ぷらすです。
今回ご紹介するのは、現在大ヒット上映中の映画、
ダニエルクレイヴ版007シリーズ最新作『007 スペクター』ですよー!
世界中が『スターウォーズエピソード7/フォースの覚醒』公開で沸き立つこの日に、あ・え・て・の007感想ですよーww
映画館に映画を観に行くのは久しぶりだったんですが、
「やっぱ映画は映画館で観たほうがいいよねー!」って思う面白さでした!
今回は劇場公開中の映画なので、出来るだけネタバレしないように気をつけますが、本作をこれから観る予定のある人は、絶対に映画館で観た後に読んでくださいねー!
そんな人のために先に書いておきます。この映画……
( 」゚Д゚)」 超面白かったですよー!!ですよーですよー…
しばらくはスターウォーズも満員大入りだろうから、まずは007から観たらいいと思いますよー!
画像出典元URL:http://eiga.com/
概要
イギリスの小説家 イアン・フレミング原作のスパイ小説シリーズの映画化。
1962年に公開された、ショーン・コネリー主演の「007ドクター・ノオ」から数えて24作目。
「カジノ・ロワイヤル」からスタートした、ダニエル・クレイヴ主演の6代目ジェームズボンドになってからは4作目となる。
タイトルにもなった『スペクター』は初期から登場するジェームズ・ボンドの宿敵とも言える悪の組織。
権利関係で原作サイドと揉めたことで、シリーズ第7作目「ダイヤモンドは永遠に」を最後に姿を消していたが、今回復活したことでファンの間で話題になった。
前作『~スカイフォール』で高い評価を受けたサム・メンデスが引き続きメガフォンを取った。
あらすじ
メキシコシティーで開催される「死者の日」、ボンド(ダニエル・クレイヴ)はそこにいた。
パレードの喧騒の中、ボンドはスキアラ(アレサンドロ・クレモナ)という男に銃口を向け発砲するが、銃弾はスキアラがスタジアム爆破テロのため用意していた爆薬入りのスーツケースに当たり爆発。スキアラのいた建物は倒壊してしまう。
傷を負いながらも逃亡するスキアラ、ボンドは追跡の末にスキアラ殺害に成功する。
しかし、これはMI6の新たなボス M(レイフ・ファインズ)の指令ではなく、ボンドの行為は外交問題となりMI6の危機を招いてしまう。
それでも自身の行為を説明しないボンドに上司であるMは謹慎処分を言い渡しボンドも応じる。
そしてボンドは、自宅に"スカイフォール"での出来事で燃え残った残骸を持ってきたマネーペニー(ナオミ・ハリス)に、メキシコシティでの行為が前作で落命した前Mからの遺言であることを明かす。
感想
スペクターとは
本作に登場するボンドの敵で、国際的犯罪組織 スペクター(S.P.E.C.T.R.E.)の正式名称はSPecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion。
日本語で言うと「対敵情報、テロ、復讐、強要のための特別機関」です。
何を思ってこんなド直球に悪役敵な名前にしたのかと思わず小一時間問い詰めたくなりますが、その歴史は古く、ショーン・コネリー版の007ではボンドの宿敵として常連だったそうです。(僕はショーン・コネリー版は世代じゃないのでハッキリは覚えてませんが)
しかし、原作サイドと映画製作サイドが権利関係で揉めて訴訟問題に発展、「スペクター」はシリーズ第7作目「ダイヤモンドは永遠に」を最後に姿を消してしまいます。
それが本作復活するということで、主にオールドファンの間では公開前から話題になっていたんですね。
『スペクター』という名前に聞き覚えのない人でも、椅子に座って白猫を撫でている顔が影になっている謎の男というビジュアルに一度は見覚えがあるんじゃないでしょうか?
色々なメディアでパロディーにされすぎて、ギャグとしても古くなって誰も使わなくなったこの悪役のボスのビジュアルですが、その元ネタとなっているのが『スペクター』の首領なんですね。
アバンとOPの圧倒的な映像美と迫力
007といえばOP前のド派手なエピソード(アバン)が見せ場のひとつ。
本作ではメキシコの「死者の日」(日本で言うとお盆的な祭り)で賑わうメキシコシティーが舞台です。
メキシコ独特のカラフルな色彩と賑やかだけど、どこか不気味さと不穏な雰囲気。
ドクロのお面を被ったり顔にペインティングをした人々が街に溢れ賑わう中、手下を連れて歩くドクロの仮面の男が映り、それとすれ違うように移動したカメラは女性連れのドクロ仮面の男を追っていきます。
女性とホテルの部屋に入って、ドクロ仮面を取るのはもちろんジェームズ・ボンド。
女性にすぐ戻ると言い残し、ボンドは窓から屋根伝いに、ターゲットであるスキアラの潜伏する部屋が見える場所で携帯用ライフルの銃口を向けますが、寸前で気づかれ撃ち合いに。
するとボンドの撃った銃弾が、スキアラたちがテロのために持ち込んでいた爆弾に命中し大爆破、ビルは倒壊してしまいます。
怪我を負いながらも瓦礫から抜け出したスキアラの姿を確認したボンドは、人ごみの中で彼を追い、逃亡しようとするスキアラのヘリコプターに乗り込み、上空での格闘の末にスキアラを殺害します。
劇場の大画面の中を行き交う、ドクロメイクの人々やパレード用のカラフルで巨大なドクロの山車の間を縫うように、カメラがボンドやスキアラを追いかける緊迫感と美しさを併せ持つ演出。ビルの屋上を渡るボンドを、さらに上空からのショットで捉えることで、男子なら思わずタマヒュンしてしまう迫力のある演出。激しく動くヘリの中での目の回るような格闘。
もうね、このアバンだけで劇場まで観に行く価値アリですよ!
