今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

カイザー・ソゼは何者だ! 「ユージュアル・サスペクツ」(1996)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、日本では1995年にアメリカで公開されたサスペンス映画、『ユージュアル・サスペクツ』ですよー!

僕は恥ずかしながらこの作品を知らなかったんですが、先日ツイッターでネットのお友達から教えてもらって早速観てみたら、超面白かったです!!

ただ、ネタバレなしで感想を書くのがほぼ不可能な映画なので、今回は後半部分でネタバレしますが、多分、最初の1回目は何も情報を入れずに見たほうが絶対楽しめる作品だと思うんですね。

なので、もしまだ本作を未見で興味のある方は、是非、先に本作を観てから、この感想を読んでくださいねー!

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

船舶の炎上事故を調べていた捜査官クイヤンは尋問していたヴァーバルから奇妙な話を聞かされる。6週間前に銃器強奪事件の容疑者として集められた5人が、釈放後、協力して宝石強奪を決行。ブツをさばくためにLAの故買屋と接触した5人は、そこで新たなヤマを依頼されるが、宝石と聞かされていた獲物は麻薬で、トラブルから相手を射殺してしまう。そして恐慌状態の彼らの前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士が現れたというのだ……。(allcinema ONLINEより引用)

感想

サンペドロ港に停泊中の貨物船が大炎上し27人もの死者が出る大事件が起こり、その場にいた生き残りヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)という、体に障害を持つ男が警察に連行されます。

この事件に至る全容をヴァーバルが刑事に語るうちに、謎の全容が次第に明らかになっていくんですが、そこには思いもよらない真実が隠されているというのが本作のストーリーなんですね。
ただ、これがホントに一筋縄ではいかないというか、何重にもトラップが仕掛けられていて観終わったあとに考えているうちに「あれ? あれれれ????」ってどんどん混乱していくんですよ!

スタッフ

本作は「X-MEN」シリーズの監督としてお馴染み、ブライアン・シンガーの長編2作目の作品です。
彼は本作で一躍脚光を浴び、「X-MEN」(2000)の監督に抜擢されたんだそうですね。

そして、アカデミー賞を受賞した本作の脚本を務めたのが、トム・クルーズ主演の「アウトロー」や「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」で監督も務めたクリストファー・マッカリー。この人もやはり、本作がキッカケで活躍の幅が広がったみたいですねー。

キャスト

本作では、ガブリエル・バーンケヴィン・スペイシーベニチオ・デル・トロなど、名だたる俳優が出演しているんですが、中でも実質、主役といっても過言ではないケヴィン・スペイシーの存在感のある熱演(怪演?)は素晴らしかったですねー!

主な重要登場人物

本作で重要と思われる、主な登場人物がこちらです。

まずは事件に関わるメインの5人。

ディーン・キートンガブリエル・バーン

本作の主役。
汚職から詐欺や殺人まであらゆる悪事に手を染めてきた元警官だが、堅気に戻りレストランを経営中。

ロジャー・”ヴァーバル”・キント(ケヴィン・スペイシー

左半身不随の詐欺師で本作の“語り部
貨物船爆破事件で、唯一無傷で生き残った男。

トッド・ホックニー(ケヴィン・ポラック)

爆破のスペシャリスト

マイケル・マクマナス(スティーヴン・ボールドウィン

フェンスターと共に数々の強盗や犯罪を犯してきた根っからのワル。

フレッド・フェンスター(ベニチオ・デル・トロ

マクマナスとコンビを組むチンピラ。

 

事件を追う刑事と↑の5人の関係者。 

イーディ・フィネラン(スージー・エイミス)

キートンの恋人で、有能な弁護士。

デビッド・クイヤン(チャズ・パルミンテリ

ニューヨーク関税局特別捜査官。
警官時代のキートンとは同僚。
船舶爆破事件にキートン絡んでいると知りサンペドロまで飛んできた捜査の鬼。

ジャック・ベア(ジャンカルロ・エスポジート

FBI捜査官。
ポーランド人による麻薬密輸事件を追っていた。

ジェフリー・レイビン(ダン・ヘダヤ)

サンペドロ警察刑事。

 

事件の謎を深める登場人物。

カイザー・ソゼ(?)

もはや都市伝説と化した謎の大物ギャング。
その正体を知るものはいない。
ポーランド人ギャングと抗争したらしい。

コバヤシ(ピート・ポスルスウェイト

カイザー・ソゼに使える謎の弁護士?。

アーコシュ・コバッシュ( モーガン・ハンター)

ハンガリー人組織の下っ端で、船舶爆破事件の生き残り。
貨物船の爆発で火傷を負うが、カイザー・ソゼの顔を見ている。

アルトゥーロ・マルケス(カスチュロ・ゲッラ)

アルゼンチン組織の密告屋で脱走犯。
カイザー・ソゼの正体を知る? 男。

レッドフット(ピーター・グリーン)

ロサンゼルスのチンピラで闇取引の仲介人。

ストーリー

船舶爆破事件から始まった物語は、6週間前に銃器強奪事件の容疑者として「面通し」のために5人の前科者(ユージュアル・サスペクツ=常連の容疑者)が集められる場面に飛びます。

そしてこの事件で知り合った5人はNY警察への復讐も兼ねて、警官の汚職が絡んだ宝石強奪を実行。盗んだ宝石を金に変えるためカリフォルニアで取引相手の故買屋レッドフットに会います。

そこで、レッドフットに新たな宝石強奪をもちかけられ実行するも、ターゲットが運んでいたのは宝石ではなく麻薬で、しかも抵抗されてターゲット3人を殺害してしまうんですね。(強盗だけならターゲットも警察に言えないけど、殺人になると警察が動くのでピンチに陥る5人)

話が違うと詰め寄る彼らに、レッドフットは依頼人に会わせると言い、5人が指定された場所に行くと、そこにはコバヤシと名乗る謎の老人が。

彼は、自らを伝説のギャング、カイザー・ソゼの代理人であると説明。
彼らはそれぞれ過去に、(知らなかったとはいえ)カイザー・ソゼの計画を邪魔してしまった事を知らされ、その“借り”を返すため、カイザー・ソゼと敵対する組織の麻薬密輸船舶を爆破、乗組員を皆殺しにするよう“命令”されて前述の事件を起こした事が、ヴァーバルの回想で語られていきます。

 

というわけで、ここから先はネタバレするので、未見の方はご注意を。

 

 

 

カイザー・ソゼの正体

本作を観た人なら分かると思うんですが、この作品の中盤以降でカイザー・ソゼの正体は、ヴァーバルじゃないかと察しがつくし、ラストまで観ると「ほらやっぱり」って思いませんでしたか? 僕は思いました。

でも観終わって物語を振り返ると「あれ? あれれれ?」ってなるんですね。で、気づいたんですが、実はこの映画は表面的には、カイザー・ソゼの正体を探るミステリー形式の物語になってますが、実はカイザー・ソゼの正体はどうでもいいんですよねー。

つまり、カイザー・ソゼの正体を推理し始めた時点で、刑事たちも僕らも、ヴァーバルの術中にハメられているんです。

本作では、語り手のヴァーバルの証言(回想)を、聞き手のクイヤン捜査官(と観客)が聞く形式で物語が進みますが、そもそもクイヤンはヴァーバルではなく、警官時代に数々の犯罪を犯し、隠蔽してきたキートンの罪を立証するためにサンペドロまで来ているわけです。

