今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)

ぷらすです。

今朝、朝一の回で観てきましたよ。

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アベンジャーズ/エンドゲーム」をぉぉぉ!!

いやー、もう、ホントにね。

一言で言って、サイコーーーーーでした!!

本作を観る予定の人には、余計な情報は入れずに、一日も早く劇場へ行ってください!
としか言えません。

ぶっちゃけ、前作以上にネタバレ禁止だし、事前にうっかりネタバレを見てしまったら一生後悔するレベル

なので、僕もこの作品の感想は、レンタルが始まるまでは敢えて書かないでおこうと思います。

ただ、今言えることは、

11年追いかけてきて、本当に良かった!

ありがとうMCU!

ありがとうアベンジャーズ!!

だけです。

あ、ひとつだけ注意ですが、観る前に膀胱は出来るだけ空っぽにしておくこと。
鑑賞中に水分は出来るだけ控える事をオススメします。

上映中にトイレに行くヒマは1秒たりともありませんからね!

 

ではでは、Avengers Assemble!

最強の男は“本来あるべき自分”になりたかった「ハイヒールの男」(2015) *ネタバレ

ぷらすです。

今回ご紹介するのは韓国で2014年に公開されたバイオレンスアクション映画『ハイヒールの男』ですよー!
ネットで仲良くさせてもらってる方から教えていただいたので、早速観てみました。

ちなみに今回、完全ネタバレで感想を書いていくので、本作を観る予定の人やネタバレは嫌!って人は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

「グッドモーニング・プレジデント」「ガン&トークス」のチャン・ジン監督と「シークレット」「約束」の演技派俳優チャ・スンウォンがタッグを組み、女性になりたい願望を抱える敏腕刑事がたどる過酷な運命を描いたノワールアクション。並はずれた強さと暴力性で、警察内部ばかりか犯罪組織からも一目置かれる存在の刑事ジウク。容姿にも恵まれ、誰もが羨むほど完璧な男のジウクだったが、実は心の内に女になりたいという欲望を秘めていた。長年にわたってそのことを悩み続けてきたジウクは、ある出来事をきっかけに本当の自分と向きあうことを決意する。しかし、そんな矢先、ある事件に巻き込まれてしまい……。2015年1~2月にヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品。(映画.comより引用)

感想

邦題問題

本作は、(タイトルで何となくお気づきの人もいると思いますが)ステゴロ最強の刑事が実は性同一障害だった――という内容で、原題は「ハイヒール」です。

まぁ、映画説明でも主人公ジウク(チャ・スンウォン)が性同一障害であることは書かれているので隠す気はないってことだろうし、そこが売りの映画でもあるので読めば内容を察することが出来る邦題にしたんだと思いますけど。

正直、原題通り「ハイヒール」のままで良かったんじゃないかなって思ったりしました。まぁ、間抜けな副題をつけられるよりはずっとマシですけども。

ざっくりストーリー紹介

海兵隊でマル暴の刑事ジウク(チャ・スンウォン)は、長身細マッチョで警察内部ばかりか犯罪組織からも一目置かれるステゴロ最強の男。

しかし彼には誰にも言えない秘密が。

ジウクは性同一障害であり、性転換手術で本当の自分(女)になりたいと願っていたのです。
予てから捜査していたギャングのボスと子分を叩きのめして逮捕したあと、彼は警察を辞職して晴れて女性の道を歩もうと決心しますが、その矢先、ある事件に巻き込まれてしまい――というストーリー。

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主演のチャ・スンウォンは180cmを超える長身で、長い手足を活かしナイフを使った格闘アクションは見事だし、韓国映画お家芸とも言える湿度の高いバイオレンスも見ごたえがありましたねー。(途中のあるシーンでは「アウトレイジかよ!」と思わずツッコんでしまいましたがw)

まぁ、いくら軍隊上がりとはいえ、ぶっちゃけ刑事としてはいくらなんでもオーバースキル過ぎるし(刑事というよりほぼ殺し屋)、警察に身を置きながら単独でボスのアジトに令状も持たずに乗り込んで子分やボスを病院送りにするのは、どう考えてもありえない展開だとは思いますが、そこはエンタメ映画だし、文句を言うのは野暮なのでしょうね。

ただ、本作が偉いのは、ジウクの強さや単独でギャングを叩きのめす行動が、しっかり物語の主題に活かされている作劇の上手さ。

彼の体は至るところが傷だらけで、手足には金属製のボルトが入っているわけですが、それは、彼の過去が大きく関わっていて、物語が進むうちにその事が徐々に分かってくる構成になっているのです。

本作は現在の彼と、過去の回想シーンを交互に見せる2段構えの構図になっていて、少年だった彼(中学生くらい?)はゲイの美少年と心を通わせているんですが、同級生の偏見、また「常識」に縛られ自分を受け入れられなかった事で彼を傷つけてしまいます。

そして唯一心を許せる初恋の相手だった彼は自ら命を絶ってしまい、それがジウクにとって大きな心の傷になっているんですね。
そのトラウマが原因でジウクは自分の中の女性性を憎むようになり、心(女性)を殺し過剰なほど肉体(男性)に準じる道を選んでしまうのです。

直接劇中では語られませんが、彼の体に刻まれた無数の傷が、彼が自殺願望とも取れる無茶をし続けた事を物語っていて、それはつまり亡き恋人への贖罪でもあり、また自分の心(女性)を殺す、ある種の自殺であり自傷行為でもあったわけですね。

しかし、彼の中で本来の性である“身も心も女性になりたい”という気持ちは消えず、彼の肉体と心は引き裂かれて不眠症に陥ってしまいます。

そこでカウンセリングに通ううちに、彼は自身の心を受け入れて女性として生きる事を決意。警察もやめてホルモン注射を打ち、性転換手術への準備を整えるんですね。

そんなジウクに、ホルモン治療を行っていた医者が、同じく元海兵隊でニューハーフ界のパイセン(ニューハーフのパブを経営?)を紹介し、ジウクはパイセンに教えを請いながら、少しづつ本当の自分の性を取り戻していくのです。

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最初は女装もおっかなびっくりで滑稽に見えるし、女装して外出しようとするとエレベーターに同じマンションの住人が乗り込んできたりっていうコメディーシーンを挟みつつつ、一歩一歩目的に近づいていくジウク。

