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Disney+ドラマ「ボバ・フェット」感想

ぷらすです。

実は本作はリアルタイムでずっと観ていたんですが、ずっと感想を書きそびれていて、この5月末からDisney+で「オビ=ワン・ケノービー」の配信が始まるということで、その前に本作の感想を書くことにしました。

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ボバ・フェットって何者?

ボバ・フェットは映画スター・ウォーズ(以降SW)『エピソード5/帝国の逆襲』と『エピソード6/ジェダイの帰還』に登場した(後に合成でエピソード4にもカメオ出演)ルークやハン・ソロを追い詰める最強の賞金稼ぎで、ファンの間で大人気のキャラクターの一人です。

ただ、僕の中では『エピソード6~』でのルークやハン・ソロとの戦いの中で、ソロのやみくもな攻撃でジェットパックが誤作動を起こし、船から吹っ飛んで大きな砂虫・サルラックに丸呑みにされて死ぬという。なんかこう、割と間抜けなヤツというイメージだったんですよね。

その後公開された『エピソード2/クローンの攻撃』では、“銀河最強の賞金稼ぎ”と名を馳せたジャンゴ・フェットのクローンという彼のオリジンが明らかにされたりもして、相変わらずの人気ぶりだったんですが、個人的にはそのまま忘れてしまったキャラクターだったわけです。

その後、SWのエピソード7.8.9の続三部作/シークエル・トリロジーが公開され、ほぼ同時期にDisney+で番外編「マンダロリアン」も配信。

続三部作は生みの親であるジョージ・ルーカスの手を離れ、Disneyが製作した事もあってかファンの間では大不評だったわけですが、逆に番外編のドラマシリーズ「マンダロリアン」はファンを中心に高い評価を得たんですね。

そのドラマの中に、サプライズ的にボバフェットが(しかもオリジナルキャストのテムエラ・モリソンで)登場し、ファンの度肝を抜いたんですね。

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ドラマ「ボバ・フェット」配信開始

そんな中、2021年12月29日~2022年2月9日にかけ前7話のドラマ「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」の配信が開始されるんですね。


「マンダロリアン」は観ていたものの、僕の中ではまだボバ・フェットのカッコよさがよく分かっていない状態でして、なので「まぁ、一応観ておくか」くらいのテンションだったんですね。

で、第1話。

まさかの『エピソード6~』でサルラックに丸呑みにされた直後から物語がスタートですよ!

サルサックの腹の中から何とか生還したボバでしたが、そこで意識を失ってしまい――という、『エピソード6~』~「マンダロリアン」までのボバの回想と、ジャバ・ザ・ハットの死後に領地を収める新・ダイミョウになった彼が領民から信頼を得るまでを、同時進行で描いていくという構成。
そこに彼の幼少期の回想も入ったりするので、ボバ・フェット初心者の僕にも、非常に分かりやすく彼の魅力を伝えてくれているんですね。

ボバとタスケン・レイダー

砂漠の真ん中で意識を失ったボバは、廃品回収を生業にするジャワたちによってアーマーやヘルメットなどの装備を持ち去られ、砂漠の民タスケン・レイダーたちの奴隷にされたボバですが、子供を助けたのをキッカケに徐々に認められるようになり、やがて仲間として受け入れられていくんですね。

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ジャワやタスケン・レイダーなどのキャラクターは、SWの映画正史の中では世界観を彩る蛮族の脇役でしかなく、まぁタスケン・レイダーはアナキン・スカイウォーカーが闇落ちしてダース・ベイダーになるキッカケを作ったりもしたので、悪役でもあるわけですが。

しかし、「マンダロリアン」と本作では、ジャワやタスケン・レイダーを単なる脇役ではなく、その生態であったり彼らの中のルール(常識)などディテールを深掘りすることでその魅力を再構成。それによってSW世界の魅力をより深めているんですね。

また、「マンダロリアン」はマカロニ・ウエスタンを、本作は「アラビアのロレンス」などの白人酋長ものを、SWの世界観に落とし込んでいるところも素晴らしく、続三部作が「スター・ウォーズ」そのものを作ろうとして結果失敗したのに対し、このドラマ2作はSWの世界観を描くことで、結果的にSWの精神性を再現することで成功したんですね。

そもそも、ルーカスがSWでやろうとしたのはスペースオペラであり、要は宇宙という舞台に西部劇や時代劇、冒険譚など、自分が大好きなアレコレを詰め込んだおもちゃ箱のような映画なんですよね。

本作ではタスケン・レイダーとボバの交流が物語の中心になっているんですが、ボバが長からタスケン・レイダーの武器「ガダッフィの杖」を授かる=仲間として認められるところなどは、思わずグッときてしまいましたよ。

しかし不満点も

そんな感じで個人的には非常に楽しんだドラマ「ボバ・フェット」でしたが、全てが大満足というわけではなく、正直不満点も。
それは本作だけではなく「マンダロリアン」シーズン2のラストでも感じた事なんですが。

映画正史に登場するようなメインキャラクターを登場させるより、マンドーやボバと、(深掘りした)映画脇役たちのキャラクターの魅力でラストまで突っ走って欲しいし、変にSWユニバース的な繋がりを意識したような構成にはしないで欲しいなーと。

つまり、映画正史とこのドラマシリーズはそれぞれ分けて欲しいし、マンドーのストーリーとボバのストーリーも分けて、それぞれ1本の物語にしてほしいって思うんですよね。

それぞれ主役の違う物語を変に繋げようとすることで、折角SWの呪縛から解き放たれたこのドラマ版がまた、映画正史の隙間を埋めるだけの窮屈な物語になってしまう気がするのです。

そういう意味ではこの5月から放送される「オビ=ワン・ケノービー」なんかは、ボバ・フェット以上にSWではメイン級のキャラクターなので、正直楽しみより心配の方が大きかったりするんですよね。(スタッフもマンドー&ボバとは変わるらしいしね)

映画版は仕方ないとして、このドラマ版のほうだけは自由であってほしいと思う次第です。

興味のある方は是非!