今日観た映画の感想

映画館やDVDで観た映画の感想をお届け

KUBOの前に製作・公開されたライカ作品「ボックストロール」(2014*日本ではビデオスルー)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の2年前に公開されていながら、日本では今年やっとDVDが出たスタジオライカストップモーションアニメ『ボックストロール』ですよー!

ずっと噂は聞いていて観たいと思ってたんですが、今回やっと観ることができましたよー!

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概要

「KUBO クボ 二本の弦の秘密」のスタジオライカが2014年に手がけたストップモーションアニメ。チーズブリッジの町では、子どもを襲って食べるという恐ろしい怪物「ボックストロール」の噂が住人たちを怯えさせていた。町の権力者リンド卿は悪徳害虫駆除業者スナッチャーに依頼し、トロールたちを次々と捕獲していく。しかし実際は噂とは異なり、トロールは夜の町でガラクタを集めては発明に勤しむ心優しい生き物だった。そんなトロールたちと地下で暮らしてきた人間の男の子エッグスは、人間に捕らえられた育ての親フィッシュを救うため、生まれて初めて地上に出る。そこで出会ったリンド卿の娘ウィニーとともに、スナッチャー率いる駆除軍団に立ち向かうエッグスだったが……。テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のアイザックヘンプステッド・ライトがエッグス、「マレフィセント」のエル・ファニングウィニー、「ガンジー」のベン・キングズレースナッチャーの声をそれぞれ担当。(映画.comより引用)

感想

スタジオライカ作品といえばこれまで、「コララインとボタンの魔女 3D」(2009)「パラノーマン ブライス・ホローの謎」(2013)、そして「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(2017)がそれぞれ公開され高い評価を得ていますが、「パラノーマン」と「KUBO」の間に公開されているのが本作「ボックストロール」です。

どころか「KUBO」の大ヒットでライカスタジオの名前は日本人にも広く認知されているにも関わらず、本作はDVDすら中々出ない状態で不思議に思っていたんですが、実際観てみると「あーそういうことか」と納得でしたねー。

いや、作品としては面白いし素晴らしいんですよ。

でも、ビジュアル的にもストーリー的にも、日本ではウケなさそうな感じなんですよね。

可愛くないキャラクターたちと露骨なメタファー

もともと、スタジオライカ作品のキャラクターってちょっと微妙というか、キャラクターのデザイン自体はあまり可愛くないんですよ。
でも、ストップモーションで人形を動かす時に、何百通りも3Dプリンターで作られた表情を変えて生き生きと動かすことや、ストーリーの中での行動やセリフを見聞きしているうちに、そのキャラクターが好きになっていくんですね。

で、本作に登場するキャラクターのデザインがまた、どいつもこいつも可愛くないわけです。

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ダンボール箱を服(というか甲羅)のように着て過ごすボックストロールたちのビジュアルは言うに及ばず、主人公の男の子エッグはぱっと見た感じ面長で小狡そうに見えるし、ヒロインの女の子ウィニーは困っしゃくれていて勝気で最初はちょっと嫌な感じ。

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悪役のスナッチャーウィニーの父親のリンド卿は、子供そっちのけで権力にしがみつくばかりのどうにもならないヤツだし、大衆はスナッチャーの仕組んだ嘘っぱちを信じ込んで無害なトロールたちを「殺せ殺せ」と騒ぎ立てる。

内容的にもほかの作品と比べてダークで、要するに温厚で臆病なボックストロールたちを恐ろしい怪物であるかのように言いふらし、自らがトロールを退治することで権力者の座に上り詰めようとするスナッチャーと、それに踊らされる大衆や美味いチーズにしか興味のない権力者たちに、トロールに育てられたエッグとネグレクト気味な少女ウィニーが立ち向かうというという構図なんですね。

それはつまり、ナチスユダヤ人迫害を始めとしたあらゆる人種や異文化、マイノリティー差別のメタファーであることは明白で、他のライカ作品にも通じるテーマですが、それらと比べてもテーマ性がより強め…っていうよりかなり露骨なのです。

本作はそんな歪んだ世界を子供の視点で見て、歪みを正すべく二人が奮闘する という物語なわけで、要は「大人(今の社会システムの象徴)は信じられない」っていう物語だし、なんなら迫害する側(人間)だけでなく、なんの声も上げず抵抗もしない迫害される側(トロール)をも糾弾してるわけですよ。

そりゃあ日本でファミリームービーとして公開するにはちょっと難しいですよね。

あと、トロールやエッグの主食が昆虫ってのに嫌悪感を感じる人がいるかもだしw

スナッチャーの悲哀

そんな本作で悪逆非道の限りを尽くすスナッチャーという男。
要はマッチポンプで権力の座に上り詰めようとしているわけですけど、ただこの男は「権力を掴んで何かをしたい」っていう目的があるわけではなく、ただ権力者になりたいだけなんですね。