つまり本来、本作の主人公は、キートンなんですが、それがいつの間にかヴァーバルの語りによってカイザー・ソゼの正体を追う物語にすり変えられてしまったんですね。

そして壁に貼られた紙やコーヒーカップの文字などから分かる、あの衝撃のラストで、ヴァーバルが語った事件の概要や、キートンら5人との関係、彼の経歴の多く(もしかしたら全部?)が、彼の作り話であることが分かります。

ヴァーバルは最初から「信頼できない語り手」だったわけです。

カイザー・ソゼという人物が実在するのかしないのか。
ソゼの正体は本当にヴァーバルなのか、コバヤシとは本当は何者なのか。
キートンは本当に死んでいるのか、もしかしたらキートン自身がカイザー・ソゼではなかったのか。

今まで観てきた物語はどこまで本当でどこから嘘なのか

物語の真実は、ラストシーンでヴァーバルが吐き出したタバコの煙みたいに霧散してうやむやになってしまいます。

で、それに気づいた瞬間に、劇中に残されたわずかな手がかりから僕らは物語の真実を探ろうと躍起になるわけで、つまりこの映画は、終わってからが本番なんですね。

そして、真実を探して2回目を観た時には、最初に観ていた物語とはその姿を変えているし、それ自体がヴァーバル……というか、本作スタッフの術中にハマっている証拠でもあるんですよね。
何故なら、いくら検証しても劇中に本当の真実があるかないかすら分からないんですから。

ホント、まんまと騙されたー! って思うんですが、あまりに綺麗に騙されすぎてムカつくどころか逆に感動してしまうのは、この虚実入り混じった物語に真実味を持って観客を引き込む、ケヴィン・スペイシーの名演と脚本の見事さ。それを見事に、そしてスタイリッシュに映像化して見せた監督ブライアン・シンガーとスタッフの手腕なんですよねー。

もう20年以上前の作品ですが、まったく古さを感じなかったし、脳みそをグラグラ揺さぶられるような名作でした!
「カイザー・ソゼ!!」

興味のある方は是非!!

 

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ダメおやじが愛する息子のためヒーローに!? 「アメリカン・ヒーロー」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのはダメ~~~~~~~~~な中年男が、愛する息子のためにヒーローになるコメディ映画『アメリカン・ヒーロー』ですよー!

ほかの作品のDVDで予告を観て「これ多分好きな映画」と思って、早速レンタルしてきました。
で、まだ新譜レンタル期間ではありますが、今回は、後半部分はネタバレありで書くので、これから観てみようという方はご注意を。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ブレイド』『ブレーキ』などのスティーヴン・ドーフが主演するSFコメディー。酒、女、ドラッグざんまいの超能力者が、息子のためにギャングに戦いを挑む。メガホンを取るのは、プロデューサーとしても活躍している『ロンドン・ヒート』などのニック・ラヴ。『アンダーカバー・ブラザー』などのエディ・グリフィン、『リベンジ・リスト』などのルイス・ダ・シルバ・Jrらが共演。ダメ男からヒーローへの過程に注目。

ストーリー:実家暮らしでまともに働こうとせず、酒と女とドラッグに溺れながら連日のようにパーティーに明け暮れているメルヴィン(スティーヴン・ドーフ)。彼は特殊なパワーを持つ能力者だが、その力を使った余興でこづかいを稼ぐ始末。別れた妻に親権を奪われて息子との対面もままならないメルヴィンは、心を入れ替えようと決意する。やがて、街のギャングが少年たちを犯罪に巻き込もうとしているのを知った彼は……。(シネマトゥディより引用)

感想

本作の内容を一言で言うなら「超スゴイ能力を持っていながら、ダメ男すぎて妻子に捨てられた中年が、愛する息子のため一念発起してヒーローになる」物語です。

この映画、僕はほかの映画のDVDで流れる予告編で知りまして。
個人的に負け犬主人公の映画が大好物なので「これは見なくては!」とレンタルしてきたんですよねー。

結果、個人的には当たりの映画だったし、多分、ヒーロー映画だと思って観てしまうと肩透かしを食らってしまうと思うんですが、(超能力を除けば)ダメだけど気のいい男の日常を描いた小さな物語として観ると、中々いい感じの物語なんじゃないかと思いましたねー。

主な登場人物

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画像出典元URL:http://eiga.com / ダメ男だけどスーパーパワーの持ち主メルヴィン

メルヴィン(スティーブン・ドーフ)
女・酒・ドラッグに溺れて実家で自堕落に暮らすダメ中年。
ダメすぎて裁判で一人息子との面会を禁止されているが、実は念じるだけで何でも好きなように動かせるサイコキネシス能力を持っている。

 

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画像出典元URL:http://eiga.com / 口は悪いけどメルヴィンを心配してるルシール(左)

ルシール(エディ・グリフィン)
メルヴィンの親友。
口は悪いがいつもメルヴィンを心配している親友。
イラク戦争に従軍し、敵の銃弾で下半身不随になり車椅子生活。

 

ドリーン(キーナ・ファーグソン)
メルビンの元妻。息子の親権をもち、メルビンと息子の面会を禁じている。

 

ルーカス(ヨハンス・マイラス)
メルヴィンの友達。
地元高校の数学教師で長年メルヴィンの能力を調べている。

 

ネイソン
地元を牛耳るギャングのボス。
平気で人殺しや子供にもドラッグを売る非情な男。

 

メルヴィンは12歳の頃に両親が離婚し、以来、貧困地域に暮らしているので、基本メルヴィン・妹・母親以外の住人はほぼ全員黒人です。

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画像出典元URL:http://eiga.com / せっかくの能力も使い道が分からず見世物に

30を過ぎても実家暮らしで、定職も持たず(自分の能力を使って大道芸でマジックショーをしてる)自堕落な生活をしている彼ですが、街の住人たちはほぼ顔見知りで、人柄の良さからかメルヴィンはわりと人気者なんですよねー。
しかし、彼は離婚調停の結果、愛する息子に会えないのが寂しくて仕方ないんですね。

そんな寂しさを紛らわせるかのように、過剰摂取していた頭痛薬・ドラッグ・酒が祟り、極度の心不全で倒れたのをキッカケに「自分を変えたい」と一念発起。
酒もドラッグもやめて、身体と能力制御のトレーニングを始めます。

そんなある日、ギャングのネイサンが自分の息子の友達(小学生)にドラッグを売りつけているのを見つけたメルヴィンは……。という物語。

こんなふうに書くと、クライマックスで能力を使った大バトルが……なんて思うかもですが、なんせ制作費が日本円で一億ちょっとという、アメリカ映画としてはかなり低予算映画なので、そんなに大したことは起こりません。(相手も地元のチンピラだし)

本作の肝はアクションではなく、メルヴィンと友人や家族との関わりや、「負け犬が立ち上がり小さな成功を掴む」という人間ドラマですからねー。

というわけで、ここからネタバレしていきますよ!