しかし、彼が検挙したボスの弟ホゴン(オ・ジョンセ)の出現によって、事態は急変するのです。

扱いが難しいテーマをエンターテイメントに

僕はLGBTや性同一障害について詳しい訳ではないので、本作でのジウクの心の動きの描写がリアルなのかどうかは、正直分かりません。

が、監督・脚本を務めるチャン・ジンが、性同一障害やLGBTについて取材をして誠実にリアルを描こうとしているようには見えました。

独学で女装をしていたジウクは、到底女性には見えず、厳つい男が化粧と女性物の洋服を着ているだけに見えるんですが、ニューハーフパブの“お姉さん”に化粧してもらった自分を見て自信をつけた彼は、やがて見違えるほど美しくなっていきますし、パイセンの「手術だけでは女になれない。心も女にならなければ」というセリフには説得力がありました。

しかし、ジウクのたった一つの望みはホゴンによって無残に踏みにじられてしまう。
つまりホゴンはいわゆる旧態然とした男性社会の象徴であり、ジウクはその被害者の象徴なのです。
ホゴンはジウクの強さに惹かれていた分、彼の正体に落胆し何とかジウクを男の世界に引き戻そうとする。

そのために、自死した恋人の妹チャンミ(イ・ソム)を殺そうとするんですね。

ホゴンはチャンミがジウクの彼女だと勘違いしているんですが、ジウクにとって彼女は、自分が殺した(とジウクが思い込んでいる)初恋の相手に「必ず守る」と約束した彼の妹。

つまり本作は、過去の贖罪と、常識や偏見に苦しみながら本当の自分を取り戻そうとしたジウン(マイノリティー)が2層構造になっているわけですね。

そして、問題のラストシーンへと繋がってくわけですが、個人的に、このラストがどうにもモヤモヤしてしまうんですよねー。

ラストシーンの解釈

色々あって、ラストシーンではチャンミとジウクが教会にいます。
チャンミと牧師の会話から、すわ二人が結婚!? と思うんですが、どうやらチャンミの結婚式にジウクが保護者(チャンミは「兄さん」と呼んでいる)として出席するということらしいんですね。
ジウクはヒゲを伸ばし、劇中で毛嫌いしていたタバコも吸っている模様。
車中で咥えたタバコをチャンミに取られ、ジュースを渡されたジウクが、そのジュースを飲む小指が密かに立っているというエンディングです。

ここは恐らく、色々な解釈が出来るように意図的にぼかしていると思うんですが、多分、ジウクは自分の望みより初恋の相手との約束を選択したって事だと思うんですね。

そして、自分は男として生きていく事を選んだっていう。

その前のシーンで、パイセンから「女でいるためにはお金がかかる」的な事も言われていて、ジクウはホゴンと取引して多額の金銭を受け取り、その金で手術のための金や渡航費を工面したっぽいんですね。
なので、クライマックスのあとにホゴンから受け取った金を警察に渡し、渡航代&手術費が無くなってしまったって事なのかなーって思ったり。

つまりクライマックスでチャンミを助けに行く事を決めた時点で、ジウクは自分の望みを捨てたって事……なのかな?

もしくは、チャンミの結婚を見届けたあと、彼は性転換手術を受けに行くとも取れなくもないんですが、一連の流れを見る限り、そっちの線は薄いと思うんですよねー。

ただ、もし前者だった場合、う、うーん? それでいいのかなー?? っていう気もしなくはないというか。
そこまで丁寧に積み上げてきた物語は一体何だったんだってなるし、テーマ的にもブレてしまうのでは? と思っちゃうんですよねー。(´ε`;)ウーン…

確かに、初恋の彼とのエピソードが全ての始まりではあるけれど、チャンミを守る(彼との約束)とジウクが望みを叶えることは全く別の話で、この二つを天秤にかけるのは違うと思うんですよね。
それに、ラストでは全てが解決したんだからジウクが過去に縛られる意味がないし。

とまぁ、そんな感じで観終わったあともずっとウダウダ考えてしまってるわけで、自分の中でも明確な答えは出ないんですが、韓国の人がこのラストをどう見たのかが気になりますねー。

韓国映画はわりとキリスト教をモチーフにした作品が多いし、劇中でも一箇所、ジウクとパイセンが教会で話すシーンもあり、(全然関係ないかもですが)もしかしたら日本人の僕と韓国の人だと物語やラストシーンの感じ方が変わるのかな? なんて思いました。

ともあれ、韓国バイオレンスアクションとしても燃える映画だし、主演のチャ・スンウォンの繊細な演技も素晴らしかったので、韓国映画好きな人なら一見の価値有りだと思います。

興味のある方は是非!!!

 

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ヒーロー映画でファミリー“の”映画「シャザム!」(2019)

ぷらすです。

観てきましたよー!
DC映画最新作『シャザム!』を!

吹き替え監修を、「勇者ヨシヒコ」シリーズや「変態仮面」の福田 雄一監督が担当したことで本編より場外の方が話題になってしまった本作。

僕は字幕で観たんですが(映画館が字幕オンリーだったから)、1月公開の「アクアマン」と共に、今後アメコミ映画の勢力図を変えるかもしれない作品だと思いましたねー!

というわけで、今回は公開したばかりの作品なので出来るだけネタバレしないよう注意して書きますが、これから本作を観る予定の人やネタバレは絶対に嫌! という人は先に映画を観てから、この感想を読んでくださいね。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

少年が最強のヒーローに変身し騒動を巻き起こすコメディー。DCコミックスの異色ヒーロー、シャザムをドラマシリーズ「CHUCK/チャック」などのザカリー・リーヴァイが演じるほか、『キングスマン』シリーズなどのマーク・ストロング、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』などのジャック・ディラン・グレイザーらが出演。『アナベル 死霊人形の誕生』などのデヴィッド・F・サンドバーグがメガホンを取った。(シネマトゥディより引用)

感想

「シャザム!」ってどんなヒーロー?

「シャザム!」はざっくり言うと、魔法の力で戦うスーパーヒーローです。
といっても、マーベルの「ドクター・ストレンジ」的な感じではなくて、長年人知れず世界を守っていた魔術師シャザムが高齢化。
14歳の少年ビリーに跡目を次ぐ事になり、「シャザム!」と叫ぶと大人でマッチョなスーパーヒーローに変身するわけです。

要は「魔女っ子」の男子版みたいな感じですかね。

で、シャザムはその綴り(S.H.A.Z.A.M.)がそれぞれ神の頭文字になっていて、変身すると

Solomon(ソロモン)の叡智
Hercules(ハーキュリーズ)の剛力
Atlas(アトラース)の体力
Zeus(ゼウス)の全能
Achilles(アキレス)の勇気
Mercury(マーキュリー)の神速