この映画の舞台になるチーズブリッジという町の名産はチーズらしく、権力者たちは会合と称しては毎夜チーズの試食するだけの役立たずで大衆の事なんか何も考えていません。
で、スナッチャーの目的は、会合と称して毎日チーズの試食する権力者の行為に憧れているだけなんです。
食べただけで顔や舌が腫れ上がるくらいのチーズアレルギーなのにですよ。

物語内ではハッキリ言及されているわけではないんですが、この町はハッキリした階級社会で貧富の差が激しい格差社会でもあるようで、多分、スナッチャーとその一味は最下層の出身だと思うんですね。
で、彼はこの町の頂点に上り詰める野望を抱くわけですが、権力者の象徴である「白い帽子を被ってチーズの試食をする」という彼らの真似事がしたいだけというところに、スナッチャーという男の悲哀を感じずにはいられないんですよね。(彼の最後も含めて)

スチームパンク

まぁ、そんな諸々を含みつつも、基本的に本作は主人公エッグの冒険譚であり成長譚であり、活劇でもあります。

ちなみに、舞台設定はハッキリとは語られないですが、18世紀のヨーロッパが舞台らしく、電気や蓄音機、蒸気自動車などが登場する、いわゆるスチームパンクものなんですよね。

で、ボックストロールたちは機械工作が超得意な技術者集団で、昼間は地下で寝ているけど、夜になると町に出て、捨てられたガラクタなどを拾って改造、自分たちの生活を豊かにして楽しんでいるんですね。

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その辺の映像描写は観ていてワクワクするし楽しくて、さすがはライカって感じでした。
最初こそ、ちょっと不気味なボックストロールや可愛げのないエッグやウィニーですけど、物語が進んで彼らの正確や背景が分かってくるとどんどん好きになっていくのは、他のライカ作品と同じだし、最後にちょっとだけ割り切れない余韻を残すストーリーも相変わらず見事だなーって思いましたよ。

興味のある方は是非!!!

 

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細田守過去作2本!「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(2000)「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」(2005)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、細田守監督の過去作『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』と『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』の2本ですよー!

細田守監督の劇場版アニメとして評判の高い2本なので、前々から「いつか観よう」と思ってたんですが、先日ふと思い出してレンタルしてきましたー(´∀`)ノ

 

劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000)

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概要

自分のモンスターを育成し、最強の“デジモン”を作り上げるという、デジタル育成ゲームの特異な世界観をアニメーション化した「デジモンアドベンチャー」の劇場版第二弾で日本で始めてインターネットを題材にした映画でもある。デジタルワールドでの冒険から太一たちが帰ってきて半年後のある日。インターネット上で不気味なタマゴが誕生し、邪悪なデジモンへと進化してネット上から世界中を大混乱の渦に陥れる。太一達はこの敵を倒すべく、再び“デジモン・ワールド”に向かうのだったか……。(allcinema ONLINE より引用)

感想

まず最初に書いておかなくちゃいけないのは、僕は「デジモン」に関してはTVアニメを1回も観たことがないので、登場キャラもストーリーや設定もまったく知らないんですね。

ぶっちゃけ、ポケモン的な感じだと思ってたので、デジモンが喋った時に「普通に喋るんだ!」ってビックリしたくらいですw

ということを踏まえてなんですが、確か「サマーウォーズ」の公開当時に「まんまデジモンだった」的なレビューをいくつか見かけてまして。

で、今回観たら「あ、なるほどそういうことね」と納得。

ストーリー構成も映像ビジュアルもほぼ一緒でしたw

ざっくり内容を説明すると、突如ネット上に生まれた謎のポケモンがネット内のデーターを食べまくったりイタズラして世界が大混乱になるのを、主人公たちとそのデジモンが食い止めるっていうストーリーで、ネット空間のビジュアル、最終的に悪デジモンアメリカから核ミサイルを撃っちゃうトコや、時間ギリギリ主人公の仲間の子が叫びながらキーボードのenterボタンを押すところまで一緒でしたよw

で、40分という時間と、基本的にはデジモンファンしか観ないことを想定して作られているので、ネット上に謎のデジモンが誕生した理由とか、キャラクター説明やドラマは特になくて、主人公たちが敵デジモンをどうやって止めるのかだけを追うストリーでした。(DAIKONフィルムの「帰ってきたウルトラマン」っぽい感じ)

その分、映像や物語に出てくる諸々のディテールには物凄く凝っているし、キャラクターの絵柄や動きの演出なんかは今の細田守アニメに繋がる色が強く出てましたね。

僕は「サマーウォーズ」を先に観てるから驚きはしなかった(別の意味で驚いたけどw)ですが、当時本作を観た人(特に大きなお友達)はさぞかし驚いただろう事が想像出来ます。

だって完全にデジモンの枠を超えてましたもん。主人公の住む団地の横を流れる川に核ミサイルが落ちてきましたからね!