 

 

インタビュー形式

本作ではちょいちょい、メルヴィンを取り巻く人びとがインタビューで、彼の人となりを語るシーンが挿入さる半モキュメンタリー形式で進みます。
このインタビューで、メルヴィンが街の人びとや友人に好かれる理由が分かるし、本人の気持ちも分かる作りになってるんですね。

メルヴィンは2005年のハリケーンカトリーナの時に、その能力(テレキネシス)で、知り合いを救っていたり、従軍で車椅子生活になり奥さんに捨てられ傷ついたルシールを家に住まわせたりしてるんですね。
劇中でもルシールの恋の手助けに一役買ったりもしています。

つまり、メルヴィンは自堕落でどうしようもない男ですが善人で気のイイやつで、だからこそ街の人たちは彼のことを好いているし心配もしてるんだと思うんですね。

能力と代償

これもハッキリとは語られてないので間違ってるかもですが、どうもメルヴィンの能力は彼の感情の起伏と直結しているようで、つまり怒りや悲しみなど強い感情によって、能力が暴走してしまうのではないかと思うんですよね。

で、彼の能力は魔法の便利アイテムではなく、使う力が大きければ大きいほど身体にかかる負担も大きく、メルヴィンは頭痛や心臓が弱るなどの副作用が出るようです。

だから彼は、能力が暴走しないよう感情をある程度フラットに抑えるために、酒やドラッグに頼っていたのではないかと思ったりするんですね。

また、彼の父親が家族を捨てた原因も、多分メルヴィンの能力が原因だと思うし、もしかしたら奥さんとの離婚も彼の能力が関わってるかもしれません。

つまり彼にとって超能力は、彼の人生の大半を不幸にしてきた呪いのようなものだったんじゃないかと思うんですね。

しかし、不摂生からの心肺停止を経験した彼は、人生を変えようと酒やドラッグに逃げることをやめ、次第に前向きになっていきます。
そんなある日、下校中の息子を物陰からそっと見守っていると、息子の友達にネイサンの手下がドラッグを売っているのを目撃。
怒ったメルヴィンは能力を使って、ネイサンに「子供達を傷つけないように」と脅します。ところが、それに怒ったネイサンは報復としてメルヴィンの親友ルシールを銃撃、怪我を負わせるんですね。

で、それが原因で、ルシールや他の友人にも避けられるようになったメルヴィンの怒りと自己嫌悪がないまぜになった感情は暴走寸前で、近くの建物を壊してしまうほど。

しかも、さらに友人を狙われたメルヴィンは、ついにネイサンのアジトに乗り込み…という展開になっていくんですねー。

ただ、これはメルヴィンの個人の復讐(リベンジ)ではなく、ネイサンから家族や友人を守るための復讐(アベンジ)で、だからタイトルが「アメリカン・ヒーロー」なんだと思うんですよね。

アメリカン・ヒーローは常にアベンジの為に戦っているので。

深読みしすぎかなー?w

もしもキリストがダメ男だったら

本作を観た人なら分かると思いますが、この作品が聖書が元ネタにした物語なのは明白ですよね。
メルヴィンが数々の「奇跡」を起こしたり心停止から回復するのは、あからさまにキリスト復活のメタファーですしね。

つまり、本作は「もしも現代アメリカにキリストが現れたら」という物語です。

まぁ、本作のキリスト(メルヴィン)は、死ぬほど徳が低くて自堕落でどうしようもないダメ男ですけどもw

 

ネットレビューを見ると、本作はわりと酷評が多くて、映画的欠点については確かにその通りって思う部分も多いんですが、個人的には嫌いになれない作品でした。

興味のある方は是非!

 

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元ジブリの作画監督が描くロードレースの世界「茄子 アンダルシアの夏」(2003) 「茄子 スーツケースの渡り鳥」(2007)OVA

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、黒田硫黄原作の短編漫画集「茄子」に収録された「アンダルシアの夏」「スーツケースの渡り鳥」を、元ジブリ作画監督でアニメ界きってのサイクリストでもある高坂希太郎が、監督・脚本・キャラクターデザイン・作画監督を務めてアニメ化した同名作品、『茄子 アンダルシアの夏』と続編『茄子 スーツケースの渡り鳥』ですよー!

「~アンダルシア」の方は公開当時観たんですが、「~スーツケース」の方は出てたことに気づかず、ツイッターの紹介で知り「だったら、両作一緒に観てしまえ!」と今回レンタルしました。

というわけで、今回は2本一気に感想を書きますよー!

 

茄子 アンダルシアの夏 (2003)

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あらすじと概要

スペイン・アンダルシア地方。そこでは現在、世界3大自転車レースの1つ“ブエルタ・ア・エスパーニャ”が行われていた。ペペはチームの一員としてこのレースに参加していたが、その最中にスポンサーから解雇通告を受けてしまう。やがてレースは彼が生まれ育った村にさしかかった。その頃、村の教会ではペペの兄アンヘルとぺぺのかつての恋人カルメンの結婚式が行われていた。ぺぺの心にこれまでの人生が駆け巡る。それを振り払うようにひたすらペダルを漕ぐペペ。そんな時、突然黒いネコが道に飛び出し、レースは思わぬ展開をみせるのだった…。(allcinema ONLINEより引用)

感想

実は本作の公開当時、僕はてっきりジブリ作品だと思ってました。(制作はマッドハウス
キャラがいかにもジブリだったし、ワイドショーの紹介でもジブリというワードが多かったからだった気がします。
それもその筈で、監督の高坂希太郎は「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」といったスタジオジブリ作品で作画監督を務めていて、宮崎駿の右腕と呼ばれたアニメーターだったんですね。

同時に、アニメ界きってのサイクリストでもあり、自転車ロードレースにも造形が深い香坂氏だけに、今回改めて観直してみると、ロードレースの駆け引きや迫力、緊迫感や臨場感が伝わってくる熱い作品でしたねー!

ロードレース終盤 47分をリアルタイムで体感!

僕のロードレースの知識は「弱虫ペダル」だけだったので、本作の感想を書くにあたってネットで調べてみたんですが、1チーム9人編成で、8人のアシストが、風よけになったり、他のチームを牽制したり、勝負を仕掛け攪乱したり。そんな駆け引きを繰り広げながら、エースをゴールに運ぶチームスポーツなんですね。

面白いのは、勝負に勝つために敵のチームの選手と協力することもあるってところ。

本作の主人公ぺぺは、普段脚光を浴びないそんなアシストの1人なんですが、地元スペイン開催の自転車ロードレース「ヴェルタ・ア・エスパーニャ」参戦中に、所属するチームの不振を彼のせいにされ、レース中に解雇の危機に立たされます。
しかし、あるアクシデントから、急遽エースとして勝負を任されることになるという物語なんですね。

しかも、その日は兄の結婚式で、相手はペペが兵役中(スペインは2001年まで徴兵制があった)兄に取られた元カノで、灼熱のスペインでのトップ争いと、ペペの故郷や家族への愛蔵入り混じる複雑な思いを同時並行で描いていくのです。

そんな本作で圧巻なのは、なんといってもロードレースの描写で、空撮カットやギアチェンジのディテール、監督と選手の無線でのやりとり、強風での陣形、ロードレーサー(競技用自転車)のスピード感などなど、ロードレースの面白さを47分という短い時間にギュッと詰め込んで、(僕を含め)ロードレースを知らない人にも、臨場感や興奮が伝わる作りになっているところ!
ラストのゴール争いは、観ているこっちも思わず体に力が入ってしまいました!