の力を得るんですね。

初代キャプテンマーベル

すでにアチコチのサイトで書かれてますが、「シャザム」は元々「キャプテン・マーベル」という名前のヒーローでした。

デビューはDCでもマーベルでもなく、フォーセットコミックスという会社から出版された『ウィズ・コミックス』第2号。

少年がスーパーヒーローに変身するという設定がウケて大ヒットし、一時はスーパーマンを凌ぐ人気に。
これに焦ったDCコミックは「スーパーマンのパクリやんけー」と告訴して、すったもんだの末にフォーセットコミックスはコミック出版から撤退し、宙に浮いた「キャプテン・マーベル」の権利をDCコミックが買い取ります。

しかし、その頃すでにマーベル・コミックが「キャプテン・マーベル」という名前の(別の)ヒーローのコミックを出版していたので、DCコミックはビリーに力を与えた魔術師の名前を取って「シャザム」に改名したんですね。

その後、色々あってDCヒーローの世界感を全面リニューアルした「NEW52」以降の原作コミックを元に、本作が作られたのです。

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画像出典元URL:http://amazon.com

ざっくりストーリー紹介

孤児のビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は、ビクター(クーパー・アンドリュース)とローザ( マルタ・ミランズ)夫婦が運営するグループホーム(孤児院)に引き取られることになります。

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画像出典元URL:http://eiga.com  / ビリー(左)とフレディ(右)の初対面

そこには、
足に障害を持つビリーと同い年のフレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)
大学進学に悩むメアリー(グレイス・フルトン)
ゲーマーでハッカーのアジア系少年ユージー(イアン・チェン)
無口な少年ペドロ(ジョバン・アルマンド
人懐っこくてハグ癖のある黒人少女のダーラ(フェイス・ハーマン )

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画像出典元URL:http://eiga.com / 一番年下のダーラ。人懐っこくて可愛い

が暮らしていますが、ビリーはグループホームに中々馴染めないんですね。

そんなある日、学校でいじめっ子に暴行されるフレディを助けたビリーが地下鉄から降りると、そこは不思議な洞窟。

そこには白髪白ひげの老魔術師シャザムジャイモン・フンスー)が待っていて、杖を握り自分の名を呼べと迫ってくるのです。
仕方なく「シャザム?」とその名を呼ぶと、ビリーは筋肉モリモリのスーパーヒーロー“シャザム”(ザッカリー・リーヴァイ)に変身して――というストーリー。

最初はヒーローオタクのフレディと一緒に、何が出来るのかを試したり、大人な見た目を利用してビールを買って飲んでみたり、ストリップバーに潜入したり、ついでに強盗をやっつけたりと、大人ライフを満喫するビリーでしたが、そこに現れたのがシャザムのパワーを我が物にしようと狙うDr.サデウス・シヴァナマーク・ストロング)。

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画像出典元URL:http://eiga.com / Dr・シヴァナ役は「キングスマン」のマーク・ストロング

グループホームの仲間たちを誘拐されたビリーは、シヴァナと戦う事を決意するわけですねー。

第1作としては満点の出来

本作で僕が関心したのは、ストーリーの中でシャザムというヒーローの特徴や弱点を全て説明仕切っているところでした。
シャザムは他のDCヒーローとは少し違う特徴やルールを持っているんですが、それをフレディーとのイタズラやDr・シヴァナとの戦いといったストーリーの中で説明臭さを感じさせることなく、ヒーロー映画を観たことがない人でも楽しみながら分かるように描いているんですね。

また、初めからあまり風呂敷を広げずに物語のテーマを“家族”に絞ってコンパクトにまとめているので観やすく、紹介編となる第1作としては満点の出来だったんじゃないかと思いしたねー。

同じく今年公開された「アクアマン」は「ジャスティスリーグ」で既にお披露目が済んでいるので海中を舞台にド派手なバトルを楽しめましたが、本作はそれとは方向性が真逆というか、印象としてはMCUの「アントマン」に近いと思いました。

擬似家族もの

本作は、単に地球を守るためスーパーヒーローが悪者を倒すことではなく、14歳の孤児、ビリー少年が同じような環境の仲間たちと家族になるまでの物語です。

幼くして親と離れた彼は、ずっと心を閉ざし一人ぼっちだったわけですが、グループホームと新たな家族と出会い、協力し合ううちに心を開き「居場所」を得るという“擬似家族もの”で、これは近年、世界中の映画で描かれるようになったテーマですね。(日本で言えば「万引き家族」とか)

彼らはいわば、自分のせいではないのに世間の枠組みから外されてしまった、はみ出し者たちで、心に同じ傷を抱えた彼らが、自分たちも孤児だった夫婦に引き取られ家族になるという“ファミリーの映画”なのです。

それを、これまでのDC映画のように暗く重苦しく描くのではなく、大人の容姿とスーパーパワーを手に入れたビリーが、中学生男子ならみんな憧れるアレコレや、悪者と戦うというヒーロー願望を、カラッと明るく叶えてくれるんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / スーパーパワーを悪用してコーラ飲み放題

さらに、DCコミックや原作のファンならニヤリとする目配せもしっかり盛り込んでいるのも上手いなーと思いました。

吹き替え版騒動

そんなこんなで、本作の公開をファンは楽しみにしていたわけですが、そこに降って沸いたのが、吹き替え監修を福田 雄一監督が担当し、シャザムの声を菅田将暉が当てるというニュース。

これに長年DC映画を応援してきたファンはざわつき、また福田監督がよせばいいのに「銀魂」と本作を混同するような余計なコメントを言ったことでちょっとした炎上状態になってしまったんですよね。

まぁ、ただでさえ日本では当たらないアメコミ映画(しかも無名のヒーロー)で、一週間後には「アベンジャーズ/エンドゲーム」公開を控えているという危機的状況に、日本の宣伝部の人たちが何とか一般客を巻き込みたい気持ちはよく分かるし、「変態仮面」を観るかぎり福田監督がはヒーローモノのツボは分かってる人だと思うので、個人的にはそこまで心配してないんですけどね。

実際、観てきた人の感想を読むと「目くじらを立てるほどではない」という意見が目立ちますし。(映画序盤で菅田将暉の声に違和感を感じる人は多かったみたいですが)

僕もオタク畑の人間なのでファン側の気持ちは痛いほど分かるけど、観る前からあーだこーだとヒステリックに騒ぐのもどうかと思うし、嫌な気分になりたくない人は最初から字幕版を観ればいいだけの話ですしねー。

正直な気持ちとしては、映画の内容より場外乱闘の方が話題になってる現状はちょっと残念だし、字幕でも吹き替えでもいいから一日も早く観に行ってくれよ。面白いから!

って思いました。

興味のある方は是非!!

 

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本当の子供向け映画ってこういうことだ!「グーニーズ」(1985)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、みんな大好き『グーニーズ』ですよー!