そして、ガンバレルから覗く、お馴染みのアレからのOP。
幻想的な映像で、本作が『カジノ・ロワイヤル』(2006)から続く三部作と深く関係する物語であるが提示されます。
『スペクター』のメタ構造
ダニエル・クレイヴ版007では、1作目『カジノ・ロワイヤル』でジェームズ・ボンドが『00』のライセンスを取得し007になるところからスタートします。
続く2作目『慰めの報酬』(2009)でボンドは、前作で最愛の女性ヴィスパーを死に追いやった敵に復讐を果たしMI6のスパイ007として生きていく覚悟を決め、第3作『スカイフォール』(2012)で、老いの足音を聞く『時代遅れ』の男として描かれて行きます。
つまりダニエル・クレイヴ版ボンドは、3作をかけて007のデビューからロートルになるまでの歴史を辿っているわけです。
そして、前作でボンドの母親的存在だった上司Mを亡くし、MI6は新たなM(男性)を迎えて新体制としてスタートしている。
本作はそんな『スカイフォール』の直接的な続編となります。
亡きMの遺言に従い行動するボンドは、調査を進めるうちに国際的犯罪組織 スペクターに行き着きます。
その首領 はボンドの過去と深い因縁を持つ男であり、『カジノ・ロワイヤル』から続く全ての事件に関わっている事が分かります。
本作の悪役が『スペクター』であることには、物語上の意味の他にもう一つ、ショーン・コネリー版から続くこれまでの007ジェームズ・ボンドの総括というメタ的な意味があると僕は思います。
それまで(基本的に)一作完結だった007を、四作に渡り一つの物語として描き、『スカイフォール』ではボンドを通じて『スパイという存在』自体が時代遅れの産物であることを提示し、続く本作はショーン・コネリー版ボンドを連想させるセルフオマージュが次々に登場します。
前作『スカイフォール』で破壊されたボンドの愛車アストンマーチンは修理中で、本作ではギミック満載の新型アストンマーチン・DB10が登場します。
後部から火炎放射したり、パラシュートつき脱出装置もついてる本格スパイ仕様。
まぁ、ボンドはあっという間に壊しちゃいますけどw
他にもスペクターの殺し屋としてボンドを狙う怪力男ミスター・ヒンクス(デビッド・バウティスタ)を見ると、僕はロジャー・ムーア版ボンドの宿敵「ジョーズ」を連想しちゃうんですよね。
他にも昔からのファンなら、思わずニヤニヤしてしまう仕掛けがそこかしこに仕掛けてあるし、その上でボンド初期からの敵組織『スペクター』が全ての事件の黒幕として登場するわけですから、本作がダニエルク・レイヴ版007だけでなく、007全作品の総決算と感じるのは僕だけでしょうか。
終焉と始まり
同時に、新体制となったMI6では、新しいMがボスとなり、兵器開発担当のQ(アンドリュー・スコット)や秘書のマネーペニー(ナオミ・ハリス)を若い世代にアップデートしたことは、前作『スカイフォール』でダニエル・クレイブ版ボンドに幕を引いてみせたサム・メンデス監督が、本作を持って1962年から続く『旧007』の終焉とし、以降作られるのは『新007』であるという宣言にも僕には見えました。
本作の構成には賛否両論あるようですが、個人的には大満足だしファンじゃなくても映画好きなら、劇場で見るべき歴史的価値がある作品だと思います。
まぁ、そんなややこしい屁理屈は横に置いておいて、でっかい画面でジェームズボンドの戦いを観て、興味が出たら過去3作を遡って観るのも面白いと思いますよー。
興味のある方は是非!!!
▼本作に向けて慌てて見直した感想▼
▼慌てて見直した感想・2▼
▼なんか予想っぽい事を書いたら微妙に外しちゃった感想▼