 

茄子 スーツケースの渡り鳥 (2007)*OVA

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あらすじと概要

黒田硫黄の漫画『茄子』の短編『スーツケースの渡り鳥』を原作としたサイクルロードレースアニメ。2003年に劇場公開された『茄子 アンダルシアの夏』の続編にして、日本アニメとして初めてカンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されている。“ヴェルタ・ア・エスパーニャ”の最終日前日に国民的英雄レーサーのマルコ・ロンダーニが自殺……。ぺぺのチームメイトのチョッチは同郷レーサーの死から、レーサーとしての生活に疑問を感じはじめるのだった。来年でチームがなくなってしまうパオパオビールだが、ジャパンカップの舞台・宇都宮は地元の応援で盛り上がる。そのレース前日、チョッチは引退をぺぺに告白。ぺぺは勝つために生きていると聞こうとしない。チーム・パオパオはレースに勝つことができるのだろうか?(allcinema ONLINE より引用)

感想

そんな前作から4年。
続編としてOVAで発表されたのが、続編となる本作「茄子 スーツケースの渡り鳥」です。日本では劇場公開されなかったものの、日本アニメとして初めてカンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されたそうですよ。

本作は毎年10月に栃木県宇都宮市森林公園周回コースで2日間にわたり開催される開催されている「ジャパンカップサイクルロードレース」が舞台で、前作とは真逆で大雨の中で、日本らしいテクニカルなコースを10周するレースなんですね。

本作では、前作の主人公ぺぺはアシストに回り、チームメイトでイタリア人のチョッチが実質的な主人公になってましたねー。

夢を手に入れた男と、夢に届かない男の物語

本作では冒頭、ぺぺのレースシーンから物語はスタートします。
街中を猛スピードで疾走するぺぺの後ろをサポートカーで追いながら「ベンガベンガ」言ってるのは、ぺぺ役の大泉洋が出演してる北海道テレビの深夜番組「水曜どうでしょう」のデレクター藤村忠寿さん、運転手はカメラマンの嬉野雅道さんです。

そういえば、ジブリ内で「水曜どうでしょう」が流行って、その縁で大泉くんが「千と千尋の神隠し」に出演することになったんだっけw

まぁ、それは置いておいて。

そんなレースの様子とオーバーラップするように、イタリアの国民的英雄レーサーのマルコ・ロンダーニが自殺していたことが分かるようになってます。(モデルはマルコ・パンターニ?)

マルコと同郷で、彼を慕っていたぺぺのチームメイト チョッチは彼の死にショックを受け、また自分のレーサーとしての人生に疑問と葛藤を抱きながら、ジャパンカップに挑むという物語なんですね。

チョッチにとってマルコは同業ではあるものの大スターの『持つ者』で、チョッチ自身はその他大勢の『持たざる者』。なのに自分が望む物を全て手に入れたマルコが自ら死を選んだことに彼は怒りを感じているし、同時に『持たざる』自分がいつまでもレースにしがみついたところで将来何も残らないのではと悩むわけです。

そして本作ではもう一人の重要人物ザンコーニという選手も登場します。
彼もまた過去に世界選手権やジロ・デ・イタリアを制した名選手で『持つ者』なんですね。

本作では、ジャパンカップのレースを通して、ペペとチョッチ、マルコとザンコーニがそれぞれ対比として描かれていて、『持つ者』『持たざる者』が夢を追い続けることに対する、彼らそれぞれの「答え」を描いていると思ったし、これってスポーツだけの話ではなく、あらゆる人が感じる普遍的な物語なんですよね。

で、本作でもレースシーンの描写は迫力満点ですが、前作に比べるとドラマ部分に重点が置かれている分、若干控えめな印象を受けましたねー。

あと、前作でバルの亭主と息子として登場したエルナンデスとフランキーが、なんの説明もなく寺の住職と息子して登場してるんですが、これはいかがなものかと。

多分、ファンサービス的なノリなんでしょうけど、日本の寺の住職なのに(劇中では出ないですが)役名はそのままなので観てて混乱したし、もし彼らが日本人だとしたら外国人のペペたちと普通に会話してるのは変じゃない? っていうノイズにもなっちゃうんですよね。

まぁ、それ自体は物語に直接影響しないし、些細なことではあるんですが。

あと、ペペのキャラデザがルパンっぽいなーって思いましたw

 

ともあれ、日本ではマイナースポーツであるロードレースの世界を体感出来る貴重なアニメなのは間違いないし、変に説明過多にしないで登場人物の心情やテーマを物語の流れとセリフ、絵で見せていく演出は映画的で個人的に好感が持てました。

両作合わせても101分しかない短い作品なので、映画を一本観たつもりで両作を一気に観てみるのも面白いかもしれませんね。

興味のある方は是非!!

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マーベルヒーロー最強タッグ+1が大暴れ「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』シリーズ17作品目で「マイティ・ソー」シリーズとしては3作目の『マイティ・ソー バトルロイヤル』ですよー!
全国公開の11月3日から3日遅れで、劇場まで観に行ってきましたー!

アベンジャーズメンバーが勢ぞろいした「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にはいなかったマイティー・ソーとハルクがメインとなる作品。
マーベルヒーロー随一の肉体派2人が大暴れするカラッと楽しい作品でしたよー!

ちなみに、今回は劇場公開から間がない作品ですが、後半の方は少しネタバレしますので、ご注意くださいねー。

いいですね? 注意しましたよ?

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

アベンジャーズ』の一員であるソーを、クリス・ヘムズワースが演じたアクションシリーズの第3弾。ソーのハンマーを破壊するほどの力を持つ敵が登場し、宇宙の果ての星でとらわれの身となったソーが戦う姿を活写する。クリスやロキ役のトム・ヒドルストンに加え、ヘラ役で『ブルージャスミン』などのケイト・ブランシェットが出演。『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』などのタイカ・ワイティティが監督を務める。

 ストーリーアベンジャーズのメンバーであるソー(クリス・ヘムズワース)の前に、邪悪な敵ヘラ(ケイト・ブランシェット)が出現する。ヘラはソーの武器ムジョルニアを破壊し、ソーを宇宙の果てへと飛ばしてしまう。とらわれの身となったソーは、脱出を懸けてチャンピオンと対決することになり、彼の前に現れたのは……。(シネマトゥデイ より引用)

感想

アベンジャーズ」ならぬ「リベンジャーズ」一作目!?

マーベルヒーロー随一の脳筋バカ王子・雷神ソーと、怒りでハルク化すると脳が筋肉に支配されてしまうブルース・バナー(マーク・ラファロ)の二人。
マーベルヒーローが勢ぞろいした「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」には不参加だったもののマーベル「最強」の呼び声高い二人と、頭はいいけどいつも悪巧みが失敗する詰めの甘さが憎めない、ソーの義弟で裏切り王子のロキトム・ヒドルストン)。

そして今回初登場の王を守る元女戦士で飲ん兵衛女子のヴァルキリー(テッサ・トンプソン)も加わった4人が、「アベンジャーズ」ならぬ、チーム「リベンジャーズ」を組んで最強の的ヘラ(ケイト・ブランシェット)と戦う本作。

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マーベルらしい、笑いとアクションがてんこ盛りの、カラッと楽しい作品でした!

「マイティー・ソー」シリーズについて

最強のハンマー「ムジョルニア」を振り回して敵をやっつけるソーは、北欧神話をモデルにしたマーベルヒーロー

別次元にある星「アスガルド」の王子で超強いけど、基本脳筋バカなのであまり難しいことは考えられません。

第1作「マイティ・ソー」(11)では、そんな脳筋っぷりがパパのオーディンアンソニー・ホプキンス)の怒りを買って地球に追放されたり、天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)とラブラブになったり、義弟ロキと対決したり。

続く第2作「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(14)では、突如地球の重力が乱れたり、恋人ジェーンが「ダークエルフ」に遭遇してうっかりその力を取り込んでしまったり、ソーがアスガルドにジェーンを連れて行ったり、ダークエルフの支配者マレキス(クリストファー・エクルストン)がジェーンを狙ったり、マキレスと戦うためにロキと手を組んだり、ロキが死んだり。

そして、シリーズ第3弾となる本作では、世界の終末「ラグナロク」を引き起こそうとする魔人スルトを倒したソーが、久しぶりにアスガルドに里帰りしたら死んだはずのロキがオーディンに化けてアスガルドを手に入れてて、自分の銅像を建てたり、自分が主人公の劇を楽しんだりとこの世の春を謳歌してるっていう所から、物語はスタートします。