この映画の公開当時、僕はもう17~8歳だったので厳密にはドンピシャ世代ではないし、観たハズなんですが内容の方もうろ覚え。

なので今回レンタルして久しぶりに観たんですが、「これは子供の頃に観てたら生涯ベストに入る映画だなー」って思いましたねー。

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概要

開発せまる港町を舞台に、海賊の財宝を捜して悪ガキ集団“グーニーズ”が繰り広げる冒険を描く。地下に広がる大洞窟でのアクションがみどころ。スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮。主題歌はシンディ・ローパー。(allcinema ONLINEより引用)

感想

制作総指揮スピルバーグ、監督リチャードドナー、脚本クリス・コロンバス

本作で制作総指揮を務めたのは、当時押しも押されぬヒットメーカーだったスティーブン・スピルバーグで、監督を務めたのは1978年公開の「スーパーマン」を世界的大ヒットに導いたリチャード・ドナー

さらに脚本は、本作の前年に公開された「グレムリン」1990年公開の「ホーム・アローン」と立て続けに大ヒットを飛ばすクリス・コロンバスという正に鉄壁の布陣

そんな彼らが挑んだのは、悪ガキ集団「グーニーズ」が海賊の遺した宝探しをするというジュブナイル映画だったんですねー。

ちなみに翌年には、4人の少年たちが“死体探し”の冒険に出る「スタンド・バイ・ミー」が公開され大ヒット。両作とも今やジュブナイル映画の古典として映画史に名を残しているんですよね。

もちろん両作に直接的な繋がりはないしテイストも違うんですけど、当時子役のコリー・フェルドマンが出演している、作品の舞台はオレゴン州という共通点があり、また両作とも「子供から大人に成長するための通過儀礼を描いているんですよね。

ざっくりストーリー紹介

海賊の伝説が残る海辺の田舎町グーンドックに住む、喘息持ちの少年マイキーショーン・アスティン)と、食いしん坊でホラ吹きでおっちょこちょいのチャンク(ジェフ・コーエン)。
口が達者でお調子者のマウスコリー・フェルドマン)と、ヘンテコな発明ばかりしている中国系のデータキー・ホイ・クァン)の4人は、グーニーズ(まぬけな連中とグーンドックの町の名をひっかけた造語)と呼ばれるワルガキ集団。

マイキーの家はグーンドック一帯のゴルフ場開発を目論む資産家から多額の借金をしていて、翌日までに返済できなければ土地を明け渡さなければいけないんですね。

そんな中、マイキーたちは屋根裏部屋で伝説の大海賊「片目のウィリー」が遺した宝の地図を発見。

家を守るため、連れ戻しに来た兄のブランドジョシュ・ブローリン)、チアリーダーでブランドの恋人アンディ( ケリー・グリーン)、成り行きで同行するステフ(マーサ・プリンプトン)も巻き込み、宝探しの冒険に出ます。

ところが、地図に記された宝のありかに建つレストランは、ギャング家族のフラッテリー一家(母親と三人の息子)のアジトになっていて……という物語。

グーニーズのメンバーは、フラッテリー一家に追われながら「片目のウィリー」の宝を探すためレストラン地下にある“仕掛けだらけ”の洞窟を探検するのです。

完全な子供視点

洞窟には、泥棒撃退のための様々なブービートラップが仕掛けられてします。
洞窟・お宝・トラップと言えば、インディー・ジョーンズ第一作「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」を連想する人も多いかもですが、本作はまさに「子供版レイダース」で、つまりは子供たちの大好物だけを集めた“子供向け”の映画なんですね。

なので、本作は常に子供たちの視点に設定されていて、大人からの視点(説教臭さや物語のつじつま合わせ)は全て排除されています。

ブルーレイ特典映像を観ると、恐らくクリス・コロンバスの脚本段階ではもっと物語の筋道が立っていて、子供たちが抱える悩みやコンプレックスを吐露するようなシーンが入っていたと思われるし、実際に撮影もしてた形跡があるんですが、監督のリチャード・ドナーが編集段階でそういった“大人を納得させる要素”を片っ端からぶった切っていったんだと思うんですよね。

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その分、子役たちのノリやテンション、自然な表情のシーンを最大限、例えば子役が間違えて役名ではなく本名で呼んでしまうようなNGカットすら全て活かして、映画を構築しているのです。

そういう意味で本作は劇映画でありながらドキュメンタリー的でもあって、演出でも(先の展開が分からないように)子役たちにはその日の撮影分の台本しか渡さず、クライマックスの海賊船のセットは本番まで黒幕で隠し、ぶっつけ本番でシーンを撮影。初めて海賊船を見た彼らがマジで驚いている表情を捉えているんですね。(ただし、マウス役のコリー・フェルドマンは「事前にセットを見ていた」と、オーディオコメンタリーで告白してたけどw)

そんなドナー、子役たちに演出する時も「目を大きく開けろ」「大きな声で」「カメラは友達」くらいしか言わず、あとは彼らから出てくるアンサンブルによるグルーブ感を大事にしていたんだとか。

中盤では、グーニーズがウォータースライダーを滑り降りるシーンがありますが、夜に子役たちが帰ったあと、リチャード・ドナー自らウォータースライダーを滑って遊んでいた事もオーディオコメンタリーで告白していて、結果、なんやかんやでドナーが一番楽しんでいたんじゃないかっていうw

そんなドナーに居ても立ってもいられず、制作のスピルバーグも自ら2シーンを撮影したらしいですよ。

つまり、(もちろん意図的ではあるんだろうけど)監督のドナーとスピルバーグが、子供たちと同じ視線に立って作ったことで、本作は(当時)世界中の子供たちが熱狂する映画になったんですねー。

ただ楽しいだけではなく、例えば、薄暗い洞窟で遭遇するトラップや骸骨、コウモリ、死体。チャンクがフラッテリー一家に捕まり「ミキサーに手を突っ込む」と脅されるシーン、スロースなどなど、子供向けの映画としては今なら躊躇してしまうようなシーンもちゃんと描いていて、決して子供向けに“漂白された”世界観ではなく、怖さもスリルもロマンスも全てが本作には入ってますからね。

お子様カレーではなく、辛さこそ控えめだけど大人用のルーを使ったスパイシーカレーみたいな感じって言えば伝わりやすいですかね?

