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やりすぎ感満載のボリウッドSFアクション「ロボット」(2012)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、「ムトゥ 踊るマハラジャ」のラジニカーント一人二役を演じたボリウッド版SFアクション映画『ロボット』ですよー!

インドでは2010年公開と8年前の作品ながら、CG、ストーリー、アクションシーンなど、やりすぎアクションシーンの爆発力は、「DEAD OR ALIVE」三部作の頃の三池崇史や、塚本晋也監督の「鉄男」を思い起こしましたねー。

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あらすじと概要

最先端VFX、ド派手なアクション、マサラムービーならではの絢爛(けんらん)さを融合させたカオスな世界観が評判となり、世界興収100億円を超えるヒットをマークしたSFアクション。自身を無残に破棄した博士をうらむ超高性能ロボットが引き起こす暴走劇が繰り広げられていく。インド映画界のスーパースターとして日本でも知られる『ムトゥ踊るマハラジャ』のラジニカーントが、天才博士と狂気に支配されたロボットを一人二役で熱演する。監督は、『ジーンズ/世界は2人のために』などのシャンカール。

ストーリー:10年もの月日をかけて、バシー博士(ラジニカーント)は自分と同じ姿かたちをしたハイテク・ロボットのチッティ(ラジニカーント)を開発。さまざまなトラブルを巻き起こしながらも、人間社会の規律や習慣を学んでいくチッティだったが、次第に感情が芽生えるようになる。やがて、博士の恋人サナ(アイシュワリヤー・ラーイ)に心を奪われ、強引に彼女に気持ちを伝えようとするが、それが博士の逆鱗(げきりん)に触れて解体されてしまう。博士への激しい怒りと、サナへの絶ち切れぬ思いから、チッティは殺人マシンとなって復活を果たすが……。(シネマトゥデイより引用)

感想

ツッコミどころは満載。でもパワーに圧倒されてどうでもよくなる

昨年末公開された「バーフバリ 王の凱旋」の大ヒットで、俄かに注目されているインド映画ですが、本作はインド映画界が本格的に世界市場に照準を合わせた作品作りをする以前の作品って感じで、何というか、ツッコミどころは満載なんですが、発想や映像の熱量と爆発力に圧倒されて、細かい事がどうでもよくなる作品でした。

特にクライマックスでの組体操的なアクションシーンは、オールCGなのかと思ったら実際にスタントマンが演じている実写のシーンも多数あるとかで、インドのマンパワー恐るべしって思いましたねー。

どんな感情で観ればいいのか混乱する

ではこの映画がどうな内容なのかというとですね。

工学博士のバシーガラン博士が10年の歳月をかけて自分そっくりスーパーロボットを作ります。
その目的は、戦争で人間の代わりにロボット兵士を――という発想なんですね。

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なんかこう、ロボット兵士という発想が悪役のマッドサイエンティストっぽいなーなんて思ったりして、この時点で若干モヤっとしてしまうんですが博士の方は大真面目だし、パキスタンや中国などの隣国との問題もあるインドなので、そういう発想になるのもお国柄なのかもしれません。

で、ついに完成した博士と見た目そっくりのロボット チッティでしたが、これをよく思わなかったのが、バシー博士の師匠ボラ博士(ダニー・デンゾンパ)。

彼はチッティを認可する委員の一人なんですが、自分は上手くいかないロボット作りを完成させたバシー博士に嫉妬し、誰の命令にも従ってしまうチッティの弱点を突いて不認可に持ち込みます。

ならばと、チッティに感情を与える回路を組み込もうとするバシー教授ですが、中々上手くいかずにイライラしていると、雷が直撃したショックでチッティに感情が芽生えるという、「フランケンシュタインの怪物」的な偶然が。

しかし、感情を得たチッティは、あるキッカケでバシー博士の恋人サナ(アイシュワリヤー・ラーイ)に恋をしてしまい……という内容。

内容だけ観ると結構シリアスなんですが、インド映画特有の大らかさだったり、ケレン味溢れすぎなアクション映像だったり、ダンスシーンだったり、ハリウッドオマージュ映像とか、割と適当な設定だったりのせいで、全体的にはコメディー映画っぽい感じなんですよね。

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なので、シーン毎に笑わせようとしてるのかマジなのかがイマイチ掴めず、ちょっと混乱するというか、どういう感情で観ればいいのか悩んじゃう感じでした。

マイノリティーの象徴としてのロボット

あと、結構モヤモヤするのが、バシー教授のチッティへの扱いでして。
基本的には良い博士っぽい設定になってるんですが、恋人のサラともどもチッティを徹底して「道具」か「奴隷」的に扱うんですね。

なので、本作では人間の方には全く感情移入出来ないというか、特に中盤で博士がチッティに行うある仕打ちにはドン引きでしたよ。

もちろんそれは監督の狙いで、チッティというロボットの目を通して見た人間という生き物のエゴや愚かしさみたいなものを描いているわけで、つまり、自分よりも下等だと見下げていた存在によって、自分の愚かしさに気付かされるな物語なんですね。

そう考えると、チッティはマイノリティーの象徴でもあり、インドのカースト制や、世界中のマイノリティー差別に対する批判がテーマになってるのかな? と思ったり。

それをシリアスに見せるのではなく、コメディー要素満載のエンターテイメント映画にして、ラストシーンで未来に希望を託すような終わり方にしているのが、個人的には良かったです。

 ただまぁ、インド映画独特のクセもあり、その辺ちょっと好き嫌いは別れちゃうかなーって感じではありますが。

興味がある方は是非!!

 

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