で、ロキが地球の老人ホームにぶち込んだパパを兄弟二人で迎えに行ったら、「わし、もう寿命だから。わしが死んだら最強の敵ヘラが復活しちゃうから。あとよろしく」(意訳)とか言って、死んでしまうんですね。

その予言通りオーディンの死の直後、死の女神ヘラ(ケイト・ブランシェット)が復活。
ソーがっ無敵ハンマーのムジョルニアで攻撃するも超怪力のヘラにぶっ壊されて、二人は宇宙の彼方に吹っ飛ばされてしまいます。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ビフォア

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画像出典元URL:http://eiga.com / アフター

で、そこで地下格闘技上の絶対王者になってたハルク、元王様専属の女兵士ヴァルキリー合流。

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヘラに吹っ飛ばされた辺境の星で格闘王になってたハルク

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画像出典元URL:http://eiga.com / ヴァルキリーを演じるのは「クリード チャンプを継ぐ男」でヒロインを演じたテッサ・トンプソン


ヘラからアスガルドを取り戻すため、4人はチーム「リベンジャーズ」を結成し戦いを挑むという物語です。

監督について

本作の監督はタイカ・ワイティティ
ニュージーランド生まれで、コメディアンに俳優、画家、写真家など様々な顔を持っていて、ニュージーランド在住の吸血鬼たちの日常を描いた「シャア・ハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(2015)の監督です。

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あと、彼が監督したニュージーランド航空の機内安全ビデオ「壮大すぎる機内安全ビデオ」は「ロード・オブ・ザ・リング」をオマージュして日本でも話題になりました。

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今年公開されたディズニーアニメ「モアナと伝説の海」では、脚本としても参加していたそうですよ。

ぶっちゃけ、日本だけでなく世界的にも無名監督ではありますが、コメディアン出身ならではのオフビートな笑いのセンスは本作でも存分に発揮されてましたねー。

こういう、リスクを恐れずに、作品のトーンに合わせて無名監督でもバンバン起用するところが、マーベルの強みなんですよねー。

 

ここからはネタバレするので、本作をまだ観てない人はご注意を。

 

 

浅野忠信

実は「マイティ・ソー」シリーズには、ソーの仲間役で浅野忠信が出演しています。
でも「あれ? 浅野忠信って前作で死んだんじゃなかったっけ??」とか思っているうちに、サクッとヘラに殺されてしまいましたよ。(´・ω・`)ザンネン…

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画像出典元URL:http://eiga.com / サクッと登場しサクッと死んでしまう浅野忠信

ロキが可愛すぎた!

「マイティー・ソー」「アベンジャーズ」では、策謀を巡らせてソーやアベンジャーズメンバーを窮地に陥れつつも、詰めの甘さからいつも最後は失敗したり、ハルクにボコられたりと、どうにも憎めないドジっ子のロキ

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画像出典元URL:http://eiga.com

そんな彼は、マーベル女子の間では人気ナンバー1の萌えキャラだったりします。本作では、そんなロキのキュートな魅力が大爆発。

前述したように、前作で死んだと見せかけて(前作ラストで実は生きてた事が分かりますが)義父のオーディンを地球の老人ホームにぶち込んで成りすまし、アスガルド銅像を建てたり、自分が主人公の悲劇を演じさせて悦に入ってたり。

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画像出典元URL:http://eiga.com  / パパを迎えに行ったら老人ホームが潰れてて呆然とする兄弟の図

NYでは、地球の魔術師ドクター・ストレンジ30分も“落とされ”続けたり。

ソーと一緒にふっ飛ばされた辺境の惑星サカールでは、するっと支配者のグランドマスターに取り入って仲良くなって、ソーが闘技場で戦うのをVIP席で楽しもうとしたら、ソーの相手が昔ボコられたハルクでヒー! ((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタ ってなったり。

結局、アスガルド星が崩壊し、ソーやアスガルドの民と地球に向かう宇宙船の中で「私、色々やらかしてるけど地球に行っても大丈夫かな(・ω・`)」(意訳)と心配したり。

本作ではコメディーリリーフとしての魅力を存分に発揮してましたねー。

ハルクとソー

サカールの闘技場で奴隷として闘うハメになったハルクとソー。
地球では、対策として専用アイアンマンスーツが作られるくらい最強のハルクですが、対するソーも地球では神レベルの強さなので二人の実力はほぼ互角。

っていうか、何故ハルクがこの星にいるのかと思ったら、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の時、「地球に嫌われている」と絶望したブルースは、クインジェットで失踪。

この星に流れ着き、闘技場の王者として2年を過ごしていたらしいです。
2年の間ずっとハルクのまま過ごしていたせいか、カタコトながら普通に会話出来るようになってましたよ。

そんな彼は、サカール脱出のために乗り込んだクインジェットで、結局密かに想いを寄せているブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)のビデオメッセージでブルースに戻るんですね。

それでも気持ちが不安定になって、ハルク化してしまいそうになるブルースを落ち着かせようと、「~エイジ・オブ・ウルトロン」でブラック・ウィドウがやっていた「日は沈む」と言いながら背中を摩る件を、ソーがやるというギャグもあったり。

あと、ソーがハルクのチ〇コの大きさに驚いたり、ブルースがズボンがきつくてずっとチ〇ポジ直したりするシーンも。

キャラクターの性質上、性格も物語も暗くなりがちなブルース・バナー/ハルクですが、本作ではこれまでになかったコメディー全開な感じで、演じてるマーク・ラファロもノリノリでしたねー。

そんな笑いをガンガン挟みながらも、いざ二人が手を組んで戦えば無敵のチート状態で、ドッカンドッカン敵をやっつけていくんですよねー!(*゚∀゚)=3

あの大物俳優も登場!?

本作では、記憶喪失の元CIAエージェントでお馴染みの、あの大物俳優が前述したロキの悲劇でロキ役を演じる役者としてカメオ出演してたりします。
っていうか出番そこだけって、無駄遣いにも程があるwww
ちなみに、ソーを演じてるのは、クリス・ヘムズワースの実の兄、 ルーク・ヘムズワースなんだとか。 なんかいろいろ遊んでますねーw

音楽

本作で主人公のソーが戦うシーンで流れるのが、レッド・ツェッペリンの「移民の歌」北欧の神様が元ネタの「マイティ・ソー」にはピッタリの選曲だし、♪ジャンジャカジャカジャカ「アアア~~~~ッアー!」と例のフレーズに乗って、ハルク・ロキ・ソー・ヴァルキリーが敵の大軍相手に大暴れするクライマックスは大いに盛り上がりましたよー!!(;゚∀゚)=3ハァハァ

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画像出典元URL:http://eiga.com / 「移民の歌」に乗って、ソー覚醒!

新「アベンジャーズ」に向けての最重要作品!?

本作と来年1月に公開される『ブラックパンサー』は、来年4月公開のシリーズ最新作『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』に繋がる重要な作品らしいです。

本作に登場する惑星サカールの支配者、グランドマスターは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(14)に登場するコレクターの兄弟らしく、続編「~リミックス」のラストでチョコっとだけ登場してましたね。

つまりアベンジャーズ」「リベンジャーズ」「ガーディアンズ」の3チームが本作と『ブラックパンサー』を経てアベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』に大集合って事なんでしょうねー!(;゚∀゚)=3ハァハァ

 

とはいえ、ここまでシリーズが進んでしまうと最早、一見さんお断り状態になってしまってて、本作も単体作品として見るには正直ツライ感じもあるんですよね。
一応、各キャラクターやここまでの流れは何となく分かるように配慮はされていますけど、“ちゃんと知りたい人”には、よく分からないシーンも多いかもです。

実際僕も、前作の内容がうろ覚えだったので、何度か「あれ?」となってしまう部分もありましたしねw

ただ、そういうMCUの流れみたいのは度外視して、アクションコメディーとして何となく楽しむにはいい感じの作品だし、この作品で興味を持ったらシリーズを遡る「入口」としても丁度いいのかもしれません。

逆に、ずっとシリーズを追いかけているファンにとっては見逃せない作品でもあるので、是非是非、スクリーンの大画面で、彼らの活躍を観て欲しいですねー!(DVD化を待ってたら「~インフィニティ・ウォー」に間に合わないですしね!)

