今日観た映画の感想

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2020年公開映画、個人的ベスト10発表

ぷらすです。

今年も残り僅かとなりました。

というわけで年末恒例、今年公開された作品の中で僕が個人的に気に入った作品ベスト10をランキング形式でご紹介しますよー!

ご存じのように、今年はコロナ禍の影響で公開されるハズだった映画が次々に延期され、また、私事で恐縮なんですが、数年間ずっと通ってたTSUTAYAが閉店したのを機にAmazonプライムに加入したものの、どうも調子が狂ってしまって思うように映画が見られず。

結局、今年は新旧合わせて例年の半分くらいしか映画が観れなかったんですよねー(´・ω・`)

まぁ、本数が少ない分ベスト10を選ぶのは例年より楽かもですけどねw

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その前に

と、その前にこちらも例年通り、2019年日本公開の作品ながら諸々の事情で昨年中に観られず、今年に入ってから観た2019年作品のベスト10を先に発表しますよー!(下に行くほど順位が上がります)

今年観た2019年公開作品ベスト10

10位 タンク・ソルジャー重戦車KV-1

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昨年はロシアの戦車映画が何故か大当たりした年だったんですが、その先鞭をつけたのが本作「タンク・ソルジャー重戦車KV-1」でした。
いや、ぶっちゃけストーリーの方はテンプレの継ぎ合わせっていうか、すでにうろ覚えなんですが、この映画の主役は重戦車KV-1であり、対戦車戦の駆け引きやドッグファイトこそが真に描きたかった部分だと思うし、本作はその一点において成功してると思うんですよね。

9位 ドクター・スリープ

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スティーブン・キング枠ってことで、「IT/イット THE END」とどちらを入れるか迷ったんですが、幼少期にクローネンバーグの「スキャナーズ」や「マニトゥ」の洗礼を喰らった身としては、本作に軍配を上げざるを得ないなーと。

長年「シャイニング」をオバケに取りつかれた親父に妻子が追い回されるホラー映画だと思い込んでいたんですが、39年ぶりに実は超能力映画だったと教えてくれた本作は、あの作品の続編とは思えない異能バトルが繰り広げられるエンタメ映画に。
もちろん「シャイニング」の映像インパクトとは比べるべくもないですが、続編としては割とそつなく作られてたし、個人的には好みの作品でした。

8位 洗骨

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「ガレッジセール」のゴリさんが本名の照屋年之名義で監督した長編映画です。
現在も沖縄県や鹿児島県奄美群島の一部に残る風習をモチーフに、自ら脚本も担当したという本作。
沖縄映画祭で、協賛している吉本興業の所属芸人が監督・出演する作品が公開される流れみたいのがあって、僕は本作もその中の一本だろうと正直ナメていたんですが、実はゴリさん映画監督はこれが3本目。(うち1本は自主制作映画)
内容的にも基本コメディーながら「洗骨」という儀式を中心に家族再生というテーマを丁寧に描いたところは、ちゃんと映画を分かっている人という印象だったし、奥田英二を始めとした俳優陣の演技も相まって非常に見ごたえのある作品でしたねー。 

7位 ファイティング・ファミリー

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家族全員がプロレスラーという家に生まれたイギリス出身の女子プロレスラー「ペイジ」が、世界最大のプロレス団体WWEのトップ選手になるまでを描く実話を基にしたサクセスストーリーで、WWEスタジオが制作したドキュメントに感銘を受けたドウェイン・ジョンソンがプロデュース、自らも“ザ・ロック”役で出演している作品。
プロレスラー役を役者が演じると、どうしても肝心のプロレスシーンがショボくなってしまいがちなんですが、本作ではWWE所属のコーチの下で主演のフローレンス・ピューらキャスト陣がしっかりトレーニングしていることや、実際のWWEの試合会場を使って撮影していることもあって、クライマックスのプロレスシーンも違和感なく楽しめる作品となっています。

6位 さらば愛しきアウトロー

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俳優だけに止まらず、監督・プロデューサーとしても数々の名作を送り出してきた名優ロバート・レッドフォードの“俳優引退作”。

本作の主人公で、まるでゲームのように犯罪を楽しむ男フォレスト・タッカーとレッドフォード自身を重ね、映画人ロバート・レッドフォードの半生をメタ的に描いた本作は、彼の過去作のオマージュは散りばめつつ映画のルックやテンポなどは意識的に70年代を意識するという、俳優ロバート・レッドフォードの最後を飾るに相応しい作品でしたねー。

5位 きみと、波に乗れたら

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四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」などで知られる湯浅政明監督が手がけた劇場版長編アニメです。

最初は80年代のホイチョイ・プロダクションを連想させるラブ・ストーリーかと思いきや、物語が進むごとグイグイ引き込まれていくし、特にクライマックスのある意味ドラッギーとも言えるアニメーションは生理的に気持ちがいい。
四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」が苦手という人も、この作品は楽しめるんじゃなかと思いますよ。

