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ドラマの延長線としては100点だけど「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品で、NHKで実写ドラマ化された「岸辺露伴は動かない」の劇場版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』です。

色々あって公開時劇場では観られなかったんですが、アマプラに入っていたのでこの機会に観てみました。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの原作者・荒木飛呂彦による、実写ドラマ化もされた漫画「岸辺露伴は動かない」シリーズを映画化。フランスのルーヴル美術館を舞台に、特殊能力を持つ漫画家・岸辺露伴が「この世で最も黒く、邪悪な絵」の謎を追う。監督の渡辺一貴、脚本の小林靖子らドラマ版の制作陣が集結。露伴役の高橋一生、担当編集者・泉京香役の飯豊まりえのほか、『HOMESTAY(ホームステイ)』などの長尾謙杜、『46億年の恋』などの安藤政信、『乱暴と待機』などの美波、『LOVE LIFE』などの木村文乃らが出演する。(シネマトゥディより引用)

感想

原作の人気エピソードを満を持して実写映画化

本作の原作である「岸辺露伴は動かない」は原作者荒木飛呂彦先生の代表作「ジョジョの奇妙な冒険」Part4「ダイヤモンドは砕けない」の登場人物、漫画家の岸辺露伴を主役に展開するスピンオフ作品です。

実は僕は原作マンガの方は未読で、なので岸部露伴についてもNHKで放送されたドラマ版で知ったんですよね。

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岸部露伴はいわゆる“スタンド使い“で、マンガでは最初東方仗助の敵キャラとして登場しますが、ドラマ版ではこの“スタンド“と言う名前を使わないことで、岸部露伴が取材先で遭遇した様々な危機を、彼の機転と特殊能力(ヘブンズドア)で乗り越える、サスペンスやミステリー、ホラーテイストの作品になっているんですね。

で、本作「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」は、フランスのルーヴル美術館とフュチュロポリス社が2005年より実施してきたBD(バンド・デシネ)プロジェクトの第5弾として、2009年に発表された荒木先生のマンガが原作で、ドラマ版のキャスト・スタッフが続投する形で制作されたんですね。

ざっくりストーリー紹介

次回作は故買屋をモチーフにと考えた漫画家・岸辺露伴は、取材先の骨董店で、オークションにフランスの画家モリス・ルグランの「黒い絵」が出品される事を知るんですね。

オークションでその絵を競り落とした露伴でしたが、競売相手に強奪されてしまいます。絵は手元に戻るも、その絵の裏にはモリスによる「これはルーヴルで見た黒。後悔」の文字が。

時を同じくして、露伴は漫画家としてデビューしたばかりの頃に出会った女性・奈々瀬のことを思い出します。奈々瀬は、露伴の描く漫画に興味を示し「この世で最も黒く、邪悪な絵」の存在を教えるんですね。

露伴は「最も黒い絵」がルーヴル美術館にあると彼女が示唆していたことを思いだし、その絵を見るため同美術館へ取材に行く決意をするのだが――。というストーリー。

本作では黒い絵の秘密を探ると同時に、岸部露伴の(恐らく)初恋が描かれます。

その相手である奈々瀬役を演じるのは、大河ドラマ麒麟がくる」の 煕子役やテレビ小説「梅ちゃん先生」などで知られる木村文乃

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本作での奈々瀬役にピッタリハマっていて、ミステリアスな雰囲気がとても良かったです。

ドラマ版もそうでしたが、本シリーズの良さは基本、役者の力量によるところが大きいんですよね。

ドラマの延長線としては100点だけど

そんな感じで、「この世で最も黒く邪悪な画」正体を追うことで、初恋の人・奈々瀬の秘密にも迫っていく展開や、絵の呪いで露伴がいつも通りピンチに陥る展開など、ドラマの延長線としては(ルーブル美術館の豪華な背景も手伝って)100点満点の出来なんですが、「映画」としてどうかと聞かれれば、正直、冗長だったなーと。

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特に後半……というかラスト近くでの、黒い絵と奈々瀬の種明かしの回想シーンはぶっちゃけ説明過多だしハッキリ蛇足だと感じました。

そんなの映画を観た人は大体分かってますからね。むしろ、ある程度ぼやかして想像の余地を残す事が映画としての余韻にも繋がると思うんですよね。

事実、劇中で数か所「ここで終われば綺麗なのにな」というシーンがありましたしね。

その辺は、なんというかドラマ畑の制作人が作っている映画って感じで、ちょっともったいなく感じました。

あと、ここから先はちょっとネタバレになるので、嫌な人は読まないで欲しいんですが―――

 

 

 

露伴は“彼女”じゃなくて“彼“の子孫にした方が良かったと思うんですけど。どうでしょう?

 

 

興味のある方は是非!