興味のある方は是非!!!

 

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物足りなさが残るパート3「ラッシュアワー3」(2007)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは前回の記事で感想を書いた「ラッシュアワー2」の続編『ラッシュアワー』ですよー!

前回のラストは、次の舞台はNY!? と匂わせる終わり方でしたが、なんと本作の舞台はパリでした。そしてなんと、本作では真田広之工藤夕貴という日本人キャストがメイン級の配役で登場してましたよ。(*゚∀゚)=3

ただ、率直に言うと、前作・前々作に比べて物足りなさの残る作品でしたねー。

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ジャッキー・チェンクリス・タッカーの異色刑事コンビが、過激なアクションとマシンガン・トークで大暴れする大ヒットシリーズ第3弾。花の都パリを舞台に、中国マフィアと壮絶な死闘を繰り広げる。2人の脇を固めるのは、スウェーデンの名優マックス・フォン・シドーロマン・ポランスキー監督など多彩な顔ぶれがそろった。今や国際的に活躍する真田広之が最強の悪役を演じ、エッフェル塔でのジャッキーVS真田のアクション対決は必見。

ストーリー:在米香港領事館の大使が、中国マフィア“シャイシェン”の存在を突き止めたために狙撃される。一命をとりとめた大使と娘を守るかたわら、シャイシェンを追跡することになったリー捜査官(ジャッキー・チェン)とカーター刑事(クリス・タッカー)。事件を解く鍵がフランスにあることを突き止めた2人は、パリへ飛ぶが……。(シネマトゥディより引用)

感想

前作でシークレットサービス・イザベラの後を置ってジャッキーがNYへと飛び立つところで終了したので「ははーん、次の舞台はNYか」と思ったら、本作の舞台はパリでした

まぁ、前作から6年も空いちゃうと色々ありますよねー。

ざっくりストーリー解説

前作から三年、色々やらかしたせいか、カーター(クリス・タッカー)が刑事から交通整理係として働いているところから物語はスタート。

一方リー(ジャッキー・チェン)は、ハン大使の警護として国際刑事法廷のシンポジウム会場に向かっています。
この時、カーターとリーの電話で、リーがイザベラにフラれた事が分かるんですねー。

で、シンポジウムでハン大使がスピーチ。
今まで謎だった中国人マフィア組織「三合会(Triads)」のボス・シャイシェンの存在を明らかにしようとした瞬間、彼は凶弾に倒れてしまいます。

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画像出典元URL:https://movies.yahoo.co.jp

逃げる狙撃犯の姿を目撃し追うジャッキーでしたが、路地に犯人を追い詰めたリーですが、その正体は、ジャッキーが孤児院で兄弟のように仲の良かったケンジ(真田広之)で、動揺したリーは彼を取り逃がしてしまうんですね。

幸いハン大使は一命を取り留めたものの、リーとカーターは病院でハンの娘スー・ヤン(チャン・ジンチュー)の命が狙われることを知ります。

それを阻止&犯行壊滅のため、二人は手がかりを元に一路パリへ飛ぶのだが……という物語。

前作では敵のラスボスが殺された父親の仇だったリーですが、今回はなんと、実はリーが孤児で死んだ父は彼を孤児院から引き取った養父だったことが明らかになるんです。が、正直……
また、なんの前振りもなく後付け設定かよ! って思いましたねー

リーよ、お前どれだけ秘密の過去があるのかとw

真田広之工藤夕貴、そして…。

で、本作には真田広之工藤夕貴の二人が登場。
真田広之はジャッキー演じるリー最強の敵として、クライマックスではエッフェル塔の上でアクションを繰り広げます。工藤夕貴も組織の女アサシンとして、ジャッキーやクリス・タッカー相手にアクションを繰り広げてましたよ。

ハリウッド映画で、日本人キャストがメイン級の扱いで登場するのは、日本人的には嬉しいところ。

まぁ、ケンジとリーの会話シーンでジャッキーが日本語を話すところは、超シリアスなのにちょっと笑っちゃうんですけどね。(いや、ジャッキーは頑張ってましたよ!)
あれ、会話は全部英語の方が良かったんじゃないかなー

あと、リーとカーターのお尻に指を突っ込んでラストでぶん殴られるレヴィ警視役で、色々あってアメリカには入国できないでお馴染みの巨匠、ロマン・ポランスキー監督も出演してます。
ホント、なんで、この役を受けたのかと

物足りなさが残るストーリー

ただ、前作・前々作では、リーとカーターの凸凹コンビが、対立したりすれ違いながらも最後にはコンビネーションで事件を解決する展開だったのに、本作ではリーとケンジの対決が主軸になる分、相棒のカーターが蚊帳の外に置かれてる感じがしましたねー。

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画像出典元URL:https://movies.yahoo.co.jp

もちろんふたりの絡みはあるものの、コンビネーションプレイはあまりないし、コメディーシーンでの絡みも前作に比べるとアッサリめというか。

ストーリーの方も(前作・前々作でもあった)投げっぱなしな部分が目立ってしまってスッキリしないし、特にラストのエッフェル塔の対決では、人質に取られた大使の娘スー・ヤンを救いつつ敵と対決する流れなんですが、作戦的にも映画的にも今時それはないだろうという展開や、(何とか救ったスー・ヤンをエレベーターに乗せて逃がすというシーンは一応あるものの)敵を全員倒してケンジや工藤夕貴との戦いに臨むのではなく、二人を倒したあとも敵の構成員が残ってる状態で、リーとカーターはエッフェル塔の上から、フランス国旗でパラグライダー的に脱出するわけですよ。

いや、エッフェル塔の下にまだ敵がいるかもしれないのに、スー・ヤン放置はいかがなものかと。
まぁ、直後にフランス警察がやってきてるので、一応、彼女の無事は分かるんですが、何かこう腑に落ちない感じなんですよねー。

あと、せめてハン大使が意識を取り戻したシーンを一瞬でいいから入れて欲しかったし、ケンジが何を考えてるのかもちょっと分かりづらい感じだったかも。

バージョン違い

2010年6月25日放送の金曜ロードショーでは劇場公開時にカットされた未公開シーン2011年11月20日放送の日曜洋画劇場では、さらに事件の解決後、休暇をもらったリーがカーターを旅行に誘ってイザベラとジャンビエーブが乗ったチャーター機でフィジーに旅立つシーンで終わるエンディングを追加した日本未公開バージョンを放送したらしいですね。(僕は未見)

ただ、そのシーンを入れたからと言っても、全体的な物足りなさは変わらないとは思いますが。

 

やっぱ、前作から6年も空いてしまったことで、キャスト&スタッフの作品に対する熱量が冷めてしまったんですかねー?
あ、ちなみにスー・ヤン役の チャン・ジンチューは若い頃の宮崎あおい似で可愛かったです。

興味のある方は是非!