細田守ファンで、まだ本作を観ていない人には(「サマーウォーズ」と比べる意味でも)一見の価値ありかもしれません。

 

ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島(2005)

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概要

テレビ版が2004年に海外進出をはたした人気シリーズの劇場版第6弾。監督は「デジモンアドベンチャー」の細田守。そして今回主題歌を担当するのは、若者に絶大な人気を誇る氣志團。なおリーダーの綾小路“セロニアス”翔は声優にも挑戦している。(シネマトゥデイより引用)

感想

こちらも先に書いておかなくちゃなんですが、実は僕「ONE PIECE」も原作・アニメともに殆ど観て(読んで)いないんですね。
とはいえ、ルフィーとその仲間たちくらいは分かるし、悪魔の実のことや、ルフィーが海賊王を目指してる程度は知ってるので、デジモンよりはすんなり観られましたw

で、この映画はそんな門外漢の僕でも分かるくらい、いわゆるONE PIECEらしさはゼロです。
完全に「細田守ONE PIECE」っていうか、宮崎駿版のルパン「カリオストロの城」や押井守うる星やつらの「ビューティフルドリーマー」的な感じって言えば伝わりますかね。

ざっくり内容を説明すると、ルフィーたちが拾った瓶に入ったリゾート島への招待状に釣られてその島に行ってみたら、地獄の試練を受けさせられたり仲間割れさせられたりして大ピンチっていうストーリーなんですが……。

僕が最初に思ったのは「これ、ちっちゃい子が観たらトラウマになるだろ…」でした。だってほぼホラーですもんこれ。

いや、最初の方は(多分)いつものワンピースって感じで楽しく始まるんですが、後半に行くほど、画的にも物語的にも悪夢的な展開になっていくんですよ。

もうね、細田守の闇が全開でしたよ。

後半とかルフィーがゾンビみたいになってましたからねw

レビューをチラチラ読んでみたら案の定賛否両論で、ファンの人ほど「こんなのワンピースじゃない!」って意見が多いのも公開当時の「ビューティフルドリーマー」に似てるなーって思いました。

そんな感じで、画的にも内容的にも細田守(闇)色がかなり濃厚に出ているわけですが、僕はそもそもワンピースの物語やキャラに思い入れがなくて、細田守作品として本作を観たので楽しめましたけどね。

とはいえ一応、ルフィー、オマツリ男爵、ブリーフの3人を通して「仲間」というワンピースのテーマ自体はしっかり描いているので、異質ではあるけど「ワンピース」としての芯は外してない。っていう印象でした。(ん? 違う?)

クライマックスの「チョビひげっ!」には不覚にもグッときちゃいましたしねw

 

というわけで、細田守劇場版アニメの過去作2本の感想でした。
なんていうかこう、「ハウルの動く城」の監督を降板させられた細田守監督の心の傷跡や闇が生々しく反映されてる感じではあるけど、近年(特に川村元気と組んで以降)の細田作品と比べると、勢いもあるしタイトで切れ味もいいので、純粋に面白いと思いましたよ!

興味のある方は是非!!

 

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ウィルスパワーでブラック社長に復讐だ!「Z Inc. ゼット・インク」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは「未体験ゾーンの映画たち2018」で公開された『Z Inc. ゼット・インク』ですよー!
米大ヒットテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァンが主演のサバイバルスリラーです。

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概要

未知のウイルスをめぐるアクションホラー。人間の本能をむき出しにするウイルスがまん延したビルを舞台に、決死の攻防を繰り広げる者たちの姿を描く。監督は『エヴァリー』などのジョー・リンチ。ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」などのスティーヴン・ユァン、『モンスタートラック』などのサマラ・ウィーヴィング、『スコーピオン・キング』などのスティーヴン・ブランド、ドラマシリーズ「Lの世界」などのダラス・ロバーツらが出演している。(シネマトゥディより引用)

感想

ゾンビ映画の亜種?

本作の世界では、感染するとストレスホルモンが異常に上昇し、自分の欲望や怒り、暴力衝動が抑えられなくなる「ID7ウィルス」によって、かつて弁護士たちが多数務めるとある会社でこのウィルスが蔓延し、たくさんの死傷者が出たという事件が起こります。
このウィルスの感染が原因となっておきた殺傷事件は、ウィルスによる判断能力の欠如から、犯人は罪には問われない判決が出た。という前段からスタートします。

それから月日が経ち、ある大手企業でガンガン仕事をしつつライバルの弱みを握って出世街道に乗る主人公デレクは同僚のミスを押し付けられた彼は会社をクビになってしまいます。

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画像出店元URL:http://eiga.com 若い頃の萩原 聖人に似てるスティーブ・ユァン

傷心のまま会社を去ろうとしたデレクですが、ウィルス感染者が出て会社が隔離されたのをキッカケに、デレクは差し押さえ通知の苦情を言いに来ていたものの一度は冷たく追い返した女性・メラニーとともに、自分をハメた同僚や社長に復讐のため立ち上がるというストーリー。

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ウィルスによって感染者が凶暴化していくという設定は、「28日後」以降のゾンビ映画と同じフォーマットなんですが、本作の場合、唾液や血液からの感染ではなく、一つのビルの中でエアコンのダクトを通して主人公も含めた社員全員が空気感染したり、感染しても基本、理性や論理的な思考は残っていて、感情のブレーキが緩くなる程度の症状という設定が新鮮でした。

なので、デレクやメラニー、適役の同僚や社長はそれぞれ狂ってはいるけど、思考や行動はかなりロジカルで、パニックスリラーというよりアクションムービーっていう感じなんですよね。

人間性を失うことで人間性を取り戻す

とはいえ、まぁ、ストーリーや設定はツッコミどころ満載なんですが……その分を差し引いてもスカっと痛快な作品でした!

