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今日観た映画の感想

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神様の娘が家出!? ブラックで可愛いファンタジーコメディー「神様メール」(2016) 感想

映画レビュー

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、カンヌ国際映画祭ゴールデン・グローブ賞など、世界各国の映画祭、映画賞で称賛を浴びたコメディー『神様メール』ですよー!

ちなみに原題『Le tout nouveau testament』は直訳すると「新・新約聖書」になるそうです!

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画像出典元URL:http://eiga.com/

あらすじと概要

カンヌ国際映画祭ゴールデン・グローブ賞など、世界各国の映画祭、映画賞で称賛を浴びたコメディー。パソコンを駆使して世界を翻弄(ほんろう)する神と、そんな彼に愛想を尽かした娘が巻き起こす騒動を描く。メガホンを取るのは『ミスター・ノーバディ』などのジャコ・ヴァン・ドルマル。『チャップリンからの贈りもの』などのブノワ・ポールヴールド、名女優のカトリーヌ・ドヌーヴ、『エール!』などのフランソワ・ダミアンらが結集。奇想天外なアイデアと設定、予想もつかないストーリー展開に圧倒される。

ストーリー:ベルギーのブリュッセル。とあるアパートに家族と共に生活している神は、慈悲深いという人々が抱いているイメージとは真逆の嫌な人物であった。自分の部屋に置かれたパソコンを駆使して世界を管理しているが、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいた。そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、家出を考える。立ち入りを禁じられている父親の部屋に忍び込んだ彼女は、全人類それぞれの死期を知らせるメールを送信して家を飛び出してしまうが……。(シネマトゥデイより引用)

 

 

感想

前々から評判は耳にしていた本作。
僕も、そのうち観ようとは思うものの、パッケージを見ると中々手が伸びなかったんですよねー。
なんかこう「小さくて、可愛くて、オシャレな、素敵コメディーなんじゃないのー?」と。いや、そういう映画が嫌いって訳じゃないんですけど、近頃はイマイチ気分が乗らないというか。

で、今回思い切って観てみたら、何かこう…面白かったです!
そして、何ともヘンテコな映画でしたねーw

どんな映画?

本作の主人公は10歳の女の子エア。
そして、この子のお父さんは天地創造でお馴染みの神様で、お兄さんはイエス・キリストです。

という趣旨のエアのナレーションで物語が始まるんですが、最初は何かの比喩表現だろうと思いながら観ていたら、この子本当に神の子でした

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 画像出典元URL:http://eiga.com/ 主人公のエア(ピリ・グロワーヌ)

そんなエアのお父さん(神様)は、非常に「人間? の小さい」嫌なおっさんで、家族に対しても威圧的。
エアはそんな父親の横暴に耐えかねて、家出してしまう――という物語です。

登場キャラクター

で、この神様一家がどんな家族かというと、

父親(神様)は無精ひげを伸ばして、チェックのネルシャツにねずみ色のTシャツ姿。世界を管理してるんですが色々飽きちゃってて、人間を争わせたり、天災を起こしたり、マーフィーの法則的な小さな不幸をばら撒いて憂さ晴らししているという嫌なオッサン。
家族に対しても威圧的でモラハラでDVな最低オヤジで、そんな父親に嫌気がさしたJC(イエス・キリスト)は家出してキリスト教を起こすんですねw

お母さんは女神なんですけど、頭の回転が遅くて旦那の言いなり(神に何かされてる?)刺繍と集めた野球カードを集めるのが趣味という中年のオバサン。

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画像出典元URLhttp://eiga.com/ 左から父親(神様)・母親(女神)・エア(娘)

お兄さんのJCは、多分2017年前くらいに家出して、後にキリスト教を起こすも死んじゃってるんですが、密かに置物(キリスト像)として家に帰ってて、エアの家出にアドバイスと協力をするんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com/ 兄(キリスト)と密談するエア

で、エアはJC兄さんのアドバイスに従い、父親が世界を管理してるパソコンをいじって世界中の人間に余命をメールで一斉送信したあと、父親がパソコンをいじれないように細工(父親は機械音痴)して、家の洗濯機から下界に家出。
6人の使徒と会って、『新・新約聖書』を作ろうとするわけです。

そんなエアが起こせる奇跡は、
1・人間の体の中に流れる音楽が分かる。
2・動物と話ができる。
3・ハムサンドを増やせる。(失敗率高し)

くらい。(後に水の上を歩けるようになる)
まだ10歳ですからね、起こせる奇跡はごくわずかなんですねー。

6人の使徒

さて、そんな下界はといえばエアがみんなの余命をメールしたことで、諸々影響がでてるんですね。
そんな中、彼女が無作為に選んだ使徒はと言えば、

夫と冷めた関係の寂しい主婦でゴリラと恋に落ちるマルティーヌ。
人間の余命を知って、保険屋からこっそり殺し屋に転職するフランソワ。
自分の余命を知って、性欲を開放したら破産したマルク。
小さい頃に片腕を失い、モテモテだけど孤独なオーレリー。
冒険家を諦めて会社員になったけど、余命を知って冒険の旅に出るジャン=クロード。
余命を知って、女の子になりたいとカミングアウトした少年ウィリー。

そこに、エアからの指名で「新・新約聖書」を書くことになったホームレスのヴィクトール。

エアは小さな奇跡で、そんな彼ら彼女らの孤独な心を救っていくんですね。

原作は聖書!?

本作の、神様、キリスト、エアのキャラクター造形は、それぞれ聖書に準えてるらしいんですね。

神様が意地悪なのは「旧約聖書」が元になってるからで、旧約聖書の神様は嫉妬深くて威圧的で、「他の神を信じたり俺様に逆らうやつは殺しちゃうから」的な描かれ方らしいんですね。(間違ってたらスイマセン)
で、キリストの新約聖書はお馴染み「汝の隣人を愛せよ」という、許しと慈悲の教えですよね。だからオヤジとはそりが合わないわけです。

でも、キリストの力だけでは、父親の作った世界は変えられないってことで、キリストは妹に新しい聖書を作れと、そういう物語……なんだと思います。多分。

つまり、本作はキリスト教が抱える矛盾点(旧約聖書新約聖書)にツッコミを入れてる映画だ(意訳)と、映画評論家の町山智浩さんはラジオで話してますね。

そもそも、世の中から不幸が消えないのって、神様がアレだからじゃね? とw

そんな感じでキリスト教のタブーっぽい部分を皮肉ったコメディーでありつつ、本作では現代社会における人間の存在意義や、命のあり方や、マイノリティー、孤独などなど、わりとシリアスで重いテーマを、コメディーのパッケージででラッピングしたポップで可愛らしい物語にしてるんですねー。

本作はベルギー映画で、フランスとルクセンブルグとの合作なんですが、コメディー部分やストーリーもアメリカ映画と違ってて、(いい意味で)ヨーロッパ映画だなーって感じです。

多少中弛みしてる感はあるものの、ラストのオチもハッピーで可愛くて面白いので、男性も女性も楽しめるんじゃないかなーと思いましたよ。

あ、そうそう。
あと本作のもう一つの見所は、劇中登場するケヴィンです。
EDの最後にも登場するので、最後まで方がいいですよー。(´∀`)

興味のある方は是非!