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アメコミ初の黒人ヒーロー、ついに実写映画化「ブラックパンサー」(2018)

ぷらすです。

観てきましたよーー!!
「何を?」って、もちろん昨日公開の、マーベル・シネマティック・ユニバース(以後MCU)18作目作品。『ブラックパンサー』をですよ!!!

正直、観る前はブラックスプロイテーション的な映画なのかな? なんてちょっとナメてたんですが、アメコミヒーロー映画としてはかなり踏み込んだメッセージ性を盛り込んだ奥深い作品でした!(ナメててごめん!)

まさに昨日公開されたばかりの映画なので、出来るだけネタバレしないように感想を書きますが、もしこれから本作を観に行く予定の方は、先に映画を観てからこの感想を読んでくださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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概要

マーベルのキャラクターで、国王とヒーローの顔を持つ男を主人公にしたアクション。超文明国ワカンダの国王だった父親を失ったブラックパンサーが、国の秘密を守るため世界中の敵と戦う。監督は『クリード チャンプを継ぐ男』などのライアン・クーグラー。『42 ~世界を変えた男~』などのチャドウィック・ボーズマンブラックパンサーにふんし、『それでも夜は明ける』などのルピタ・ニョンゴらが共演。(シネマトゥディより引用)

感想

ブラックパンサーとは

ブラックパンサーは1966年マーベルコミックに初登場。それまで白人ヒーローしかいなかった米国のメインストリームコミックに、世界で初めて登場した黒人のスーパーヒーローと言われています。

実写映画版では2016年公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で初登場。
この時はアフリカの小国ワカンダ王国の王子でしたが、劇中で国王である父がテロに巻き込まれて死亡。
続く本作では、王子だった主人公ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)が、国王の座と同時に、代々受け継がれる王国の守護者「ブラックパンサー」の座を受け継ぐところから物語はスタートします。

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画像出店元URL:http://eiga.com / メジャーなアメコミ初の黒人ヒーロー ブラックパンサー

ティ・チャラが収めることになったワカンダ王国とはアフリカにある架空の国で、表向き農業や牧畜が主要産業の小国ということになっているんですが、実は地球上でもっとも発展を遂げた超ウルトラハイテク都市という設定。

というのも、キャプテン・アメリカの盾にも使用されている地球上もっとも硬く不思議パワーが詰まっている“ヴィヴラニウム鉱石”の採掘量が世界一だからで、彼らは豊富なヴィヴラニウムを使って発展してきたんですね。

しかし、欧米の植民地政策によって多くのアフリカの国々や人々が搾取・奴隷化されたのを知り、ワカンダ王国は“ヴィヴラニウム鉱石”の秘密を守るため、アフリカの小国を装い、他国との接触を絶っていたのです。

そして代々の王は、王座を継承するとき、ワカンダに古くから伝わる希少なハーブによって身体能力を極限まで引き上げ、ヴィヴラニウムで作られた漆黒のバトルスーツを纏った守護者ブラックパンサーとして、ワカンダの民を守る責務を負うことになるのです。

また、他国との接触は絶っているワカンダですが、王国の秘密が外に漏れない様に世界各国にスパイを送り込み、各国の情勢を密かに把握しているんですねー。

悪役

そんな本作の悪役は、元アメリカの秘密工作員エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン

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画像出店元URL:http://eiga.com / ワカンダ乗っ取りを図るキルモンガー(マイケル・B・ジョーダン

“ある事情”からワカンダ王国の秘密を知った彼は国を乗っ取り、そのスーパーハイテクノロジーを使って白人たちに戦争を仕掛けて、地球を支配しようと画策。
その為に彼が手を組んだのは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」にも登場した武器商人のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)です。
見た目は完全にただのガハハ親父ですが、狡猾で冷酷な男ですよ。

物語は、ティ・チャラ率いるワカンダ王国vsキルモンガー&クロウvsCIAの三つ巴となり、米国オークランド、ロンドン、韓国釜山、ワカンダを股にかけて、物語は進展していくんですね。
ちなみに、オークランドは、本作の監督ライアン・クーグラーの出身地でもあります。