主人公デレクはゴリゴリの社畜だし、会社はザ・アメリカ的ブラック企業でして。
同僚の罠にハメられ、一旦は会社を放り出されそうになったデレクが、ウイルス感染と前段の裁判判決を利用して、憎き同僚や社長に復讐するため利害の一致するメラニーとタッグを組み、釘打ち機や大工道具で武装してブルース・リーの「死亡遊戯」よろしく、敵をなぎ倒しながら上階を目指すっていう、会社勤めをしている人多くの人が共感出来るだろう胸熱な展開なのです。

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画像出店元URL:http://eiga.com ブラック企業のラスボス ジョン・タワーズと役員のみなさん

社畜時代のデレクは、アメリカ的資本主義の理論というウィルスに犯されたゾンビみたいなもので、それが「ID7ウィルス」に感染し理性や人間性を失うことで、逆に人間性を取り戻していくという深いようなそれほどでもないようなテーマ性(というか皮肉)もあったりして、中々考えられてるなーと。

主役はあの大人気ドラマに出演

そんな本作で主役を張るのは、日本でも大人気の海外ドラマシリーズ「ウォーキング・デッド」で「グレン」を演じているスティーブン・ユァン。

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韓国生まれの俳優で、何ていうかこう、あまり主役感がないけど物語が進むうちにどんどんクセになる個性的な俳優だなーと思いました。

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ヒロインのメラニー役を演じるサマーラ・ウェイビングもNetflixのドラマ「ベビーシッター」で主演しているそうで、僕はドラマは門外漢なのでよく分からないんですが、ドラマで人気を得た二人が、ついに映画に進出したって感じなのかな?

 

いわゆる血まみれ映画でゴア描写もあるけど、ホラー系の映画に比べれば比較的ライトな感じだし、内容もぶっ飛んでるけど爽快感があり、アクションも趣向が凝らされているので、痛い系の映画が苦手な人でもわりと楽しめる……かな? と思いましたねー。(個人差がありますw)

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会社に色々鬱憤が溜まっている人のストレス解消にオススメな一本ですよー!

興味のある方は是非!!

 

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あのヒーローアニメ14年ぶりの続編!!「インクレディブル・ファミリー」(2018)

ぷらすです。

昨日、やっと『インクレディブル・ファミリー』観てきましたよー!
夏休み&お盆休みだけあって、劇場ではちびっ子たちの笑い声が聞こえましたねー。

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概要

2004年に製作されヒットを記録したディズニー/ピクサーのアニメ『Mr.インクレディブル』の続編。平穏な日々を送ろうとしていたMr.インクレディブルことボブと一家の日常が、妻のヒーロー活動復帰を機に変化する。監督は『レミーのおいしいレストラン』『トゥモローランド』などのブラッド・バードが続投。日本語吹替版では、前作に引き続き三浦友和黒木瞳綾瀬はるか高田延彦らが声を担当している。(シネマトゥディより引用)

感想

前作から14年ぶりの続編!

前作「Mr.インクレディブル」が公開されたのが2004年。
それから14年を経て公開された続編が、本作『インクレディブル・ファミリー』です。

前作では世間からの風当たりが強くなり、全てのスーパーヒーローが引退を余儀なくされた世界で、スーパーパワーを隠して一般人として社会に溶け込もうとするも、思うようにいかないMr.インクレディブルことボブ・パーの家族の絆と、ヒーローとしての誇りを取り戻すまでの物語でした。

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ヒーロー映画をベースに、初期007を彷彿させるスパイ要素とファミリー要素を盛り込みながらも、ピクサーアニメとして大人から子供まで楽しめるエンターテイメントとして高い評価を得たこの作品を機に、監督のブラッド・バードはアニメーション監督でありながら、トム・クルーズの人気シリーズ「ミッションイン・ポッシブル/ゴーストプロトコル」の監督にも大抜擢されて見事大ヒットさせたんですね。

そんな「Mr.インクレディブル」の続編となる本作は、14年ぶりにも関わらず前作の直後から物語をスタートさせている文字通りの“続編”
なので、まだ「Mr.~」をまだ観ていない人や、しばらく観ていないという人は、復習がてら前作を一度観ておいた方が、本作を“より”楽しめるかもしれません。(もちろん観てなくても楽しめると思いますよ)