4位 ガリーボーイ

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実在のインド人ラッパーをモデルに、スラム暮らしの青年が思いの丈をぶつけたラップをYouTubeに投稿したことから、運命の扉を開いていく姿を描いたサクセスストーリー。
インド映画といえば、劇中に挿入される歌と踊りが特徴ですが、本作ではそれが劇中で作られるラップのMV&メイキングでになっていて、インド映画の新時代を感じましたねー。
ストーリーや映像も世界基準の普遍的な作劇ながら、しっかり現代のインドという国の問題も入れ込んでいて、近年インド映画のレベルの高さを感じた1作でした。

3位 アルキメデスの大戦

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三田紀房の同名コミックを原作に、山崎貴監督が実写映画化した戦争映画です。

天才数学者の主人公・櫂直を菅田将暉が熱演したことでも話題になり、山崎貴監督作品に厳しい(僕を含めた)映画ファンも、本作だけは褒めているのが印象的でした。

特に山崎監督も所属する日本トップのVFX制作会社「白組」が担当した、冒頭約5分の戦艦大和沈没のシークエンスは歴代邦画の中でもトップレベルだと思ったし、ミステリー映画を思わせるストーリー展開、そして櫂直が軍部のお偉方を相手に数学の知識を用いて対決するクライマックスやラストのどんでん返しも含め、非常に見ごたえのある作品でしたねー!

2位 ロケットマン

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Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」やタイトルでもある「ロケットマン」などの名曲で知られるエルトン・ジョンの半生を描いた伝記ミュージカルです。
フレディ・マーキュリーの人生を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」が前年公開・記録的大ヒットしたこともあって「二番煎じ感」が出た分、ちょっと割を食った感のある本作ですが、監督も同じで個人的には「ボヘミアン~」より本作の方が好きかも。

エルトンの年齢に合わせて前髪を剃り上げ、薄毛のウィッグを装着したり、(多分)多少の老けメイクや体重の増減などの役作りだけでなく、エルトンの名曲を歌ってみせた(しかも上手かった)タロン・エガートンの熱演も素晴らしかったですねー。

1位 T-34 レジェンド・オブ・ウォー

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第二次大戦中ナチスドイツが、演習目的で捕虜を生きた標的としていた史実を基に、捕虜となったソ連の戦車兵たちが演習用の「T-34」を盗んで決死の脱出に挑むアクションエンターテイメントです。

作劇的には、いわゆる戦争映画というよりある種のコンゲームもの的であり、主人公とナチス将校との切れ者同士のライバル関係は少年漫画的でもあると思いましたねー。

最新のVFXを駆使しつつも主役機のT-34実車を使うなど、大迫力の戦車バトルは最高!戦車好きにもそうでない人にも観てほしい作品でしたねー!

 

というわけで、ここからはいよいよ2020年公開作品の個人的ベスト10発表です!

 

2020年公開映画、個人的ベスト10

10位 デッド・ドント・ダイ

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ストレンジャー・ザン・パラダイス 」や「パターソン」など独特な世界観で知られるジム・ジャームッシュ初のゾンビ映画ということで注目された本作。
ビル・マーレイアダム・ドライバーティルダ・スウィントンら超豪華な布陣で作られたコメディー作品なんですが、個人的にはゾンビ映画としてもコメディー映画としてもイマイチだと思いました。
それでも今回10位にランクインいたのは、単純に映画としてレベルが高かったからなんですよねー。

僕にはハマらなかったけど、好きな人にはハマる作品なのではないでしょうか。

9位  初恋

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世界的に有名な監督ながら仕事を選ばないことで知られる三池崇史監督作品です。
超多作で職人監督的でありながら、どの作品にも隠し切れない作家性が滲み出てしまう三池監督ですが、本作の印象を一言で言うなら「トゥルー・ロマンス」+「パルプフィクション」を三池印の悪ふざけで割ったような感じで、評価は分かれてるようですが、個人的には三池崇史が世界基準に照準を合わせた意欲的な作品だと感じましたねー。

8位  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

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2016年にDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)第3弾として鳴り物入りで公開されるも、超酷評された「スーサイド・スクワッド」の中で唯一高評価を受けた、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインを主人公にしたスピンオフ作品です。

本作は主演のマーゴット・ロビー自らプロデューサーも兼任、監督にアジア系女性監督として初のスーパーヒーロー映画の監督となるキャシー・ヤン、脚本に「バンブルビー」のクリスティーナ・ホドソンを迎え、ハーレイ・クインを始めとしたメインキャストも全員女性キャラクターという布陣で制作。
男どもに虐げられる女たちが協力して逆襲するという、いわゆるイマドキな志の高い作品ながら、スカッと爽やかなポップコーンムービーとしても楽しめるようチューニングされた見事なエンターテイメント作品でしたねー。