子供は幼いけどバカではないので両者の違いはすぐに見抜くし、逆に大人が自分たちのために本気で作ってくれた映画はずっと忘れないのです

通過儀礼の物語

本作でマイキーは、資本家に家を奪われそうになっていて引越しせざるを得ないという大人の世界=理不尽に直面します。

そして偶然、宝の地図(理不尽に対抗しうる手段)を手に入れた彼は、仲間と一緒に立ち向かう事を決意。数々の試練を乗り越えることで理不尽に打ち勝ちます。

それは彼らがこれからも子供時代を続けられるヤッター! ということではなく、仲間と共に資産家、フラッテリー一家、片目のウィリーのトラップと対決し乗り越えることで成長し、大人への階段を登るということなんですね。

家は追い出されないで済んだし、仲間とも一緒にいられる。けれど今までの子供の自分とは違う。

本作で描かれているのは、マイキーたちが子供でいられた“最後の一日”の物語で、彼らが乗り越える困難の数々は、子供が大人への階段を登るための通過儀礼なのです。

そういう意味では、最高に楽しくてハッピーな映画だけど、ちょっぴり切ない物語でもあるんですよね。

その成長はマイキーだけでなく一緒に冒険した仲間たちも同様で、例えばお兄ちゃんのブランドは年上だけど免許の試験=通過儀礼に一度は失敗。けれど、グーニーズとの冒険で通過儀礼をクリアしたわけです。

チャンクは、食いしん坊でホラ吹きでおっちょこちょいで、はみ出し者揃いのグーニーズの中でも一番のみそっかす扱いですが、同じくフラッテリー一家のみそっかすであるスロースと一緒に仲間のピンチを救うことで成長します。

ラスト、見た目が化物のように醜いスロースに、警察が向けた銃口の前にチャンクが立ちはだかって彼を守り「一緒に暮らそう。大好きだよ」って言うんですよ!!

チャンクウゥゥゥ!!・゜・(ノД`)・゜・

ちなみに、フラッテリー一家はボスであるお母さんと一緒に悪事を働いてきた。いわば親離れ出来ていない子供で、グーニーズとは鏡合わせの存在として描かれますが、スロースだけはクライマックスで母親と対決=成長するんですよね。

ルックは完全にお子様映画だし、ある意味で作劇的にはバランスが崩れている(あえてそうしている)ので、当時の評論家たちからは低く見られていた本作ですが、ちゃんと描くべきところは描いているし、世界中の子供たちは本作のそうした肝の部分はちゃんと感じ取っていて、だからあれだけの大ヒットに繋がったんだと僕は思うし、今観ても全然色褪せない最高の映画でした!

興味のある方は是非!!!

 

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世界を熱狂せたあのバンド“最後”のワールドツアー!「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは米ミュージシャンのライ・クーダーキューバの老ミュージシャンが共同で制作し1997年に出した同名アルバムをキッカケに、1999年に制作したドキュメンタリー映画ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」から18年後の続編となる『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』ですよー!

実は、日本では2000年に公開された前作を僕はリアルタイムで観ていて、アルバムも買っているんですよね。
なので、今回は久しぶりにアルバムを引っ張り出して聴きながら感想を書いていきますよー!

https://eiga.k-img.com/images/movie/88999/photo/27a24b3880ac0037.jpg?1524817291

画像出典元URL:http://eiga.com

作品概要

キューバのベテランミュージシャンを中心に結成されたバンドにスポットを当てた『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の続編。ステージ活動の終わりを決めた彼らが敢行したワールドツアーの模様が映し出される。前作で監督を務めたヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務め、『ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡』などのルーシー・ウォーカーが監督を務める。(シネマトゥディより引用)

感想

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」とは

前作は米ミュージシャンでギタリストのライ・クーダーキューバに旅行に行った折、地元の老ミュージシャンとセッションしたのをキッカケに共同でアルバムを制作することに。
レコーディングから米国でのライブ、そしてバンドメンバーたちの背景を交えながら、バンドによるクライマックスでのカーネギーホールライブまでを追ったドキュメンタリー映画です。

CD・映画のタイトルにもなった「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は元々、1950年代にあった黒人専用クラブの名前。
当時は黒人差別が強く、音楽を楽しむクラブも分けられていたそうです。

元はスペインの植民地だったキューバは、西洋音楽ラテン音楽、奴隷として入植した黒人たちの音楽やリズムの要素が加わり、キューバの伝統的な音楽「ソン」が誕生。
1950年代に隆盛を極めますが、その後時代の移り変わりとともに衰退していきます。

しかし、ライ・クーダーが老ミュージシャンたちと制作したアルバム、映画と合わせてアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」が大ヒットとなり、一躍人気ミュージシャンになった彼らはワールドツアーを成功させるのです。

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それから18年、メンバーの約半数を失った「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、若いメンバーを加えて「アディオス・ツアー」と銘打って、最後の世界ツアーを敢行。

そんなツアーと合わせて、この18年に彼らの身に起こったこと、高齢によりなくなったメンバーたちの最後の姿、前作では描かれていなかったキューバの成り立ちと歴史、黒人差別問題やキューバ音楽の歴史など、前作では描かれなかった(もしくは描かれても舌っ足らずだった)アレコレを、膨大なインタビューや記録映像を交えてより立体的に描いたのが本作「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」なのです。

続編にして完全版

そんな訳で、本作は一応「続編」という形になってますが、個人的には前作で足りなかった要素を付け加えた「完全版」というイメージの方が強かったです。

前作では、メインボーカルだったイブライム・フェレールを中心に据えたバンドメンバーの人となりや演奏、撮影当時のキューバの日常風景などで構成されていたんですが、本作ではその後のワールドツアーで各国のファンに熱狂的に迎えられた彼らの様子や、渡航ビザが降りずにグラミー賞に出席できなかったこと、オバマ大統領に招かれたホワイトハウスでのライブ風景、亡くなったメンバーの最後のライブ風景やお葬式の様子などなど。

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映画公開からの18年間の彼らの様子や言葉を余すところなく伝えてくれているんですね。

クラシカルで新しく、都会的だけど土着的な音楽

前作が公開された時、彼らの音楽を聞いた僕は驚き痺れました。
元々僕は、その国や土地の風土や文化から生まれた土着的な音楽が好きで、特にラテン系の音楽が大好きなのです。

彼らの音楽「ソン」はキューバ起源のラテン音楽
サルサの原型になった音楽と言われ、マンボやチャチャチャも基本的にはソンを土台に作られたらしいんですね。
クラシカルだけど新しく、洗練された都会的な音楽のようで何処か土着的な匂いがあり、また、(当時)上は90代~若くても60代後半という超高齢バンドながら、楽器の腕前や伸びやかな歌声は年齢を感じさせません。

それでいてその歌声には彼ら自身の積み重ねた歴史が乗っていて、歌詞の意味は分からないけど何故か響くんですよね。
とても、寄せ集めのバンドとは思えないくらい息もピッタリです。(既に引退したり、第一線を退いた“忘れられた”ミュージシャンがほとんど)