ストーリー構造は前作とほぼ同じ。でもインクレディブルはお留守番

前作ではヒーロー活動を法律で禁止された世界が、Mr.インクレディブル一家の活躍で変わっていくかも…という今後を匂わせるところで終わっていたんですが、本作は前作ラストで登場したアンダーマイナーとの戦いの続きからスタートします。
しかし、インクレディブルがアンダーマイナーを取り逃がしてしまい、街にも大損害を出してしまったことで、家族は前作よりも悪い状況に。

そんなどん底の彼らの元に現れたのが、大手通信会社デブテックを率いるウィンストン・ディヴァーと、彼の妹であるイヴリン・ディヴァー。
ウィンストンは、ヒーロー活動合法化のためにヒーローの復活が掛かった任務の依頼しますが、依頼を受けたのは奥さんのヘレン・パーことイラスティガールの方だったのです。

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そこでMr.インクレディブルことボブは、思春期真っ只中の長女ヴァイオレット、やんちゃな小学生ダッシュ、まだ赤ちゃんのジャックジャックの面倒を見ることになるんですね。

ストーリーの構造自体は前作とほぼ同じですが、本作ではテレビ画面などを乗っ取り人々をマインドコントロールするスクリーンスレイヴァーと戦うイラスティガールと、慣れない子育てにてんやわんやなボブの物語が同時進行していくわけです。

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傷心のヴァイオレットを元気づけようとして空回りしたり、計算方法が変わったダッシュの算数に悩んだり、いくつものスーパーパワーを持つ赤ちゃんジャックジャックに振り回されたり。奥さんに任せきりだった家事や子育てをナメていたボブですが、実際やってみたらヒーロー活動以上に大変だということを思い知るわけですねー。

前作ではMr.インクレディブルがヒーローとして成長する物語でしたが、今回の主題は家庭人として成長するボブの物語がメインになっているわけです。

スパイ要素増し増し

ヒーロー映画でありながら、初期007のようなスパイ要素やガジェットが多数登場した前作ですが、本作では隠密行動が得意なイラスティガールが任務を任されたことで、前作以上にスパイ要素が増えてる感じでした。

多分、監督のブラッドバードはスーパーヒーローにはそんなに興味はなくて、60~70年代のスパイ映画が大好きなんだと思うんですよね。
Mr.インクレディブルの造形も、スーパーマンのパワーを持ったバットマン(ガジェットを使う)という感じですしね。

ちなみに僕はボンヤリ観てたので気付かなかったんですが、このシリーズの時代設定って1960~70年代だそうで、だからケータイやスマホは出てこなかったんですねー。

ヒーロー映画の文脈

前作「Mr.インクレディブル」は、フランク・ミラー以降のダークなバットマンや、マーベルの「X-MEN」などの世界観を映像作品に取り入れた先駆的な作品なんですが、本作の悪役はヒーローに頼り切る世界の危うさを一般人に啓蒙するという目的で暗躍しています。

そして敵のスクリーンスレイヴァーは、テレビなどのメディアを通して一般市民を洗脳するわけで、これはつまり、インターネットやガジェットに頼り盲信することの危うさのメタファーになってると思うんですね。

劇中、スクリーンスレイヴァーがテレビを通して演説するシーンでは、映画のスクリーンを通して、観客にもその事を突きつけているわけで、ピクサーのファミリー向けアニメだと思って油断していると、思わずドキッとさせられるかもしれません。

(多分)ヒーローにはさほど興味がないブラッド・バードですが、その辺のヒーローものの文脈はしっかり押さえているんですよねー。

ジャックジャック

そんな本作に潜ませたほのかな毒っ気を中和するのが、天真爛漫にスーパーパワーを繰り出して家族を翻弄し、インクレディブル・ファミリー御用達のスーツデザイナー、エドナをもメロメロにしてしまうスーパー赤ちゃんジャックジャックです。

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前作ラストでもパワーの片鱗を見せていましたが、本作ではさらに能力も可愛さもパワーアップして大活躍してますよー!

 

自分の趣味を盛り込み、ヒーローものとしての文脈をしっかり踏まえたテーマを入れ込みながらも、明るく楽しいピクサーアニメとして大人から子供まで楽しく観られる期待を裏切らない作品でした!

興味のある方は是非!!!

 

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ジャック・ブラック萌え!「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、1995年に公開されたロビン・ウィリアムズ主演「ジュマンジ」から23年ぶりの“続編”『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』ですよー!

