ぷらすです。
今回ご紹介するのは、みんな大好きマイケル・ベイ監督最新作『アンビュランス』ですよー!
2時間16分の上映時間、どこを切り取ってもマイケル・ベイ印でしたねー。
画像御出展元URL:http://eiga.com
概要
『トランスフォーマー』シリーズなどのマイケル・ベイ監督によるカーアクション。瀕死(ひんし)の警察官を乗せた救急車を銀行強盗が逃走のためにジャックしたことで、街中を巻き込む追走劇へと発展する。人質を死なせずに警察の追跡をかわそうと奮闘する兄弟を、『エンド・オブ・ウォッチ』などのジェイク・ギレンホールと『キャンディマン』などのヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、彼らの逃走に巻き込まれた救命士を『ブラッドショット』などのエイサ・ゴンサレスが演じる。(シネマトゥディより引用)
感想
破壊王復活
マイケル・ベイといえば、スタイリッシュな映像、超ド迫力のアクション、グリングリン動きまくるカメラワーク、カラフルな色彩設計など、彼独自のセンスと撮影技法が、ファンから「マイケル・ベイ」と「Mayhem(破壊行為)」を合わせた、通称「ベイヘム」というミームになるくらい作家性の強い監督です。
特にカーアクションと爆破・破壊シーンには並々ならぬこだわりがあり、スピード感あふれる映像を撮るために地面すれすれにカメラを据え高速で走るゴーカート・通称「ベイ・ボマー」や、車と車に激突する様子を撮影するために作られた装甲車のような「ベイ・バスター」、屋根に大型のリモコン駆動の無人クレーンカメラが付いたほぼ360℃の角度で撮影できる車両「カイエン」など、迫力のある映像を撮影するため、独自の特殊車両まで開発しているんですね。
また、安価に撮影出来ることから近年どんな映画でも使われているドローン撮影も、本作ではドローンの競技パイロット世界チャンピオン、アレックス・バノーバーを起用。
ビルの屋上から壁面に沿って地面に落ちるドローンが、地面スレスレで捻って、そのままジャンプするパトカーの下を潜り抜けるという、いまだかつて誰も見たことのない、とんでもない映像を見せてくれるのです。
そんなベイですが、前作「6アンダーグラウンド」はネットフリックス配信で、自身が監督する劇場公開作は2017年の「トランスフォーマー/最後の騎士王」以来5年ぶり。
こまれでのベイ作品に比べれば低予算ながら、本作は多くのファンに破壊王・マイケル・ベイ復活を印象付けたんですね。
モブにもちゃんとキャラ付け
そんな本作の内容をざっくり説明すると、妻の手術のための保険金が下りず、しかし、手術のために何としても231,000ドルが必要なウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)は、義兄のダニー(ジェイク・ギレンホール)に借金を申し込む。
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するとダニーにフェデラル銀行から運び出される予定の3200万ドルの銀行強盗に参加させられるも計画は失敗。救急車を奪った2人は、瀕死の警官ザックと救急救命士キャム(エイザ・ゴンザレス)を乗せたまま何十台ものパトカーやヘリを相手に逃走劇を繰り広げるという物語。
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2005年製作のデンマーク映画「25ミニッツ」のリメイクながら、そこはしっかりベイ印になっていて、特に個人的に感心したのは、ダニーの強盗仲間や、キャムにスマホで手術法を教える3人の医師などのモブキャラにも、しっかりキャラ付けをしてるんですよね。
アクションと爆破と破壊ばかり取り上げられがちなベイですが、そういう細かい部分もしっかり描くことで物語に厚みを持たせているんですよね。
まぁ、そのせいで上映時間が長くなってるわけですがw
ジェイク・ギレンホールがちゃんとバカ
金に困っているウィルを銀行強盗に誘う義兄のダニー。
演じる ジェイク・ギレンホールの見た目も手伝って、一見、情に厚くデキる男っぽいんですが、実は計画が穴だらけだったり、刑事との交渉でぶち切れて怒鳴ったり。
画像御出展元URL:http://eiga.com
思えばマイケル・ベイのクライム映画って、主人公がちゃんとバカに描かれる事が多いんですよね。もちろんその方が面白いからってのもあるんでしょうが、犯罪者をバカで間抜けに描くところにマイケル・ベイの良心が垣間見えるし、やった事の分だけひどい目に遭う因果応報なところは、何気にちゃんと道徳的だったりするんですよね。
一方で手術中に目を覚ました警官のザックをウィルがぶん殴って気絶させる――みたいな不謹慎ギャグも満載なんですけけどもw
つじつまの合わなさに気づく前に
ここまで褒めると超完璧な映画っぽいですが、もちろんそんなことはなく。
映像的にもストーリー的にも「え?」「あれ?」となる部分は決して少なくありません。しかし、そうした粗にツッコミを入れる前にパトカーや車がじゃんじゃんクラッシュ・爆発し、拳銃やマシンガンを景気よく撃ちまくるド派手なシーンがやってくるので、少なくとも観ている間は気にならないし、なんだかんだエモーション描写も上手いので最後は強引に感動させられ、良いものを見た気にさせられてしまうんですよね。
ラストの親切設計
あと、本作の特徴としてエンドロールが極端に短いというのがあります。
昨今のハリウッド映画って、上映時間に比例してエンドロールもやたら長くなってるじゃないですか。
出来ればエンドロールの終わりまで観ていたいけど、こっちも膀胱の限界があるので途中でスクリーンを後にする事もしばしば。
本作の場合、上映時間は結構長めですがエンドロールをギュっとしてくれてるところに、観客の膀胱を気遣うベイのという優しさが垣間見えて、ちょっとキュンとしてしまいましたよw
興味のある方は是非!!