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”世界のMIIKE“初期作品「極道戦国志 不動」(1996)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは、海外での評価も高い三池崇史監督の初期作品『極道戦国志 不動』ですよー!

たまたまYouTube映画秘宝復刊記念のトークライブの中でタイトルが出ていたので、気になってレンタルしてきました。

三池崇史作品を観たことがない人は「なんだこりゃ」ってなること請け合いの作品で、逆に三池作品のファンにとってはちょっと物足りなさを感じる作品かもって思いましたねー。

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画像出展元URL:https://www.amazon.co.jp/ref=nav_logo

概要

古い体質の極道社会を崩壊させ、新世代社会を築こうとする高校生が巻き起こす戦争を、過激な描写で描いたバイオレンス。監督は「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」の三池崇史。原作は谷村ひとしの同名小説で、「リストラ代紋 史上最強の公務員」の森岡利行が脚色。撮影を「シャブ極道」の山本英夫が担当している。主演は「花より男子(1995)」の谷原章介。成人指定。16ミリからのブローアップ。(映画.comより引用)

感想

三池崇史とは

三池崇史は横浜の映画専門学校に進学、横浜にあった今村昌平の私塾で映画を学びアルバイトを転々としたあと、フリーの助監督として今村昌平恩地日出夫野田幸男、西村潔、井上梅次舛田利雄村川透など名だたる監督の現場を経験し、1991年「突風!ミニパト隊」で監督デビュー。

その後、映画、テレビドラマ、OVA、舞台など数えきれないほどの作品を手掛けてきた非常に多作な監督です。
作品を選ばず依頼された順に受けていくスタイルで、与えられた時間と予算の中で作品を仕上げていく職人監督でありながら、作品の中にしっかりと自分の色を出していくのが特徴で、特に、バイオレンスやエログロを執拗に描く露悪的とも言える表現で国内外の多くのファンから支持され、クエンティン・タランティーノイーライ・ロスパク・チャヌクなど、海外の名だたる監督にも影響を与えているんだそうです。

その一方で、過激過ぎるな暴力表現がしばしば論争を巻き起こし、初期代表作であるホラー映画「オーディション」が2000年のロッテルダム国際映画祭では記録的な人数の途中退出者を出すという伝説もあったりするそうです。

近年は、ビックバジェットの漫画・アニメ原作の実写版を監督し、原作ファンなどから酷評されることでもお馴染みだし、個人的にも「これはちょっと……」と思う作品も少なくないんですけど、じゃぁ他の監督だったらそれ以上の作品になったかと言えばそれはないと思うんですよ。

少なくとも、邦画の限られた予算・時間や様々な制約の中で(一定のレベル以上の)映画を作ることにかけては、やっぱり三池監督は今もトップランナーであり続けていると思うんですよねー。

本作は、そんな三池監督の初期作品の一本で、谷村ひとしの同名漫画を原作にしたヤクザ映画です。

主演は今や「パネルクイズ アタック25」の顔として知られる谷原章介
「花より団子」でデビュー後、3作目の映画出演らしく、まだ初々しさが残る演技でしたよ。

ざっくりストーリー紹介

小学生の不動力は、ある夜父親峰岸徹)が大好きな兄を惨殺する現場を目撃します。
父は、関西大手暴力団の夜叉組といざこざを起こしたオトシマエとして、自ら切り落とした兄の生首を夜叉組に差し出したのです。

その夜、兄の血で自分の背中に不動明王を彫った力は10年後、高校生にして九州仁王会不動一家の若頭をつとめるその裏で、古い体質のヤクザ世界を壊し極道新世代を築こうとする組織のリーダーに。

小学生やJKのヒットマンを使って、邪魔者である仁王会の四天王と呼ばれる幹部たちや仁王会の本山である仁王寺の阿平と吽平をも次々に抹殺。最大の敵である夜叉組の能間竹内力)の命を狙うが、能間と手を組んで九州を牛耳りたい父が、力の行動を知った能間の命令で、力の下に腹違いの兄・を刺客として学校に送り込み――というストーリー。

かなり荒唐無稽なストーリーなんですが、原作が漫画ということもあって、どこまでが原作設定で、どこからが映画オリジナル演出なのかはよく分からないです。

ただ、主人公が17才の高校生ということで、彼の部下?は全員がクラスメイトの女子や小学生男子なんですよねw

で、街はずれにあるアジトで、小学生の子供が射撃訓練や暗殺訓練をしたり、女子高生がマシンガンで敵を皆殺しにしたり、もう一人の女子高生はストリップ小屋で花電車(アソコで吹き矢を吹く)のアルバイトをしていて、その技を暗殺に活用しているんですね。しかも何故か両性具有という謎設定までついているっていうw

さらに、夜叉組の野望は日本を牛耳った後に北朝鮮と手を組んでアメリカを倒すことだったり、そんな夜叉組の動向を探るため不動たちは学校のパソコン室のPCをフル稼働させてたり。父親が差し向けるヒットマンで腹違いの兄は、元韓国の特殊部隊だったりね。

言ってる意味が分からないと思いますが、書いてる僕もよく分からないので大丈夫?ですw

要するに、後の”三池印“に繋がるエログロナンセンス満載の映画なんですよねー。

三池崇史覚醒前夜?

本作は1996年の作品ということで、三池監督作品としてはかなり初期の作品と言えると思います。

それもあって過剰なエロやグロは描かれているものの、三池監督の特徴でもあるヒリつくような“過剰な暴力”はかなり控えめ
また、それぞれのキャラクターの背景も描かれていないため、不動がどういう経緯で仲間を集めたか、彼ら彼女らが何故不動に従うのかなどは正直全く分からないし、三部作の第1作なのもあって物語的にもかなり中途半端な感じで終わっています。

というか、ぶっちゃけストーリーはあってないようなもので、ただひたすら誰かが死んだり、誰かを殺したりが延々続き、その合間にお色気シーンが差し込まれるっていう。

まぁ、この殺しのシーンはアイデア満載で多彩な死に方が楽しめるので、そこを楽しむ作品という感じでしょうかね。

もしかして、2・3と観たらもっと面白くなるかもですが、僕はこの1本で正直お腹いっぱいでしたねーw

興味のある方は是非!

 

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