4人の高校生が主人公の青春映画であり、ロック様ことドウェイン・ジョンソンが大活躍するコメディーアクションでもあります。

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概要

ロビン・ウィリアムズらが出演した『ジュマンジ』に続く物語が展開するアドベンチャー。学校の地下室で見つけた奇妙なビデオゲームの世界に入り込んでしまった高校生たちの運命を描く。監督はドラマシリーズ「New Girl ~ダサかわ女子と三銃士」などに携わってきたジェイク・カスダン。『カリフォルニア・ダウン』などのドウェイン・ジョンソン、『スクール・オブ・ロック』などのジャック・ブラックらが顔をそろえる。(シネマトゥディより引用)

感想

ジュマンジとは

クリス・ヴァン・オールズバーグの同名絵本を原作にした1995年公開の「ジュマンジ」は、コマに書かれたことが現実に起こってしまう闇の双六型ボードゲームジュマンジ”をクリアする4人の奮闘を描いたアドベンチャー・ファンタジー映画です。

当時人気絶頂だったロビン・ウィリアムスの出演や、設定の面白さ、当時最先端だったCG映像などが話題となり大ヒットしました。

それから23年ぶりに公開された本作は、一応「続編」にはなっていて、序盤で前作との繋がりをゆるく描いてはいるものの、前作の設定や展開を今風に作り直したリブート版と言ったほうが正確なんじゃないかと思いましたねー。

前作からの変更した部分と引き継いだ部分

前作から20年後、ブラントフォード高校の学生でゲームオタクのスペンサー、アメフト部員のフリッジ、自分大好き美人のマーサ、シャイで真面目なガリ勉のベサニーは、それぞれ問題行動を起こした罰として地下室の掃除をするように言われます。

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その地下室で見つけたビデオゲームジュマンジ ”を始めた4人は、ゲームの中に吸い込まれ、ゲームをクリアしないと現実の世界に戻れななくなるのです。

実は前作ラストで川に捨てられたジュマンジは96年に一度砂浜に打ち上げられますが、見つけた少年に「今時ボードゲームなんか誰もしない」と言われて、ビデオゲームに姿を変えて復活したんですね。

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また、前作ではゲームの出来事が現実に起こるという内容でしたが、本作ではプレイヤーがゲームに閉じ込められるというアニメの「ソードアート・オンライン」や「ログ・ホライズン」的なシステムに変更。より現代的にアップデートされましたよ。

逆に、プレイヤーはゲームをクリアすると、ゲームを始めた時間と場所に戻るという設定や、タイムパラドックス的展開は前作をそのまま引き継いでいました。

青春映画

上記したように、学校内での立場や性格がまったく違う生徒が居残りで…という展開は米青春映画の金字塔「ブレックファスト・クラブ」をオマージュしています。
本作の場合、接点のない4人がゲームクリアのために協力し合う内に、お互いの良いところやコンプレックスを知って理解しあうという内容ですけどねw

ただ、本作が面白いのは、ゲームを始めるときにテキトーに選んでしまったアバターの姿になってしまうところで、貧弱なゲームオタクのスペンサーは筋骨隆々のロック様に、背が高くかっこいいアメフト部員のフリッジはチビで足の遅いケヴィン・ハートに、シャイで真面目なガリ勉のベサニーはセクシー美女のカレン・ギランに。

そして自分大好きで美人のマーサは、なんとデブヒゲおじさんのジャック・ブラックになってしまうんですねw

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そして、それぞれのキャラにはゲーム内の設定でスキルと弱点が設定されていて、それぞれが協力し合わないとゲームクリアが出来ないんです。

見た目はロック様なのに中身は気弱で童貞丸出しのオタク少年とか、もうそれだけで面白いし、ジャック・ブラックなんかあの容姿でイケイケ女子高生を喜々として演じてますからね。しかも、中身はわりといい子なので、物語が進むうちにジャック・ブラックだんだん可愛く見えてきて、最終的にジャック・ブラック萌えっていう稀有な体験が出来ますw

もちろん、このアバター設定はただオモシロのためだけではなくて、アバターに変身することで、それぞれのコンプレックスやエゴが浮き彫りになるし彼らがお互いを認め合って成長するための仕掛けにもなってて、その辺の展開は上手いなーと思いましたねー。

あと、ゲームキャラ設定でスキルの中にキメ顔とかあって、ロック様をメタ視点でイジってるのところや、あるキャラクターの意味不明な弱点が分かるシーンには爆笑してしまいましたよww

 

前作は一応ファミリー向けのファンタジーアドベンチャーの体で公開されてましたけど、内容自体はわりとホラーテイストだったり、シリアスで怖い部分もあったりしてましたけど、本作は明るいコメディー方向に振り切っていて、もちろんツッミどころもあるけど、個人的にはかなり楽しめましたねー。

興味のある方は是非!!

 

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個人的オールタイムベストの一本!「リメンバー・ミー」(2017)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、日本では今年3月に公開されたディズニーピクサー劇場最新作『リメンバー・ミー』ですよー!

