今日観た映画の感想

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ヒーロー映画に求めるものが全て入っている「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」(2023)

ぷらすです。

今回ご紹介するのは『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』ですよ。

タイミングが合わず、この作品を映画館で観ることが出来なくて昨日Amazonレンタルで視聴したんですが、「あーやっぱ映画館で観ればよかった!!」って思わされた映画でしたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

コミック、ゲーム、アニメなどで人気を博した『ミュータント・タートルズ』シリーズのCGアニメ。4体のカメ忍者が、謎の犯罪組織に立ち向かう。監督は『ミッチェル家とマシンの反乱』などの脚本を手掛けてきたジェフ・ロウ。シャモン・ブラウン・Jr、アニメ「ドラゴン:レスキューライダーズ」シリーズなどのニコラス・カントゥ、アニメ「グレッグのダメ日記」などのブレイディ・ヌーンのほか、ジャッキー・チェンジョン・シナポール・ラッドらがボイスキャストを務めている。(シネマトゥディより引用)

感想

ミュータント・タートルズ」最新版

本作は、1984年にミラージュ・スタジオから出版されたケヴィン・イーストマンとピーター・レアードによるアメコミ「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」が原作で、これまでゲームやアニメ、実写映画などで何度も映像化。日本でもテレビアニメシリーズとして放送されていたので知ってる人も多いのではないでしょうか。

知らない人のためにザックリ説明すると、彼らはニューヨークの下水道を根城にする、レオナルド、ラファエロミケランジェロ、ドナテロというカメのミュータントで、義父であり師匠でもあるネズミのミュータント・スプリンターに武術や忍術を仕込まれ、人知れず悪と戦うティーンエイジ・ヒーロー。

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本作はその最新作で、彼らと師匠のスプリンター、ヴィラン達が、ある企業の科学者によって作られた薬品によって突然変異し、ミュータントになるというオリジンが描かれていて、本シリーズのヒロイン、エイプリルもタートルズと同年代の高校生という設定になっています。

まるで手書き&手塗りのような映像表現

アニメの映像表現というと2019年公開「スパイダーマン・スパイダーバース」がありますよね。

3DCGアニメーションながら、日本のリミテッド・アニメーションのキャラやカートゥーンアニメ的キャラも登場、そんな彼らが全く違和感なく同じ画面で動くという驚愕の映像表現。昨年公開の「アクロス・ザ・スパイダーバース」では一回見ただけではすべてを把握するのは不可能なくらい映像の情報量が上がっていて、まさにアニメーションの最新到達点と言った感じで誰もが度肝を抜かれました。

対する本作も3Dアニメーションですが、制作陣のインタビューによればティーンエイジャーが楽しく親近感のあるタートルズにするため「ノートの端に書いた落書き」をテーマにビジュアルを決め、あえてメチャクチャな遠近法やフリーハンドのような歪ませた線を取り入れ、色もまるで手塗りのような質感を再現しています。

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動きの方は言うまでもなく素晴らしいし、ある意味でスパイダーバースとは双極というか、まったく遜色ない映像だと思いましたねー。

ざっくりストーリー紹介

そんな本作のストーリーをざっくり紹介すると、マッドサイエンティストバクスターが動物をミュータント化させるための血清「ミュータンジェン」を開発。ハエのミュータント化に成功していた彼ですが、そこに血清を狙うTCRIという組織の武装部隊の攻撃によって命を落とします。そしてミュータンジェンが入った瓶が地下へと転げ落ちていきました。

それから15年後、ミュータントジェンを浴びたタートルズたちは、同じくミュータントになったネズミの義父であり師匠でもあるスプリンターによって育てられ、武芸や忍術を身につけますが、年頃の彼らは人間界に憧れ、同年代の人間と同じように高校生活を送りたいと思っているんですね。

そんな彼らは偶然、ジャーナリストを目指す少女エイプリルと出会い、協力して街で犯罪を繰り返しているギャング・スーパーフライの捕獲を提案。タートルズは世間に認められ堂々と街を歩く夢を叶えるためにエイプリルと手を組むことを決めるのだが――という物語。

もうお気づきとは思いますが、このスーパーフライは、ミュータント化したハエであり、彼と”兄弟たち“はミュータンジェンでミュータントの世界を作り、人間を滅ぼそうとしているわけです。

タートルズは自分たちと同じミュータントに出会えたことを喜びますが、スーパーフライの計画には賛成できず。そこにしつこくミュータンジェンを狙うTCRIと義父スプリンターも加わってNYは大騒ぎになるという乱暴に言えばX-MEN的な展開になるわけですね。

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そんな物語の中にはもちろん差別問題だったり、アメリカのみならず世界中に広まる不寛容や分断が描かれているわけですが、本作ではそれらのテーマを大上段に掲げることなく、あくまで「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」として明るく楽しいヒーローアクションになっているし、ちょっとネタバレになりますが、ある事件以降ずっと人間を毛嫌いしていたスプリンターに人間が手を差し伸べ、タートルズたちと共闘するシーンなどは、サムライミの「スパイダーマン2」を連想してしまう、僕がヒーロー映画にこうあって欲しいと求めている展開で、もう激アツでしたよ!!

そうそう、こういうのが観たかったんだ!ってなりましたねー。

今は、MCU、DCUという2大アメコミ映画カンパニーが大迷走中で、ファンも離れている状況ですが、両トップ陣営の人たちは本作を観て、今一度初心に立ち返って欲しいと思いました。

興味のある方は是非!!