今日観た映画の感想

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原作の世界がそのまま実写映画に「ゴールデンカムイ」(2024)

ぷらすです。

原作マンガやアニメが世界的に大ヒットしている『ゴールデンカムイ』実写映画版を、初日に劇場で視聴してきました。

金曜とはいえ平日だしそこまで混んでないだろうと高を括って午前10時台の回に行ったんですが、劇場はかなり込んでいて「さすが金カムだなー」って思いましたねー。

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

週刊ヤングジャンプ」にて連載され、アニメ化もされた野田サトルの漫画を実写化。明治時代後期の北海道を舞台に、日露戦争に従軍した元軍人とアイヌの少女、脱獄囚など、さまざまな思惑を持つ人々が、アイヌから奪われた金塊を巡り争奪戦を繰り広げる。監督は『HiGH&LOW』シリーズなどの久保茂昭、脚本は『キングダム』シリーズなどの黒岩勉が担当。主人公の杉元佐一を山崎賢人、彼の相棒として旅をするアイヌの少女・アシリパを山田杏奈が演じるほか、眞栄田郷敦、矢本悠馬玉木宏舘ひろしらが共演する。(シネマトゥディより引用)

感想

違和感ゼロの実写化

世界的に大ヒット、アニメ化もされている野田サトル原作のマンガを、ついに実写映画化した本作。

公開前、俳優陣が演じるキャラクタービジュアルがネット上で公開された時は概ね好評。特に鶴見中尉とチンポ先生はマンガから抜け出たようだと評判でしたが、主人公の杉本を、数々のアニメキャラを演じている山崎賢人が演じる事に関してはかなり否定的な意見が多かったように記憶しています。

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僕自身、同じくマンガ原作映画「キングダム」での演技やアクションが高く評価されているのは知っていましたが、彼は杉本役を演じるにしては優男でマンガより幼く感じたんですよね。ところが、いざ蓋を開けてみれば203高地で激戦を繰り広げる冒頭のシーンで、山崎賢人が演じる杉本への違和感はまったくなくなりました。「おぉ、メッチャ杉本じゃん!」と。

さらに他の役者陣もそうで、例えば白石なんかは僕的にはずっと千鳥・大悟のイメージだったんですが、矢本悠馬演じる白石はちゃんと白石だったし、土方歳三・鶴見中尉・チンポ先生、緒形などなど、みんなマンガやアニメから抜け出してきたようで、かといっていわゆる「コスプレ大会」とも違う、全員がちゃんと血の通ったキャラクターとして現実の世界に顕現しているのには本当に驚きました。

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山田安奈演じるアシリパもメッチャ良かったし、アイヌ勢で言うとアシリパの大叔父役の秋辺デボさんはアイヌの人らしいですが、フチ役の大方斐紗子さんがアイヌの人ではないと知って逆にビックリしましたね。それくらいハマっていたんですよね。

また、アシリパの住むコタンも、アイヌの人たちの協力のもと、草木から育てて建物もちゃんと建ててオープンセットを作ったというし、アシリパの衣装もアイヌ工芸家が一から手作りなのだとか。

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原作の野田さんもアイヌに人達に取材を重ね、金カムを描いていたのは有名ですが、本作でもアイヌ文化の部分を(おそらく秋辺デボさんなどアイヌの人たちが監修に入り)しっかり丁寧に描いているのが好感を持てたし、それが作品のリアリティーにも繋がっていると思いました。あと、金カム名物ご飯のシーンがメッチャで美味しそうでしたねー。ヒンナヒンナ

アクションシーンについては、「HiGH&LOW」シリーズも手掛けていた久保茂昭監督と「キングダム」の制作陣がタッグを組んでいるというだけあって、迫力もスピードもアクション設計も申し分なかったです。個人的には森の中で追いかける杉本と、腹ばいで雪の斜面を滑りながら逃げる白石のシーンがお気に入りでしたよ。そのあと真冬の川に落っこちてガタガタ震えるくだりは、演技じゃなくてマジだったみたいですけどもw

ほぼほぼ原作順守

そんな本作のストーリーを超ザックリ説明すると、北海道を舞台に、アイヌの隠し財産の場所の暗号地図が彫られた「刺青人皮」を巡り、鶴見中尉率いる第7師団、土方歳三率いるグループ、そして杉本・アシリパチームが三すくみで争奪戦を繰り広げるというサバイバルアクション。こちらはマンガやアニメで物語を知っている人も多いと思うし、観てない人でも大まかなあらすじや設定くらいは知っているのではないかと思います。

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僕もアニメ版はずっと追っているので、ぶっちゃけ最初からネタバレ状態で観ているんですよね。なので基本的には、アニメ版を実写でどう再現するのかを楽しむ感じの観方になっていて、逆に、本作の情報をまったく知らない人が観たらどう思うのかなーと思ったり。

ただ僕の見る限り、ストーリー的に多少端折っていつ部分はあるかもですが、かなり原作準拠で進んでいるので、初めて「金カム」に触れる人でもしっかり分かりるし楽しめる内容になっているのではないかと思いました。

むしろこの劇場版から観て、続きが気になったらマンガやアニメを観るという楽しみ方もアリなんじゃないかと。

聞いたところによれば本作では、原作20話分までを実写化しているそうで、まずはキャラクターとその目的、背景などの紹介に徹し、本格的に物語を進めるのは次回作からという計画なんだのかもですね。

あえて言えば

そんな感じで個人的にはかなり楽しめた本作でしたが、それでもあえて文句をつけるとしたら、個人的には衣装が綺麗すぎるのがちょっと気になっちゃいましたねー。登場人物の服が下ろしたてみたいに綺麗なんですよね。

まぁ、例えば第7師団の制服は、軍隊から何着か支給もされているだろうし、洗濯もするだろうから、ある程度小ぎれいでもそこまで違和感はないんですけど、今は除隊して、(恐らく)一張羅で着たきり雀であろう杉本の軍服が綺麗すぎるのはちょっとノイズだなーと。他のキャラクターもそうですが、わざわざ汚くはしないまでも、着ている服に経年劣化の掠れや解れ、色落ちなどがないのは個人的には違和感を感じました。これがアニメだったら別に気にならないだろうけど、実写になるとリアリティーが損なわれるというか。

そういう細かい部分が気になっちゃうのも、その他の要素が素晴らしいからだと思いますが、それだけに正直もったいないなーと思ったりしましたねー。

とはいえ、この作品が何部作構想かは分かりませんが、個人的にはメッチャ面白かったし、続編が公開されたら絶対劇場で観たい!って思いましたよ。

興味のある方は是非!!