最初字幕版で観て、終了直後に吹き替え版でもう一回観ました!
笑って、泣いて、感動して……。
僕のオールタイムベストの一本に入る、サイッコーーー!!の映画でしたよー!☆拍手!!(゚∇゚ノノ\☆(゚∇゚ノノ\☆(゚∇゚ノノ\喝采!!☆

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概要

1年に1度だけ他界した家族と再会できるとされる祝祭をテーマにした、ディズニー/ピクサーによる長編アニメ。死者の国に足を踏み入れた少年が、笑いと感動の冒険を繰り広げる。監督と製作には、『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督と、製作を担当したダーラ・K・アンダーソンが再び集結。テーマパークのような死者の国の描写、祖先や家族を尊ぶ物語に引き込まれる。(シネマトゥディより引用)

感想

舞台はメキシコの「死者の日」

ピクサー最新作となる本作の舞台はメキシコの「死者の日」です。
一年に一度死者がこの世に帰ってくる日を祝うという、日本で言えば「お盆」にあたる行事で、近年だと「007  スペクター」のアバンタイトルの舞台としても使われていましたよね。

主人公の少年ミゲルが生まれた家は、ひいひいおばあちゃんの代から続く靴職人の一族で、ひいひいおじいさんが音楽のために家族を捨てたことから音楽厳禁というルールがあります。

しかし、ミゲルは音楽が大好きでミュージシャンになることを夢見てるんですね。
そんな彼が憧れているのが、国民的歌手のエルネスト・デラクルス。
ミゲルはデラクルスのようなミュージシャンになるため、家族に内緒で町の音楽コンテストに出場しようとするも、一族の長であるおばあちゃんに見つかって大事なギターを壊されてしまい……という物語。

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その後、色々あってミゲルは生きながら死者の国に迷い込んでしまうんですね。

ピクサーの挑戦的な作品

本作でピクサーが扱う題材はズバリ「死」で、もう一つの題材は「家族」=「伝統」です。

どちらも、ファミリー向けのアニメ映画としては、かなり扱いが難しい題材ですが、メキシコに伝わる「死者の日」の一夜に舞台を限定することでネガティブになりすぎないようにしつつ、「死後の世界」を描きつつも「二度の死」という宗教を超えた普遍的なイメージに落とし込むことで、大人から子供まで誰もが共感出来るストーリーに仕上げているんですね。

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ちなみに「二度の死」っていうのは、「本当の死は肉体の死ではなくて、人々の記憶から消えた時」っていう有名なアレです。

「家族=伝統」については「二度の死」と呼応していて、先人たちが築き上げてきた先に自分たちがいるということがこの作品の大きなテーマになっていて、ミゲルにとってはそれが家族なんですね。

ただ、本作では家族(伝統)を美化するだけではなく、家族の伝統や家族そのものが持つ「呪い」の側面もしっかり描かれています。

それは例えば、愛するがゆえの押し付けであったり、ミゲルの抱く「夢」への無理解であったり。

さらに、ひいおばあちゃんなんか、高齢による認知症ですからね。

ぶっちゃけファミリームービーとしては、かなり扱いづらい要素がてんこ盛りで、こんなん一体どう料理するんだと他人事ながら心配になるわけですよ。

しかし、本作ではそれらの(本来マイナスになりそうな要素を)ストーリーに活かしながら、ミゲルの冒険を通して最終的に子供から大人まで誰もが共感出来るポジティブな物語へと逆転させているんですね。

そのへんは、「トイストーリー3」でも監督を務めたリー・アンクリッチの見事な手腕と言わざるを得ません。

圧倒的な映像美と音楽

そして、そんな物語を(文字通り)彩るのが、圧倒的な映像と耳に残る音楽の数々です。
本作の主題歌「リメンバー・ミー」を担当したのはアナ雪の「Let It Go」でおなじみクリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペス夫妻だし、現地取材とメキシコ文化研究にしっかり時間を費やして描き出される、メキシコや死者の日のカラフルで美しい色彩や「死者の国」の夢のようなビジュアルには、観た人誰もが圧倒されるんじゃないでしょうか。

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あと、ひいおばあちゃんの肌の質感や微細な表情の変化は、最早実写以上で、さすが安定のピクサークオリティーでした。

ストーリーはシンプル

上記したように、本作では難しい題材を扱っていて、そこのバランスを取るためかもしれませんが、ストーリー自体は割とシンプルです。
例えば、後半の「どんでん返し」も、映画好きな人なら結構早い段階で読んでしまうんじゃないでしょうか。

それは、恐らく監督やスタッフも分かっていて、物語の意外性よりも全てのパーツ(キャラクター)が収まるべきところに収まる快感を優先したように感じました。

それゆえ、ラストのあのシーンではグッとエモーションが高まるわけで、おじさんもう号泣でしたよ!
2回連続で観て、2回連続で号泣したよ!

っていうか、あんなんズルいわ。絶対泣くものw

 

近年は、映画やドラマ、そしてネット上でも「家族の呪い」の側面ばかりを目にする機会が多いし、「血の繋がりより心で繋がる擬似家族もの」系譜の映画も多いですよね。

本作で描かれていることは、一見、そうした時代の流れに逆行しているように見えますが、様々な誤解やすれ違いを乗り越えて、家族が家族になるという点では上記の物語と変わらないし、作品で描かれる死生観などは、西洋よりむしろ日本を含む東洋の方が価値観が近いので、より受け入れやすいのではないかと思ったりします。

大人から子供まで安心してオススメ出来る作品だし、個人的にはピクサー作品の中でも「ウォーリー」と並ぶ名作だと思いましたよ!