 

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ハリウッドにジャッキー・チェンの名を知らしめた大ヒット作第2弾「ラッシュアワー2」(2001)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、ジャッキー・チェンクリス・タッカーがコンビを組んだハリウッドアクション映画「ラッシュアワー」の続編『ラッシュアワー』ですよー!

先日「酔拳2」を観て以来、カンフー映画&ジャッキー熱が高まってるわけですが、ふと「ラッシュアワー3」って観た覚えがないことに気づき、さらに「そういえばパート2は観たんだっけ?」と思い始めたので両作をレンタルしてきましたよ。

結果的に本作は観てたんですが、ほとんど内容を忘れてたのでパート3への復習に丁度良かったし、前に観た時は気づかなかった部分も気づけましたよ。

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

クリス・タッカージャッキー・チェン主演のアクション・コメディの続編。今回は「グリーン・デスティニー」のチャン・ツィイーが悪役で出演している点も注目。のんきにバケーションを楽しもうと香港に乗り込んだリーとカーター。そんな矢先、アメリカ大使館で爆破事件が起きる。香港マフィアの仕業と睨んだ香港警察はリー警部に極秘捜査を命じる。結果、一緒にいたカーターも事件に首をつっこむハメになり、楽しみにしていたバカンスは泡と消えてしまい……。(allcinema ONLINEより引用)

感想

ハリウッドがジャッキーを認めた記念碑的シリーズ第二弾

今まで「バトルクリーク・ブロー」(1980年)、「キャノンボール」(1981年)、「プロテクター」(1985年)と3度のハリウッド挑戦に敗れてきたジャッキー・チェンでしたが、、1995年公開の香港作品「レッド・ブロンクス」が全米興行収入初登場1位というアジア映画初の快挙を成し遂げ、ハリウッド4作目となる「ラッシュアワー」(98)が大ヒット。

ついにジャッキーはハリウッドにその実力を認めさせたんですねー。

本作は、そんなジャッキーの記念碑的作品とも言える「ラッシュアワー」のシリーズ第2弾で、監督は前作に引き続き ブレット・ラトナー
上記の前3作とは違い、子供の頃からジャッキーやカンフー映画のファンである監督だけに、ジャッキー本来のアクションとコミカルさのポテンシャルを引き出す演出で、前作と本作を大ヒットに導いたんですよね。

前作ラストの続きから物語はスタート

前作は、誘拐された在ロサンゼルス中国総領事となっていたハンの娘を救うため、香港警察のリー警部(ジャッキー・チェン)がロスアンゼルスに乗り込み、はみだし刑事のカーター(クリス・タッカー)と共にハン領事の娘を救うジャッキーがアウェイで活躍する物語。

続く本作は、前作のラストで休暇を過ごすためにリーと共に香港に行ったカーターが、リーの捜査に巻き込まれるという物語で、前作とは逆の立場になります。

後半はロス→ラスベガスが舞台になるものの、前半はホームである香港が舞台だからか、ジャッキーは芝居もアクションものびのびと演じてる印象でしたねー。

また、2作目ということもあり、クリス・タッカーのアクションは、前作よりずっとスムーズで、ジャッキーとのコンビネーションもバッチリ。
ちなみに本作ではアクションシーンの殺陣は、ジャッキー自らつけているらしいです。

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画像出典元URL:http://eiga.com

ジャッキー&クリス・タッカーの相性の良さ

このシリーズのヒットの要因は、何と言ってもジャッキーとクリス・タッカーの相性の良さがあると思います。
高い声で早口の英語をまくし立てるお気楽で軽い性格のカーターと、真面目で融通のきかない極めてアジア的な性格のリーとのコンビは、これまで何百本と作られてきたバディ・ムービーのテンプレに沿った作りながら、キャストに元スタンダップ・コメディアンで軽快なおしゃべりが得意なクリス・タッカーと、アジアナンバー1のアクションスターと動きを使ったコメディーが得意なジャッキーを据えたことで、また二人の活躍が見たいと観客に思わせる激しさと楽しさの化学反応が起きているんですよね。

全世界興行成績3億4732万ドルという数字がそれを証明してると思います。

あの作品のオマージュも!?

そんな本作には、監督が一番好きなカンフー映画とインタビューで答えているブルース・リーの「燃えよドラゴン」オマージュが随所に散りばめられていて、ファンとしては思わずニヤニヤしてしまいます。

分かるシーンだけを上げると

香港の街をクリス・タッカーが歩くシーン→「燃えよドラゴン」で黒人空手家を演じたジム・ケリーが街を歩くシーン。

クリス・タッカーがマッサージ・パーラーで女の子を選ぶシーン→ハン島でジム・ケリーが女の子を選ぶシーン。

フー・リ(チャン・ツィイー)がイザベラ・モリーナ(ロセリン・サンチェス)の食べようとしたリンゴめがけて小型ナイフを投げ、突き刺すシーン→ハンが空中にリンゴを投げると、脇にいる娼婦たちが小型ナイフを投げつけ、リンゴに突き刺すシーン。

などなど。

っていうか、 Edwin Starrの「War」のインパクトが強くて気付かなかったんですが、このシリーズで音楽を担当してるラロ・シフリンって「燃えよドラゴン」の音楽を担当してた人だったんですねー!

www.youtube.com / 燃えよドラゴンのテーマ曲

www.youtube.com / ラッシュアワーのテーマ曲

もちろんジャッキー映画のファンでもある監督なので、香港の竹で組んだ足場でのアクションシーンは、「プロジェクトA 2」のオマージュだったりします。

ジャッキーとハリウッド

前作「ラッシュアワー」で全米に名を知られたジャッキーはその後、本作を含め立て続けにハリウッド映画作品に出演し、高額俳優ランキングでは「アイアンマン」のロバート・ダウニーJr.に次ぐ世界2位になり、2016年アカデミー名誉賞を受賞。
さらに日本でも人気の劇場アニメ「カンフーパンダ」シリーズでは声優も努め、アジアのジャッキーから名実ともに世界のジャッキーとして60歳を超えた今も、ますます精力的に俳優活動を行ってます。

また、噂では「ラッシュアワー4」の企画も進んでいるらしく、もし実現したら再びリー&カーターのコンビの活躍が観られると思うとワクワクします。

というわけで、次は「ラッシュアワー3」ですよー! ε三三ヾ(ΦωΦ)ノ

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香港映画界のレジェンド、サモ・ハン監督主演作品「おじいちゃんはデブゴン」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、香港映画界のレジェンド、サモ・ハンが20年ぶりに監督・主演を務めたアクション映画『おじいちゃんはデブゴン』ですよー!

おそらくそんなに大規模な作品ではないと思うけど、盟友のアンディ・ラウ、ユン・ピョウを始め、香港映画の有名スターが集結した豪華な作品だったし、俳優としても年輪を重ねてきたサモ・ハンの演技が光る作品でしたよー!

