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「Mr.インクレディブル」(2004) 感想

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ディズニーピクサーが2004年に公開したヒーローアニメ『Mr.インクレディブル』ですよー!

何故か以前観た作品のリメイク作品があったんだと、勘違いしてレンタルしてきたんですが、前に観た映画でした。あれー?

でも、面白いから何度見てもいいんですけどねw

 

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あらすじと概要

ディズニーピクサー制作配給のフルCGアニメーション映画。
特殊な能力を持つヒーロー、Mr.インクレディブルファミリーの活躍を描く。

2004年度のアカデミー賞 長編アニメ映画賞など、多くの賞を受賞した。

かつて世界の平和を守っていたスーパーヒーローたち。しかし、ある事をきっかけに世間から非難の声が上がり、結果彼らは全員引退するハメに。
そして世間には正体を隠し「一般人」として生活するようになる。

それから三年。Mr. インクレディブルこと、ボブ・パー(クレイグ・T・ネルソン/三浦 友和)の勤めている保険会社の上司は顧客よりも会社の利益を優先し、彼はそのことに大きなストレスを抱えていた。
また、元ヒーローイラスティガールこと妻ヘレン(ホリー・ハンター/黒木 瞳)との間に出来た二人の子供も、世間に能力を隠すことにコンプレックスやストレスを感じ、一家は歯車が噛み合わない日々。

そんなある日、上司に暴力をふるって会社をクビになってしまったボブの元に、謎の女性ミラージュ(エリザベス・ペーニャ/渡辺 美佐)からMr.インクレディブルとしての仕事を依頼される。

監督は『アイアン・ジャイアント』『レミーのおいしいレストラン』のブラッド・バード

 

感想

初見だと思ったら僕の勘違いで、二回目の鑑賞だった本作Mr.インクレディブル』ですが、やっぱり面白いんですよねー。
もちろん僕がヒーロー映画が好きというのもあるんですが、本作には他のディズニー・ピクサー映画にならぼやかすリアリティーや毒っ気がそのまま入っていて、むしろ子供より大人の方が楽しめる作品になってるような気がします。

主人公は疲れたおっさん

本作の主人公は、元スーパーヒーローでしたが、ある事をキッカケに引退、今は保険会社に勤めています。
顧客の話を聞いて、保険が適用できるかを判断する部署で勤めているものの、元ヒーローなので困っている人を見逃せずについつい査定が甘くなり、上司に呼び出されれてはネチネチ小言を言われる日々。

人気絶頂のヒーローだった時に結婚した、イラスティガールこと妻のヘレンは三人の子供たちの子育てに追われ、長女で思春期のヴァイオレットは親譲りの能力がコンプレックスでひどく消極的になり、弟のダッシェルは能力がバレる事を恐れた両親にスポーツを禁止されたストレスからイタズラをして、ヘレンは度々学校に呼び出される始末。

本作は、そんな歯車が噛み合わなくなっている家族が、ある事件を経験し家族の絆を取り戻す物語でもあり、過去の栄光に縛られ今の幸せに気づけない、中年男の自分探しの物語でもあります。

母は強く賢い

このインクレディブルファミリーで唯一、現状を受け入れて順応しているのがボブの妻ヘレン。
彼女の正体は体が自由に伸縮みするスーパーヒロイン、イラスティガールなんですが、過去の栄光やプライドに縋る旦那とは違い、現状をしっかり受け入れて「家族」を守る為に専業主婦として家事に子育てに日々頑張っています。
ヒーロー時代が忘れられず、週一で警察無線を傍受しては、内緒で人助けをする旦那とは大違い。

そのくせ、ある事件に巻き込まれたインクレディブルを救出し、子供たちを守る大活躍を見せるんですから、まさに母は強しって感じです。

ヘレンは妻として母として、劇中で守るべきものをちゃんと分かってるんですよね。

つまり、本作はスーパーヒーロー物というフィルターを使いながらも、その骨格はどこにでもいる極々普通の家族の物語なわけです。

 ディズニー・ピクサーらしくない面白いさ

本作に登場する悪役、シンドロームは元々インクレディブルの大ファンで、彼の相棒になりたくてしつこく言い寄ったり、インクレディブルの邪魔をして困らせたりする少年でした。
しかし、インクレディブルの無神経な一言に深く傷ついた彼は、道を間違え、インクレディブルを倒して彼に成り代わろうとするんですね。

インクレディブルを始めとしたヒーローたちが“持つ者“なら、彼は“持たざる者“の代表です。
コイツがまた、非常にウザくて姑息で卑怯で嫌な奴にも関わらず、どこか憎めないのは特殊な能力はないのにスーパーヒーローのインクレディブルを倒す直前まで追い詰めるという目標に向かって努力をしてるからじゃないかなと。
彼は間違っているし、幼稚な動機で許されない行動に出るんですが、気持ちだけは真っ直ぐなんですよね。

そういう意味で、シンドロームはインクレディブルの合わせ鏡でもあり、そのシンドロームと対決することで、インクレディブルファミリーは成長して、一歩前に進むわけですね。

冒頭、助けられておきながらヒーローたちを訴え、結果的にヒーローたちを追い出してしまう一般市民たちの描写も含めて本作はしっかりヒーロー映画してるし、他の作品なら何かに置き換えて寓話的にぼやかす毒っ気も、そのままストレートに出しちゃうディズニー・ピクサーらしくない作品です。
でも逆に面白いんだよなーって思いました。

あと、60~70年代のスパイ映画を思わせる音楽やEDのグラフィックも個人的には大好物でしたしね。

どうやら現在、ディズニー・ピクサーで続編も製作中ということなので、そっちも楽しみです。

興味のある方は是非!