ライトノベル

とまぁ、この作品の内容をざっくり分かってもらったところで僕の感想なんですが、観ている最中に思ったのは「なんか登場人物の設定が若干ラノベっぽいなー」とw

彼自身は超ハイテクで裕福な国の王子で、妹のシュリ( レティーシャ・ライト)はワカンダのハイテク技術を支える天才発明家。女スパイのナキア(ルピタ・ニョンゴ)はティ・チャラの元恋人でつかず離れずの関係で実は相思相愛だし、ティ・チャラを守る近衛隊の隊長オコエ(ダナイ・グリラ)は槍一本であらゆる敵を倒す超強い女性で、ティ・チャラのお姉さん的存在なのです。

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ね? ラノベっぽいでしょ?
もし僕が翻訳担当者だったら、妹のシュリは絶対「ボクっ娘にしちゃいますねーw

テーマについて

で、本作は本国アメリカでは社会現象とも言える異例の大ヒットだそうで、評価も随分高いようです。

というか、本作自体がアメコミヒーロー映画としてはちょっと異例で、2015年公開の「クリード チャンプを継ぐ男」で、ロッキーファンだけでなく、多くの映画ファンに高い評価を受けたライアン・クーグラーが監督を務める他、多くのスタッフキャストが非白人や女性で構成されているんですね。これは、ハリウッドの、しかもこれだけのビックバジェット映画としては初めてのことらしく、今もハリウッドでは冷遇されている(らしい)マイノリティー側の人々によって制作された、初めてのビックバジェット映画なんですね。

また、多分本作を観た多くの人が、この物語に「アフリカ系アメリカ人公民権運動を連想」するんじゃないかと思います。

白人に自分たちの国の資源を奪われないよう隠しつつ、圧倒的な武力やテクノロジーを有しているにも関わらず戦争は望まない穏健派のティ・チャラは恐らくキング牧師がモデルで、その武力を持って白人を支配しようとするキルモンガーは過激派のマルコムXや過激自衛団のブラックパンサー党がモデルなんじゃないかな?

そして、この両者はそのままマーベルコミックの人気シリーズ「X-MEN」のプロフェッサーXとマグニートの関係に酷似してます。
X-MEN」も公民権運動をモチーフに、マイノリティーをミュータントという形に置き換えた作品ですからね。ただ、X-MENが時事問題をミュータントに置き換えたのに対し、本作はかなり直接的に描いてたりします。

しかし反面、他国で理不尽な目に遭う同胞たち(黒人たち)に目を瞑り「ワカンダファースト」で排他的なワカンダ王国の姿勢はトランプ政権以降の排他的なアメリカを連想させるし、キルモンガーの過激思想もまた9.11以降のアメリカと同じと言えるんじゃないかと思うんですね。

つまり、本作のワカンダ王国の姿勢やティ・チャラ、キルモンガーの思想は、アメリカの合わせ鏡になってるんじゃないかとと思うんです。

その上で、ティ・チャラ王は作中での戦いを通して王として成長。ラストの国連会議? で、ある演説を行います。

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このティ・チャラ王の演説こそが、監督やスタッフ、キャストがこの作品を通して観客に伝えたかったテーマなんですよね。

残念ポイント

とまぁ、作品のテーマやストーリーも含め、個人的には大満足な本作ですが、とはいえ100点満点とはいうわけではなく、多少の残念ポイントも。

一つは、ブラックパンサーの戦闘シーンが夜のシーンばかりで動きが見えにくかった事。(スーツも真っ黒だし)
もう一つは、ワカンダ王国やガジェットのデザイン、儀式の様子などが、いかにも「アメリカ人がイメージしたアフリカ感」だった事です。

ブラックパンサーの性質上、暗いシーンが続くのは仕方ないかもですが、出来れば明るいシーンでのスピード感溢れる戦闘シーンも観たかったし、もしかしたらデザインや儀式の様子は(僕が無知なだけで本当はリアルなのかもですが)、何かこうチグハグさを感じてしまったんですよねー。

でもまぁ、そんなのは重箱の隅をつついてるだけで、トータルで見ればエンタメ作品として十分に面白いし、観終わったあとは色々考えさせられる映画でしたねー!

あと、この作品はMCU作品の中の一作ですが、本作単体でも十分楽しむことの出来る作品したよ。

興味のある方は是非!!!

 

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