興味のある方は是非!!!

 

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前作を越える完成度! 「パディントン2」(2018)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、2016年公開の「パディントン」の続編『パディントン2』ですよー!

公開時、あちこちから絶賛の声が上がっていた本作でしたがタイミングが合わず、結局劇場で観られなくて今回DVDでレンタルしてきたんですが……。

劇場で観なかった事を激しく後悔してしまいましたよー!!・゜・(ノД`)・゜・

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概要

マイケル・ボンドの児童文学を実写映画化した『パディントン』の続編。ペルーの密林からイギリスに渡って暮らしていたクマのパディントンが、ある絵本をめぐる事件に遭遇する。監督のポール・キングパディントンボイスキャストを務めたベン・ウィショーら前作のメンバーが結集するほか、日本語吹き替え版も松坂桃李古田新太斉藤由貴三戸なつめが続投。新たに、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』などのヒュー・グラント、『ヒットマンズ・レクイエム』などのブレンダン・グリーソンが参加する。(シネマトゥデイより引用)

感想

マイケル・ボンド原作の「くまのパディントン」を読んだことはなくても、赤い帽子とブルーのコートを着た小熊のイラストを見かけたことがある人は多いんじゃないかと思います。僕もそんな一人でした。
で、前作をTSUTAYAで見つけて、ビジュアルの可愛さに惹かれてレンタルしたんですよね。
前作は、ペルーのジャングルから“新しい家”を探してロンドンに出てきたくまのパディントンが、駅で出会ったブラウン一家と家族になるまでの物語。
パディントンは可愛らしいし、個人的にとても好きな作品です。

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で、続編となる今作では、ブラウン一家の家族としてすっかり街のコミュニティーに溶け込んだパディントンが、ペルー在住のもうすぐ100歳になるルーシーおばさんへの誕生日プレゼントに、ロンドンの名所を描いた飛び出す絵本を贈ろうとお金を稼ぐ→絵本泥棒に間違えられて刑務所送りに……。という物語です。

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公開時、ネットで(熱い)絶賛の声が出ていたので楽しみにしていたんですが、実際に観てみたら前作をはるかに越える面白さでしたねー!

全てが有機的に繋がり、加速度を増していく

ブラウン一家にも溶け込み、すっかり地元コミュニティーの人気ものになったパディントンの様子を冒頭一連のシークエンスで見せて(それが登場キャラの紹介にもなっているし後半への布石にもなっている)、ペルーのジャングルで老人ホーム暮らしをしているルーシーおばさんへの誕生日プレゼントを買うために働き始めるまでの流れで、今回の彼の目的をサラリと語る手際の良さにまず関心したし、一転、偶然通りかかった店でパディントンが買おうとしていた絵本を盗む泥棒を馴染みの野良犬に乗って追う西部劇のような追走シーンにワクワク。

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しかし、濡れ衣を着せられたパディントンが刑務所に入れられて、ルーシーおばさん直伝のマーマレードパディントンの大好物)と「教え」を守って囚人たちや看守と仲良くなり、街の人々の協力を得てブラウン一家とともに真犯人を追走するクライマックス。

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全てのシーンがその前のシーンやエピソードと有機的に繋がりながら、物語がどんどん加速度を増していく脚本は見事。

また、チャップリンバスター・キートンスラップスティックコメディー、西部劇、ミステリー、スパイ映画、ミュージカルなど、映画史を彩ってきた様々な要素を組み入れるオマージュも素晴らしいし、それらが全部物語の中で活きているんですよね!

あと、多くの人が書いてるけど、刑務所のシークエンスのあからさまなウェス・アンダーソン感は、それ自体がパロディーになってて笑ってしまったし、大団円のラストシーンはオチがわかっているのに思わず涙してしまいました。

本作はたった103分の中で、最小限のセリフや描写で最大限の効果を出し、その上でパロディーやオマージュを盛り込みながら観客をワクワクハラハラさせて、テーマまでしっかり語り切るという、映画的に高度な事をそうとは思わせないように、サラッとやってるように見せているんですねー。

マーマレードは甘いだけではない

では、本作のテーマは何かというと、前作に引き続き「多様性の受容」や「相互理解」ってことになるんですが、それを小難しい顔で声高に主張するわけではなく、「親切な人に世界は優しい」というルーシーおばさんの教えと、それを守るパディントンの行動によって変わる周囲の人々に集約して、端的に語っています。

ただし、やはり世の中には分かり合えない人もいて、その役割をパディントンを嫌い、何かと嫌がらせを続けるカリー(ピーター・カパルディ)というキャラクターが負っているんですね。

親切な人に世界は優しいという甘さの中に、ただし分かり合えない人もいるというほのかな苦味がある世界観はパディントンの大好物マーマレイドと同じバランスで、その辺はハリウッドとは違うイギリス映画らしいテイストなのかもしれません。

興味のある方は是非!!

*まだ観ていない人は、前作と合わせて観るとより楽しめると思います! (´∀`)ノ

 

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