映画では、歌詞の一部に字幕がついているんですが、素朴な農民の歌であり、労働階級の歌であり、また黒人差別の歌であり、日本で言えば民謡に近い感じでしょうか。

メンバーのその後

メインボーカルのイブライム・フェレールは幼くして両親を亡くし、歌手として才能に恵まれながらもメインボーカルにはなれず、またジャズなどの台頭でソンが衰退していくことに絶望し、音楽を辞めて靴磨きをしながら暮らしていたのをブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブに呼ばれ60代後半になって突然、世界的な大スターになったんですよね。

そんな彼も2005年に亡くなり、他にも最長老でピアノのルベーン・ゴンサーレスなど、オリジナルメインのメンバーの半分以上が亡くなっているのです。

まぁ、みんな前作の時点でお爺ちゃんだったし、それから約20年経ってるんだからそりゃそうだろうって話ではありますが、「アディオス・ツアー」の中に彼らの姿が無いと、やっぱり寂しいと思っちゃうんですよね。

まぁ、ずっと忘れてたくせに我ながら勝手なもんだと思いますけども。

本作では、前作で描かれなかったカーネギーホールライブ以降の彼らの姿や、最晩年の様子なども映っていて、(日本も含めた)世界中をツアーし熱狂的に迎えられて楽しそうに演奏し歌う彼らの姿は、観ていて「(この人たちが報われて)本当に良かった」と思うし、その一方で「ノリノリで聴いてるけど、彼ら(観客)は、この歌詞の意味が分かってるんだろうか」というイブライムの声にドキっとしてしまったり。

「人は人を殺すことはできても音楽は殺せない」という女性ボーカルのオマーラ・ポルトゥオンドの言葉には、激動のキューバを生き抜いてきた彼女の強い信念を感じずにはいられませんでした。

そしてそれは多分、キューバ人としての彼女の矜持でもあるんでしょう。

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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の音楽が政治的に対立していた米国とキューバを直接的に繋いだというような事はもちろんありませんが、彼らの紡いだ音楽が両国だけでなく、国境を超えて多くの人々に届き、(政治とは別に)各国の人々の距離をほんの少し近づけたのは間違いなく、つまりはそれが文化なんだと、本作を観て思いましたねー。

もちろん、本作だけ観ても面白いと思いますけど、出来れば前作と合わせて観た方が、より楽しめるのではないかと思います。

興味のある方は是非!!

 

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タワーリング・インフェルノxダイ・ハード「スカイスクレイパー」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ロック様ことドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画『スカイスクレイパー』ですよー!

今や、ジェイソン・ステイサムとともに、ハリウッドアクション映画界の二大巨頭となったロック様の新作は「タワーリング・インフェルノ」x「ダイ・ハード」でしたねー!

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概要

カリフォルニア・ダウン』などのドウェイン・ジョンソン主演のアクション。超高層ビルから家族を助け出そうとする男の姿が描かれる。監督は『セントラル・インテリジェンス』でドウェインと組んだローソン・マーシャル・サーバー。『スクリーム』シリーズなどのネーヴ・キャンベル、『13時間 ベンガジの秘密の兵士』のパブロ・シュレイバーらが共演。ドウェインが体を張ったアクションを見せる。(シネマトゥデイより引用)

感想

ざっくりストーリー紹介

海兵隊員のロック様は、ある任務中の事故で片足を亡くし義足での生活に。
現在は元同僚の紹介で家族とともに香港に移り住み、高さ約1,000メートルを誇る250階建ての超高層ビル、ザ・パールのセキュリティーを担当していた。

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そんなある日、ロック様は罠にハメられセキュリティー管理用のタブレットを奪われ、潜入したテロ組織がザ・パールに放火。火の海と化した超高層ビルには、彼の妻と二人の子供が取り残されていた。

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ロック様、家族を救うため、燃え盛るザ・パールに飛び込んでいく。

というストーリー。

火事で炎に包まれる超高層ビルの消火と脱出という70年代の名作パニック映画タワーリング・インフェルノと、テロ組織を相手に孤軍奮闘するというブルース・ウィリス主演のダイ・ハードという二つの大ヒット作品を何の臆面もなく合体させ、さらに香港が舞台ということで燃えよドラゴン要素まで付け加えるあたり、さすがはレジェンダリー作品だなーと思いましたねーw

しかも主演は今や、ジェイソン・ステイサムと共にハリウッドアクション映画を引っ張るロック様ことドウェイン・ジョンソンという鉄壁の布陣ですよ!

今回のロック様は一味違う

ドウェイン・ジョンソンと言えば、レスキュー隊員の仕事そっちのけでヘリに乗って家族を救いに行き、12mのゴリラとタッグを組んで怪獣化したワニと狼をやっつけ、氷上で潜水艦と対決し、テレビゲームの中でサバイブする。まさにマッチョなアメリカンヒーローを体現する男。

ぶっちゃけ強さのイメージがインフレし過ぎて、彼がどんなピンチに陥っても「まぁ、ロック様だし」と観客も安心して観てしまうんですよね。
でも、本作のロック様はこれまでの役とは一味違って、ずっと必死でジタバタとカッコよくない“お父さん”なんですよ。

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いや、やってることはいつものロック様なんですけど、本作では義足というガジェットと、(クライマックスまで)銃器を使用せずに、“そこにある物”とアイデアでピンチを凌ぐという制約をつけることで、(いつものロック様が100%だとしたら)70%くらいにデチューンしてるんですね。

それによって、やってることはいつも通りのロック様だけど、ギリギリ感や必死感が伝わってくるし、ロック様だけじゃなく家族で協力して難局を乗り切るという作劇も相まって観ているコッチも応援したくなる作りになっているのです。

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義足

本作のロック様は、過去の事件で片足が義足になっている設定。
それは、作中ロック様の(動きの)ハンデにもなるんですが、一方で義足を“道具”として使うことでピンチを切り抜けたり、義足ならではのサスペンス描写を生んだり。
単純に義足をハンデとしてだけではなく、時にはロック様を助ける相棒的役割としても描かれています。

ちなみに特典映像を見ると、パラリンピックの選手がアドバイザーとして義足をつけての動き(歩き方や走り方のフォームなど)を指導していて、それが絵的な説得力に繋がっているんですね。

やってる事はトンデモアクション映画ですが、専門家にアドバイスを乞うて一定のリアリティーと説得力を担保する姿勢は好感が持てました。

キャスト

テロリストの標的となった世界一の高層ビル「ザ・パール」のオーナー、ジャオを演じるのはシンガポールの俳優チン・ハン。
この人、良くも悪くも“何かを企んでる顔”で、なので最初はテロリスト側と通じてるんだと思いながら観てたんですよね。
最初のビル施設紹介のシーンで、「燃えよドラゴン」のクライマックス、鏡の間を想起させるハイテクルームが登場するので、「ははーん、さてはこの男がラスボスで、ロック様とこの部屋で最終決戦をするんだな」って。

