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溢れだす少年ジャンプ感「ヴァチカンのエクソシスト」(2023)

ぷらすです。

昨日、Amazonレンタルビデオで”ヴァチクソ”ことラッセル・クロウ主演「ヴァチカンのエクソシスト」を視聴しました。

いやー噂には聞いてましたが、噂以上に少年ジャンプしてましたねーw

というわけで、この作品に関してはほぼネタバレしても面白さが目減りすることはないと思うので、今回はネタバレありで感想です。

ネタバレいやんな方はご注意ください。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

カトリック教会の総本山ヴァチカンのチーフエクソシストとして、数多くの悪魔払いを行ったガブリエーレ・アモルト神父の回顧録を映画化。ローマ教皇からある少年の悪魔払いを依頼されたアモルト神父が、強大な悪魔に立ち向かう。監督は『オーヴァーロード』などのジュリアス・エイヴァリー。オスカー俳優のラッセル・クロウが主演を務め、『ドント・ブリーズ』などのダニエル・ゾヴァット、『セーラ 少女のめざめ』などのアレックス・エッソー、『続・荒野の用心棒』などのフランコ・ネロらが共演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

実在の人物の回顧録を映画化

本作でラッセル・クロウが演じたガブリエーレ・アモルト神父は、カトリック教会の総本山ヴァチカンのチーフエクソシストとして、数多くの悪魔払いを行ってきた実在の人物なのだそうで、本作はそんなアモルト神父の回顧録を原作に実写映画化された作品です。

同じく近年で実在の人物を主人公にしたホラー映画といえば、超常現象の調査員であり作家でもあるエド、ロレイン・ウォーレン夫妻を主人公にした「死霊館」シリーズがありますが、本作も事実に忠実に――というよりは、ヴァチカンのチーフエクソシスト・アモルト神父というキャラクターを主役にしたエンタメ映画と言う感じでした。

ザックリ物語紹介

1987年。教皇直属のチーフ・エクソシストのガブリエーレ・アモルト神父がイタリアの村で悪魔祓いを行う所から物語はスタート。

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モルト神父は青年にとり憑いた自称サタンを挑発。「本当にサタンならこの豚に憑依してみせろ」と言い、挑発に乗った悪魔が豚に入った瞬間豚を射殺します。

さらに反教皇のサリバン枢機卿らに、教会に無許可で悪魔祓いしたことを糾弾されたアモルト神父は、「あれは悪魔祓いではなく暗示を使った精神治療である」と反論。

「私は教皇直属のエクソシストだ。文句は私のボスに言え」と一括します。

この一連のシークエンスで、アモルト神父のキャラクターが分かるんですね。

そんなある日、アモルト神父は教皇から悪魔にとり憑かれた少年・ヘンリーを救くためスペインに行くよう指示され、スペインの村にある修道院を訪れるのだった――。と言う物語。

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そして、地元の若き司祭トマース・エスキベル神父とバディを組んだアモルト神父は、修道院に巣くいヘンリーや母ジュリア、姉エイミーを苦しめる悪魔と対峙するわけですが、ベテランのエクソシストと若き神父がバディを組んで悪魔と対決する流れは、1973年ウイリアム・フリードキン監督の「エクソシスト」から続く“悪魔祓い映画“の様式を受け継いでいるんですよね。

その一方で、悪魔がヘンリー少年にとり憑かれるまでの過程や、アモルト神父との対決までの流れはわりとザックリ省略。ストレスフリーにサクサクと物語が進む、いわば“今どき“な作劇になっていて、いわゆるダレ場がない代わりに主人公一家がジワジワ悪魔に侵食されていく怖さは殆ど感じませんでした。

っていうか、一応ホラージャンルの作品ではあるけど、これホラーというよりはある種の冒険譚というか、成長譚というか。

二人の神父が悪魔との対決で、過去のトラウマや後悔に付け込まれて一度は負けるけれど、互いの後悔を話すことで絆が深まり、真のバディとなって悪魔とのリベンジマッチに臨むという流れは、なんていうかメッチャ少年ジャンプ感があるなーって思いましたねー。

あとこの作品、ほぼほぼジャンプスケア(音や映像でわっ!と驚かせる例のあれ)がないし、映像的にも怖かったりグロかったりする描写がないので、(僕を含め)ホラー苦手と言う人も安心して観られるんじゃないかと思います。まぁ、それが物足りないって人もいるかもですがw

ラッセル・クロウの安心感

あと、やっぱ主演がラッセル・クロウというところも大きいです。

モルト神父がピンチに陥っても、こっちとしては「でも、ラッセル・クロウだしな」って安心して観られるんですよね。

それは例えば、シュワちゃんやスタローン、ロック様やステイサムやマブリーと同種の無敵感というか、いざとなったらフィジカルで何とか出来そうですしね。

ネットではそんな巨体のラッセル・クロウが、サーカスのクマのように小さなベスパに乗って移動する姿が可愛いと話題になってました。

しかし敵の力は強大で、最後の手段として悪魔を自分に憑依→自殺することで、自分ごと悪魔を倒そうという最終手段に出るアモルト神父を最後に助けるのが最初あんなに頼りなかったトマース神父ってのも胸アツ展開なんですよ!

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努力・友情・勝利!まさにジャンプメソッドですよ!

そこどうなん?

そんな感じで概ね楽しく観ていたのですが、劇中個人的にこれはちょっとどうなん!?って思った展開がありまして。

今回の舞台になったスペインの修道院はスペイン異端審問と関係があることが中盤で明かされるわけですが――、ざっくり言うとスペインの異端審問は悪魔にとり憑かれたエクソシストが始めた=あれは全部悪魔のせいでした―――って…………

死霊館」やないかーーい!

(。・д・)ノ)´Д`)ビシッ

悪魔のせいなら、無罪。かーーーい!

(。・д・)ノノ)´Д`)ビシッビシッ

いや、まぁそこはトマース神父の過去やアモルト神父の後悔も含めてヴァチカン=カトリックの悪行を逆説的に告発している――とも取れなくはないんだけど。

それにしても、個人的にはそれは流石に……うーん…って感じでしたねー。

ただ、それ以外は楽しく観られたのでお祓い映画好きな人にはおススメですよ。

興味のある方は是非!