送に”犯罪者と刑事たちが巻き込まれてしまった”ということなのです。
韓国映画ニュージェネレーション
韓国映画と言えば、綿密な脚本で描くストーリーテリングと痛みを感じさせる暴力表現が有名ですが、近年ではそこから発展しエンターテイメントに振り切った作品も多い印象。
その代表格いえば、パク・フンジョン監督の「The Witch/魔女」シリーズで、主人公の少女が無双する異能バトルは、どんでん返しのストーリーもあって多くのファンに衝撃を与えました。
恐らく本作もその系譜にある作品で、クライムアクションかな?と思わせておいて実はSFアクションだったわけです。
序盤の血みどろ残虐アクションからの超展開は個人的に楽しんだんですが、まぁ、正直な感想を言うとそれ以上でもそれ以下でもないというか、映像で観てる事以上のものは特にないというか。
後に残るものはなくて、サクッと観てはい終わりっていう、まさにポップコーンムービーと言う感じ。
例えば怪人のビジュアルで、瞼がホチキスで留められているんですが、それは単なるデザインでそうする事に理由がある訳ではないし、この怪人もオ・デウンともう一人の強さ表すための当て馬でしかなくて、特に人物の背景などは描かれないんですね。
もちろん、マンガ的展開も映画の面白さの一つではあるんですけど、韓国映画ならではの”深み”みたいなのを期待している人にはちょっと物足りないかもしれないと思いました。
興味のある方は是非!!