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それにしても、どこかで見たことあるなーって思ったら、この人「ダークナイト」の作中、香港でバットマンに捕まるラウ役も演じてたんですね。

中国資本のレジェンダリー制作ということで他にも中国系の俳優が多数出演。
それ以外の俳優も含め、ぶっちゃけロック様以外あまり有名な俳優が出てないので、(多分、制作側は意図してないと思いますが)結果的に先入観がない分、作劇上の意図がダイレクトに伝わるというプラス面もあったり。

とはいえ、作劇としても映画としても大味で、それが結果としてプラスに働いている部分はあるけど、全体的にはポップコーンムービーの域は出ていないと思いました。

それはつまり、少なくとも観ている間は楽しいアトラクション映画ってことでもあって、そういう意味で本作は正しいと思うし、僕は面白かったですよー。

興味のある方は是非!!

 

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時代劇なのに銃撃戦!? 時代劇は自由なのだ!「子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎」(1974)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、若山富三郎主演の劇場版「子連れ狼シリーズ」第6弾、『子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎』ですよー!
ラジオやネット番組で、時代劇評論家の春日太一さんが度々紹介していて、あまりに気になったのでAmazonプライムビデオで観ました!

漫画が原作でもあり、子供の頃に観たテレビ版もかなり自由な時代劇だとは思ってましたが、この若山御大の劇場版はそれどころじゃなかったですねー!www

あまりに自由すぎて爆笑してしまいましたよ!!

ちなみに今回は45年も前の古い作品ですし、本作の面白さを余すところなくご紹介したいので、ネタバレ&ツッコミ全開で感想を書いていこうと思います。
なので、ネタバレは嫌! っていう人は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

子連れ狼”シリーズ第六作目。柳生一族の陰謀のために妻を殺され、怨念の旅を続け、冥府魔道に生きる拝一刀、大五郎親子を描く。脚本は「子連れ狼 冥府魔道」の中村努、監督は「海兵四号生徒」の黒田義之、撮影は「御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判」の牧浦地志がそれぞれ担当。(映画.comより引用)

感想

子連れ狼とは

一応知らない人のために説明すると、「子連れ狼」は1970年から1976年まで漫画アクションで連載された小池一夫原作・小島剛夕作画の劇画作品。

柳生一族の陰謀で妻を失い、遺された息子・大五郎と共にさすらいの旅に出る元・公儀介錯人拝一刀と、彼らの命を狙う柳生一族との死闘を描いたハードボイルドな作品で、1973年から1976年にかけて萬屋錦之介主演でテレビドラマ化されたことで、社会現象とも言える大ヒットになりました。

ただ、実はテレビドラマよりも一年早い1972年に、勝新のお兄さん、若山富三郎主演で映画化されてたんですね。
こちらも大人気で、2年間にわたって全6作が作られていて、本作はその最終作なのです。

ざっくりストーリー解説&ツッコミ

vs香織編

柳生の陰謀により公儀介錯人の座を追われ、刺客として復讐の旅を続ける拝 一刀若山富三郎)と息子の大五郎(富川晶宏)。
二人の命を狙い、これまで三人の息子を刺客として差し向けるも全員返り討ちにされた柳生一族当主の烈堂大木実)は“上様”に「これ以上失敗するなら“表攻め”に切り替える」と言われてしまいます。

“表攻め”とは今風に言うなら「全国指名手配」のことで、幕府が全国の大名に御布令を出して、拝親子をサーチ&デストロイするように命じるということ。
そうなれば、その任務を任されていた柳生一族の面子は丸つぶれということで、烈堂は娘の香織(瞳順子)に拝親子成敗を命じるわけです。

この香織の必殺技は、3本の短刀の1本を真上に放り投げて、残りの2本で斬りかかるというその名もお手玉の剣」(←ネーミングセンス!)
頭上から落ちてくる短刀を躱せば香織に斬られ、香織の剣を避ければ頭上から落ちてくる短剣に脳天を貫かれるという恐ろしい? 必殺技です。

さらに烈堂は、手練の三人の門人相手にリハーサルをさせる念の入れよう。
っていうか、三人の部下はTHE★無駄死にですよ!
4人で協力して襲わせたほうが確率が上がりそうだけどなーw

三人の脳天に短刀をぶっ刺した香織は拝親子を追って出発し、村の子供たちと遊ぶ大五郎を発見。一緒にお手玉で遊びながら一刀を待ちます。
そして現れた一刀とついに対決。
必殺「お手玉の剣」を見破った一刀、なんと大五郎を肩車して対抗
自分の息子を盾に使うっていうまさに冥府魔道の非道っぷりで刺客の香織を撃破します。

いくら命令とは言え、さすがに小さな子供に短刀を投げるのは躊躇した香織は、死に際に「なんと卑怯な…」って言うんですが、うん、僕もまったく同意見ですよw

もう、完全に悪役の手口だよ!

vs柳生の刺客

そして、亡き妻の墓参りに行き「烈堂をぶっ殺すからな」(意訳)と墓前に誓う一刀。
敵の気配を察知すると、漆喰塀に向かって大五郎を乗せる乳母車に仕込んだ機関銃を乱射。(←時代劇です)

すると、漆喰の塀に空いた銃跡から血が垂れ、壁をぶち破って刺客たちが倒れ込むんですね。

なんと、刺客たちは壁に穴を掘って潜み、上から漆喰で塗り固めて身を隠していたのです。

時代劇で機関銃を乱射するのもアレだけど、お前ら壁の中からどうやって攻撃するつもりだったんだよ!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

vs土蜘蛛三人衆1

4人の子供を失って、いよいよジリ貧になった柳生烈堂ですが、彼にはもう一人生まれてすぐに山に捨てた妾の子兵衛木村功)がいまして、山に行って「柳生のために拝親子をサツガイするのじゃ!( ゚д゚)クワッ」とか言うわけですが、いや、お前…っていうねw

案の定兵衛は「お前、生まれたばっかのワシを捨てて何言ってんねん! ワシは育ててくれた土蜘蛛一族じゃこのハゲ!」と、突っぱねます。
まぁ、そうなりますよね。っていうか、何で協力してもらえると思ってたんだって話ですよ。

仕方なく、烈堂は兵衛の妹(こっちは養子にしてた)に、兵衛を説得するように頼もうとするも、なんと兵衛はさっさと土蜘蛛一族と一刀を倒しに出かけちゃうんですね。
と言っても、別に親父に言われたからじゃなく、(親父に倒せなかった)一刀を倒して、柳生のポジションを土蜘蛛一族が奪ってやろうっていう作戦

……いや、もし一刀を倒しても柳生の手柄になっちゃうし、むしろ放っておけばオヤジ勝手に自滅するじゃん? その後で一刀を倒せばいいじゃん?