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画像出典元URL:http://eiga.com

あらすじと概要

ジャッキー・チェン、ユン・ピョウらと共に香港映画界のレジェンドとして名高いサモ・ハンが監督と主演を務めたアクション。元軍人で認知症の疑いのある老人が、マフィアの抗争に巻き込まれた隣家の父娘を守る姿を活写する。アンディ・ラウ、ユン・ピョウをはじめ、『カンフーハッスル』などのユン・ワー、サモ・ハンがアクション監督を務めた『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』などのエディ・ポンらが共演する。サモ・ハンが繰り出す電光石火の肉弾戦に圧倒される。

ストーリー人民解放軍中央警衛局を退役し、故郷の村でひっそりと生活している66歳のディン(サモ・ハン)。要人警護で活躍していた彼も認知症と診断され、物忘れがひどくなる中で隣家の少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)との触れ合いを心のよりどころにしていた。ある日、彼女の父親が中国マフィアにロシアンマフィアからの宝石強奪を任されるも、宝石を持って逃げてしまう。両マフィアの魔の手がチュンファに迫るのを察知したディンは、彼らとの闘いを決意するが……。(シネマトゥディより引用)

 

感想

まず、最初にお断りしておかなきゃいけないのは、僕はジャッキー・チェンサモ・ハン、ユン・ピョウ直撃世代なので、この三人or三人の誰かが出てくる映画は、それだけで点数が劇甘になちゃうんですよね(〃ω〃)>

で、本作にはサモ・ハンと(チョイ役)でユン・ピョウが出演してるので、当然高評価なわけですが、これは僕の「偏愛」がかなり混じってるので、話半分だと思いながら読んでくださいね。

邦題問題

やっぱ、まず最初に触れておかないといけないのは、本作の邦題「おじいちゃんはデブゴン」ですが、多分若いファンの人たちは「デブゴンってなに? 本編にそんなの出てこないよ?」って思われてるのではないかと。

このタイトルはサモ・ハン2作目の主演・監督・武術指導作品「燃えよデブゴン」が元ネタで、劇場公開時(日本では)そんなに当たらなかったんですが、83年にテレビ放映されると「元祖動けるデブ」として話題になり、以降しばらく、サモ・ハン主演の作品の邦題には(勝手に)「デブゴン」が入ることになったんですねー。

本作も、「デブゴン」はまっっったく関係ないんですが、今のサモ・ハン主演映画を観に来る観客はほぼみんな僕と同世代だろうし、サモ・ハンより「デブゴン」の方が通りがいいだろうという日本の宣伝担当の判断なんでしょうね。(ちなみに原題は「特工爺爺」(Google翻訳したら「マスター祖父」って出ましたw)英題は「THE BODYGUARD」)

個人的には、そんなに悪い邦題ではないなーって思いました。
一発でサモ・ハン主演って分かる、セガールの「沈黙」シリーズみたいな感じで、意外といいんじゃないかなと。

豪華キャスト出演

本作はおそらく大予算の映画ではないと思うんですが、盟友アンディ・ラウ、ユン・ピョウをはじめ、ユン・ワー、エディ・ポン、ツイ・ハークなどなど、香港映画界の重鎮や有名スターが大結集した、ファンにとっては非常に豪華な映画になっています。

これは俳優・監督・アクション監督として、長きに渡って活躍し続け交友関係も広いサモ・ハンの作品だからこそこれだけのキャスティングが実現するんでしょうし、きっと「大大哥」(タイタイコー:大大兄貴)と呼ばれるサモ・ハン自身の人柄もあるんでしょうね。

ストーリー

サモ・ハン演じる本作の主人公ディンは、66歳の退役軍人(要人警護)で、「ある事件」をきっかけにロシア国境の故郷の村でひとり暮らし。
健康診断では初期の認知症と診断され、物忘れが激しく孤独に暮らす彼が、唯一心を許していたのが隣に住む少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)なんですね。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 本当の祖父と孫のような二人

まるで本当の祖父と孫のような関係の二人ですが、彼女の父親レイ(アンディ・ラウ)はギャンブル狂いのクズオヤジで、マフィアのボスであるチョイ(フォン・ジャーイー)から嵩んだ借金の返済を待つ代わりに、ロシアのマフィアから宝石を奪うという危険な任務を与えられるんですが、その宝石を持ち逃げ。

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画像出典元URL:http://eiga.com / 盟友アンディー・ラウとサモ・ハン

怒ったチョイはチュンファを誘拐しようとするのだが……。というストーリー。

ディンは普段は認知症でボーっとしてますが、襲いかかってくる敵には昔取った杵柄で、反射的にカンフーでやっつけちゃう超強いじいさんという設定なんですねー。
いわゆる「舐めてたジジイは戦闘マシーンだった」っていうヤツです。

新鮮なアクション

で、ディンは元要人警護の任務だったことから闘い方が独特で、反撃防止の制圧術としてあらゆるテクニックを駆使して相手の腕や足をポキポキ折っちゃうんですね。
で、敵の骨を折る瞬間は、CGで映像に骨の折れる様子がレントゲンみたいに映し出される「X-rayバイオレンス」という映像手法を使ってて、効果音も相まって超痛そうなんですよ。

序盤のアンディ・ラウ演じるレイがロシアンマフィアのボスから宝石の入ったカバンを盗むシーンでは、愛人のオナラがキッカケでボスに気づかれ、ホテルの中を逃げ回る事になるんですが、その時、階段の高低差を使ったアクションが繰り広げられるんですが、このアクションも超かっこいいんですよねー!

それと、ロシアンマフィアとユン・ピョウ演じる警察の偉い人の、狭い路地を使ったカーチェイスも迫力満点でした!(;゚∀゚)=3ハァハァ

主演のサモ・ハンも66歳ですから、動きの速さやキレはさすがに全盛期には及ばないですけど、長年アクション監督として様々な格闘シーンを作り続けてきているだけあって、自身の体格を利用した動きや技の一つ一つが非常に新鮮だし、混戦状態でも状況が分かりやすいんですよね。

http://eiga.k-img.com/images/movie/86461/photo/a6e74dfa4c5861dd/640.jpg?1488855245

画像出典元URL:http://eiga.com / 66歳にしてこのアクション!

ナイフを持っって斬りかかってくる敵の手首を突き出たお腹で折っちゃうとか、想像もしなかったですよ。

一方で逃げるチョイをディンが追うシーンでは、足を怪我して走れないチョイとスタミナ切れのディーンが二人ともえっちらおっちら歩きながらのチェイスっていうこれまた斬新な展開。
そういう緩急のつけ方も良かったですねー。

疑問点・問題点

もちろん、全部がいいってわけではなく、色々無駄なシーンの挿入や物語上のテンポの悪さもあるし、いくらなんでも強引すぎる展開もありまして。

特にオチのシーンは、
流した涙を返せぇぇぇ!(>ω<〟)〇))°3°;)☆

って思いましたよw
っていうか、年単位で時間経過してるのかと思ったら、数日感の話だったの!? っていう。(それにしても展開にムリがありすぎる)

さらにエンドロールで本編前後のちょっとしたエピソードが挟まれるわけですが、なんで最後の最後にそのシーンを入れる? って思ったりもしましたねー。

俳優 サモ・ハン

若い頃はその風貌も相まって、コメディーリリーフの役が多かったサモ・ハンも今や俳優歴50年以上の大ベテラン。

本作でも老人の哀愁や渋みを見事に演じきってましたねー。
もちろん演技も上手いんでしょうけど、長年俳優として重ねてきた年輪が、そのまま映像に映し出されたような演技を超えた存在感が画面から伝わってくるんですよね。
それでいて66歳にして(しかもあの体で)アクションも超一流なんだから、ホント驚異的ですよ。

本作では、無口な役柄のサモ・ハンをフォローして物語を進める狂言回しとして、向かいの大家でディンに好意を寄せているポクさん役をベテラン女優のリー・チンチンが演じてるんですが、おせっかいでおしゃべりで人のいいポクさんと、ディンの絡みはとてもいい感じでしたねー。
誘拐されたチュンファを救うべくチョイのアジトに乗り込む前に、ディンがポクさんに自分の過去を語るシーンには、思わずグッときてしまいましたよ。(それだけにあのオチにはずっこけたんですけどもw)

今年のジャッキーは色んな映画に出演しまくりだし、オールドファンとしては3人が元気なうちにジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンが同じスクリーンで共演する姿が観たいって思っちゃいましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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