7位  羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜

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WEB公開されている2Dアニメシリーズ(本編)の前日単として制作された中国の劇場アニメ。
随所に日本のアニメやゲームの影響が見えるし、監督自身もインタビューなどで日本アニメの影響を公言している本作ですが、それ以外にもハリウッド映画やディズニーなど洋の東西を問わず面白いと思ったら素直に取り入れるミクスチャー的というか、非常に現代的なセンスの作品でありながら、東洋思想がハッキリその根底にあるのが素晴らしいと思いましたねー。

6位  ワンダーウーマン1984

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「スーパーマン」「バットマン」に次ぐ、老舗アメコミ出版社DCコミックの古参ヒーローの単独映画第2弾。
これまで公開されたどのアメコミ映画とも違う、ワンダーウーマンというヒーローの方向性を示した作品であり、ロマンスあり、アクションあり、エモーション高めなストーリーはアメコミに興味のない人でも楽しめるのではないかと思います。
設定のロジックや細かい辻褄合わせよりも、物語やキャラクターのエモーションを優先させるストーリーテリングは、「鬼滅の刃」に通じるものがあると思いましたねー。

5位  フォードvsフェラーリ

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1966年のル・マン24時間レースをめぐる実話を映画化した本作は、「フォードvsフェラーリ」というタイトルながら物語の大半はフォードの重役vs主人公で、いわばハリウッド版「下町ロケット」みたいな作品でしたよ。

真剣に頑張る主人公たちに半笑いで横やりを入れるフォードの重役たちには(# ゚Д゚)ムキー!ってなるも、それでも作品が重く、暗くならないのは、本作がモノづくりの映画だから。
トライアンドエラーを繰り返しながら、レーシングカーが出来上がっていく様子は、単純にワクワクするし、そのマシーンに乗ってマイルズが勝利するシーンは映画的なカタルシスに溢れてるんですよね。
極力CGを使わず当時の実車を走らせて撮影してるレースシーンも大迫力で見ごたえありですよ!

4位  スパイの妻 劇場版

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第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清監督最新作です。
NHK BS8Kで放送されたテレビドラマを劇場用に再編集した作品で、太平洋戦争前夜の1940年の神戸を舞台に、貿易会社を営む福原優作(高橋一生)と聡子(蒼井優)夫婦が、満州である事実を知った事から人生が狂っていく様子を描いたサスペンス映画なんですね。
主演の蒼井優の劇場型の演技とは対照的に、抑えた演技ながら当時のインテリ男性を演じきった高橋一生の上手さに驚いた作品でした。

3位  2分の1の魔法

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魔法が科学に取って代わられたファンタジー世界を舞台に、亡父を蘇らせる魔法を求めて冒険するエルフの兄弟を描いたディズニー・ピクサー作品。

ポスターや予告編のビジュアルは歴代作品と比べてかなり地味だし、コロナ禍の影響をもろに受けた事も手伝って興行的に苦戦を強いられた本作ですが、実際に観たら、あまりに凄すぎて逆に凄さが伝わらないっていう、ストーリーテリングの教科書のような見事な脚本にビックリ。さすがはピクサーって感じでしたねー。

2位  ジョジョラ・ビット

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「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」やMCU作品「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティが監督が、第二次世界大戦末期のドイツやナチスによるホロコーストを、ヒトラーに憧れる10歳の少年ジョジョの目を通して寓話的に描いた作品。
ナチスホロコーストという重い史実をモチーフにしながら、ポップで可愛らしいコメディーとして描きつつ、退廃的な空気に支配されつつある現代と敗戦濃厚なドイツをリンクさせてみせたタイカ・ワイティティ監督のセンスが光る作品でしたねー!

1位  パラサイト/半地下の家族

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というわけで、個人的2020年ベスト1全僕の満場一致で「パラサイト」に決定しましたー!拍手喝采!(゚∇゚ノノ”☆(゚∇゚ノノ”☆(゚∇゚ノノ”☆パチパチパチ!!!

まぁ、今年の映画界はパラサイトに始まりパラサイトで終わるって感じなので、何の意外性もないと思いますが、実際面白いんだから仕方ない。

個人的な事で言うと、本作を観たのを機に見逃していた「グエムル-漢江の怪物-」と「母なる証明」もレンタルして観たんですが、ポン・ジュノ監督は現在、世界最高峰の映画監督だと確信しましたねー。

外国人監督の外国語映画ながら、アカデミー作品賞と監督賞をW受賞したのも納得ですよ。

来年の1月8日には地上波でノーカット放送されるらしいので、まだ未見の人は是非!

 

というわけで、今年公開された作品の個人的ベスト10でした。

とにかく今年はコロナ禍の影響で、大作の公開延期が重なるという映画関係者にも映画ファンにも辛い一年になってしまいましたが、来年こそはこのコロナ禍が落ちついて何気兼ねすることなく映画を楽しめることを望むばかりです。

というわけで、2020年公開映画、個人的ベスト10でした!

それでは皆様、よいお年を―!!(´∀`)ノシ