ともあれ、兵衛は土蜘蛛三人衆、無堂(草野大悟)、無我(宮口二郎)、無門(石橋蓮司)を一刀のもとへと送り込りこみます。
この三人、土の中を自由に移動できる能力を持ってる、土蜘蛛一族最強の三人衆なんですね。

しかし、一刀の強さに真正面から行けば負けると思った三人は、拝親子に関わった人間を片っ端から殺し、二人の精神を削るという作戦を実行。

道すがら大五郎に蛇笛をくれた女の人をバスーカーでドーン!(←時代劇です)、大五郎に飴を売った飴売りをバラバラ死体にして川に流し、二人が泊まった宿の従業員&宿泊客も皆殺し。「(ΦωΦ)フフフ…お前らに関わった人間はみんな死んじゃうぞ~」と脅す“術”を敢行。
うん、それは別に「術」じゃなくてただのいやがらせけどね。

とはいえ、これには流石の一刀も参ってしまい、誰とも関わらないように旅を続けます。

vs兵衛

で、ある藩の家老から刺客依頼を受けた一刀は待ち合わせ場所に向かいますが、その依頼は破棄されます。
理由を聞くと、「君ら“表攻め”されることになったから」と。
そんな彼らに下手に関わると、自分たちにもあらぬ疑いがかかってしまうというんですね。
そして、乗ってきた小船をあげるからこっそり逃げるように勧める家老にイキナリ斬りかかる一刀。
彼はこの家老が武士の命である刀を、船から上がる時に踏み台にしたのを見て、家老が変装した土蜘蛛一族の兵衛で、これは罠だと見破っていたのです。

そこから、土蜘蛛一族を相手に大立ち回りをする一刀。
しかし、川原に出たところで土蜘蛛三人衆に土の中に引き込まれ、身動きが取れなくなってしまいます。一刀危機一髪!

しかし一刀、兵衛に向かって「お前、闇討ちとか卑怯だぞ! 『武士』なら堂々とタイマンで勝負しろや!……って、

お前が言うな!(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

お前は息子を自分の盾にしたり、マシンガン打ちまくっとるやないかい! っていうねw

ただ、兵衛はバカなので「ほんなら『武士』として正々堂々タイマンで勝負つけたるわいハゲー!」と、一刀と一騎打ち。そしてサクッと負けます。

vs土蜘蛛三人衆2

そこから色々あって兵衛が死に、彼の遺言で土蜘蛛三人衆は拝親子を倒すため、雪山にかまくらを作って身を潜める二人のもとに向かうんですが、土の中では自由に動ける三人も、極寒の雪の中ではそうはいかず「だめだ凍える…_:('Θ' 」 ∠):_プルプルプル」とか言い出す始末。

雪から顔を出したところを一刀に見つかり機関銃で蜂の巣にされながらも、最後の手段と3人はジェットストリームアタック
しかし乳母車の仕込み槍で串刺しにされてアッサリ絶命するんですねー。

一刀、ちょ、おまっ……ww

vs柳生軍団

そして、ついにクライマックス。
ソリ仕様に改造した乳母車で一刀が軽快に雪山の斜面を滑っていると、烈堂率いるスキーを履いた柳生軍団が襲いかかってきます。

まずはいつも通り機関銃乱射で敵の数を減らすと、ソリ乳母車で柳生スキー軍団と抜きつ抜かれつ、斬ったはったの大チェイス

あげく、烈堂は自分のソリに設置したバズーカーを撃ちまくり一刀も機関銃で応戦という、 サム・ペキンパーばりの銃撃アクションを展開。拝親子の乳母車に至っては、マッドマックスみたいになってましたからねw

死闘の末にギリギリまで追い込むものの、烈堂に逃げられた一刀。
途中で乗り捨てた乳母車(ソリ)の中には大五郎がいなくて、もしやソリから放り出されて……と必死に息子を探す背後から「ちゃん」と呼ぶ声が。
最後は一刀が大五郎を抱きしめて、物語は終わるのでしたとさ。チャンチャン。

www.youtube.com

和風007

事ほど左様に、本作は時代劇というよりマカロニウエスタン。っていうかほぼ「007」でしたよ。
だって機関銃撃ちまくり、バズーカー撃たれまくり、挙句スキーチェイスですもん。

元々、体が大きくてぽっちゃり体型の若山富三郎ですが、この人実は運動神経抜群
本作のクライマックスでは、蔵王のスキー場を滑るソリ(乳母車)の上に(両手に鎖を巻かれた状態で)仁王立ちですよ!
そしてソリから転がり落ちると直ぐに立ち上がって敵を斬り倒すという一連のアクションを、ワンカットで撮影してるんですね。

他にも、何度かトンボを切って(空中一回転のこと)見せたりもしてます。

若山富三郎は元々柔道の有段者で、殺陣も出来れば馬にも乗れるし、実は何でもできる器用な役者だし、こと殺陣とアクションに関してはあの千葉真一の師匠なのです。

後年は演技派として慣らした名優の若山御大ですが、一方で元祖アクション俳優でもあったんですねー。

まぁ、本作もストーリーは正直あってないようなものですが、このスーパーアクションだけでも十分見ごたえがあると思いましたよー!

シリーズ途中で終了

ちなみに、大人気だったシリーズ途中にも関わらず劇場版「子連れ狼」シリーズは本作で終了してしまいます。

これは、原作者の小池一夫が制作の勝プロダクションと契約してたにも関わらず、日本テレビにも「子連れ狼」ドラマ化の契約をしちゃったからで、若山富三郎はそれに激怒。(そりゃそうだ)
勝新がテレビ局に抗議に行くも、結局は映像化権をテレビ側に譲っちゃったという経緯があるそうで、そのせいで一時期この兄弟は絶交状態になったそうです。

その後、お詫びに日本テレビ若山富三郎主演で好きなドラマをやってくれていいという事になり、勝プロも全面協力したことで、事は丸く収まったみたいですね。

 

「時代劇」というと、年寄りの観る堅苦しい昔話と思われるかもですが、春日太一さんも言うように本来の時代劇は(一定の基準さえクリアすれば)すごく自由で何でもアリだし、本作はまさにそれを体現した一作と言えるんじゃないでしょうか。

本作はAmazonプライムで手軽に観られるので、時代劇を普段観ない人にこそ、是非観て欲しい作品ですねー。

興味のある方は是非!!!

 

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